夜明けがいちばん暗い
」のレビュー

夜明けがいちばん暗い

山田ノノノ

誰かにとっての救済の物語でもある

ネタバレ
2025年1月20日
このレビューはネタバレを含みます▼ 山田先生の描く暗がりのある人物が救われていく過程がとても好きです。
身近な人や大切な人が亡くなってしまっている人が読むとより、グッとくるお話しだと思います。
亡くなった人との気持ちの折り合いってどうやってつけていくのか、未来を生きている自分はここにいていいのだろうかと斎藤さんにとってはずっと心の時間がとまったまま前を向くことも死ぬことも出来ずにいた描写には胸が痛みました。
アキさんの記憶や行動が斎藤さんの中に残っていること、そしてそれは生きている私たちにとっても同じで誰かの中には灯火のようにあたたかく誰かの記憶が残っていて知らずに人生を支えられているということに私は救われました。
斎藤さんがアキさんを忘れることなく、タカヤ君と人生を歩む姿が眩しく夜明けに辿り着けたのだなと思いました。
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