偽聖女と虐げられた公爵令嬢は二度目の人生は復讐に生きる【電子単行本】
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偽聖女と虐げられた公爵令嬢は二度目の人生は復讐に生きる【電子単行本】

まぶた単/てんてんどんどん

ラストの断罪が手緩い!性悪聖女に厳罰を

ネタバレ
2025年1月8日
このレビューはネタバレを含みます▼ ヒロインは悪逆王子と性悪聖女に虐げられ、18歳で処刑されますが、10歳に死に戻ります。ヒロインが処刑までに受けた仕打ちは目を背けたくなるほど酷く、衝撃的です。第2の人生では、ヒロインにはヒーローや父親他同士ができ、協力して悪役に立ち向かいます。物語の設定は壮大でミステリー要素もあります。それが読後にモヤモヤしたのは、ラストの断罪があっさりすぎるからです。この物語の悪役2名は他作品の敵役に比較しても群を抜いて悪逆です。なにしろ、私利私欲のために世界を破滅させようとしたのですから。王子はヒロインの手で断罪されたのでかろうじて納得できます。が、性悪聖女は教会に引き渡されて終わり!エ〜ッ何コレ!でした。私見ですが、王子よりも性悪聖女の方が悪質です。性悪聖女は一回目の人生の記憶を持っていて、ヒロインが本物の聖女であり自分はその能力を奪っていたことを知っていました。一回目の人生で、世界を混乱させ罪なき人たちを絶望させたことを全く顧みず、自分の欲望のためだけに国王毒殺、本物聖女の身柄拘束等を画策します。聖女の能力はありませんが、魅了の力や他人の能力を奪い取る能力はあるのでかなり厄介な敵とも言えます。二回目の人生でも、他人(聖女)の力(命、尊厳)を笑顔で奪い、上機嫌で他人の不幸を眺めるその性根は救いようがありません。犯した罪の重さに比例して罰も重くすべきです。断罪はこの物語の核なので、もっと丁寧に描いて欲しかったです。手緩い断罪のため、ラストの主役2人の幸せなシーンにもあまり感動できませんでした。そして残念な作画。シリアスな物語とマッチしてません。結局、私の評価は星3つ(標準)。物語設定は良いのに残念な作品です。
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