このレビューはネタバレを含みます▼
作者買いです。人買いにさらわれ買われた少女が、後宮に入り、妾→側室→皇后へと登りつめていく史実と創作の物語。【天は赤い河のほとり】よりもさらに壮大なお話だと思います。初恋すら知らない少女がオスマン帝国の皇帝に気に入られ、子をなし、その子を守り次代の皇帝にする為に画策。恋なのかすらわからない気持ちを、自分を見つけ教育を施してくれたイブラヒムに持ち続けていたヒュッレム。同じく皇帝に献上してからヒュッレムへの気持ちに気がついたイブラヒム。そんなふたりのたった一度の恋の成就。その後のヒュッレムの懐妊。子どもの父親は皇帝か?イブラヒムか?子どもの父親に固執するイブラヒムと、私の子どもと強気のヒュッレム。その子の出生の如何で対立するイブラヒムとヒュッレム。皇子の暗◯を仕掛けてきたのはイブラヒム。子どもを守る母は強し!ここからのヒュッレムは強いと思いました。皇帝の勅命すら無視するとは強気なんてモノじゃない。またしても仕掛けてきたのはイブラヒム。それも直接、自分自身が手をかけた!が、出来なかった。その後、イブラヒムは自◯。淡々として見えた皇帝とヒュッレム。ラストのヒュッレムの最期では、本当に皇帝はヒュッレムを愛していたのだな…と。で、ヒュッレムは皇帝を敬愛していたし尊敬していたとは思うが、たった一度の恋の相手はイブラヒムだったのだと。少女の夢だった【外の世界が見たい】は叶ったのか?子どもの為に皇后にまで登りつめた彼女の生き様をこのような形で知ることができ、感慨深いです。