このレビューはネタバレを含みます▼
飼い猫が1週間も行方不明になっているタカは落ち込みが激しく、テツが話しかけても上の空です。そんなタカが心配で仕方ないテツは、タカに見せてあげたかった眺めの良い崖で不思議な少女と知り合います。誰にも言ったことが無かったけれど、タカを好きなこと、元気になって欲しいことを話すと、少女は怖くても誤魔化さないで言うこと、お腹に力を込めて言うことをアドバイスしてくれます。テツはそれを実行してタカは少し元気を取り戻しますが、今度は独り言が増えてゆくのでした。切なくて可愛らしくてほろりとするお話です。『まほろばの名残り』が後味をすっきりさせてくれました。次の『綺譚』は、続く『花ノ怪ーハナノケー』の序章です。『綺譚』で一人語りをしていた宏叔父を心配する幸也は、恋人未満の友人•芦屋を誘って叔父がよく訪れる温泉旅館を訪れます。幸也は叔父と同じ「見える」体質なので、余計に色々と心配なのでした。叔父のことが好きな幸也、幸也を好きな芦屋、好きとファンタジーにコミカルさが加わったお話です。どちらもエロなしでした。カバー下も楽しかったです。