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今月(4月1日~4月30日)
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シーモア島


投稿レビュー
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中国昔話っぽい短編集(悪女とは限らない)2025年4月30日5月9日まで、2巻無料読み、3・4巻半額。
短編集。2巻まで既読。
レディコミっぽさは特になく、全方面におすすめできます。
「悪女」と銘打たれていますが、悪女じゃないのも多いです。
ドロドロ感もあまりありません。中国古典って、残酷な話がさも当たり前のように書かれている印象が強いのですが、その印象と同じように、さらっとドライで良いです。
1巻は、二話目以外はそれぞれが更に三つのショートに分かれているので、かなりスパッとまとまった話ばかりでその容赦なさが良い。高校時代にこういう短い物語を漢文の授業で習ったな、って思い出す感じでした。特に、三話目の『其の三 名画』が、サラサラと話が流れていってスターンとナタで切ったようなオチで、なんか好きです。
2巻は三話目までイソップ原案ですが、舞台は中国だしエッセンスが入ってる程度。一話目の『翡翠の徳』が、途中まで旦那がダメダメすぎてヒヤヒヤしましたw 二話目の『犠牲者』は、人々の思惑が絡んでおもしろかったのと、これが2巻までの中では最も悪女であったと思います。
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2025年4月現在、すべて読み放題に入っています。これが読み放題で読めるというのはたいへんお得。
作品内容文に各話の紹介がされているのが、短編集の内容文として有能です。いいね
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捏ねないで作れるのでとても手軽2025年4月29日111ページ。
リュスティックを作ってみたくて購入。
手軽さという点ではかなりポイント高いです。「捏ねなくていい」って素晴らしい。
また、リュスティックのレシピをネットで探すとモルトが入っているものが多いんですが、こちらはモルト無しなので、材料の揃えやすさという点でも嬉しい。パン作りに慣れていないこともあり、作ってみたものの微妙な出来にはなってしまいましたが、また作るぞ〜!って思える手軽さでした。
同著者のお菓子本が好きなので選びました。
パン生地そのもののレシピは3種類(ピザやリュスティック用(基本の高加水生地)、ホットク用、カンパーニュ用)で、各種具材のアレンジがいろいろ載っている構成です。アレンジはハーブとかサワークリームを使うような少し複雑でおしゃれな味の方向性。あと、ホットク生地にはアジア系。
めんどくさがりで子供舌の自分は、ハーブや香辛料系の具材アレンジをする気は無いし、ホットクに興味無いし、カンパーニュは材料の支度や難易度の点で手を出さなさそうだし、という感じなので、ちょっと割高なお買い物ではありました……が、料理本や手芸本にはお気に入りのレシピがひとつでもあれば充分という気もするので、買って損というわけでもありません。
アレンジ好きなタイプには、お得なお買い物になるかもしれませんね。いいね
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スーパーの食材で フランス家庭料理をつくる 三國シェフのベスト・レシピ136 永久保存版
三國シェフのチャンネルを観るために2025年4月29日167ページ。
この1冊で完成する料理本、としてよりも、三國シェフのYouTubeチャンネルを見るお供として使うと良いように思います。
この本で、材料や完成写真を眺めて「これなら作れそう、これが美味しそう」と思ったものを→動画で探して作り方を視聴してコツなどをおさえた後に→この本の作り方を見ながら実際に作る。
動画を見ながら作っていると動画のスピードに追いつけなくてあわあわしちゃうタイプなので、上記の手順を踏むのが向いています。
また、「うま味調味料(ブイヨンなど)を使わない」というスタイルのレシピなのもありがたいです。
ヴィシソワーズを作ってみましたが、今までで一番美味しくできました。……家族がヴィシソワーズ好きだったら何度でも作るのに……(我が家ではヴィシソワーズ好きが自分しかいない)。
あと、村上信夫さんのレシピをアレンジしたというもの(カレーピラフと鶏ひき肉カレー)が載っており、帝国ホテル料理長の味(に近いもの)を楽しみたいと思う自分には嬉しかったです。いいね
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イチカからスズへの感情の強火っぷりがいい2025年4月27日5月6日まで3巻無料読み4巻5巻半額。
コスメ動画配信が題材。
「ブス」の呪いをかけられた主人公スズちゃんが、イチカの圧倒的好意の後押しとコスメの魔法で自信をつけて成長していくのがステキな序盤。小学校時代に男子連中から「デブ」の呪いをかけられた自分にとって、スズちゃんがイチカに救われたことが本当に嬉しい……ああいう呪い、ほんとなかなか解けなくて自尊心削るんですよね……。
イチカからスズへの感情は、まっすぐで眩しくてとても強火。その強火っぷりが楽しいのと同時に、何があっても大丈夫っていう安心感があります。良い。
実際のコスメがズラーっと出て来たりするので、「今すぐ」連載を読むのが一番向いているんじゃないかなと思います。
不朽の名作っていうタイプではなく、新鮮なうちに「続き楽しみだな〜」ってしながら読みたい……ってことで連載を追って読んでいる作品。
電子の強み、好きなページに好きなようにカラーを使える、という利点がこの作品にはピッタリマッチ。白黒だとメイクのビフォーアフター表現に限界がありますが、アフターにカラーページを持って来られるのはとても華やかで気分がフワーッと上がります。
ストーリーは、ツッコミどころとかもあるんですけど、この作者さんの勢いはそういうのを吹っ飛ばす魅力がある。各エピソードや増えて行くキャラクターそれぞれを、楽しく眺めています。
オマケ漫画がまた楽しいんですよね〜、毎度笑っちゃう。
自分の好みなキャラは御手洗さん、一番応援してるのはイチカ、いい奴なんだけど諦めてくれって思ってるのはミチル、そして、ずっと絶対許さんと思っているのは多和田……なんですけど、14巻現在、段々見せてくる頑張りに「くそぅ……まだまだ許してなんか……許…………」みたいに心が乱れておりますw
私はほぼ化粧をしないので、コスメ関連の部分はあまりわかっていないけれど、スズちゃんと作者さんのコスメ好きパワーに引っ張られて、コスメと若いお嬢さんのキラキラにニコニコしています。親戚のおばちゃん気分。 -
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童話の漫画化はこういうタイプが良い2025年4月24日212ページ。
表題作は、アンデルセンの『雪の女王』の、描かれていない部分を膨らませた作品で、本の半分くらい。
原作ではあっけなく過ぎた山賊の娘との交流が、この作品では山賊の娘の心情にスポットを当てて、少女の友情ストーリーになっています。終盤で、山賊の娘がカイにかける言葉、これが良い。原作と同じ言葉であるのに、原作以上の含みがあり、原作とは違う「もう一人の女王」としての貫禄充分。
原作の忠実な漫画化とは少し違う、けれども原作の設定だけを取ったようなものと違って、原作世界を壊すことなくうまく独自の解釈を入れてある……童話の漫画化はこういうタイプがいいですね。
巻末には描き下ろしのショート漫画『泣きむしなさかな姫』が収録されており、こちらもかわいらしさともどかしさのあるおとぎ話で良かったです。
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同時収録されている読み切りは、いずれも現代日本舞台。
片方は恋愛もの、もう片方は高校生の殺し屋設定でふんわり重めの背景をちらつかせたもの。
どちらも、キャラクターとストーリー共に自分の好みに合うところがありませんでした。 -
花たちの語る話が好き2025年4月24日昭和30年翻訳版なので、ことばが古めかしくて良いです。
古い作品には古い翻訳が合う……無理に新訳を出さなくていいのよ……と思っているタイプにはありがたいですね、青空文庫。無料ですし。
藤田貴美『雪の女王』(漫画)を読むのに合わせて、読んでみました。ぼんやりと内容は知っていても、きちんと読んだのは初めてかもしれません。アンデルセン童話はキリスト教賛美色が強いのが個人的欠点ではありますが、だからこその美しさもあって良いですね。
作中、物語の主流から少し外れて、花たちが自分たちの物語をそれぞれする場面があるのですが、そこがなんだか好きです。
しかし、改めてこうして読んでみても、「カイ、何もしてないな……」「ゲルダってカイの何がそんなにいいんだろ」「雪の女王は何がしたかったんだ」という感想は変わりませんでした。
これは自分がひねくれ者のせいなのか……?いや、それだけじゃないはず……みんなきっとチラッとは思ってるはず……! -
膝下丈で回ると広がるスカートには夢がある2025年4月18日もちろんペチコートとドロワーズにも夢がある。
「メイドさん」だから「メディスン」という雑なネーミングなのにも趣がある、著者最初期作品(と、その続き)。
1巻収録作は同人誌発表で、発表当時「ものすごいのがキター!」ってワクワクしたのを覚えています。
1巻には『シャーリー』の他、5歳の坊ちゃんと遊び相手のメイドとコマドリの雛の話『僕とネリーとある日の午後』、イタズラ仕掛け好きの子爵の大旦那と強気なメイドの日々『メアリ・バンクス』が収録されています。
2巻収録作は商業発表。着々と描き込みがみっちりしていきますw
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仕事はものすごくできるけどまだまだ少女であどけなさもあるシャーリー、少しうっかり屋さんの主人ベネット。二人の日常はなんてことないけれども、ガラス瓶にひとつひとつためていくビー玉のようで、いつか振り返ったときにそのきらめきを懐かしみ、笑顔になって、新しい一歩を大切に踏み出せる……そんなやわらかな光をたたえています。
シャーリーがベネットに向ける「大人」への憧れの眼差しと、ベネットがシャーリーに向ける「子供」への慈しみの眼差し、友人でも家族でもない関係性の中でのお互いを尊ぶ心が、相手が喜ぶと自分も嬉しい様子が、なんとも好ましいです。
そんなやさしい雰囲気の中で、膝下丈で回ると広がるスカートとか、人形に自分で服を仕立てるとか、コルセットとか、蓄音機とか、靴のデザインとか、紅茶を注ぐ姿とか、現実では些細ながらも著者によってクローズアップされている愛すべき物や事柄に「そこが大事なんです!」って著者に同化する勢いでのめり込みたい。
あと、1巻と2巻それぞれで見られる、シャーリーとベネットの「暖炉の火を見つめる横顔」が、すんばらしい対比になっているなと思うので見て!そこが大事なんです!
あとは2巻の夢のシーンが可愛すぎて悶えます。
世界名作劇場の『牧場の少女カトリ』のようなさりげない日常の短篇連作が一番向いている作者さんだと思っており、この作品が最高に好みです。今後も、あまり大きなストーリーを混ぜないでほしいと切に願っています。
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まだ単行本に入ってないのもけっこうある(Wiki調べ)ので、単行本が出せる分たまるまでの繋ぎに、単話で配信してほしい……とりあえず要望は出版社に出しましたが、同じ要望が集まって実現したら嬉しいな。
さあ、あなたも要望を出そう! -
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善きものに幸福を、悪しきものに復讐を2025年4月17日クローバーっていろんな花言葉があるんですね。いろいろあるのを総合するとちょっとヤンデレ感が出ておもしろい。
宇一に悲惨な結末を迎えさせないためにがんばるよつはちゃん。
目新しさがあるわけではないタイムリープものですが、やり過ぎな残虐性とか意味なくラッキースケベ展開とかが無く、気軽なエンタメとして摂取するのにほどよいバランス感。個人的には雨宿りのシーン(3巻収録)が、ちょっとエッチではない方向の展開だったことに、宇一(と作者さん)への信頼度が上がったので、宇一の幸せを応援したいです。
八重が笑っちゃうほどキモいのも見どころ(?)。
3巻段階でもまだまだ謎ばかり。追いかけ切れるかちょっと不安なペースの話の進み方ではありますが、行ける範囲でついていこうかなと思います。いいね
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えっこれコメディーなの?(1巻のみ)2025年4月17日1巻無料になっていたので読んでみました。
『チ。』を途中まで読んでいてどうしてもひっかかるところがあって続きを読むか迷っており、こちらが短く完結しているので手を出してみることに。最後まで読んだらレビュー更新します。
現段階では、なんかもう読んでてつらくてつらくて、ジャンルがギャグ・コメディーになっていることに驚愕しています。私、お笑いがけっこうな割合でイジメにしか見えなくて積極的にお笑いには触れないんですが、この作品が「ギャグ・コメディー」に分類されているのもそれに近しく……えっ、みんなこれを笑いながら読めるの?って挙動不審になってます。
主人公を「かわいそう」と感じるのは自分の傲慢である。けれども主人公の周囲のセミナーの輩とかに嫌悪と怒りを感じるのは、自分の選んだ正義である。そんなスタンスで、年末あたりに続きを買って読もうと画策しています。 -
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気軽に読めるサスペンスドラマ2025年4月16日30日まで無料読み。471ページ。
単行本版と分冊版が、ともに2025年4月現在読み放題に入っています。
スタートはDVですが、逃亡先で触れる人情、過去の事件、夫の異常性など盛りだくさん。酷い目には遭いますが、ドロドロはせず、勢いよく最後まですっきりと。火サスの気分で楽しめました。
主人公がちゃんと「母親」してるな、ってところに好感が持てます。
一方、作品に出てくる主人公以外の母親キャラクターは、みなさんなかなかの難アリな生き様。
特に主人公の母親が私はイヤです。作中、主人公が新婚旅行で殴られた段階で逃げられなかったのは、間違いなくこの母親のせい……どこに出しても恥ずかしい毒親であると感じますし、そういう母親に育てられた娘って、我慢しなければならないっていう認知の歪みで初動をミスりがちだよなって気がします。
MVPは、ホームサービス女社長の息子さんに進呈します。 -
このさりげなくあたりまえなファンタジー2025年4月12日全3巻の、ファンタジー短編集。各巻200ページぐらい。
〜〜〜1巻〜〜〜
・『大嵐』春の嵐に吹き飛ばされたおじいちゃんとパパとマイク。森に住む少年のトキとその相棒のバンダに会って過ごす、ひとときのメルヘン。おじいちゃんの心情、ラストまで素晴らしい傑作。星5つ。あと「しそ茶」はたぶん「バジルティー」のこと。
・『月世界通信販売』深夜に訪れる郵便屋、おとなりさんから聞こえる謎の歌と叫び声。謎が解けたその後に、きっと幸福が訪れる、そんな予感であたたかくなる話。
・『非常識な死体』コミカルな「蘇った死体」の話。いわゆるゾンビとはちょっと違うけど、死体ネタに笑う。ラストの真相も、エピローグ的な最後まで、飽きないおもしろさ。星5つ。
・『ジュラ』母を亡くした娘と、その父親と再婚相手。イマジナリーフレンドの要素を加えた切なさのある話。みんな良い人であり、だからこそあたたかさが切ない。星5つ。
・『神が喜びを下さるように』かつて別れた恋人同士の二人に起きる、クリスマスの奇跡。ケーキくずやベルベットリボンの裁ちクズにボタン、こまごました描写が好き。
〜〜〜2巻〜〜〜
全篇星5つ。
・『西風星』1巻にも登場したバンダとトキの、西風を吹かせる星を探しての、山向こうへの小冒険。ひなぎくには、trembling starというウェールズでの呼び名があるそうです。
・『骨董刺繍』骨董店での不思議な出来事。海とバラのイメージがすてきで、店主と息子のやりとりが軽妙。この1話しか無いのが少し残念なくらい、気に入っている話。
・『浸透圧』シリーズ3話。学生二人が巻き込まれる、異次元世界の騒動。著者の空想が自由に繰り広げられて、にぎやか楽しい。
〜〜〜3巻〜〜〜
この巻だけ舞台が日本。
・『夜のタンゴ』みんなのうたの赤鬼と青鬼のタンゴからできたお話なんだろうな。楽しい、鬼との遭遇。
・『テルテルボーズの怪』梅雨時、湿気まくる安下宿のようすに笑う。
・『盂蘭盆会』明るくにぎやか、現代バケモノ話。
・『紅葉おろし』平安時代のあやかし話。著者らしい、人と妖とのへだたりの無さがとても好きな星5つ。
・『クリスマス配達員』現代クリスマス話。各ご家庭の様子がさりげなく良いハートフルクリスマス。
・『百鬼夜行』平安時代。気ままなお公家様と振り回される奉公人のやりとりが楽しい。ガイコツの芸もなんか良い、星5つ。 -
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オタクの贅沢で楽しいお遊び2025年4月7日SF的な「アンドロイドと人のと交流」を期待して読んでみたら違ったw 1巻分くらい読みました。
それぞれの人が作るそれぞれのアンドロイドのオムニバスで、個々のオタク的趣味が赤裸々なアンドロイドが誕生していきます。
見どころは何よりも、各々がアンドロイド製作の際に差し出す「わたしの考えた最強(に自分の趣味を詰め込んだ)のキャラクター」の設定書。イタいw イターーーーーいwww だがその熱量がイイ!!
この設定書を実用アンドロイドとするために店員さんが設定を一緒に詰めてくれるんですが、ああ〜このお仕事ものすごく楽しそう〜!ってうらやましくなりました。
自分としては繰り返して読むタイプの話ではないので星は3つですが、楽しい作品です。
あと、自分だったらどんなアンドロイドがいいかなぁ〜って、作れもしないのに考えちゃいますね!皆様はどんなアンドロイドを作りますか?私は地味目だけどふわっと笑顔がかわいいメイド(スカートはふくらはぎ丈)一択です!「奥様」って呼んでもらうんだ! -
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昭和を懐かしむ短編集(1巻既読)2025年4月3日短編集。
1巻『彩子』は192ページ3作品入り。
・『彩子』
さえない子を略して「さいこ」と呼ばれる、コンプレックスだらけの主人公。個人的には、成績がめちゃ良いんだからそんなにオドオドしなくてもいいのに〜イヤな奴らなんか学力で殴っちゃえよ!って応援しちゃいますが。助けてくれる理絵がめちゃくちゃ良い子です。二人の友情が育っていけばいいな〜って思いながら読んでいたので、展開の方向性が少し好みからズレ、呆気なさがありました。あと光崎は乙女の敵なので許しません。
・『フライング メール』
憧れていた従兄が元クラスメイトと結婚する……大ショックの主人公が飛行機事故に遭い、精神がそのクラスメイトの中に入ってしまったという話。徹底的な失恋がかわいそうなくらい。クラスメイトの気持ちも見たかったな。これが一番良かったです。
・『オン ザ ウェイ』
新谷かおる原作。舞台はアメリカ、自動車メーカーの買収と非合法カーレースの話。昭和のワイルドなアクション漫画、楽しかったです。主人公が1話目に出てくる理絵ですが、話につながりはありませんでした。
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佐伯かよの作品、読み返したいほど好みではなくって星4に及ばないんですが、ついつい読みたくなって最後まで読んじゃうという点では星3以上に好き、という微妙なラインにある……今作も読めて良かったです。楽しめました。 -
大丈夫かってくらい期待している2025年4月2日1話目無料読みかつ0円販売。
お気に入りの作家さん、ファンタジーという好みのジャンル、以前描かれた中世オメガバース作品がめっちゃ気に入っていることもあり、期待値MAXで1話を読みました。
きっちりと考えられている設定、見え隠れする伏線、そして描き込みが丁寧な絵。
これは先行きが楽しみです!
少し陰のある主人公、闇から生まれた魔物、戦争の傷がまだ癒えぬ村……薄暗さのある雰囲気の中、どんな秘密が隠れているのか、そしてどんな光を見せてくれるのか。
「描かれていない部分」まで大切にする作者さんだと思っているので、ゆっくりとでも丁寧に物語を進めてほしいです。
1年で単行本1冊分くらいのゆっくりめペースの連載、期待値が上がりすぎないよう、気を鎮めながら楽しみにお待ちしています。
できることなら2〜3巻で完結するとありがたい……あまり長編が得意ではないもので……。
連載開始から注目しているのに、3月24日に単行本1巻が出て4月2日現在レビューゼロという状況に思い余ってレビュー入れました。とりあえずみんな読んでみませんか。 -
寄せ集め、いえバラエティに富んだ(作者談2025年3月3日178ページ。短編集。
表題作は、一応全5話のシリーズですが、キャラクターにもストーリーにも特につながりのない、ホラー読切集です。基本は荒唐無稽で笑いに到達する感じのホラーです。3話目の『彼女のスーツケース』は正統派ホラーでミステリーな感じで面白かったです。そして4話目の最後のセリフが、この作者さんらしいなって思って大好きです。
〜〜〜以下同録作について〜〜〜
『恋の亡霊』は元気にグロく、『囚われ人』は緊迫感あるバトル系で、いずれも主人公のその後が心配です。
『同級生』と『旧友』はショート。いずれも不気味で良かったです。
『死体と暮らすな子供たち』はゾンビもの。がんばる小さな姉弟がおそろしくもかわいくかわいそう。題名から同著者『闇夜に遊ぶな子供たち』の関連作かと思ったら全然関係なかった……『闇夜に〜』が大好きなんですが販売終了してしまって悲しい思いをしていましたが、2025年現在、完全版が電子化されており、ぜひぜひシーモアさんでも販売してほしいです。リクエストはしました。 -
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台湾人作家による東洋妖怪もの、面白かった2025年1月25日297ページ。
龍や妖怪の登場する台湾ファンタジー。個人誌発表作を集めた読切連作。内容説明文と試し読みで、兄弟が主役というのに後押しされて買いました。兄弟いいよね、兄弟。
兄弟の、辻芸人として各地を巡る龍探しの旅、その先々での妖怪話。悪い妖怪を倒したり、土地神様と交流したり、人情に複雑な思いを感じたり、各話それぞれ楽しかったです。人喰い妖怪がフツウに出てきて、2話目なんかも最後はほのぼのでまとまってるんですけど考えてみたらそいつ人喰ってんじゃん良いの?ってなる、日本とはいささか異なるワイルドさ。それもまた良し。
特に気に入っているのが4話目の『薬行者』で、弟主役の、薬師の少女と少し旅路を共にする番外編っぽい話で、どこがどう良いのか説明できないんですが、なんとなく好きだなぁって思う話です。
巻末描き下ろしが7ページながら、兄弟の関係がわかる話で、単行本におまけとして入れるにふさわしい良い話でした。
商業連載というわけではないため、龍を探す旅という大きな枠組みに関しての理由や行く末に、はっきりとした道は見えません。このシリーズ自体もまだ作者さんが描くつもりがあるようで、完結もしていません。そのあたりの不安定さがいささか気にはなりますが、一つ一つの話は面白く、この1冊でも満足の仕上がりです。ちょっとおまけの星5つ。
いつか次の巻が発表されたら嬉しいな。
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今まで中国人韓国人作家さんの作品をそれとは知らずに読んだことがあるのですが、キャラクターの性格だったり倫理感だったりに違和感があって日本人作家でないことを知る……というパターンに懲り、基本的に外国人作家さんの作品は避けています。
今回、試し読みはすごく自分の好みっぽいけど台湾人作家さんということで、めっちゃくちゃおそるおそる読んだのですが、そういった違和感におそわれること無く読めて安心しました。良かった。 -
入れ子構造の不思議話、最高です2025年1月23日各巻約200ページ。
明治末から大正時代!書生!!不思議話!!!そして猫……!私の好きな波津彬子全部盛りって感じです。「雨柳堂」の新規供給がない今、これはたいへんありがたい。
小説家のもとに、誰かから届く不思議な話の書かれた手紙、その内容に呼応するような書生の身の回りでの出来事、という入れ子構造の読切連作。更に大きな流れとして、書生のいわくが徐々に明かされていきます。
読後感がほわっとするので、スキマ時間にお茶を一服の気持ちで読めるのも良い。
特にお気に入りの話は、第六話『嫁入り狐』(1巻収録)。いろいろと笑った。あと、第十話『新茶』(2巻収録)。ふわっとお茶の香りに包まれるようで気持ちが良かったです。
小説家・高村先生が、自作の小説の幻想譚より新聞小説を褒められて不満気だったので、「私は絶対に幻想譚を推します!」って言って差し上げたいw(漱石は断然『夢十夜』派)
イチ推しキャラは、高村先生に見合い話を持ってくる伯母様。こういうキリっとした頭固そうなキャラ、この作者さんが描くと味わい深くてよろしいです。
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実際に日常的に和装をなさっているので、和装の描き方が自然で素晴らしいんですよね。そして実際に猫を飼ってらっしゃるので猫のかわいらしさが素晴らしいんですよね。櫨染さん(さん付けしなければならない気がする)最高です。 -
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「狐女房」とは異なる方向性の昔話。良い!2025年1月15日195ページ。
表題作3話で本の半分くらい、そこに読切3作とオマケを収録した作品集。
表題作、タイトルおよびジャンル(少女マンガ・恋愛)で、てっきり異種婚姻譚かと思いきや、違ってました。助けた子狐との男同士の友情話で、そこに、狐側の「仲間を殿様に狩られた恨み」だったり、主人公の幼なじみの少女のかわいげだったりが絡み、とても良かったです。星5つ。
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・『よわむしのシゴト』異世界ファンタジー。森のヌシの生贄にされた少女と、ヌシの中にある世界。楽園を築く話。少しメッセージ性が強い。
・『キュッキュ』洋風現代。犬を拾った女の子。犬と女の子が流れ星に願ったのは……?確かにハートウォーミングな話なんだけど、展開が思ってたんと違う方向に行っておもしろかった。星5つ。
・『ブチの家』現代日本。おばあちゃんの家、その飼い猫、そして飼い猫のテリトリーに入ってきた男の子(孫)。猫対男子のやりとりが楽しく、まとめ方もほど良い。星4つ。この作品の4コマが、描き下ろしオマケとして付いてます。
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明るくて、ちょっと笑えて、ふわっとハートウォーミング。あとがきに、いくつかキャラ名の由来があるんですが、その雑なセンスが好みですw
「恋愛」ジャンルではなく「ヒューマンドラマ」ジャンルだと思うので、そういうのがお好きな方はご一読を。
ヒューマンドラマ自体は好きだけど、あまり演出とかが大仰なのは好きじゃない……という方に特に向いています。 -
パリのクロッシェレース ドイリー:アンティークを知る、つくる、使う
かぎ針編み経験者でアンティーク好きな方に2025年1月13日131ページ。
「知る、つくる、使う」とあるように、「つくる」だけの実用手芸本ではなく、レースの歴史とか著者のパリエピソード読みものや、実際に使用した写真などが収録された、総合本です。
その中でも「つくる」の分量は多く、40点の編み図が掲載されているというのは、なかなかお得な気がします。アンティークレースのデザインは、現在のものとはまた違った雰囲気があり、それが40点も実際に編めるというのは素晴らしいです。そこは星5つ。あれもこれも編んじゃうぞ〜!
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注意点は以下。「多くの編み物本にある、編み方の基礎は載っていない」「使用糸、使用編み針も載っていない(サイズは書いてあるがあくまでアンティークレース実物のサイズである)」「表紙のドイリーの内、上から2番目と3番目の編み図は載っていない……ってかクロッシェレースではなくボビンレース(立ち読みで見られる中扉の繊細なレースもクロッシェではなく、別の技法。もちろん編み図は載ってない)」
……と、上記注意点をまとめると、編物実用本としては中途半端(材料や基礎を載せていない)、また、実際に作れるのは確かに「クロッシェレース」ではあるものの、読み物や表紙にクロッシェ以外のものを載せているので、タイトルに違和感があります。なぜわざわざタイトルに「クロッシェ」を入れてしまったのか……。そのあたりで星マイナスですが、編み図の掲載されているドイリーはステキデザインが多く、アンティーク好きでレース編み好きには満足度の高い一冊になると思います。
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で、さっそく96ページ掲載のオーバルのものを編んでみたんですが。奥付けに「一部の作り方は編みやすいように翻訳しています」との注意書があるように、実物と編み図にズレがあります。最終段の編み方は「間違い」に近いと思います(実物写真見て編み方変えました)。また、よく見ると本体部分ネット編みの増やし方も実物と異なります。ドイリー説明で「幻のオーバル」「美しいオーバル」と形を大絶賛されているにも関わらず、その形に影響を及ぼす部分を編みやすさのために変えてしまうとは……全体写真もドイリー単独ではなく中心部が隠れているため、写真をよく見て実物に近付けるのも厳しい(私にはできない)……ある意味読者にとっても「幻」のオーバルドイリーです。
けどオーバルの編み図は珍しく、出来上がりもかわいく、おすすめです。 -
自分好みのかごトートが作れちゃう2025年1月10日底の部分5種、持ち手6種に、本体のための模様編み100種が収録されていて、自分好みのかごトートが編めます。こういう本は、どういうのを作ろうかと組み合わせを考えている時間が夢いっぱいで楽しいですね!
底や持ち手は立ち読みで見られますので、どういうタイプがあるのか確認してから購入なさると良いと思います。
基本的にはサイズ調整などを自分でやりたいという意欲のある中級者向きだと思いますが、アレンジバッグとして11種類(トート以外もある)、そのまま編み方が載っているものも収録されています。
本の中で紹介されている材料は、かの有名なエコアンダリヤですが、本物のラフィアで編んだらさぞ高級感あるものができるだろうな〜……などと妄想しつつ、私はそこまで本格ではないダルマのギマで編んでます。 -
美酒のごとき毒に酔うレトロサスペンス2025年1月6日1巻209、2巻207ページ。
キュートでポップな作風に特徴のある作者さん。私はその中にある純度の高いイノセントな毒っ気が好みな訳ですが、今作はその毒分量が非常に高い闇系です。待ってた!
昭和初期の日本が舞台、怪しい犬神系宗教の教祖である美少女・涙子と、その周辺で起きる事件、その事件を追う若い警察官・沢渡の物語。
レトロな雰囲気、番犬の居る洋館、ほんのり漂う百合、その他諸々いちいち好みでたいへんよろしいです。
そして、一番気に入っているのが、主役二人のキャラクター設定。涙子がサイコパス感あるのはもちろん良いんですが、それに相対する沢渡が、涙子の「同類」であるところが素晴らしい。正反対の立場にありながら根底に同じものも流れている、そういう関係性良いよねぇ〜〜〜!
あと、なんてったって「なみだこ」という名前が良い。「さくらこ」とか「みどりこ」とかの「子」が付く4音名って、すごくお嬢様感あってすごく好きです。
権力が絡む物語そのものも面白く、時代設定がなんちゃってではなくガッチリ年が特定できるので、この先どう展開するのか、第二次大戦が絡むのか、気になるところです。
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不定期連載なので刊行ペースが遅めですが、2巻が10話まで収録で、現在14話まで進んでおり、今年中には3巻が出て完結するんじゃないかとふんで購入。続きが気になる〜!
(連載中につきレビューは適宜変更)
2月に最終話が雑誌に載り、3月には3巻発売予定だそうですよ!楽しみです。 -
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ただそこにある「業」2025年1月2日170ページ。
野田(教師)と三谷(生徒)。救いは求めていない、理解も必要ない、そこにあるのは「業」である。
野田の内側から湧き上がる緋赤の熱、三谷の蒼炎の眼差し、とても良かったです。
それぞれの性癖は、それぞれの過去によって強化されてはいるものの、それは「理由」ではないな、と感じさせ、二人が出会ってしまったことも、その生まれつきの「業」を増幅させこそすれ、そこに美しい「意味」を見出せるものではない……。
この作者さん、前作でもそうなんですけど、嗜虐性を描くのが上手いですね。私は「ただそこにある怪異」タイプのオカルトものが好きなんですが、この作品にはそれに通ずるものを感じます。 -
キャラが光るほのぼの王道恋物語2025年1月1日1巻165、2巻159、3巻141ページ。
フルカラー。作中に「ありきたりな物語」とあるように、奇をてらわない、ほのぼのとした恋物語。それぞれの山にいる神様の設定には少し悲しくなっちゃう部分もありますが、基本的に王道ほのぼの(ライバル有り)です。
こういう作品は、キャラクターが好みに合うかどうかが大きいと思います。私の好みには合いました。
小柄ながらも紳士な猫、大きな化け物とはいえ心は可愛らしい乙女なお嬢さん、お嬢さんのためにがんばる猫紳士がステキです。ライバルキャラの火山の王も男前でした。
また、フルカラーを活かした演出も良かったです。
本編終了時は、素直にかわいく星4つかな、と思ったのですが、続く特別編2本がとても良い締め括りになっており、これは4つでは不当だなと思いまして、ちょっぴりおまけの星5つです。いいね
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どうしようもなく違って哀しいほどに同じ2024年12月31日281ページ。
山の犬神の代替わりに端を発する物語。山を追い出されたノジ(人間)とイノ(犬)、過分な権利と迫害により変容していくノジがおぞましく、それでも隣にいようとするイノの純真が切ない。
二人の種族と心、どうしようもなく違って哀しいほどに同じ。決して誰かが悪かったとは思えないやりきれなさ。
どうがんばっても埋められない違いがある、それでも大事な相手を大事にしたまま、二人が歩んで行く道の選択……最初から最後までザクザクと胸に刺さる感情、そして結末まで、素晴らしいです。
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作中の癒しは、カツ兄さん(犬)とタキ(人間)の夫婦。平和な異種婚姻譚と、カツ兄さんの男前さに和みます。 -
潔癖さのある百合感が好み2024年12月18日1巻209、2巻191ページ。
4人の少女と、殺人と、恋愛と。
この作者さんの描く百合感がけっこう好きで、これも百合描写は良かったです。潔癖な感じと触れ合いたい気持ちと、ちょっとダークサイドなメンタルが良い。
殺人の絡んだサスペンス部分が軽すぎて、そこのハラハラ感は薄く、ちょっと鑑賞の妨げになった……計画的殺人無しの、4人の少女の群像描写だけの方が、自分の好みだったかもしれません。4人とも、なかなかの少女っぽさで良かったです。
その一方、出てくる男性キャラがもう、軒並みばっちい!
少女を食い物にする男どもで、もうほんと、ペッペッてしてから手を洗いたいばっちさ。
そんな感じで、良いところばっちいところ相殺って感じになってしまって星の数が少なめですが、他作品ももっと読みたいなって思う作者さんです。 -
中学時代の、妄想を混ぜた日常2024年12月16日1巻179、2巻162、3巻229ページ。
中学時代って一番厄介ですよね。そんな厄介な時期を、日常と憧れと少しのファンタジーと妄想で描いた作品。中学生男子のちょっとキモチワルイところにリアルさがあります。
かなり面白かったんですが、そのキモチワルイところが、かつて中学生女子であった自分にわずかな恐怖心を引き起こして落ち着かない分、星の数が上がりませんでした。ごめん。
けどそこを含めての良作だと思います。
太郎とヤスシの、ちょっと上手くいかないこともあるけど確かに繋がった友情も、いいなって。
……翼の生えた細井くんに関しては……誰か、誰か彼に事実を教えてあげて、という気持ちと、内緒にしておいてあげたい気持ちとのせめぎ合いで、答が出ません。いいね
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セール時に購入できればお試しとして良い2024年12月14日899ページ。
41篇入り、ハルタ作家陣による読切集。
森薫さんの影響が強く出ている作者さんが散見される印象です。絵とか演出とか。
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以下、星4以上作品感想。
・山本ルンルン『魅惑のタピオカミルクティー』(10p) タピオカミルクティー屋の2階に隠されたひみつ。タピちゃんがかわいくないようなかわいいような。軽いホラー味があって良かったです。
・吉田真百合『愛の焦土』(24p) 画家のゴッホとその弟テオをモチーフにした、宇宙人の兄弟の話。個性ある絵柄に激しい感情がザクザク刺してくる、素晴らしい。星5。こちらは単行本『ライカの星』に収録されています。
・四方田千紘『浴槽のシンデレラ』(16p) 浴槽の上に浮かぶ謎の片足。クセの強い絵柄でかなり好き。ドロっとした雰囲気があって、もう一歩メンタルに踏み込みが欲しい感じはあるけどなかなか良かったです。おまけの星4。
・氷堂リョージ『捨て丸さま』(24p) 汚部屋のOLと神様の断捨離コメディー。自分に思い当たるところがありすぎて、OLと一緒に叱られてる気持ちになりつつ楽しく読みました。オチもスッキリ。
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あと、右野マコさんが、珍しくシリアス路線の一般作品を描いています。好きな作家さんで、話のアイディアも良かったと思うんですが、演出が足りなくて惜しかった……BL以外、こういうのも描く意欲があるのならぜひどんどん挑戦してほしいし、良い編集さんに会えて構成力がアップしたらもっとワクワクする作品を見せてくれるんじゃないかなって期待。 -
生きるのが下手な「私達」へのエール2024年12月13日403ページ。
『みちくさ日記』と『よりみち日記』、それに出版が頓挫した『よりみち日記 2』をすべてまとめた、エッセイコミック。
中学生の頃に統合失調症と診断され、長い入院生活を送った著者。入院生活のこと、退院してからの生活のこと、漫画への思い、いろいろ詰まった記録です。
著者は本当によくがんばっていて、その困難の中からこの作品を世に送り出したことは敬意に値すると思います。
何よりおそろしい困難は、統合失調症が誤診だったということで、そもそもは発達障碍があっただけなようなんですよね……。
『みちくさ日記』のレビューにもちょっと書きましたが、親の存在感がとても薄い。よくその状況を生きてきたと思います。
ずっと苦しい思いを抱えて、その中でも楽しみを見出し、誰を恨むこともなく、人に「幸あれ」と願える。
この果てなくやさしいひとに、幸あれと思いを込めて。 -
出オチに非ず、ぜひ最後まで!2巻だし!2024年12月12日1巻233、2巻217ページ。
出オチ漫画かと思いきや、コミカルな中にも泣かされちゃったりする人情コメディー。さすが小田扉作品。少し変わってるけど本質を突いたところがあったり、つながりが無さそうなところがさりげなくつながっていくのがピタゴラ装置感があったりして、好きな作者さんです。
元(現役?)魔法少女のボナンザ、その彼女が経営するコンビニ(?)にバイトで入ったあつみちゃん、工場の従業員は魔物だったり、「どうなってんの?」って設定なんですが、それぞれの生き様が描かれていくのを見守る内に、けっこうきっちり回収されていきます。特に、犬(?)のキラリンがあの姿になったエピソード(2巻収録)、あれを涙なくして読める人が居るであろうか、いや居ない。あつみちゃんに忘却魔法が効かなかった理由も、なんとなくそういう体質だったのかな〜って流して読んでたのにめちゃくちゃきれいに回収されていて感動すら覚えました。
笑ったり泣いたりしながら、「魔王」とは何だったのかって考えたり、魔法世界の運営のひどさにドン引きしたり、たいへんに面白かったです。
回想でのボナンザ戦闘シーンもなんか好きw ボナンザ〜、ステッキ、ステッキ〜!
小田扉作品中、最も好きになりました。そして角煮まんが食べたいです……。 -
エリソン、君は星5つでは足りない2024年12月12日無料マラソン企画に乗って、1巻を読みました。
ファンタジックでヨーロッパ、背後に流れている音楽、とても少女漫画らしくてかわいらしい。
そして、根本的に恋愛に興味が薄いため(シュラが女の子だったら友情ファンタジーでもっと好みなのにと思ってしまうレベルに)、主役二人を差し置いて、完全に妖精のハリネズミのエリソンにハートを鷲掴みにされてしまいました。
エリソン、素晴らしい……!幸運を招くハリネズミのその姿、「紳士的」が口癖であるその紳士たるべく努力する精神性、もうその一挙手一投足が素敵……!しかも、家の初代持ち主であるシャルルとの親交もあったもようで、チェスの話とかもうどんな時間を過ごしていたのかって妄想が止まらないじゃない!?エリソンとシャルルの話が見たい、見たいぃぃ〜〜〜(ジタバタ)!!続きを追いかけていたら、番外編とかで見られるの?見せてくれるよね??
……と、完全に間違った方向に舵を切ってしまいました。
1巻巻末の番外編、ある日のエリソン氏の様子とシャルルとの厚い友情が垣間見られて最高でした。
それはそれとして、主人公は好感度が高く、主人公と母親との関係に胸を痛めつつ、この素直な少女に幸あれ……と、エリソン達の隣の妖精ポジションから願わずにはいられない。
今後が気になりつつ、まだ連載中につき中立の星3つ。いいね
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