レビュー
今月(4月1日~4月30日)
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シーモア島


投稿レビュー
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姿や形を変え2025年2月22日今でも姿や形を変え年齢や名前を変え 風と木の詩 は紡がれ続けている様な気がします
今BLとして長く連載されてとても売れている作品の中にもセルジュとジルベールの関係性を見てとれる作品があったりジルベールのキャラクター設定は創作者にインスパイアされ続けるのだろうと思います
男女では未熟なまま子供ができてうやむやになってしまう内側の自我の葛藤を少年同士で具現化する手法は圧巻
セルジュという社会に適合して成長したいという人格と子供の心のままひたすら愛をこうジルベールの人格のせめぎ合いの末に純粋に愛を求めた子供のジルベールが父性を求めながら亡くなる最後はまさに死闘でした
1人の人間の中に渦巻いて膨張する苦悩をとても明快に表現した作品です
ジルベールに勝って1人で大人になったセルジュがピアノでの創作が無ければ生きていられないほど負傷を受け全てジルベールに捧げる曲を奏で続ける
セルジュは勝者では無くジルベールを内包して大人になったと言う事なのかと思うと何が正しいのか混沌とてしまいます
喪失感の後に浄化された気持ちが訪れる物語りいいね
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私の存在2024年12月30日この物語の私の存在は戦後の日本に組み込まれたありがちな男で自分は上澄だけバンドやジャズを楽しんで美少年が重くるしくなったら容赦なく切るだけでなく自分の後ろめたさを振り切る様に砂をかけて犯し踏み躙ります
自分が悪いわけではないお前がオカマだから悪いのだと
私が踏み躙ったものは美少年だけでは無い
継がれるはずだった舞踊 何代も続いたお家 美少年の実らない切実な恋の願い 戦前の誠実な懸命な人々
自分の選んだもの(バンドや音楽関係の就職先など)だけが至高であると言うありもしない矜持を振り翳して自由を謳歌しながら彼女には品や奥ゆかしさを要求し最後まで自分を省みず時代のせいだ仕方ないと流して責任を一切取らず美少年の犠牲はなかった事にしてしまった
戦後の教育や風潮が産み出した得体の知れない怪物がこの物語の私なのではないかと思うのです
この得体の知れない戦後の日本を包む不穏な空気が産み出した怪物が本人は自分はごく普通のまともな人間だと思いながら年老いて亡くなるのかと思うと恐ろしくてたまりません
作者さんの漫画にする能力がすごいです
男性の私小説を女性の漫画家さんが描いた事で傲慢な性格の男性がもつ自分以外の人間が自分の犠牲になるのはしょうがない事という不遜な感じがより鮮明になって良かったですいいね
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