このレビューはネタバレを含みます▼
出所した怜慈は10年ぶりに姉の待つ実家に帰ります。ところが早い時期からグレていた怜慈にたった一人、手を差し伸べてくれていた姉は既に亡くなっており、荒れた実家には引きこもりの光という甥がいました。甥がいることすら知らなかった怜慈に光は塩対応で目線を合わすことすらしません。他に行くあても金も無い怜慈は仕方なく、日雇いで働きながら光との同居を始めるのでした。出所後はキッパリと足を洗うつもりだった怜慈ですが、捕まる前に世話になっていた若頭補佐の東城から呼び出されてヤバい仕事を手伝うように仄めかされます。怜慈は断ることが出来ずにズルズルと引き摺り込まれそうになり、赤面症がきっかけで他人と関われなくなった光の辛さを理解するのでした。弱さと寂しさから犯罪の片棒を担がされた怜慈と、赤面症から孤立してしまった光の姿は今の社会のリアルです。思いがけない光の活躍という劇的な展開を経て二人は結ばれますが、東城からは逃げ出しただけで切れていないのが心配です。この辺りがスッキリする続編をぜひお願いしたいです。