残酷な神が支配する
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残酷な神が支配する

萩尾望都

ジェルミの救い

ネタバレ
2025年1月5日
このレビューはネタバレを含みます▼ 後半の方でやっとジェルミが溺愛していた母親を(あの女が…)と言った時にそれまでの残酷な神=母親の支配から逃れられたと思いカタルシスが凄かったです
それまでは息の詰まる様な話の展開でした
何がそんなにも読者の自分を苦しませていたかというと母親が息子が再婚相手から性的暴行を受けているのを知っても別れを再婚相手に告げなかったことです
父親を子供の時に亡くし母親を支えることがジェルミのアイデンティティになってしまっていたその母親がまさか自分の幸せのためにジェルミを犠牲にしたことを認められなかった
認めたら自分が崩壊してしまうから
しかも加害者を殺すために自動車に細工したことで母親も亡くなってしまう
母親を問いただすこともできないジェルミが後半やっと(あの女が僕を犠牲にした)と認めた時読んでいて救われる気がしました
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