背中を預けるには
」のレビュー

背中を預けるには

小綱実波/一夜人見

裏切りと寝取り

ネタバレ
2025年1月14日
このレビューはネタバレを含みます▼ 外伝1まで読みもうお腹いっぱいです。素敵なお話と構想で最終的に収まりも良かった。幸せに2人で生き抜いて欲しいと思います。私にはテオドールの裏切りとルーカスとイオニアの寝取り(プラトニックな繋がりを分かってて身体の関係を迫る)が無理でした。またイオニアが身体を許しルーカスへの罪悪感をも相手に甘えて王子への献身と日常の苦しみや自身の能力との向き合いに乗じていいように有耶無耶にしているように見え、これにも嫌悪し無理でした。精神的にも身体的にもギリギリだったのでしょうが、身体を許すのは並大抵の事ではない。一度の過ちはあれど共犯者だからといってその後も快楽を理由に慰めるやり方、受け手の行動に強烈な嫌悪を感じました。嫌だと言ってるのに強引に身体を奪って行く男達しか描かれず割としんどかった。最後のルーカスと記憶が戻ってるレオリーノとのキスも大概でした。いくらイオニアが降りてきてるとはいえ犯していい範囲ではない。身体をそれ程軽く扱われる彼の身体が哀れ。ルーカスとも相思相愛なのだろうけれど体は違うだろと強く強く思う。レオリーノの苦悩や成長は筆者様の後書にもあるようにとても事細かに描かれ良かったので最後まで読めました。外伝のテオドールとマルツェルの話は無理でした。主君2人が生きやすいよう細々した問題を直接解決しに奔走するのは苦労に耐えないかと推察するし一生かけて主に償う姿勢を見せてくれているが若かろうが家の世間の振り込みだろうが貴方は選択したし決断を委ねても先は見えていたし、行動を起こした。あなたの望みのままに。それが気持ち悪かったです。一番の裏切り。身内の裏切りが最も罪深いと思う。精神的に愛を捧げたグラヴィスが責任感や使命を帯びて国の為に働く一方で最愛の人を無くした慟哭はとても伝わった。最後はレオリーノと隣同士で同時に生き絶えてほしい。しかし根底の土台が、筆者様のお考えが私には全く合わなかったです。
いいねしたユーザ1人
レビューをシェアしよう!