天使の化石
」のレビュー

天使の化石

亀井高秀

世紀末に描かれた懐かしの傍流少女マンガ

ネタバレ
2025年1月6日
このレビューはネタバレを含みます▼ 219ページ。
1995〜1997年に描かれた6作入り短編集。
BLジャンルになっていますが、少女マンガです。主人公が女子じゃなくて恋愛メインじゃないあの頃のあの感じ。全部の話に何らかの形で死が絡み、ちょっと描き方にカッコつけ感がある。
要素的には好きなんですが、ググッと来るもの、心に残るものがもう一歩でした。でも悪くないです。
〜〜〜〜〜
・『天国の門』近未来SF、博士の残した研究をめぐっての攻防と、博士とその娘との不器用な感情。これが一番良かったです。
・『水底の声』事故で両親を亡くし、親戚に引き取られた主人公。残された者の感情や、出会った同年代との少年と共に向かった「死」と選択。主人公に同調できなかったけど、なかなか良い。
・『Kiss of Death』男子高校生、謎の殺し屋に出会い少し日常を見直す話。
・『夏の天上』年子の兄弟、身体の弱い兄とそのせいで放置気味だった弟。
・『長い夜が明けるまで』妻を亡くした探偵と押しかけ女子高生。
・『天使の化石』未来のSF、アンドロイドと、逃亡する姉弟。SF設定好きとしてはもう少しアンドロイドの設定を詳しく見せてほしかった。
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