運命かもしれない恋
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運命かもしれない恋

渡海奈穂/草間さかえ

学術的にも古平の分が悪くて笑ってしまう

ネタバレ
2025年1月23日
このレビューはネタバレを含みます▼ 『完璧な恋の話』が良かったので、こちらも読んでみました。アラサーの、今が盛りの人達にしてみたら「とんでもなく長い時間(20年くらい)のすれ違い・思い違い」の恋のお話…なのに、切なさより面白さの方が勝つという明るく楽しい内容でした。
タイトルでは『運命かもしれない恋』なんて言ってるけど、いやいや…もうね、これは「きっと宿命レベルの恋」なのだと思います。古平としては「三度目の正直(三度目は断じてない)」であっても、名久井と読者からしたら「二度あることは三度ある」という見解の相違が面白かったです。
実際、読んでいて途中までは「二度で済んでるっぽい」感じで進みます。でも、内心「これ絶対三度あるやつでしょ」と、ニヤニヤ・ワクワクしてしまいました。古平の陥る状況があんまり面白いので、要らぬお世話を焼いて調べてしまいました。→「ベイズ推定」という確率の理論を使って計算すると「二度あることは三度ある」確率は75%。「三度目の正直」の確率は25%だそうです。という訳で、学術的にも古平の方が圧倒的に分が悪くて笑ってしまいました。
結局、「二度あることは三度ある」で、でも「仏の顔も三度まで」とも言いますし、四度目がなくて本当に良かったと安心しました。
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