このレビューはネタバレを含みます▼
前世でプレイしていたゲーム・ゴールデンドーンに酷似した世界に転生した農民カリヤと、第三王子ウォルドのお話。
冒頭いきなり戦争が始まります。
BLではなく戦記ものを読んでいるようでしたが、非常に楽しめました。
文章はほぼ主人公カリヤの一人称ですが、とても読みやすいです。
ただ、鍵括弧でくくったセリフとセリフの間も、これセリフだよね? という部分が多かったのが気になりました。
普通に全部セリフとして括ってくれる方が読みやすいと思うのですが。
1巻の見せ場は、ナダルでしょう。間違いないです。
これは辛いです。涙腺崩壊してしまいました。この場面を外で読むのは危険です(笑)
ナダルの男前さにただただ脱帽。合掌。
怒涛の展開からその後物語は冒険もの(異世界旅もの?)へと変わっていきます。
作者の軽妙な語り口が読みやすく、どんどんページが進みます。止まれません。寝不足です(笑)
状況が落ち着くと、(忘れかけていたけれど)BL小説らしく恋愛面が細やかに描写されていきます。
ウォルド王子が攻めであることに説得力があったのが個人的に良かったです。
可愛い攻めの成長は好きですが、それだけでなくカリヤの葛藤している様子が彼の気持ちの動きも読み取れて、両想い告白からのエチまでが自然に感じられました。
その後王族たちの家族愛に泣かされたり、ゴールデンドーンに似たこの世界の真実に震えつつ読み進めることしばし。
悲劇的な展開が…!!
本当にクラシエルの転生者が酷いです。
生きていることを後悔するレベルでザマァして欲しかったのですが、ラストはちょっと物足りなかった感じです。
もう本当に憎たらしいんですよ! 小説でここまで憎らしく思わせる作者を褒めるべきなのか…。悩ましい(笑)
途中のエピソードと比べるとやや駆け足感がありましたが、おおむね満足できる結末といえるラストではありましたが、唯一ここだけが不満でした。
それにしても、カリヤのホームが快適仕様過ぎますww
オコジョの執事が万能過ぎました。
汚しても一旦外から戻ると綺麗になっている部屋とか、放り込んだら洗濯乾燥畳んで片付けまでしてくれる洗濯機とか。
夢が詰まりまくっていました(笑)