微睡の月の皇子
」のレビュー

微睡の月の皇子

かわい有美子/カゼキショウ

幻想的な神の恋の世界

ネタバレ
2025年1月9日
このレビューはネタバレを含みます▼ 月夜見の神としての気品と思慮深さ、夜刀の粗暴さと愛を知った後の想いの深さが相まって、奥行きのある神々の愛の形を作り出しています。月夜見が両性を有しているので、そこが地雷の方は注意が必要です。月夜見と夜刀、相反する二人が時間の経過とともに互いを思うようになる過程が、美しく格調高い筆致で描かれています。特に夜刀を失った後の月夜見の深い嘆きには、心を打たれるものがありました。その後愛する夜刀を取り戻し、再び愛を育んでいくストーリーが、静かに、でも情熱的に進んでいきます。うさぎの化身の因幡彦が主人の月夜見が好きすぎて、いちいち夜刀に対抗するのが微笑ましかったです。神の世界のBLで⭐︎5をつけるくらいおもしろいと思ったのは初めてです。
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