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レビュー

今月(11月1日~11月30日)

レビュー数7

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シーモア島
ベストアンサー52件
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投稿レビュー
  • 五十嵐くんと中原くん

    イサム

    イメージと違って真面目なDK達の話でした
    ネタバレ
    2025年11月7日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 何となく作品の存在は知っていましたけど、DKものだと年齢が離れ過ぎていて、よほど有名どころではないと読まないし、特にヤンキーっぽい子が主役の作品は苦手で避けていました。それでも長編で(人気がある?)評価も高いので読んでみましたら…思ってたのと違って中身のある(二人ともに暗い過去と今があって大いなる葛藤がある)お話でした。

    そして、敬遠する原因になっていた中原くんの金髪は、ヤンキーではなくイメチェンで(にしては振り幅が激しいけど)真面目な子で好感が持てました。

    少しずつ二人の過去が明るみになると同時に、学校内外での人間関係が広がっていきます。脇キャラたちの人生観や心情に触れながら、自分自身とお互いへの理解を深めていきます。特にカケルさんの存在感が際立っていて印象的でした。

    どの巻も濃い内容で考えさせられたり感動したりしました。大団円へ向けてのラストスパートと高校卒業後の彼らの現況報告の見せ方、終わらせ方はとても私好みでした。主CP二人も同級生三人も想像通りの幸せそうな未来を歩んでいるようで安心しました。ただ一つ欲を言えば、個人的な推しキャラであるカケルさんの幸せも見たかったです。
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  • 鮫島くんと笹原くん

    腰乃

    進化型ケンカップルみたいで面白い
    2025年11月6日
    やっぱり大作家さんは違うなぁと…試し読みのたった3ページで掴まれました。のんびり普通の始まり方をしたと思ったのに、3ページの鮫島くんのセリフに「えぇ!?」となり、まんまと先を読まないではいられなくなり、購入に至りました。

    先生の作品は『滅法矢鱈と弱気にキス』から入りましたけど、とにかく独特で無二の味があると思います。人によって意見が分かれそうなのが文字の多さで、普通のコミックの1.5〜2倍はあると思います。セリフも心情もどちらも多いので読むのに時間がかかります。でもその分読み応えは半端なくあるし、読者が知りたいと思う以上の心情の細かい変化まで分かるので、よりリアリティもあって実感が湧いてきます。

    普通にしてればイケメンで通りそうな鮫島くんが、笹原くんを前にするとちょいキモくて若干変態寄りの挙動不審者になって、でも純粋に一途に(やや一方的に)気持ちをぶつけるシーンを繰り返すうちに、笹原くんと同様に私も可愛く見えてきました。

    一方的といえば、好きを受け取る側の笹原くんもかなりのマイペースの持ち主だと思いました。そんな二人だから、会話もスキンシップもキャッチボールというよりボクシングみたいな打ち合い・取っ組み合いみたいで、ケンカップルとはひと味違う奥深さがあって楽しかったです。
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  • 【単話】Ω専用シリーズ番外編

    藤間みお

    絶妙な「1時間」に二人の好きが詰まってる
    2025年11月5日
    【first contact】と【Dating edition】どちらも表紙や文字情報だけのページを除いて、約29ページありました。

    【first contact】は、1話めの椎目線の話がとても好みでした。先生から「本編を片手に読むと分かりやすい」とのアドバイスがありまして、電子だから見ながらはできなかったので一旦本編の該当箇所に目を通してから読むと、色々と感慨深いものがありました。私の予想では、皆さん「おぉ…」となるような裏話的なエピソードではないかと思います。

    【Dating edition】は、【first contact】より純粋な番外編という感じで、時系列を気にせず楽しめました。個人的には、2冊を通して【Dating edition】にある「デート前の1時間」にそれぞれがしていた事が可愛くて微笑ましくていいなぁと思いました。長いとも短いともいえない絶妙なその「1時間」に二人それぞれの好きが詰まっているような、微笑ましいエピソードでした。
  • 溺愛パパのじれったい初恋

    名倉和希/兼守美行

    溺愛系の攻め様って恋心を自覚した途端に…
    ネタバレ
    2025年11月4日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 半分以上が「知らぬは本人ばかりなり」てな具合の分かりやすい両片思いで進みます。後半に入って泰成が恋する気持ちを自覚してからは、先の展開が目に浮かぶようでニヤつきながら読みました。その後の案の定の流れには、待ってましたとばかりにワクワクするし、修羅場のシーンにも関わらず吹き出してしまいました。個人的で偏見もあるでしょうけど、他作家さんも含め何作も読んできて思うに「溺愛系の攻め様って、恋心を自覚した途端に変態っぽくなるような…」気がしてなりません。

    そして互いの気持ちを確かめ合う盛り上がりの場面では、優輝のセリフがあるまで気が付きませんでしたが、「泰成の一人称が変化したこと」に感動しました。私が迂闊なだけですけど、先生は計算して最初から仕込んでいたんですね。さすがと思いました。
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  • 芝と銀【ペーパー付】【電子限定ペーパー付】

    鯨田ヒロト

    日本版ロミジュリみたいな因縁の間柄の二人
    ネタバレ
    2025年11月3日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 昔の因縁が悪い意味で受け継がれて、当時を知らない子孫の代になっても条件反射のようにいがみ合い、意味もなく考えることなくただ憎み合う…なんとも日本的なお話でした。西洋でいったらロミジュリ的なお話でもあるので、国は関係なく古典的・普遍的なテーマがあった気がする内容でした。

    今でもどんなコミュニティにも派閥はありますから…例えるならそんな感じでしょうか。そうだとするなら、過去に何らかの事実誤認や誤解があったにせよ、どちらかが間違っているとかの問題ではないので、決定的で不可避な一大事件でも起こらない限りどうにもならない。そうして破滅の道を進むしかなかった二人に同情してしまいました。

    ラストは、斬新な策に私も騙されてしまって悲観的な気持ちになりましたし、騙されたままの人にしてみれば救いにも何にもならないかもしれないけど、俯瞰した立場から見れば「誰にとっても最善策」だったのではないかと思いました。
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  • 二人でパパはじめました another【単行本版】

    汐にがり

    ルカの可愛さが話を何倍にも良くしてる
    ネタバレ
    2025年11月2日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 『二人でパパはじめました』のスピンオフです。こちらは『another』とあるように、もうひと組のお話でした。前作の二人の子(つむぐ)は青山の甥でしたが、今回のルカは怜於の実子なので、設定(バイ)が苦手な方は注意が必要かもしれません。設定としては前作よりグレードアップしてるというか盛られてるというか、特に怜於の設定がモリモリだなぁと…ホストで経営者・パパ・パティシエなど一人何役もこなしていて、そりゃ倒れもするだろうなと思ってしまいました。そこへ救世主のように颯爽と現れる春澄、昔の記憶がよみがえり恋愛感情を持つのは分かる気がしました。そして何よりルカの可愛いさが半端なかったです。

    正直、大人二人の恋は色々取っ払ってしまえば王道ラブストーリーで、タイトルからも帰結が分かっているので不安になったり心配になったりすることもなく安心して読めました。
    二人の関係においてはもちろん、ホスト達、春澄の両親との関係においてもルカがいたからピンチを乗り越えられたのだと思います。ずっと見ていたいし見ていられる可愛さにメロメロになりました。番外編でもいいので、つむくんとルカの成長記録を見たいです。
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  • 初恋の義父侯爵は悪役でした

    小中大豆/亀井高秀

    普通の子が幸せになる話に勇気をもらえる
    ネタバレ
    2025年11月1日
    このレビューはネタバレを含みます▼ なんとも言えない不思議な魅力のあるお話しでした。まず主役のセシルが、チート能力があるわけでも目が眩むような美貌の持ち主というのでも、特別愛されキャラというわけでもない、言ってみれば普通のキャラ設定なんです。しかも前世の小説の記憶がある…といっても、何かにつけてあやふやで常に決定的なものがないという中途半端さ。

    サディアスにしても超絶美貌以外はスパダリにはやや遠い感じで、ストーリーも中盤くらいまであまり危機感もなくのんびり読みました。中盤以降、急に生死に関わる大事件や陰謀に巻き込まれてスピード感で出てきます。その辺りから「あやふやな記憶」が意味を持ってきて面白くなりました。

    全体的な設定や展開はあまりキラキラしくない気がしましたが、地に足がついた現実さや地味ながら好感の待てる内容で、満足感は高かったです。セシルのような普通の、その他大勢タイプ(いわゆるモブ)の主人公が頑張って幸せになるお話は、同じくモブの自覚がある私に勇気をくれました。
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  • その後のいつさよ~突然の居候!?~【誰か夢だと言ってくれ 番外編】

    みっしぇる

    番外編とは思えない充実したページ数と内容
    ネタバレ
    2025年10月31日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 表紙や文字情報などのページを除いて正味82ページありました。小夜と獅音が(子)猫で樹は大型犬ぽくて、相手が犬か猫かの違いだけで仲良く戯れあっているみたいで、可愛くてニマニマしながら読みました。

    ページ数が充分あるので、番外編といえども本編に組み込んでも良いくらい内容も充実していたと思います。獅音襲来により、二人のラブラブ生活の一時的な中断からくるアレコレや、食事から寝るまであらゆる事でライバル視しあってバトる獅音と樹の構図など見どころいっぱいでした。

    バチバチしながらも、年長らしくさり気なく獅音を助ける樹は頼もしかったし、年下だライバルだと侮らずに獅音のプライドを傷つけることなく行動した時は、スマートでかっこよかったです。
  • 赤松とクロ

    鮎川ハル

    絵もストーリーも独特の温かさがあっていい
    2025年10月30日
    試し読みした出だしのインパクトが強烈で…読むのが楽しみで仕方なかった作品です。絵柄もキャラもとても味があって、そんなに表情は豊かでない(特にクロ)と思うのに、滲み出るというか醸し出る雰囲気に温かさを感じました。

    漫画って、私はドラマと似たところがあると思っていて、学園ドラマ(DKもの)、洗練された恋愛ドラマ(イケメン&リーマンもの)、いくつかあるカテゴリの中のホームドラマ(子育てもの)のようなほっこりした気持ちになりました。

    決してディスってるわけではなく間違いなく褒め言葉で…赤松のイケメンではないけど懐の深さとか、人をほっとさせる雑さ・おおらかさは男女問わず魅力的に思えるし、何気なく超ファインプレーを決めてきたり、常に疎外感を感じていたクロからしてみれば、泣けてくるような奇跡に近い感動があったと推察できました。包容力のあるいい男だなぁと思います。

    後半にクロの先輩のスピンオフのような単話があって、こちらはちょっと擦れてクズっぽさがあるような気がしましたが、やっぱり味のあるお話でした。
  • Rebirth~聖騎士は二度目の愛を誓わない~

    小中大豆/奈良千春

    悲喜交々、愛憎入り乱れる重厚感のある一冊
    ネタバレ
    2025年10月29日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 最近、先生の作品にハマっていて、小説では珍しいくらいにレビュー数も多く評価も高くて、ぱっと見「面白い」とのレビューが多かったので、深く考えずに間違いないだろうと読んでみました。結果から言うと…「面白いの意味合いが違ってた」ようで、私にとってはまぁまぁ心理的に負荷のかかる内容でした。

    とりあえず皆さんがいう面白いはfunnyではなく、interestingの意味だと理解しました。先生の他作品には笑えるものもあるので、てっきりそっちの意味だと思って…ちょっと痛い目をみてしまいました。拷問シーンなどが苦手な人は注意が必要かもしれません。

    苦手なシーン以外は、愛憎入り乱れる複雑な心理描写や憎悪感情の発露表現、生き直しによる行動変化からくる展開の違いや悪魔との絡みの設定も展開もよく考えられていて読み応えがありました。
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  • 神さまは陽だまりに眠る

    篠崎マイ

    古典と現代が合わさったような素敵な世界観
    ネタバレ
    2025年10月28日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 切なくも優しい…陽だまりのような温かさのある素敵な作品でした。陽向の「生」が始まった時から成長を見守ってきたナギ。普通なら二十歳の別れは、別離というより独り立ちや門出といった意味合いが強くて、懐かしさと寂しさの入り混じった感情はあるものの「悲しさ」とは違う気がします。それなのに切なさを強く感じてしまうのは、ナギが神様で特殊な存在だからでしょうか。

    人と神様という、そもそも存在自体が別次元の二人という事と、神様の存在理由・存在条件みたいなものに古典の「あわれ」を感じてしまい、何とも形容しがたい気持ちになりました。二人が共にある未来を選択した時に起きた現象や信仰の復活など、小さな変化に大きな幸せを感じるストーリーでした。
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  • 恋をするならひれ伏して

    ハルモト紺

    何かある度に強くなる二人から目が離せない
    ネタバレ
    2025年10月27日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 初めての作家さんでしたが、あまり見たことのない程の高評価とレビュー数から期待しつつ試し読みをしたら、とにかく面白そうな予感しかなくて購入しました。結果は評判通りの大正解…大人の雰囲気たっぷりで、絵も綺麗で色気もあって読みやすかったです。

    二人は同期といっても会社の御曹司と平社員、立場も違えばバックグラウンドも違う…それぞれの家族関係の疎密ならほぼ真逆。お互いにお互いを「あいつは恵まれてる」と思っていて、偏見含みの羨望からくるライバル心など、大人で社会人ならではの恋愛だけじゃない見どころが沢山あって、読み応えのある内容でした。

    周年記念式典やお見合いの斡旋・自宅訪問など、数あるちょっとした出来事さえもきちんと拾うというか…必ず2回めがあって前回をリカバリーしてくるので、ストーリーとしても二人の関係としても成長が見て取れたのが読みやすさに繋がった気がします。

    すれ違いとは少し違った二人の関係、ずっと平行線だったかもしれないものが、運良く交差して思った以上に深みのある内容で満足感しかありません。
  • ほほえみ喫茶の恋みくじ

    海野幸/雨隠ギド

    予想以上にこけしが多方面に絡んできて笑う
    ネタバレ
    2025年10月26日
    このレビューはネタバレを含みます▼ こけしが好きで収集家、具体的な数字はないものの数十体はあるだろうコレクションを店内に並べ、店名も「喫茶KOKESHI」…失礼ながら、始めは単なる「こけしオタク」が主人公の話かと思って(つまり「こけし」はちょっとしたアイテム的な要素でしかないと)いたけれど、何気にストーリーの隅々まで関係してくきて存在感を主張してきたのが楽しかったです。そして、こけしに産地ごとに系統があって、顔つきや大きさが違うというのは初めて知りました。

    他にも軽くですけど、東宮寺親子のコンサルタントの仕事についても色々と知れて勉強になりました。こけしとコンサルタント業について適度に掘り下げられていて読み応えがあったので、東宮寺の性癖についてはちょっぴり出来過ぎな気もしましたけど違和感という程のことはなくサラッと読み進められました。

    恋愛にしても経営にしても、最終的にはWin-Winで皆にとって最善の方向に進んでいくので読んでいて幸せな気持ちになれました。ただ一つ、もしかしたら東宮寺の息子・朝彦くんの大人びた性格が万人受けしないかも…というのが気になる点です。
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  • 調教愛執【電子限定描き下ろし付き】

    藤峰式

    今回のキーパーソン・瀬山の真実が面白い
    ネタバレ
    2025年10月25日
    このレビューはネタバレを含みます▼ シリーズ5作め。今回は、何か1つ大きなイベントがあるというよりは小中様々な事柄が次から次へ起こって、その結果二人の愛が深まる展開でした。

    藤田が風邪をひいてオメガバーンみたいな展開になったり、ストーカーまがいの人物が現れたりと、大事には至らない程度にわちゃわちゃした感じで楽しかったです。

    そんな中、一番のイベントとといえば瀬山関連でしょう。彼は最初から存在感が際立っていて、途中でもキーパーソン的な動きが目立っていました。でも、だけど最後はまさかの展開?設定?で、案外丸くおさまったのにはちょっと拍子抜けしました。何となく見た目が明るい印象ではなかったので、もう少しドロドロしたものを抱えている気がしていたけど意外でした。さすがにこのオチはネタバレしたくないので、気になる方は読んでみてほしいです。
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  • 片想いをこじらせています。

    ヤマヲミ

    地雷までではなくても苦手な人はいそうです
    ネタバレ
    2025年10月24日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 今回もあとがきまで余さず面白かったです。特にデフォルメした絵とギャグ調のノリは最高でした。が、今回は地雷とまではいかなくてもNGくらいの人はいそうな内容だと思うので注意が必要な気がします。

    ネタバレしてしまうと…攻めに離婚歴があるんです。しかも複数回。今までもノンケとか世間体などで既婚者はいましたけど、今回だけは私もちょっと引っかかってしまいました。複数回の離婚歴と受けへの思いの強さがミスマッチというか…

    ラスト付近では攻めが感動もののセリフを言うんですよ。「帰る場所を俺のところにしたかった」とか「生きるも死ぬも俺の目の前でだけやってくれ」とか。受けよりも寧ろ攻めの愛の方が重い感じがするのに、前半の離婚歴のイメージとややミスマッチな気がして…。

    受けは15年も片想いを拗らせてるので、自分と同じ熱量で愛が返ってくれば不安を残しつつも受け入れてしまう気持ちも分かります。本人達が、特に受けが納得しているのに1読者の私は許しきれないという、奇妙な読後感がありました。
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  • 当て馬執事は悪役令息に忠愛を捧ぐ

    小中大豆/カワイチハル

    めっちゃ面白いから是非読んでほしい
    2025年10月23日
    起承転結・メリハリがしっかりしていて凄く面白かったです。タイトルからもストーリーの流れからも大体の展開と結末は、たぶん誰にでも分かるし当たっていると思います。それでも面白いと感じるのは、常に予想の上を行かれるからなんです。良い意味で裏切られたような気持ちになり、ワクワクしながら先へ先へ読みたくなる楽しさでした。

    一つ一つを取り上げて、あーだこーだと語りたいのは山々ですが、キリがないので止めておきます。絶対に面白いので、ぜひネタバレなしでお楽しみください!!
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  • 長谷川先輩と橘くん 【シーモア&電子限定かきおろし漫画2P付】

    独特な空気やノリが綺麗可愛い絵と合ってる
    2025年10月22日
    私の感覚でだけかもしれませんが…最近はこういう長谷川先輩みたいな低体温男子(ローテンションでやや気だるげな感じの子)が流行ってるんですかね。私は、元気すぎてケンカっ早いヤンキータイプよりは大人しい子の方が好きですし、何とも言えないまったりした空気感を持ちつつなかなか的確なツッコミをする長谷川先輩タイプは、今どきな気がして良いと思います。

    独特なテンションとノリな気もするので、もしかしたら好みが分かれるかもしれません。礼儀知らずな後輩の橘が実は一途で可愛いタイプで、その橘の直球アタックをのらりくらり躱す長谷川先輩の話術がキャバ嬢みたいで笑っちゃいました。相手の気分もその場の空気も悪くすることなく上手に誘いを躱すところに上級テクを見た気がしました。
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  • たつのおとしご

    池玲文

    風景・背景まで美麗なラブコメ+短編
    ネタバレ
    2025年10月21日
    このレビューはネタバレを含みます▼ SNSで先生のイラストで風景画的なのが流れてきて、それに対する先生のコメントが「チ◯チ◯描いた時には色々言われるけど、こういうの(風景画)書いても何も言われない…」みたいなボヤキ口調だったのが気になったのをきっかけに、試し読みが面白かったので購入してみました。

    問題の?絵はP70です。漫画の、それもちょっとコメディ寄りの作品で、あそこまで細部にこだわった絵はなかなかないのでは…と思うほどの細密画で、ストーリーも絵も素晴らしいなと感動しました。

    内容は、表題作と別作品1話でした。表題作は、メカ屋はメカ屋で本当の名前があらすじにも本編にも見当たらない事、拾った子供は角が生えてるからツノという安直な名付け、ツノの実の父親や狐達・惣菜屋など、キャラ設定から何から面白おかしく読みました。

    短編の方は、浮つくことなく真面目な話で対照的でした。タイトルと出だしがなんだかオカルトっぽくて怖い話かとも思ったけど、単なる比喩で普通の設定で安心しました。クスッと笑えるちょっといい話が好きな方におすすめします。
  • 皇太子は宮廷道士を寵愛する ~愛されたがり子パンダの秘密~

    滝沢晴/奈良千春

    子パンダの姿形は最高に可愛く謎も面白い
    2025年10月20日
    もふもふと聞くと…犬・猫・ライオンなどの猫科動物ものが多い中、みんな大好き絶対的可愛いの塊であるパンダを持ってくる斬新さが良かったです。パンダに合わせて?中華風の設定も雰囲気があって華やかで素敵でした。

    中華風といえば、アニメ化もされた本場中国の作家さんが書いた超大作BLや、ひとりごとを言う薬師の作品などが思い浮かび…小物から役所名まで簡単に想像できました。もちろん奈良千春先生のイラスト効果も絶大でした。

    今回はファンタジーですし、スー(子パンダ)関連の謎は面白かったです。ただ…人によるのかもしれませんけど、ルイの鈍感さをどう思うかで好みが分かれるかも?と思いました。
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  • あかねくんデスティニー

    阿賀直己/yoshi

    どんな関係でも二人が一緒であることは運命
    ネタバレ
    2025年10月19日
    このレビューはネタバレを含みます▼ まずは何をおいても絵ですよね…美麗すぎて目が溶けそう。私からしたら京二とあかねくんの友達だって美形ですよ。だけど、あかねくんの美しさときたら…いわゆる国宝級というレベルですよね。いや世界遺産レベルかも。ある意味、美の暴力だし、顔面偏差値モンスターだと思います。

    正直、見てるだけで眼福でしたけど、ストーリーも凝っていて面白い上に1巻ごとに何回もビッグウェーブが来るので、ずっとテンション高く楽しめました。

    1巻では、あかねくんが18歳=大人になるまでと高校卒業までの話で、家族的な父子関係から恋人になるまでのあれこれと京二の心情の変化がメインでした。あかねくんについては、物心ついた頃からずっと京二一筋だったっぽいので変化も何もない感じ…DKならではの愛情表現が可愛いなと思いました。

    2巻では、大学生になって精神的により逞しくなったあかねくんが見られました。遺伝子上の父親とのこと、仕事について、恋人わとの信頼関係の構築、人としての自立に向けて大きく進歩したように思います。1巻で擬似親子関係から恋人になり、2巻で恋人から(法的には違うかもしれないけど)また家族のようになる…実情に合わせて名前を変えながらも、二人はずっと一緒に居続けるんだろうなと思うと嬉しくなりました。
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  • 侯爵夫人♂になった転生タヌキは円満離婚を目指す

    小中大豆/亀井高秀

    都合よく不都合を押し付けてくる神様がツボ
    ネタバレ
    2025年10月18日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 『気難しい王子に捧げる寓話』で先生にハマり、作家さん買いしています。何冊か読んで思うのは、作風がシリアスものとコメディもので割と振れ幅が大きいことです。だけど、どちらに振れても良い加減で「過ぎない」ところが魅力だと思います。どの作品も、どちらに振れてもテーマみたいなものがあって、しっかり考えさせられるので必ず読み応えがあります。

    今回はコメディ寄りでしたが、やはりテーマも考えさせられることもあって、ほとんどを楽しく読んでいたのに何度かうるっときてしまいました。

    とはいえ、全体的に楽しさが際立ちました。異世界ファンタジーとくれば、大抵「ご都合主義」な部分があると思います。私は容認派なので、ハードルも低く「どんとこーい」と思っていますが、今回は先生の設定の面白さに上を行かれました。

    神様の設定がそれで、「都合よく不都合を押し付けてくる」ことに笑ってしまいました。できる事とできない事の境界線がめっちゃ曖昧…とか、「今度はいつと言えません」と昔の歌詞のような事を言っていたかと思えば、びっくりするタイミング&姿でフリもなく現れたり…とか、自由すぎて可笑しかったです。

    最後の方は、タヌキ語の翻訳に明らかな破綻が見て取れて吹き出してしまいました。わずか2語のタヌキ語が、2語どころではない長すぎる文章の人語に翻訳されていて、「絶対そーはならんやろ」と、つっこんでしまいました。
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  • 双子王子の継母になりまして~嫌われ悪女ですが、そんなことより義息子たちが可愛すぎて困ります~

    青井はな/糸加/月戸

    単なるシンデレラストーリーでなくて面白い
    ネタバレ
    2025年10月17日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 試し読みでの感触が良く、先が気になったので購入してみました。作品紹介にもありますが、異世界ファンタジー王室ものです。若い頃はともかく…歳をとってからは単なる男女のラブストーリーには、縁がないから(笑)あまり惹かれなくて、普段は主に精神的な繋がりに重点のあるBLばかり読んでいます。他には歴史ものやスポーツ・子育て・ミステリーなどの要素が入る作品が多いです。

    今回は、シンデレラストーリー…かと思いきや恋愛は後付け・付属品みたいな重要度で、お子ちゃまは可愛い上に双子で、王家を巻き込んだ複雑な謎(陰謀?)もありそうでワクワクしました。

    ジュリアの「王様と結婚」より「双子王子の継母になる」ことへの比重が大きく、やたら前のめりで一生懸命な姿に雑草魂を感じて好感が持てました。その証拠に、王からの事実婚的な行為を求められなくて本気で安心するシーンには笑ってしまいました。個人的には、いずれは王との間にも恋愛感情が芽生えたらいいなと思います。私の予想では王は既にジュリアを好きになってる気がするんですけど…どうなんでしょう。

    2025年12月に2巻が出るそうで、待ちきれないくらい楽しみです。
  • たまらないのは恋なのか

    空華みあ

    ローテンションの北原がかっこよすぎて最高
    2025年10月16日
    BL好きといってもそれなりに苦手分野はあって、私の場合はヤンキー(不良)はあんまりなのですが、何かの機会に試し読みをして、あまりの絵の綺麗さに見惚れて5巻まで購入してしまいました。

    美澄の圧倒的な「動」に対して、北原は真反対の「静」という感じで、ちょいちょい出る決めポーズの美麗さに参ってしまいました。あの顔面で決めポーズ&決めゼリフを繰り出されたら100%落ちると思うし、半径何メートルにいる老若男女問わず影響を受けるのでは?と思うような破壊力でした。

    ケンカのシーン以外では、今どき珍しいスローテンポの作品で、流れに乗るかのように低体温男子・ローテンションの北原のゆるりとした空気感が良かったです。

    色々と正反対の美澄と北原の対比も面白くて、美澄の「放すな…っ」に答えて北原が言った「逃がすつもりない」というセリフは、大人しめな北原の執着を見た気がしてドキドキしました。
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  • 君へおとどけ【SS付き電子限定版】

    厘てく

    ありふれた日常から始まる思いがけない恋
    2025年10月15日
    表題作4話と前後編の別作品と二作ありました。表題作は、二人の人物像やバックグラウンドまで丁寧に描かれていて、仕事に絡めて近づいていく二人の気持ちがとても自然で読みやすかったです。その他の細かい設定やオチまで計算されていて面白おかしく読みました。

    前後編の作品は、終わり方というか女の子達の本音の部分が少し意外でした。モテない者同士、ニコイチで行動していて…の流れでかと思いきやのラストで、予想は外れたけど楽しめました。

    どちらも日常的にあり得る事で、そういうありふれたシーンから凝ったストーリーを創れる先生は凄いなと思いました。
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  • ようこそ、くまの森へ ~春夏秋冬総集編~ 【電子限定かきおろし小説付】

    綺月陣/亜樹良のりかず

    物語も季節毎のカラーイラストも本当に素敵
    2025年10月14日
    3つのシリーズからキャラ達が登場するパラレルワールド&メルヘンな設定のお話でした。私は『龍と竜シリーズ』以外は怖そうで読んでいませんが、全く問題なく楽しめました。キャラ設定を本編から持ってきているだけなので、シリーズを知らなくても読める気がします。お伽話のような、古き良き日本の姿が目に浮かぶような優しい世界がありました。

    本編では、タイトルにある通り龍一郎と竜城(+颯太)がメインキャラですけど、パラレルワールドということで?こちらは次郎の出番が圧倒的に多くて、龍一郎との絡みはほんの少しでした。なので、シリーズを読まなくても大丈夫だけど、龍一郎ファンの方の方には物足りないかもしれません。

    どの章も心温まる良いお話でしたし、各章の始めにキャラのイラストとメニューのイラストがあって、メニューのイラストは読みながら何度も戻って見てしまうくらい細部までこだわりがあって素晴らしかったです。どれも美味しそうで目でも楽しめました。

    キャラのイラストは、一見同じ配置・構図・表情と向きで、季節ごとに多少変わってるだけに見えますが、服装はもちろん、よく見ると次郎の持つダンボール箱の文字も季節ごとに変わっていて(秋はなす・冬はねぎ…)クスッと笑えました。2つのイラストはカラーなので、それだけでも見応えがあると思います。
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  • 男子高校生に憂鬱

    日乃チハヤ

    表情の違うストーリー性重視の2作品
    ネタバレ
    2025年10月13日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 表題作と前後編の2作品入っていました。結論から言うと、この2作品はだいぶ雰囲気が違うと思います。表題作は、教師と生徒(受け攻め順不同)で好きなパターンという人が多そうですけど、その気持ちのまま次の前後編へ突入すると、切なさ多めのストーリーに浮かれモードが下降するかもしれません。

    前後編も良いお話で、キャラ達がリーマン世代ですし元々ゲイ同士の二人ということもなくて現実的でもありました。だからこその切なさ・ままならなさが私は好きでした。ただ…最後までキスしかしないストーリー性重視であること、財前の性格のキツさなどから好みが分かれる気がします。

    反面、表題作は多くの人の心に刺さりそうです。誰でも一度くらい経験がありそうなシチュだからこそ、ありがちでやりがちな行動や思考回路が当事者のように分かってしまう。早乙女と桐野どちらにも感情移入して悶えてしまいました。

    お互いに「いつから」「どちらから」か分からないまま気づいたら好きになっていて、俯瞰して見ていたはずの読者にさえ始まりが分からない、不思議な魅力のあるストーリーです。

    それ以外にも教師と生徒ならではのあれこれにウキウキして楽しかったです。その中の1つ…いたすのは卒業してからというお約束設定での「どっちがどっちだ」問題。この攻めが合いが個人的にツボでした。大丈夫だと思いますけど、上下が分からないのはダメという方は注意が必要かもしれません。
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  • 制服脱ぎたい【コミックス版】

    端丘

    DKものと侮るなかれ…奥深い表現が秀逸
    ネタバレ
    2025年10月12日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 意図せず作家さん買いをしていたようで…絵と独特な感性で流れるストーリーに既視感があり、調べたら『バイトの宮川くんは店長が好き』の作者様でした。

    感情表現とかセリフ・空気感などに作家さんならではの独創的な作風を感じます。ちょっと哲学っぽいというか…恋愛感情のように掴みどころがないものを、輪郭はぼやけているのにハッキリと存在感を示してくるみたいな…根源的に考えさせられるところが似ている気がしました。

    例えば私が一番気に入ったセリフ「メガネ…落としたから 八戸にだけピントが合うんだよ」は、すごい破壊力でした。普通はメガネを落としたら「何も見えない」と表現したくなると思うんです。もしくは「目の前まで近づかなければ見えない」とか。それが「好きな相手にだけピントが合う」って、これは作家さんの優れた感性から出た名言だと思いました。

    番外編は、同人誌で出したもののまとめで、表紙などを除いた65ページで4作品ありました。お互いにお互いを求める気持ちが高まって、素直に心の内を明かしたり執着も増して、かなり糖度が高めでした。本編にはない「もしもシリーズ」的な面白設定の小話が可愛かったです。
  • なんか、淫魔が恋しちゃったんですけど【特別版】

    松雪奈々/高城たくみ

    人の名前を聞いて吹き出したのは初めてかも
    2025年10月11日
    シリーズ3作め。オヤジ妖精(◯魔)が、今度はどんな登場の仕方をするのだろうとワクワク読み始めましたが、いよいよという瞬間は意外にも普通〜でした。1作めはいきなり目の前にいて、2作めはとんでもない状態で帰って来て…の3作めだったので、どうしても期待が高まりますよね。なので多少拍子抜けした感はありました。

    でも、当然ながら他でバッチリ楽しませてもらいました。2割くらい読んだところでオヤジの名前が判明しますが、後にも先にも人(人外だけど)の名前を聞いて吹き出したのは初めてです。名前で笑わせられるって、凄いなと感心してしまいました。

    こんな感じで3〜4割まで読んで、小中の波はあるもののインパクトのある展開はないな…このまままったり終わるのか?と思い始めた半分手前で来たビッグウェーブがなかなかでした。「えっ…そっち?」と思いがけない方向に話が振られて、先生の意外性の引き出し方が素晴らしかったです。

    今回も全体的に面白かったけど、細かいところで言うと87%のキスシーンのイラストですね、これが最高でした。キスしている当人たちもシュールですけど、それを見守るギャラリー二人の目つきが…拡大してまじまじ見てしまうくらい面白かったです。感動のシーンのはずなのに、そんな雰囲気を微塵も感じさせない最強のイラストでした。
  • ススム×ミノル

    もちの米

    相手を尊重し助け合いつつ成長する姿が素敵
    ネタバレ
    2025年10月10日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 仕事面では、今まさに読んでいる漫画、しかもBLが主題なのでかなり興味深く読みました。裏話的にけっこうシビアな話まで細かく書いてあって、作家さんの行動(SNS)と読者の考えや要望のマッチングなど当たっていることが多くて面白かったです。ズバリ「エ◯はなくてもいいけど売れ行きが違う」とか「エ◯がないならストーリーにかなりの工夫がいる」とか、読んでて普通に思ってたので見透かされてたみたいで恥ずかしくなりました。あと「BLの読者は作家さんにつく」というのは納得しかなかったです。実際、私は本棚を作家さんごとに分けてますし…(笑)色々勉強になりました。

    BL面では、ススムとミノルの関係性が面白かったです。少年誌から全く未経験な上に希望もしていなかったBLに畑変更を余儀なくされ、落ち込むススムを優しく盛り立てるミノル。始めは、ちょっと頼りなさげなススムを引き上げるように導くミノルが主導権を握っているように見えたけど、ミノルもミノルで元からゲイではないススムに遠慮してスッと引いてしまう時があるんですよね。すると今度はススムが近づいて行ってミノルの手を引く…というように、主導権を奪い合うのではなくて、不安で動けなくなってる相手の手をもう一人が引く…みたいに自然に振る舞う二人の関係をいいなと思いました。
  • ビター・シガー【電子限定描き下ろし付き】【コミックス版】

    熊猫

    永遠の輝き…4C揃ったダイヤモンドのよう
    ネタバレ
    2025年10月9日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 切なくも心が温かくなる素晴らしい作品でした。起承転結のどれもが光っていて、ブリリアンカットされた4Cのダイヤモンドのようでした。「転」で高槻の取った行動の意味…これがさっぱり分からなくて、豊橋同様に迷路に迷い込んだような気持ちになりました。その後しっかり理由と気持ちを説明されると頷きしかなくて…男心とか女心ではなくて、「恋心」ってこういうことを言うんだなと腑に落ちました。

    髪の毛のこともスピーチのことも、全部「恋心」から出た行動や言葉で、同性とか異性とか男女も関係なく、ただ人と人、豊橋と高槻の心だけが正解という真理が伝わってきて感動しました。

    皆様にもぜひ読んでほしい星5以上の価値がある作品だと思うのですが、1つ注意してください…こちら『バニラ・ショコラ・シガレット』のスピンオフです。私はあとがきでそのことを知って少なからずショックを受けましたので。
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  • なんか、淫魔が見えちゃってるんですけど

    松雪奈々/高城たくみ

    ドラマCD…イケボに脳内変換して読みたい
    2025年10月8日
    シリーズ2作め。1作めのラストから時系列で繋がっているので、「で、あの後どうなった?」の疑問が溢れてきて、止まれないくらいワクワク読みました。そして判明した事実が、本人たちには災難でしょうけど、読んでる分には面白すぎて吹き出してしまうほどでした。…と、全体の1割を読まずしてこの調子だったので、絶対に人前で読むべからずと気を引き締めて読むようにしました。

    笑いのセンスが独特で、個性的な文章表現もツボでした。「太巻きよりも図太く、厚揚げよりも厚かましい根性」とか「これはまずい〜賞味期限切れの牛乳よりまずい」とか、よりリアルに想像できて面白かったです。お腹が弱い私は、特に牛乳のヤバさに共感しちゃいました(笑)

    楽しく読み終えて、あらすじを読んで驚きました。こちら、ドラマCD化されてるんですって…ワクワク調べてみましたら、声優さんは「美和=鳥海浩輔さん、渡瀬=羽多野渉さん」でした。どちらもよく知っているので、シリーズ3作めは脳内でお二人の声に吹き替えて楽しもうと思います。
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  • ルームメイト

    佐藤アキヒト

    上品で優雅なDK学園もの…何もかもが素敵
    2025年10月7日
    綺麗で色っぽい絵とパブリックスクールという特有の雰囲気との相乗効果で、現代ものとは思えない素敵な仕上がりにうっとりしながら読みました。

    先生の作品は他に『ギリギリアウト!』を読みましたが、そちらもスパイものらしい独特の雰囲気が面白くて、雰囲気作りがおじょな作家さんという印象です。

    イギリスのパブリックスクールには、良くも悪くも他国に類を見ない強烈なイメージがある気がします。いまだに王政が残っていて貴族が存在する国ですから…その子供が通うパブリックスクールだって階級社会の影響を受けて当たり前、親の地位や派閥・パワーバランス・立ち位置などを意識しながらの学園生活は大変だろうなと思いました。

    生徒の中には、計算高く上手く立ち回れる子もいるでしょうけど、主役のノアもカイもそうじゃなく年相応に悩みなり不安や不満を抱えているようで、二人が少しずつ近づく様子が可愛いかったです。

    なんというか…日本のDK学園ものをエレガントにした感じで、イケメン二人の可愛さにプラスして上品でロマンチックなお話でした。
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  • 俺たちは恋人に向いていない【単行本版】

    弘川コウ

    二人だけでなく周りをも幸せにする力がある
    ネタバレ
    2025年10月6日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 試し読みしただけでも「面白そう」と思いましたけど、読んだら数割増しで面白おかしくて楽しめました。まず、始まって早々1巻のP23〜24にかけての突飛な流れに「いやいやそーはならんやろ」とツッコミを入れてしまいました。ちょうど我が家も上階の騒音問題に悩まされていて、何号室と特定せずマンション全体に注意喚起の張り紙を出してもらいましたが改善せず…いよいよ「直接乗り込むか?」と思っていたところでしたが、読んでいて毒気を抜かれてしまいました。

    その後も性格の違いすぎる二人のやり取りに笑わされつつ読んで、笑えるだけじゃない何か色々なことを楽しく学んだ気がする素敵な作品でした。何かとは…ストーカーしてしまうほど人を好きになる強烈な想いとか、兄弟関係、カミングアウト、SNSの防犯対策だったり、広く浅く適度に考えさせられて押し付け感がなかったのも良かったです。

    そして一番素晴らしいと思ったのは、2巻の本編後の【bonus track】です。これは、一体何なのか…危うくスルーしかけましたが、どうにも引っかかって検証してしまいました。この彼女は、2巻P9〜10とP184〜185にお友達と出てくるだけです。その時は晃一のことを語るお友達の話を聞くだけで晃一本人には興味なさそうでした。それが、晃一がカミングアウトしてお友達が推すのを辞めてから、晃一のSNSをフォローしてます。つまり…この彼女は晃一を推していたお友達のことが好き…ということなのでしょうか。同志みたいな気持ちで晃一を応援することにしたのかな。

    この、何気ない数コマにとても深い意味とメッセージが込められている気がして、作家さんとしてのセンスに惚れ惚れしました。【bonus track】という表現も冴えてると思いました。
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  • なんか、淫魔に憑かれちゃったんですけど 特別版

    松雪奈々/高城たくみ

    ◯魔?妖精?いやいやク◯ジジィだと思う
    ネタバレ
    2025年10月5日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 『ウサギの国』シリーズにハマって、続けてこちらのシリーズも読んでみました。どちらのシリーズも、おそらく万人受けはしない気がしていますが…私にはツボでした。

    よく見かけるパターンは◯魔×主人公だと思うので、思い込みからそのつもりで読み始めたところで早々に「あ、違うわコレ」となり、◯魔が間接的に関わる流れが真新しくて面白かったです。

    ◯魔というか、作内では「オヤジ顔の妖精」と言っていますが…この妖精の設定がまぁ後のストーリー展開の為の布石のように不自然なほどあやふやで、何かやらかしそうな空気満載なのもワクワクしました。

    私からすると、この妖精…オヤジといよりお爺さん寄りで、その所業はほとんど「ク◯ジジィ」と呼べるものだった気がします。大半は面白かったけど、橋詰関係だけは美和が可哀想でした。気持ちの整理をするのに必要だったのかもしれなくてもね。

    このレビューを書いてる時点で既に2作も読み始めていますが、さらにパワーアップしてエンジン全開で始まるので、今後の展開が楽しみでなりません。
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  • 腐揃いの同級生【シーモア限定描き下ろし付き】

    高城リョウ

    『腐揃いの教室』シリーズ作品です
    2025年10月4日
    『腐揃いの教室』を先に読んでいて、こちらを見た時にタイトルに既視感があり、調べたらシリーズものだったので購入しました。表記はなくても前作のキャラが出てくるのでシリーズでいいと思います。

    内容は、前回がコメディっぽかったのに対して、今回は多少ドタバタしつつも真面目なやり取りがほとんどだったと思います。相変わらずの絵の綺麗さと弓道という日本の伝統美(だと思う)の相乗効果で、綺麗めにまとまっていた気がします。

    個人的には前回の方が、タイトルの「腐揃い」と「不揃い」がかかっていて、上手いこと言うなぁと思ったし学校という特有のわちゃわちゃ感が楽しくて好きでした。
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  • 子連れやくざのリモート・スロー・ライフ

    綺月陣/亜樹良のりかず

    ヤク◯だけどコメディだから怖くなく面白い
    2025年10月3日
    先生のヤク◯ものは荒々しい『龍と竜シリーズ』を読んでいて、そちらにもちびっ子は出てきましたけど、こちらは本当に同じ作家さんが買いてる?と思うくらいソフトな設定で楽しめました。

    全体的にコメディなので、ヤク◯ってのは設定だけと思って大丈夫な気がします。やはり作家歴の長いベテラン先生なので読者を惹きつける力が強く、先へ先へ読み進めたくなる面白さでした。ずっと「ライが可愛い」とニコニコしてるか、鈍臭い会話に吹き出しながらニヤニヤするか、どちらにせよ締まりのない顔をしながら読みました。人前で読むにはある程度注意が必要な作品だと思います。いたすシーンのイラストもあるのでそちらの注意も要りそうです。

    ほぼ子育てのお話でしたが、ちびっ子好きには最高の読みものでした。自分の子育てには間に合わなくても、孫ができたら活かせそうで、とっても勉強になりました。勉強といえば…作中の「幸福度は金銭ではなく、心の共鳴…琴線で量れ」の言葉も素晴らしいなと思いました。

    裏話的に先生が「レーベル色」の話をなさっていましたが、こういう「ほのぼの・ほっこり・可愛い・優しい」感じの作品をもっともっと読みたいなと思いました。
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  • 妄想ボイス【電子限定おまけ付き】

    桜庭ちどり

    推しキャラや声優に対して妄想する事に共感
    2025年10月2日
    ボイスシリーズ9作め。最初のシリーズが出たのが約10年前で、その頃と今の内容が、現実の声優さんの進化と重なって見えて楽しかったです。現実の声優さんの中には、歌って踊ってコンサートまでする人や、俳優業までこなす人、テレビ番組に出る人など多種多様で…そういう真新しさを感じる作品でした。

    シチュエーションとしては、ありがちなパターンではあったけど黒沢の性格に難があったり、璃律の元カレの奇妙な関わりがあったりで、一風変わった展開になっていて面白かったです。

    私も多少声優オタクなので、璃律の気持ちはすごくよく分かりました。家族の手前祭壇こそ持っていませんが、好きな声優さんのラジオ番組を聞いたり、出演するテレビ番組を録画したり、好きな漫画のアテレコ担当をしていると知ったら即買いしてみたり、当たり前にしてしまいます(笑)

    そんな大好きなシリーズですけど、あとがきで先生が、ここで一度「まとまったお休みをとる」と仰っていました。お身体の具合が…とか、家庭の事情で…とかではないようなので安心しました。エネルギーチャージして戻って来られるのをお待ちしています。シリーズもまだまだ続くようなので楽しみです。次回作まで、勝手に新シリーズの『◯◯ボイス』の◯◯に入るワードを考えながら待ちたいと思います。
  • わんこは陽だまりを教えてくれる【電子限定おまけ付き】

    芥河和真

    とても可愛くて優しくて、ほっこりするお話
    2025年10月1日
    めっちゃ可愛いくて心温まるお話で、私の胸にはギューンッと刺さりました。ただ…「BLはファンタジー」というだけじゃなくてメルヘンっぽくもあるので、その辺で好みが分かれるかもしれません。

    まず旭とひなたの親子としての成り立ちが、ちょっと切なくてでも良い話で、現実感はないはずなのに感動しました。そこへ真宙も交えてのアレコレが、擬似家族とはいえ三人の心に偽りがなく真実そのもののように私の目には映って、感情移入してしまいました。ちびっ子好きには堪らない、ほっこり優しい気持ちになれる素敵な作品です。
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  • 営業成績トップなのは読心術でズルしてるせいです

    川琴ゆい華/炬太郎

    趣味と実益を兼ねるような面白さがある
    ネタバレ
    2025年9月30日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 初めて読んだ『見習いコンシェルジュは理想の上司をひとりじめしたい』が、お仕事BLとしてはかなり面白くて、こちらも読んでみました。

    タイトルが現状をまんま表していて、そうなるまでのことは非現実的でファンタジーなので、リアリティを求める人には向かないかもしれません。でも、本筋は読心できることではなくて、仕事に対する真摯な姿勢と相手のどんな一面も受け止めて愛して支えるBL的要素です。

    今回の業界は不動産会社です。前に読んだのがホテルマンの話しで、その時も思いましたが、「仕事内容や専門用語の掘り下げが、過不足なく絶妙」で素晴らしいです。読者が気になる一歩先まで知れたり、裏話やちょっと役に立つ内容とBLが絡んでのストーリー展開は、趣味(BL)と実益(業界知識)を兼ねるようで有意義でした。
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  • ロスタイムに餞を 特典小冊子

    ココミ

    幸せいっぱい心が温かくなる特典集
    ネタバレ
    2025年9月29日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 正味11ページ…人によって評価が分かれそうな気がします。内容が特典集ということで付加価値があるとはいえ、少し割高かなと思いました。

    メインのストーリーは、ページ数もあり終始朗らかで温かで心がほっこりしました。私は、服を共有する話が特に好きです。一瞬、また喧嘩になっちゃうの?とヒヤリとした直後に分かる隠し事(?)が可愛くて、でも思ってたのと違ってて「あぁ、そうなのね」と、ほんわかした気持ちになりました。
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  • 春のデジャヴに踊れ

    おどる

    映画を観ているような美しい絵と流れが圧巻
    2025年9月28日
    社交ダンスの世界そのままに…優雅で美しく、それでいてパワフルでクイック・ターンと流れがあって、ずっと映画を観ているような気持ちで読みました。

    浩介にとって思い出と共にトラウマのある場所で、色んな意味での再起に繋がる出会いがあり、淳にとっては青春の思い出が残る場所での(ある意味再会ともいえる)出会いがあって、お互いに止まっていた時が動き出すような素敵なストーリーでした。

    絵もお話も素晴らしかったので他作品も読んでみようと思いましたが無くて、もしかしたらと思いつつ表紙裏の作者紹介を読みましたら、「初コミックス」ですって!!とてもとても初とは思えない程ほんとうに綺麗な絵でびっくりしました。才能あふれる作家さんと作品の誕生に嬉しくなりました。
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  • 兄の親友お嫁においで

    厘てく

    年の差CPの話として楽しめる
    ネタバレ
    2025年9月27日
    このレビューはネタバレを含みます▼ んー。ちょっと色々と無理があるかなぁと思うような設定かもしれません。青と藍の年齢差とか妹ではなく弟とか髪の長さとか…一番は「約束」から十年空くことですかね。単純に十年も思い続けられるものかなと思ってしまいました。

    それ以外はテンポも良く、お互いの「らしさ(DKらしさ・リーマンらしさ)」は現実的で、年の差CPのストーリーとして楽しめました。

    何気に主役よりも二人のキューピッド的な青の人柄が素晴らしくて、あんな優しい兄ちゃんがいたら心強いよなと羨ましくなりました。真樹から見たら親友でもあるし、将来的には義兄弟になるわけですから、青の存在感が光っていました。
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  • 狼と駆ける大地

    イーライ・イーストン/冬斗亜紀/麻々原絵里依

    テーマも規模もシリーズ1で読み応えあり
    ネタバレ
    2025年9月26日
    このレビューはネタバレを含みます▼ シリーズ5作目。前作が起承転結の「転」だと思ったので、今回は「結」=完結と覚悟していましたが、違う?みたい…違うと思いたいというのが本音です。

    今までは、あらゆる意味の危機が起こったとしてもマッドクリーク内か、広くても近隣の州が舞台でしたが、今回は遠く離れたアラスカがメインです。アメリカってただでさえ広いけど、ハワイとアラスカは他国や海を挟んでいますから、同じ国とはいえ規模が違いました。

    その上、思考的・物理的そして民族的な距離が大きくあって、その隔たりを埋めるのかそれとも開いたまま別々の道を行くのか、読みながらシリーズ1不安になりました。

    重いテーマに考えさせられたり、彼らの未来を予想したりとかなりの読み応えごありました。あとは、BL的設定ですよね…あとがきがないので作家さんの真意は分かりませんが、日本でいう「攻め・攻めパターン」だと思います。体格ではジウスが、性格ではティムが攻めで、最終的にどうなるかの予想をするのはちょっと面白かったです。リバはないので、地雷がある人も大丈夫だと思います。

    あらゆる事が珍しく中途半端な終わり方だったので、安心感と幸福感を得るためにも続編に期待します。
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  • 愛は金なりⅡ【電子限定描き下ろし漫画付き】【コミックス版】

    熊猫

    もう一度、何度でも…出会って恋をする二人
    ネタバレ
    2025年9月25日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 続編ということで…より糖度の上がった二人を見られると期待していましたが、甘々方面はそこそこに人として(天使と悪魔だから人じゃないけど)心と、そのもっと深い魂の結びつきを感じました。

    ソラの父親の思わせぶりなセリフから、まさかあんな展開になるとは1ミリも思っていなくて、めっちゃ面白かったです。ほっこりすると同時に少しの寂しさを感じてしまうリエルに共感しました。

    リエルは前作で永遠の別れの寂しさを、今作では本来のソラとは一時離れるものの出会い直し・育て直しみたいな喜びもある、違った寂しさを感じていたのではないでしょうか。戸惑いながらもソラを見つめ続けるリエル、ゼロから始めてもう一度(何度でも?)リエルを好きになるだろうソラ、二人の種族を超えた心がとても綺麗なものに思えました。
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  • 愛は金なり【電子限定描き下ろし付き】【コミックス版】

    熊猫

    笑いあり涙ありの切な楽しい最高の作品
    2025年9月24日
    久々に星・レビュー数ともに高い作品を読んで、評価通りの内容に大満足の作品で、めちゃくちゃ面白かったです。ソラの人間界に慣れてない様子が幼く見えて可愛いし、妙な庇護欲をそそって構いたくなるしで、愛すべきおバカさんという感じでした。

    単純なドタバタコメディかと思いきや、リエルの設定が意外でした。ラスト付近の回想シーンではリエルの永い孤独と悲しみを思うと泣けてしまいました。ちょっと(いや、かなり?)違うかもしれませんが、思考・在り方みたいなものが吸血鬼と似てるなと思いました。

    コメディ風で、面白さの中にも少しの切なさがある最高の作品でした。続きも楽しみです。
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  • MILK TEA

    熊猫

    色々と複雑で二転三転する展開が面白い
    2025年9月23日
    色々と思ってたのと違う…ことが多くて楽しかったです。まず表紙と中表紙、どちらにもお子ちゃまがいたので、てっきり「子育てBL」かと思って読み始めたけど違いました。大翔は従兄弟で、親の叔父夫婦も健在で(つまり引き取ってうんぬんの話ではない)関わりはあっても親戚としてでした。

    単純な年の差ラブかと思いきや…色々と複雑で、何度か「え、そっち?」という展開があった後に「で、実際どっち?」と思うシーンがあったり。何とも成幸の心が意味深で読みづらくて、でもそんな掴みどころのない漢字が面白かったです。大人の余裕と焦りがまだら模様のように広がって、深い味わいになっていたような気がします。

    本編はほとんど保視点からの話なので、成幸の真意については本人の言動と行動を手がかりにするしかなく、かといって飄々として胡散臭さのある人なので保同様やきもきしました。でもそれが全然嫌じゃなくて、「思わせぶりな展開」にもっていくのがお上手だなと思いました。一冊でかなりの読み応えがありました。
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  • サドのオトコを落とす方法【電子限定おまけ付き】

    ヤマヲミ

    本編からあとがきまで余す所なく面白い!!
    2025年9月22日
    最っ高〜!!でした。初っ端から「サドって…そっち?」多少の軌道修正が必要でしたけど楽しかったです。あの◯ムちゃんで有名な方言が、あそこの地域のだって知れたのも個人的に価値がありました。そして風太くんが可愛い〜!!ちびっ子好きには堪らないと思います。

    そして、ヤマヲミ先生といえば面白くて有名なのが「あとがき」ですよね。今回もみっちり見開き2ページが文字で埋め尽くされていて、内容は…先生からしてみれば笑い事じゃないのでしょうけど、ごめんなさい、吹き出して笑ってしまいました。かなりおすすめです。
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  • 【単話】ベッドイン・ルール 番外編

    藤河るり

    それしたら意味ないし意味が変わるのでは?
    ネタバレ
    2025年9月21日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 表紙などを除いて正味18ページ。決して多くはないページ数ながらも、小さなコマや細部まで手抜きなしの美麗な絵と、いい意味でツッコミどころ満載のストーリーでした。

    ツッコミその1/「◯でいけない」からって、道具とか内緒でとか色々と頑張る方向性が間違ってる気がしました。

    ツッコミその2/「マスター◯ーション」て、一人でするから日本語でも「自◯」というのであって…受けちゃん可愛さに共同作業しちゃったら意味ないし、意味が変わってくるのでは?と思いました。

    その3/「僕にだってプライドがある」と強気な史音でしたが…まぁ案の定というかお決まりというかの展開・チョロさ加減に笑ってしまう。

    と、こんな具合でかなり楽しめました。
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  • すてきな命の救いかた

    イーライ・イーストン/冬斗亜紀/麻々原絵里依

    限界突破に尽力するラヴの広く深い愛に感動
    2025年9月20日
    シリーズ4作目。前回、起承転結でいうと1作めが起、2・3作めが承という感じと評価しましたが、我ながら上手く例えられたなと思いました。その流れでいうとこの4作目が「転」のようなお話でした。

    シリーズものにありがちな、主人公を変えながら続いていくという面ももちろんありますが(というか読者もそれを求めてる)スケールとか世界観の広がりを見せることも出来ていたし、何よりもマッドクリークという町全体が分岐点に差しかかり、未来へ大きく舵をきったターニングポイントと言える巻だと思いました。

    その一番の立役者であるラヴは、前作に出てきました。そんな引き継いだ流れ・前情報があるので、今までのクイックとつがった人間(ティム・マット)より断然飲み込みや理解力が高くて、かなり順応するのが早かった気がします。おかげで読者もその辺の「知らない」ことで起こるすれ違いにヤキモキしなくて済みました(笑)。それどころか、ラヴの一人犬種当てクイズ?に耽る様子が、哀愁を感じつつも可笑しくて笑ってしまいました。

    あとは、犬から人になった「一代目」と言われるクイックの懸念事項について…少し考えれば思いつきそうな問題なのに、I〜3巻までまるで意識していなかったことが急浮上した瞬間はドキッとしました。その直後、サミーの事実が明かされた時はものすごくショックでした。

    そんな重大な問題も種族の違いさえも乗り越える、ラヴの大きく深い愛に感嘆しかありません。その上、マッドクリークが抱えるコミュニティの限界にも身を挺して事に当たる姿勢に感動しました。

    ラヴの崇高さ博愛・見識の広さとランスの為人が…対照的で、ちょっとアレでしたけど、最後には町を一番に考えて自分ともラヴとも折り合いをつける所は、やはり男前だなぁと思いました。次作で「結」となるか、まだまだ続くのか楽しみです。
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  • 王の獣~掩蔽のアルカナ~

    藤間麗

    大人も子供も楽しめ、考えさせられる作品
    2025年9月19日
    普段はBLばかり読んでいて他ジャンルの作品とは縁がないのですが、何かの時に6巻まで無料で読んだら止まらなくなり…一気に完結まで読み終えてしまいました。

    レビューを書く段階になって初めてあらすじを読んで知りました…こちらは『黎明のアルカナ』の続編ではないけどシリーズで後発作品なのですね。知らなかったとはいえ、先に読んでしまっても問題なく楽しめました。

    超個人的な感想というか見解なんですけど…前半と後半でストーリー展開のスピードが違った気がします。前半がゆっくりで後半が急ぎ足だったような。後半の方が複雑で濃い内容が多かった割にサラーッと流れるように過ぎていったので、欲を言えば一つ一つをもう少し噛み締めながら読みたかったかなぁと思いました。

    ジャンルが少女漫画なので、お色気シーンも戦闘シーンも過不足がなくて、大人も子供も(と言っても中高校生くらい?)十分楽しめるような絶妙な作りになっていました。
  • この度幼なじみと仮婚します【電子限定おまけ付き】

    黒田くろた

    攻めの愛が重いけど暗くなく面白いラブコメ
    2025年9月18日
    試し読みした範囲でも、仮婚とか太一の職業がヒモとか(ヒモは職業ではない)コメディ系の雰囲気を醸し出してましたけど、そのままのノリでした。太一はともかく、涼介はシゴデキの社会人でモテる設定なんだけど…会話や行動なんかがDKみたいで楽しかったです。

    涼介がやたら愛が重い発言をするのですが、どんなにストーカーっぽくてもどんなに執着が凄くても、病み(闇)要素が皆無だから明るいんです。ボケとツッコミみたいな感じで笑ってしまいました。あと、思い出で妄想することはあっても、ギリギリ変態臭がしない点も良かったと思います。家事が全然とかも、いまいちスパダリになりきれないダサさも逆に可愛かったです。

    この作品、主人公は太一で彼の心情の変化を丁寧に拾いながら進んでいきますが、物語の中心は太一でも笑いの中心は断然涼介だと思いました。
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  • 二階の悪魔さん 地獄への帰り方、探してます。

    谷崎泉/稲荷家房之介

    W購入もあり…数Pに一度吐き出す面白さ
    2025年9月17日
    普段はBL沼の住人なので、先生の作品も何作も読み込んでいます(お気に入りは『スクランブルメソッドシリーズ』です)が、一般小説は初めて読みました。コメディということもあり、もの凄〜く面白かったです。数ページに一回吹き出してしまうくらいで…これは「決して何か食べながら・飲みながら読んではならない」作品だと思いました。あと人前で読むのも危険かもです。

    BL小説は、イラストありのものは特に外出先では人目が気になって読みづらいので電子で家でしか読みませんが、一般小説なら大丈夫…ということで紙にしましたら、これがうっかりだった?かもしれません…電子なら特典のSSが付いています。

    SS読みたさに電子も購入するつもりです。ちなみに…紙では約250ページありました。続編に超〜期待しています!!
  • 女王と仕立て屋[コミックス版]

    スカーレット・ベリ子

    スピード感と交差の美しさに圧倒される
    2025年9月16日
    先生の作品は、なぜか『四代目・大和辰之シリーズ』から読んでしまい…あまりの激しさに読みきれず『ジェラシー』を積んでいます。その後『保坂さんと三好くん』で、読み応えはあるのに辛くない作品に出会って印象がガラッと変わりました。こちらも凄く濃い内容で凝った展開が面白かったです。

    おちゃらけたムードの中に人生観・仕事・家族・恋愛・アイデンティティなど盛りだくさんの要素が、全く渋滞することなく、それでいて複雑に絡み合う展開は素晴らしかったです。まるで某体育大学の「集団行◯」を見ているようなスピード感と交差の美しさに圧倒されました。

    子供っぽいようでちゃんとした大人のけじめをつけられる大海。円熟した大人であらゆる面で先輩であるはずが、大海を手に入れる為なら我慢せず子供のように手を伸ばす志田。二人のコントラストも見どころでした。内容もですが、キャラたちが(同僚や姉さえも)誰も彼も魅力的で全てが極上の一冊でした。
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  • 星に願いをかけるには

    イーライ・イーストン/冬斗亜紀/麻々原絵里依

    絶体絶命の危機回避に奔走する展開が面白い
    ネタバレ
    2025年9月15日
    このレビューはネタバレを含みます▼ シリーズ3作め。今回の主人公ジェイソンと初めに(まともな形で)関わるのが、1作めの主人公で2作も登場したティムで、彼の近況報告がまぁ…予想はしていなかったけど幸せそうで嬉しくなりました。アメリカとクイックのなせる技という感じでした。

    雰囲気として起承転結でいうなら1作めが「起」、2・3作めが「承」で、2作めとサバイバル面が似ていると思います。CPとしては初めてのパターンのクイック×クイックだったので、秘密保持という観点からの危機は薄めでした。それよりもっと深刻なトラブル・危機に晒されて絶体絶命…と思われる中、誰からも重要視されていなかったジェイソンのヒトとしてクイックとしての能力の高さを知らしめる展開にハラハラし通しでした。

    マイロの親しみやすさと正反対のジェイソンの堅物さは好みが別れそうですけど、3作めにして一番スリリングで面白かったです。
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  • カラスとスズメ[コミックス版]

    こん炉

    お互いで充電し合う様子が可愛い
    2025年9月14日
    始まりかたが面白くて読み始めました。全体的に現実的な部分とお伽話のような部分とがいい具合に混ざり合った、不思議な雰囲気の作品だったと思います。カラスの心の空洞の話や学校生活のあれこれは現実的で、スズメのピュアさやほわほわ可愛い様子にメルヘンを感じました。

    性格もキャラも正反対に思える二人が、お互いの良さを見つけて仲良く充電し合う関係が微笑ましい作品です。
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  • ミケちゃんとクロせんせ

    櫻井タイキ

    相手に対するリスペクトを忘れない姿が素敵
    2025年9月13日
    表題作と短編が2作入っていました。表題作は、私史上2回目?くらいかなという珍しい設定でした。パターンとしては…少ないながらも「リバ」とか「攻め×攻め」パターンのどっちがどっちだ!?問題は割と読んだことありますが、「ネコ×ネコ」パターンは希少だと思います。

    「攻め×攻め」パターンは、どちらが打ち負かすか…どうしたら優位に立てるか…などアイデンティティとか矜持とか、火花散る男のプライドをかけた戦いというイメージです。一方「ネコ×ネコ」パターンは、元が受け入れる側だからか相手にはもちろん、自分にも労りや思いやりの心を感じるし、何よりも相手に対するリスペクトが感じられるところが良いなと思いました。

    それは別として、単純に学園もの・教師と生徒の話というだけでもわいわい楽しく読めました。
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  • 蝶よ花よ、君よ

    熊猫

    短編だけど濃くインパクトのある内容に満足
    2025年9月12日
    配信中となっていますが、お値段とページ数から察するに短編で完結なのでは?と思います。表紙などを除いて正味37ページ…短い中にも起承転結がしっかりありましたし、絵が綺麗なのもあり、転から結までの流れに多少思い切りが良すぎた感(ぶっちゃけ「そーはならんやろ」と思いました)が、ページ数を考えるとアリかなと。

    匂いに敏感…という程ではないけど、例えば加齢臭や体臭って人によって全然違ってて、私の場合は男女問わず快・不快と好き・嫌いが一致しているので、馨くんの感覚は分かる気がしました。

    初めての作家さんでしたが面白かったので、他の高評価の作品も何作か読んでみたくなりました。
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  • ほむら先生はたぶんモテない

    せかねこ

    試し読みでクスッとした人全員におすすめ!
    2025年9月11日
    100以上のレビューがあって星4.9って…ちょいモンスター級の高評価だと思います。内容は、人によっては「星5じゃ全然足りない」くらいだと思います。私もそうで、あのゆるゆるな空気感と二人の関係が大好きで、正直終わってほしくないくらいでした。

    内容はとても面白いのですが、一冊がそれなりに高額で(単行本ではないから)普通の漫画とは違う(4コマ風)こともあり、合わないと厳しいかもしれません。なので試し読みをしてからの購入をおすすめします。この高評価は、作風とマッチして人が読んでのものだと思うので。ちなみに私は、読みにくさの問題もあり、紙で購入しています。

    このあと楽しさはそのままに…数年後の二人『先生日誌』が続編であります。
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  • 保坂さんと三好くん[コミックス版]

    スカーレット・ベリ子

    どこまでいってもグレーな大人のラブコメ
    2025年9月10日
    いきなりセンセーショナルなシーンから始まるので、曲がったことが嫌いな私が、このまま読んでもいいのか一瞬迷いました…犯罪まがいの執着愛って苦手なので。だけど読んでみたら、限りなく黒(犯罪)に近いグレーのような?白(執着はあるけど純粋な愛)に近いグレーのような?不思議な感覚になるお話しでした。

    恋とか愛って不思議なもので、見るだけでも好意がなければりっはなハラスメントになるのに、少しでも気持ちがあれば受け入れられるし許すことも許されることもできるし、その先の触れることをも欲してしまう。

    三好くんの場合、保坂さんの天然キャラと海のように広い心・深い愛情に助けられてたように感じました。設定や展開が、かなり凝っていて楽しめました。

    先生の作品は『四代目・大和辰之シリーズ』の前2作は読んだけど『ジェラシー』は怖すぎて読めていません。どんどん過激になる気がして読めずにいます。ですが、こちらは苦しさはなく楽しく読めました。保坂さんは天然だし、三好くんは子供っぽいし、歳の差もあるので様々な不安要素を撒き散らしながらも、秀逸なセリフや心理描写の掘り下げで大人のラブコメを楽しませてもらえました。
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  • あなたのお城の小人さん ~御飯下さい、働きますっ~(コミック)

    美袋和仁/п猫R/栗原一実

    健気で可愛いだけじゃない骨太のストーリー
    2025年9月9日
    試し読みの段階で心を掴まれて、出たばかりの3巻まで一気に読んでしまいました。普段はBLばかり読んでいて、そちらでも子育てものは好んで読んでいますが…BLだからか(?)子供もほとんど9割がた男の子なんです。なので、女の子が主役というのは新鮮でした。

    あまり詳しくないのですが、令嬢ものとか異世界転生ものとかの王道ストーリーかなと思います。私にとってはBL以外で初めてだったので既視感もなく楽しめました。

    子供好きだったり子育て経験のある人だったら、始めの辺りで泣いてしまうのではないでしょうか。本来なら庇護されてしかるべき年齢(2〜3歳)にも関わらず、一人で生き抜かなければならない過酷な状況、その姿に健気さにほろりとしました。

    読み進めていくと、裏に潜む謀略や国家機密などが明らかになって、最初に思っていたよりずっと細かく丁寧なプロットがあることに気付かされます。
  • 見習いコンシェルジュは理想の上司をひとりじめしたい

    川琴ゆい華/たつもとみお

    最高のお仕事BL
    2025年9月8日
    初めての作家さんでしたが、高評価に違わぬ面白さでした。お仕事BLでもあるので恋愛の割合は少し下がりますけど、どちらも丁寧な掘り下げで物足りなさは全くなかったです。二人の職業がホテルのコンシェルジュなので、おそらくはリアルに近い仕事内容と数字(1日の問い合わせ件数など)が知れて、ためにもなったし面白かったです。

    あとは、先生独自のキャラ設定というかセリフまわしが、独特で楽しかったです。生まれも育ちも東京近辺と思える広瀬が、いっぱいいっぱいになると時々「…知らんけど」とか「知らんがな」とか関西弁になってて笑っちゃいました。

    蓮条も「よくよく考えたら、俺に限って〜ヘマはあり得ない」の決めゼリフが、シゴデキ男の風格があってかっこ良かったです。…であるのに、恋愛感情に慣れていないのか鈍感なのか、好きの表現がなぜ「わずらわしい」になるのか、そしてそれをリピートする意外な姿にニヤついてしまいました。

    BLとお仕事の他にも、コンシェルジュ関係でトラブルや緊急事態など様々なことご起こるのを、スマートかつエレガントに、時に荒々しく解決していく様子もハラハラ感があって楽しめました。
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  • あっくんとまーくんPINK4

    sunoma

    天然受けのパターンを外さない政宗が可愛い
    ネタバレ
    2025年9月7日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 表紙などをのぞいて正味28ページありました。ドタバタコメディみたいな可愛いすれ違いが楽しかったです。

    どうしてもフェ◯をしたい政宗と(本編から)頑なにさせたがらない亜蘭との攻防戦が見ものでした。学校で盛り上がってしまった二人…政宗が「フェ◯か帰るか」の二択を突きつけると、まさかの「帰る」選択で落ち込む政宗ですが、妙なすれ違いが楽しかったです。

    真面目な子って、何に対しても(それが性的なことであっても)勤勉で向上心があるのはいいと思うのだけど、根本的に方向性が間違ってる気がします。案の定、それが攻めにバレて経緯から内容までを包み隠さず言わされて、お叱りを受ける…パターンを外さない天然政宗が可愛いかったです。
  • あっくんとまーくんPINK1~3再録完全版

    sunoma

    正反対のようでお似合いの二人が可愛い
    2025年9月6日
    『あっくんとまーくん』本編後のお付き合い編のお話です。本編では(こちらも最初の方は)デッサンのようなやや粗めの筆致が少し気になりましたけど、内容の面白さに相殺されて楽しく読めました。話が新しくなるほど絵も綺麗になっていったので読みやすかったです。耳と尻尾の生えた亜蘭やデフォルメされた絵は特に可愛いかったです。

    あの荒くれ者の亜蘭が、まるで崇拝するように政宗のために動き回る姿に想いの強さとか本気度が感じられて…政宗は幸せ者だなと思ったし、二人でいれば最強であらゆる困難を乗り越えられるはずと信じられる気がしました。

    犬(亜蘭)と飼い主(政宗)みたいな二人とくれば、大体駄犬がパターンですけど、亜蘭は賢くないだけで飼い主想いの忠犬みたいで可愛いかったです。ほのぼのともほっこりとも微妙に違う、現実的な面も見せられるけど、なんか優しい気持ちになれる作品です。
  • 幽霊探偵 久良知漱 全3冊合本版

    アイダサキ/ワカマツカオリ

    善悪を超越した先にある「生」について学ぶ
    2025年9月5日
    英田せんかの一般小説カテゴリーの作品です。あれから一年…悲しみが薄れることはありませんが、ようやく読んでみようと思えるようになりました。

    読んで字のごとく、「幽霊からの依頼を受ける探偵さん」とお手伝いをする女子高生の話ですが、職業とするからには「料金形態はどうなってるか?」とか「意思の疎通は?」とか疑問がありました。そんな中読み進めていくと、直ぐにお茶目な文章で面白おかしく説明されて…強烈に懐かしさを感じました。

    主人公たちを取り巻く世界・現実は、主軸が幽霊であるが故に物悲しい気持ちになる話なのに、解決した時には彼等にとっても主人公たちにとっても救済になる…亡くなった者たちから生きる意味を教わるような深い話でした。

    3巻めに入って気づきましたが、三崎坂の喫茶店「乱歩」やフロランタンの専門店、たい焼き屋など実際にある(またはあった)と知って、リアルで雰囲気を味わってみたいなぁと思いました。写真を見るだけでも不思議とノスタルジックな気持ちになって、それと共に「先生の作品は生き続けて、ずっと私たちの心に残り続けるのだな」と思えました。
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  • あっくんとまーくん 2024改訂版

    sunoma

    正反対に見える二人が本当はベストカップル
    2025年9月4日
    始めは、見るからにヤンキーと見たまま優等生のミスマッチだけど、わちゃわちゃ可愛いギャグ寄りのDKものかと思っていました。そもそも正反対くらい違う二人がどうして一緒にいるのか分からないまま読み進めることになりますが、どんどん明かされるバックグラウンドが(特に政宗)結構DKには厳しく深刻で、そんな中言葉は少ないけど寄り添うように勇気を分け合う姿が良かったです。

    1巻まで読みました。2巻は番外編集?のようなのでいずれ読みたいと思います。その前に続きのお付き合い編『あっくんと まーくんPINK』1〜4を読みたいと思います。
  • いきものBL図鑑~世界は××に満ちている~【単行本版】

    璞つぶこ

    楽しく為になる上にBLとしても面白い
    ネタバレ
    2025年9月3日
    このレビューはネタバレを含みます▼ いきもの擬人化BLとは…初めての試みでもあり多少無理があるのでは?と思う設定だけど、思いの外、凄く細かい所まで学術的にも正確に掘り下げてあって、楽しいし勉強になりました。

    上巻は、ペンギン・キリン・カタツムリ編でした。どれも本当に興味深くて面白かったです。可愛さでは圧倒的にペンギンで、家族愛もありキュンとしました。キリンは知ってるようで知らない生態のあれこれが意外でした。カタツムリに関しては、知らないことばかりでびっくりしました。特に右巻き・左巻きがあるなんて初耳でした。

    下巻は、ホンソメワケベラ・ゾウアザラシ・イルカと、海のいきものの話でした。ホンソメワケベラは初耳でしたけど、魚なのにかなり知能が高いとか雌雄の在り方が、珍しいとか不思議とかでは括れない、奇跡のいきものだと思いました。ゾウアザラシの雄の生き辛さは相当なもので、生態としては面白いけど気の毒すぎて笑えませんでした。イルカは、知能が高いのは知っていましたし、幾つか知識として分かるものもありましたけど、それ以上に与えられる情報が多くて為になりました。

    動物でもなんでも割と雑学には自信があったのに…9割方知らないことだったのは、ちょっと悔しいけど面白かったです。主にエ◯方面に関しての知識なので、知らなくても大丈夫かもですけど(笑)
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  • 恋邪魔な幼なじみがムカつく【電子限定おまけ付き】

    うすいしっぽ

    攻め・受け「らしくない」所が面白い
    2025年9月2日
    受けも攻めも、それぞれの家庭環境も何かと特殊だったりイレギュラーな感じで、単純そうに見えて意外と深かったりするので楽しめました。あとちびっ子が好きなので、軽く子育て要素があるのも良かったです。

    まず受け、ちょっとおバカなお坊ちゃんですが、できないのは勉強だけで、人としてはその辺の大人よりしっかりしていて、頼もしい場面もありました。攻めは、文武両道で良いお兄ちゃんで優等生タイプですが、案外芯は受けより細いような気がしました。

    対外的・肉体的に守っているのは攻めだけど、心理的・内面的に守っているのは受け…のように感じる特殊な構造で、なかなかない設定が深みを出していたように思います。
  • 初恋フェイクファミリー

    町田とまと

    ラブコメ調のヒューマンドラマのよう
    2025年9月1日
    分かりやすくチョロ可愛受け・年下攻めで、タイトルまんま初恋の相手となんちゃって家族を演じる、ドタバタ・ラブコメディかと思いきや、それだけではない面白さがありました。

    手段はどうあれ…哉芽の真尋への想いは本物で、生来のしっかり者気質もあって、途中何度か保護者と子供の立ち位置が逆転しているようで楽しかったです。哉芽はヤク◯の坊ちゃんという立場を使って、真尋は大人として組員として相手を守る…どっちがどっちでも、親子でも夫夫でも家族として成り立っている二人ぎ幸せそうで良かったです。

    ラストで、大人としてはやや頼りない感じだった真尋が働く姿を(読者にも哉芽にも)見せることで、作品が引き締まった気がします。しかもちょっとしたトラブルを簡単に(意外にも)スマートに解決してしまうから、かっこよかったです。
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  • 刑事と灰色の鴉

    高遠琉加/サマミヤアカザ

    スリの利き手は心臓だーの一文にグッときた
    ネタバレ
    2025年8月31日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 先生の作品で最初に読んだ『世界の果てで待っていて』にハマっての二作品め。どちらも未完の上に長らく続きが出ていない(予定もない?)のを承知の上で、評価の高さに我慢できずに読んでしまいました。

    結論から言うと、まぁびっくりするくらい良い所で続く…となるので、ご自分の性格と相談の上で読み始めるかどうかは自己責任でお願いしたいです。ちなみに2巻のあとがきで先生は「3巻完結」と仰っているので、待つにしても残り1巻ではあります。

    『世界の果てで待っていて』でも思いましたが、やはり言葉のセンスが卓越していると思いました。始まって直ぐの玲のターンの一行目で、いきなりグイッと惹きつけられます。

    「スリの利き手は心臓だー」の一文は、芸術的と言えると思いました。他にも叙情的で矛盾しているようで…でも真理で、やけに腑に落ちる言葉の数々がありました。「ー矛盾を抱えたまま、それでも地球は回っている」は、小説の中だけでなく現実世界の理でもある気がしました。

    1巻の残り2割を切った辺りでの先輩刑事の言葉が、まぁ重いです。「警察は正義の味方じゃない」から始まり「万人にとっての正義なんてない。正義は規定できない」と。法で正義は貫けない、犯罪だけが正義を全うすることができる特殊な状況(タイトルを彷彿とさせる正にグレーゾーン)に絶望的な気持ちになりました。

    それは刀浦も同じで、彼は彼なりの(警察とも犯罪とも違う?)正義の元に動いているような気がしました。健斗へ問いかけた言葉「おまえはーお前が、言えるのか」…この「は」と「が」のたった一文字が、計り知れない差を生んでいると思いました。

    主語はどちらも「お前」ですが、「は」なら純粋な問いかけに聞こえます。だけど、重ねて更に「が」に変えることによって、私は反語のような威圧感を感じました。「お前が、言えるのか(言えないよな。言わないよな)」括弧内のセリフまで込みで投げかけられてるような、もっと言えば「言わせねぇ」まで聞こえるようでした。

    本編にマジシャンが出てきますが、それこそ作家さんは言葉・文章を自在に操るマジシャンみたいだなと改めて思いました。
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  • 転生第八王子の幸せ家族計画(コミック)

    南野のこ/八月八/山田J太

    可愛いく頑張り屋でちょっぴり強かな幼王子
    2025年8月30日
    普段はどっぷりBL沼に浸かっているんですけど、何かの拍子にこの作品に出会いまして…リエトのあまりの可愛さに序章も序章の1巻が出たばかりなのに買ってしまいました。

    正直…リエトのやることなすこと「自分が可愛いって分かっててやってるよね」と、確信犯めいたあざとさを感じないでもないのですが、それでも可愛いと思ってしまう自分に勝てませんでした(笑)

    見た目5歳のリエトの中身が何歳なのか分かりませんが、どうやらリーマン世代みたいなので、とにかく大人ではある…中身(大人であること)をカモフラージュする為に殊更に子供っぽくしてたのかもしれません。

    あざとかろうが何だろうが、とにかく可愛いし全てに偽りがなく相手を思う真心があるので、読者も兄王子達も絆されて愛おしく思うようになるのかなと思いました。

    可愛く頑張り屋で、ちょっぴり強かなリエトを盛大に愛でるストーリーです。
  • 恋のついでに御曹司【特別版】

    名倉和希/小路龍流

    秀逸なタイトルを裏切らない面白さに大笑い
    2025年8月29日
    万人受けはしないかもしれませんが、好きな人にはハートに刺さりまくると思います。溺愛・甘々・ラブコメ・可愛い受けがお好きな方にお勧めします。

    笙真の性格には読み始めて直ぐから気づいていたけど、軽いというか考えなしというか…チョロ過ぎて笑ってしまいました。笙真のそういうキャラから来るタイトルなんだなぁと。優先事項は恋で、御曹司(稼業?)はついでって…そういう意味だと分かると、タイトルの秀逸さが光っていると思いました。

    御曹司をこなすにあたり、目標像と現実とのギャップとか、何のことはないミッションに対して難しく捉えて面白おかしい発言をするとかも笑えました。森下は森下で、見た目のクールさと心の声とがかけ離れていて、こちらも楽しかったです。父親の慎太郎も息子可愛さに頭がお花畑になっていて、ちょっと変態ぽくて…何だかんだ一番常識的なのは執事の花木しかいない感じで、ラストまで漕ぎ着けたのが不思議なくらいドタバタで面白かったです。

    ラスト付近で気がつきましたが、笙真が母親のことは「母さん」と言うのに、父親のことは「お父さん」と呼んでいて、たった一文字の「お」に心理的距離ではなくて尊敬や敬愛の情を込めているようで素敵だなと思いました。

    性根の良さと可愛い顔くるいしか取り柄がないような笙真だけど、己を正確に分析できている割に自己肯定感が高くて、幼いところはあるけれど物事の真理を突くような発言もあって、誰もに愛される理由が分かる良い子だなと思いました。
  • 兄貴の友達 僕らのおうち

    はなげのまい

    楽しくて癒される最高で最強のラブコメ
    2025年8月28日
    本編もDKの世界観全開で良かったけど、こう易々と超えてこられるとは思っていなくて、あまりの面白さに感動しました。柿本が社会人に、ゆうやが大学生になり、会話のノリや思考回路はDK時代とあまり変わらないけど、二人の愛が強く大きなものになったと感じました。

    ゆうやは相変わらず(?)空回ってる様子が回し車を回す小動物みたいで可愛いくて、柿本は社会に出たのもあって大人の余裕というか貫禄みたいなものが付いたように思いました。

    恋愛ものなので喧嘩やすれ違いもあるんですけど、普通の展開や心情と全然違うというか…解決法がいつも斬新で好きが溢れてて、楽しいし癒されます。浮気や当て馬の入る余地がゼロで、お互いがお互いのことしか見えてないのが分かるのもいいなと思います。若干、頭がお花畑化してる様子の二人ですけど、全然嫌な感じはないし寧ろ誇って良いのでは?と思えてしまう清々しさがありました。

    ラスト付近に二人を取り巻くキャラ達(ゆうや兄&母・高良)が出てきて盛り上がるシーンも楽しかったです。まだ二人の生活はスタートしたばかり…これからの展開にも期待しかないです。
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  • 獅子王アルファと秘密のいとし子【特別版】(イラスト付き)

    小中大豆/みずかねりょう

    シアの秘密を徐々に明らかにする手法は流石
    ネタバレ
    2025年8月27日
    このレビューはネタバレを含みます▼ ケモ耳・ちびっ子・シンデレラストーリーなどのワードに惹かれる方にお勧めです。表紙からも何となく分かるように、基本、安心・安全の王道ラブストーリーだと思います。なので、ジェットコースターのような激しさはありません。だからといって平坦なわけでもなく…例えるなら、ハイキング寄りのピクニックみたいな感じでしょうか。

    あらすじにあるので、最初からヴィスラン側の隠し事は分かるんですけど、シアの秘密がね…最初から辻褄が合わなくて?と思いながら読み進めて、少しずつ明らかにする手法が上手いなと思いました。ミランは、もっと出番を多くしてほしいくらいに可愛いくて眼福でした。
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  • とある書店員の恋物語

    たき猫背

    とある書店員達、それぞれのラブストーリー
    2025年8月26日
    とある書店を舞台にした3CPのオムニバス形式のストーリー…これが一冊に纏まっているのでかなり読み応えがありました。どれも優しい雰囲気で、所々切なさはあるものの苦しさはなくて温かい気持ちになれました。

    私は、やっぱり最初のCPが好きです。一番ページ数を取ってあって丁寧な心理描写の掘り下げがあるというのも大きいけど…一番は健太郎の可愛さにやられたからですかね。会話のテンポや内容は今どきだと思うんだけど、どことなく古風な雰囲気が初々しくて一生懸命なところもいい。

    冷静に分析してみると、樽谷への近付き方(初動の演出)なんかは、かなり計算ずくというか強かさがある気がするんです。でも、実際は一所懸命で一途さしか感じない…不思議な魅力がありました。DKって、若いって、怖いもの知らずで繊細で強くて弱い、アンバランスでパワフルで、そりゃ迫られたらキュンとくるし、心も動くよなぁと思いました。
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  • 机の下の秘密のやり取り「社長、会議に出てください!」番外編【電子限定版】

    海野幸

    仕事も恋愛も真面目に取組む姿にホッとする
    2025年8月25日
    BLなのに、分かっているのに、女性目線で重盛のことを「こういう人と結婚したら幸せになれそう」と思いました。見るからにイケメンでも、明らかにやり手のエリートでもないけれど、その他大勢の一般人にとって接しやすくて、目立たないけれど確かな実力がある…こういう人間力のある人に憧れます。

    恋人である二人が、真面目さ故に二人だけしか居ない社内での距離感を計りかねて、そわそわ落ち着かない様子でいるのが楽しかったです。
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  • バイトの宮川君は店長が好き 番外編集

    端丘

    番外編らしく個性的・独創的で面白い
    ネタバレ
    2025年8月24日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 1巻)ネコ化する理由とか原因とか細かいことはともかく…獣耳・尻尾設定ってキュンが詰まっている気がします。あと、ネコ(受け)がネコ化なら攻め(もしくは読者)の夢や希望が溢れていそうですが、今回は攻めのネコ化という点が面白いです。

    その意外性プラス、ネコの宮川くんが可愛くて、彼を可愛がる店長もまた可愛くて、短いながらも眼福でした。一人で勝手に「店長がネコ化しても可愛いだろうな」いやいや「二人ともネコ化するパターンもありだな」と、妄想が膨らみ楽しかったです。

    2巻)着替えがなくて仕方なく(?)着ていた変な絵のTシャツについて語る宮川君の虚無顔とセリフに、普段あまり表に出ない感情がダダ漏れしているようでクスッと笑えました。

    一回スキンシップを許されたから、若い宮川君はグイグイ行きたがるんですけど、そこを何とか理性で止めようとするアラサー店長の心の動きが、どことなく叙情的でじんわり響きました。

    3巻)闇(病み)が深めな姫川君の話がインパクト大でした。彼はモブ出身のキャラだそうで…私は、説明されて初めて「そういえば居たかも」くらいの存在感でしたが、なんか色々と怖かったです。やってることはほぼ犯罪だと思うけど、害はない(悪い子ではない)と信じたい。
  • やさぐれ男、異世界で色悪騎士が愛する王子の身代わりとなる

    小中大豆/奈良千春

    言葉選びのセンスが秀逸で重いテーマに感動
    ネタバレ
    2025年8月23日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 軽口を叩くシーンはあるけれど全体的に明るい印象はなくて、夜のシーンが多いこともあり暗めでテーマも重かったです。だけど、極度の困難にあっても未来を信じ希望を持って皆を導く礼夜の姿は、夜を照らす一筋の光のようでした。

    ストーリーの軸は「国取り合戦」で、礼夜が日本での経験を元に知略・突飛な戦略でもってのし上がっていくまでが、時代劇のようで読み応えがありました。そこへ王子とのやり取りやヴィダールとの愛などが合わさってきますが…全ての事に生死が絡んでくるんですよね。何もかもが命懸けなので、展開に重みがありました。

    恋するのも命懸けで、その表現が秀逸でした。恋に…一般的な「落ちる」ではなくて「堕ちる」と言っていますし、「用心していたのに、いつのまにか深く囚われていた」とも言っていて、礼夜が恋におちる事を負のイメージで捉えているのがよく分かる表現でした。

    一般的な人ではなくて、主人公・礼夜が恋におちた時の心境・状況を、これ程上手く表現できる作家さんは稀だと思うし、言葉選びのセンスに感動しました。

    礼夜が、愛だ恋だの感情を心底軽蔑していて全く信じていない、そういった感情を持つことさえ許されない…そういう十字架を自分自身に課しているのが伝わってきて、持ってしまった時の絶望が「堕ちる」の文字の違いに感じられて深いなと思いました。

    系統的には『気難しい王子に捧げる寓話』に似ていて、ストーリー性重視の作品かなと思います。
  • コッコとのこと

    三田六十

    虚構かもだけど深く大きな愛の話に感動した
    ネタバレ
    2025年8月22日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 初めての作家さんでしたが、試し読みの感触が良くて読んでみました。試し読みでは、ニワトリの擬人化も可愛かったし、雛の段階で雄か雌かで将来が変わる…というのも知識として知っていたので、逃げ出した先には(絵柄的にも)ドタバタラブコメ系のハピエンしかないと思っていました。

    が、意外にも性別や種族・常識までも乗り越えた深く大きな愛の話で、まさか涙するシーンがあるとは思ってもいませんでした。コッコが、オットから貰うものの全て(夫そのもの・名前・一緒に寝ること・働くこと・昼寝でさえも)に、全身で喜びを表して心から幸せそうで、それでいて依存するのではなく、生きる目的みたいな固い決意をもって別れを選ぶシーンには、切なくて泣けました。純粋無垢な魂は、世間擦れした男(オット)の心・生き方さえも変えてしまうのだなと思い知りました。

    この作品の何が凄いかと言うと…結局、オットは(もっと言うとコッコの周りの者全員が)最後まで真実(コッコは雄だから卵は産めないと)伝えないんですよね。つまりは、誰もが嘘つきでこコッコを騙しているも同然だと思うんです。この場合、「相手を思いやる嘘」とは少し違う気がします。でも、誰一人として悪者はいない絶妙な落とし所が凄いと思います。

    突き詰めれば、「誰も真実を伝えていないだけ」で、「嘘つきではない」のかもしれません。それでも信じているコッコからしてみれば「虚構の世界」なわけで…複雑な心境になりました。

    可愛い作画とストーリーであるのに、ある意味メリバのような結末で、でも誰もが幸せな気持ちになる、不思議で優しいお話でした。真実を伝えることが、必ずしも幸せに繋がるわけではないと学んだ作品でもあります。
  • 淡雪国の壮麗なる日々

    サブロー/もちゃろ

    愛らしい二人に終始顔が緩みっぱなしでした
    2025年8月21日
    読み始めてすぐから薄々「面白さの一番の要素はギャップかな」と思ってはいましたが、これが想像以上に激しくて笑ってしまいました。冷酷な王子のイメージとは反対に、やたら動揺しやすく素直な反応をするヒサギ…侍従のクサバにツッコミを入れられる度に「はっ」とか「む」とか、心の声がダダ漏れなのが楽しいです。

    鈍感で一生懸命なカナンも可愛いくて、恋を現象だと思っている(つまり経験はおろか聞いたこともない感じ?の)初心さが堪らない。それなのに夜のテクニックは仕込まれているという妙な極端さも初々しくて愛らしにキュンとしました。

    カナンの努力の方向性が…間違ってるわけではないんだけど、でも明らかに、そして大幅にズレていて、それもこれも下手したら「あざとさ」を感じそうなものだけど、そういう嫌な感情は1ミリも芽生えず、ただ応援したくなるような可愛さしかありませんでした。

    誘い受けと襲い受けの両面がある、ニュータイプの受け(カナン)とヘタレ攻め(ヒサギ)の攻防がトンチンカンで、でも好きが溢れていて楽しいです。ヒサギとクサバの言動は、熟練のお笑いコンビみたいで面白かったです。全体的に外で読めないくらいにニヤニヤしながら読みましたけど、従者らしからぬクサバの受け答えには吹き出してしまったほどです。
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  • 鮫は桜に恋をする【コミックス版】

    強面なのに愛情深い鮫島が犬みたいで可愛い
    2025年8月20日
    内容が同じかは分かりませんが、1巻は【読み放題】の同人誌版を読んで、レビューもそちらにしました。単行本版は2巻からです。なので今回は2巻のレビューをします。

    1巻が出会いからのDKものだとしたら、2巻は大学生編(ただし先輩・後輩なので桜木だけ)という内容でした。大学は、高校の延長線上にある「学校」なのに何もかもが違いすぎて、それが原因で起こるすれ違いなどがメインのお話でした。

    その他に(性)生活の悩みなどもあり…桜木は真剣なんでしょうけど、何だか楽しかったです。相談に乗ってあげてる尾田っちの虚無顔などの百面相に笑ってしまいました。

    すれ違い・修羅場・惚気・切なさ・ラブラブ…色々てんこ盛りで楽しめました。この後、同棲編が始まると聞いて読むのが楽しみです。
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  • 恋する救命救急医 それぞれの空 【電子オリジナル】

    春原いずみ/緒田涼歌

    芝居の幕間・小休止のような軽い内容
    2025年8月19日
    タイトル通り…7CPそれぞれの「空」にまつわる短編集。短いながらもシチュエーションややり取りにCPごとの特色が出ていて、穏やかな気持ちで読み進められました。…が、最後の貴志×森住の話だけ、らしいと言えばらしいのかもしれませんが微妙で(内容があるのかないのかよく分からない上に短かった)軽くズッコケてしまいました。

    どのCPも二人の絆とか育むものがあるのを感じられて、ほっこり読んでいたのですが、最後だけあまりロマンチックさがなかったのです。まぁ…そこが現実主義者らしい貴志っぽい気がしないでもなかったですけど。

    シリーズの大ファンとか、推しCPが出てくる話は絶対に外せないとかでなければ、読まなくても今後のストーリー展開に影響はない気がします。芝居だったら幕間、いわゆる小休止のような軽い内容でした。
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  • 「BUDDIES」番外編集【電子限定版】

    倫敦巴里子

    甘〜い雰囲気が仲の深まりを感じさせる
    2025年8月18日
    表紙・目次などを抜いて正味25ページ、2作品。レビューを書く為に情報としてページ数を調べましたけど、読んだ直後はそんなことまで頭が回らないくらいの満足感がありました。要するに「ページ数以上のものがあります!!」と言いたいです。少なくとも本編が刺さった人には、是非とも読んでもらいたいです。本編より甘い雰囲気で良かったです。嬉し恥ずかし甘酸っぱいシーンも、二人の関係が深まったのを感じられました。
  • さあ、俺に恋をしろ【SS付き電子限定版】

    倫敦巴里子

    どちらも濃密で深い、痛みを伴う大人の話
    ネタバレ
    2025年8月17日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 表題作と別作品がありました。このような場合、私は「どちらかが、より好み」な事がほとんどなんですけど、今回はどちらも凄く良かったです。

    表題作は、二人の性格と特徴がはっきりしていて、それ故の演技への拘りや姿勢の違いが明確で、対照的(正反対)過ぎる為に役者としては対立しライバル視し合うも、恋愛対象としては惹かれる…複雑な心情にグッと引きつけられました。

    演技を通して魂同士がぶつかり合うみたいなシーンは、絵の表情からも心の叫びみたいな空気感がひしひしと伝わってきて、演技の奥深さにぞくぞくしました。そんな中、息抜き的なポジションにいる城之崎のマネージャーの腐女子っぷりが楽しかったです。

    もう1作の『君は一万光年のひかり』は前後編で、もしかしたら苦手な人がいるかもしれない設定でした。私は特に地雷がないので隠された意外な展開に度肝を抜かれたし、そういうのも大人のBLとしては「あり」で面白いと思いました。以下、本気のネタバレになりますのでご注意を…

    役は変わりません(つまりリバはない)が、相手が変わります。どちらも固定を望む人には厳しいかもしれません。
  • Donut Ring「初恋の嵐」番外編【電子限定版】

    凪良ゆう/木下けい子

    弁護士もかたなし…バカップルぶりが楽しい
    2025年8月16日
    シリーズを小説も漫画も読んでいたので、番外編が出て嬉しくて当然のように読んでみました。内容は、ライトなドタバタ・ラブコメでした。二人の関係については、色々と問題提起はあるものの…進展も解決もないまま終わります。唐突な終わりに唖然としましたけど、続きがあると思って楽しみに待ちたいと思います。

    とあるシチュで、蜂谷が入江を「ムッツリスケベ」と言っていて、頷きつつも「いや、もっと上の段階へ行ってる『変態』なのでは?」と思ってしまいました。そんな変態ムッツリの入江が好きで、何だかんだ入江の口車に乗せられて、あれよあれよと流されて一緒になって変態プレイをしている蜂谷がちょろ可愛でした。

    蜂谷のことになると馬鹿になる入江のポンコツぶりにも笑ってしまい、弁護士と言えども恋をすればただの人…しょーもないバカップルぶりが楽しかったです。
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  • アヒルの卵【SS付き電子限定版】

    倫敦巴里子

    やや不健全で屈折したキャラが多い気がする
    2025年8月15日
    表題作と別作品が二作ありました。今回は、2作目以外は屈折したキャラが多かったように思います。特に1作目の攻め、3作目の受けが、病んでる…とは少し違う曲がり方をしている気がしました。そして、モテないだけで一見普通そうなお相手までもが染まっていって、結果CPで不健全さが強調されていたような…。

    屈折した相手を好きで、受け入れて、ただ一人の相手と思うなら、ほとんど一心同体みたいなもので…飼い主が飼い犬に似てくるのに近いと思いました。特に表題作は、犯罪スレスレだと思うのに、好きな人にされるなら警察沙汰どころか嬉しいと思えるんだから、何事も気の持ちようというか、ものは言いようというか何なのか、イケメンなら何をしても許されるような空気の近さを感じました。
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  • 狼王子とパン屋の花嫁【シーモア限定特別版】(イラスト付き)

    釘宮つかさ/サマミヤアカザ

    優しい気持ちになるハートフルファンタジー
    2025年8月14日
    出だしから好みの予感がして、どんどん先へ読み進めたくなりました。具体的には「安心安全・王道・溺愛・甘々・ラブストーリー・もふもふ添え」という内容かなと。そんな感じで気楽に読んでいましたが、割と早い段階で思いがけない秘密が明らかになり…ただただ甘いだけではないぞと、適度な推理要素も加わって、更に私好みで面白くなりました。

    表紙の次のカラーイラストからもエンドは読めますし、予想と大きく違うこともなく、それでいて細かなアップダウンはあって飽きさせない楽しさがありました。
  • 放課後エキセントリック【SS付き電子限定版】

    倫敦巴里子

    表題作DKとすれ違い社会人CPの二作品
    2025年8月13日
    表題作3話と前後編の別作品がありました。内容は、表題作がエキセントリックなDKの話、もう一方がトラウマ急に拗らせた社会人BLでした。

    DKの話は、タイトル通りエキセントリックな趣味嗜好が共感はできないものの…そして可愛いさもあまり感じないながらも、大真面目に可笑しな事を言ったりやったりするのが面白かったです。

    私は後半の話の方が好みで、何とも奇妙なすれ違い状態になっていたり、特に純の心の傷を思うと切なかったけど、大人の恋愛らしくて読み応えがありました。こういう「想い合っているのに心理的・物理的にすれ違う」ストーリーの組み立てが、抜群に上手な作家さんだなと感心しました。
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  • 銀色きつねは愛されアルファ

    葵居ゆゆ/カワイチハル

    バース設定に拘る人は注意が必要かも
    ネタバレ
    2025年8月12日
    このレビューはネタバレを含みます▼ シリーズものとはどこにも書いてないけど、『愛されオメガの幸せごはん』のCPが出てくるので、軽くリンクしています。前作の二人は運命の番だったけど、今回はタイトルからも何となく察せられますが、アルファが受けなんですよね。何気にこれって漫画でも小説でも凄く珍しい設定だと思います。そうなる為にはアルファ同士のCPが考えられますが、とにかく少ないパターンですよね。

    結局、バース設定の予想も外れて驚かされて、その他諸々私はこちらの方が好みでした。様々な葛藤や痛みを乗り越えて、決められた「運命」ではなく自分が「運命」を選ぶのだと信念のような強い想いで結ばれた二人が羨ましくもあり、微笑ましくもありました。

    凛一のお兄さんはかなりいい性格でしたが、なんか憎めない人で、素人読者ながら料理のしがいがあるタイプだと思いました。お兄さんの救済作を見たいので、シリーズ化を強く希望します。
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  • 新妻くんと新夫くん おかわり 【電子限定特典付き】

    蔓沢つた子

    ヤンデレ度と変態度がエスカレートして…笑
    ネタバレ
    2025年8月11日
    このレビューはネタバレを含みます▼ おかわりと言うだけあって一冊丸々表題作で、めいっぱい楽しめました。前半部分は、付き合いが長くなればあり得そうな内容が多くて、それ自体は普通なんですけど、いちいちアホエ◯な展開になるのが面白くて笑ってしまいました。

    ポイントとしては、今まではヤンデレ進化する新妻に引いていたはずの新夫が、新妻の新しい一面を見つける度に変態度が増していく新夫に新妻が引くという逆転現象が起きていることです。そして妙な解釈違いをした新妻がおかしな方向へ進み始めて、また新夫の変態度が増す…みたいなやり取りも良かったです。

    後半で辻ヶ堂が参戦してくると、水面下で冷静に損得勘定をしつつも、余裕なさげに新妻愛を全開にしている姿が微笑ましかったです。受けを溺愛してカッコ悪いくらい愛情を示すのは、逆にカッコ良いと思いました。

    辻ヶ堂の出現で、ラストスパートをかけるように新妻のヤンデレが加速して危うく最終形態まで行きかけた時はハラハラしましたが、それも含めて楽しくて何杯でもおかわりしたくなりました。
  • 新妻くんと新夫くん【電子限定特典付き】

    蔓沢つた子

    ヤンデレ受けを可愛いと思える日が来るとは
    2025年8月10日
    表題作とシリーズとは別作品が半々くらいの割合で入っていました。『新妻くんと新夫くん』は、新妻のヤンデレ具合に磨きがかかりエスカレートしていて面白かったです。そして、前よりももっと可愛いと思いました。なんて言うんでしょうね…基本は新夫と同じで「怖い」とか「キモい」という表現が合うと思うんですけど、見た目と行動に反して(多少行き過ぎ感はあるものの)健気なんです。新夫の為に料理を頑張るとか、自分のことは何を言われても無頓着なのに新夫に対する評価には全身全霊を傾けるとか、単純さが忠犬みたいで可愛いくて愛おしく思えました。

    新夫もそんな新妻に絆されたのか、新妻がどん底の時のサポートには愛があった…いえ、愛しかなかった気がします。まさか自分がヤンデレにハマって、しかも可愛いと思う日が来るなんて思いもしなくて、新鮮な出会いでした。
  • 強面の純情と腹黒の初恋【特別版】

    海野幸/木下けい子

    不安な時は、自分を信じる事から始めよう
    ネタバレ
    2025年8月9日
    このレビューはネタバレを含みます▼ これほど端的で的確な内容を表したタイトルもなかなかないだろうと思えるタイトルだなと思います。一言で言ってしまえばタイトルのままなんですけど、海野幸先生ですから…もちろん実際の内容は色々と入り組んでいで読み応えがありました。

    双葉と梓馬それぞれの性格の掘り下げや、気持ちの揺れ動きと恋愛感情の描写など、見どころがたくさんありました。双葉の不安感の原因を探っていった時に「相手(梓馬)を信じられないのではなくて、自分を信じられない」事実に行き着きます。

    その時に二人とも腑に落ちたようでしたが、私も同じで…「自信」て、「自らを信じる」という漢字の通り、自らを信じられない状態を自信がないというんだな。自信がないから不安になる…なるほどなと妙に納得できて、人生勉強になりました。これからは、不安になったら自分を信じることから始めてみようと思います。
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  • くさかんむりに化けると書いて

    蔓沢つた子

    対照的な2CPの話…シリーズ1作め
    2025年8月8日
    表題作と『新妻くんと新夫くん』の二作が半々くらいの割合でした。私は『新妻くんと新夫くん』『〃おかわり』を読みたくて、シリーズ1作めのこちらから読みました。

    そんな前置きがあり…表題作は、多少突飛な流れやセリフがあるものの、ほとんどが至って常識的で一般的な二人の恋愛と感じました。その反動もあり、『新妻くんと新夫くん』はなかなかに衝撃的で刺激的で楽しめました。

    正直に言うと、ヤンデレ系は得意ではなくて分かっていれば避けることの方が多いので、新妻の性格・人格が判明してすぐに「選択をまちがえたか?」と思いました。でも、流石は続編が出るだけあって、あろうことか新妻を「可愛い」と思ってしまう自分がいて、軽い衝撃を受けました。苦手が逆転してハマってしまう未知の魅力がある作品だと思います。
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  • 黒き獣と夜の花【シーモア限定描き下ろし付き】【コミックス版】

    丸田ザール

    明るい陽だまりのような春樹に癒される
    2025年8月7日
    タイトルは志賀(黒き獣)と春樹(夜の花)のことを表していると思いました。志賀は裏社会の人間という意味で黒、春樹は盲目というところから夜を連想しました。夜は暗いので、どちらも黒や暗いイメージがありますけど、読んでみると春樹が纏う空気とか印象は、断然「白」なんです。明るい陽だまりがとてもよく似合います。

    ある一面では似たような(暗い)ところがあるけど、その実…正反対とも思える二人がとてもお似合いで、志賀の職業柄殺伐とした描写もあったのに、何度も春樹の微笑みに癒されました。

    デビュー作?とは思えない完成度でした。
  • 妄想ばかりでごめんなさい【SS付き電子限定版】

    村上左知

    パステルカラーのように優しい癒しBL
    2025年8月6日
    先生の作品は、全体的にゆったりした流れと優しい雰囲気で、切なさはあっても心が削がれるような致命的な悲しみはまずないので、穏やかな気持ちで読めて癒されます。そういう意味では、BL初心者の方におすすめです。逆に猛者の方には物足りないかもしれません。

    表題作3話とスピンオフ2話、喫茶店を軸に2CPの話が入っています。私はどちらかと言うとスピンオフの倫太郎の話が好みでした。苦労者・見た目と中身のギャップがある二人のキャラ設定がツボでした。単純にケンカップルが好きというのもあるけど、ケンカまでじゃなく犬(ボーダーコリーとパピヨン)のじゃれ合いみたいで可愛かったです。
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  • メルティホワイトアウト[コミックス版]

    鯛野ニッケ

    絵もストーリーも芸術的に美しく素晴らしい
    2025年8月5日
    ある意味、芸術的な作品だと思います。なんかこう…クラシックコンサートを聴いているような感覚になりました。そこに言葉はなく、音しかないはずなのに、物語が、世界が広がって見える…みたいな。もちろん漫画なので、言葉はあるんですけど、文字や音以外の何かが感覚的に伝わってくるようでした。

    演技に対してかなり本格的に掘り下げてあって、素人にも「役者によって同じ作品が全く別ものになる」のが理解できましたし、そういう演技ができるが故の苦悩と恋愛を絡めたストーリー展開も素晴らしかったです。そして、芝居の世界・二人の世界に読者を惹きつける、圧倒的な絵の美しさ!!非の打ち所がない完成度でした。綺麗なだけじゃなく、可愛かったり儚げだったり優しい微笑みだったり、読み応えも見応えもありました。

    真樹の役者魂と辰彦の脚本家魂が、求め合い刺激し合って作り出す芝居と、肩書き込みで惹かれ合う恋が織りなす世界観が、映画みたいに素敵でした。
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  • 家計簿課長と日記王子【特別版】

    海野幸/夏水りつ

    重くはないけど、切なく考えさせられました
    2025年8月4日
    タイトルからは繋がりにくいですが…ざっくり言うと、家計簿をつけて節約生活(というか、もはや人生)を送る課長と、ある事をきっかけに共同生活をする事になった節約とは縁遠い部下のお話です。

    周平の強迫観念にも似た節約思考に対して伏見が言った「楽しそうに節約する人はそれでいいと思うけど、課長はそうじゃないみたいに見えた」というセリフに、思いやりの心を見つけて感心しました。私だったら速攻で節約=ケチのレッテルを貼ってしまいそうです…。そういう色眼鏡で見ない所に人としての徳を感じました。

    実際、無関係の読者である私から見たって伏見の買い物に「それは無駄使いでは?」と思うような出費もあった気がします。私が周平寄りの考え方をするというのもあるでしょうけど、伏見マジックというか、彼の言葉・考えを聞くと周平同様、妙に納得してしまう自分がいました。

    そうやって、節約(家計簿)・お金・日記・王子と、タイトルから過去、考え方など様々な要素を上手く繋ぎ合わせてあったと思います。特に光るブレスレットの話はガツンと響きました。軽い気持ちで読み始めましたが、思いの外切なく考えさせられるお話でした。
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  • 食べちゃだめなのにおいしいです

    山田2丁目

    スタンダードな前作、逆転現象が面白い今作
    ネタバレ
    2025年8月3日
    このレビューはネタバレを含みます▼ シリーズ最新作。前作の世界観はそのままに、穂高と大喰が従兄弟という設定で穂高は少し登場します。始めは少し混乱しましたけど、穂高は鬼業界で名が知れ渡ってるだけで、前作とは別高校が舞台です。

    前作も面白かったけど、「鬼とヒト」との関係性を考えるとスタンダードな設定・展開だったと思います。ヒトが鬼に食われる→鬼を恐れる→ヒトである事を隠す&逃げるというような。

    今回は、奇妙な捩れ現象が功を奏していた気がします。本来なら逃げる立場だと思うヒトが鬼に迫り、どうにかこうにか自分を食べさせようとする→鬼が倫理観を大事にして食べまいとする→結末は見えてるのに必死な攻防戦を繰り広げる…というような逆転現象が面白かったです。

    細かな設定で言うと、大喰の可愛い見た目に反してキリッと男前な性格や、巨ツノへの拘りが先行して大喰に執着していた赤石が恋を意識する瞬間など、色々とギャップも楽しめました。
  • 恋をするにはイケメンすぎる

    リオナ

    見た目はイケメン、中身は天然で面白い
    2025年8月2日
    「イケメン」というワードが、これ程ネガティブに捉えられてるのに面白いってのが新鮮でした。イケメン周辺で起こりやすそうな困りごとから事件まで、あらすじにあるエピソードは普通かなと思います。でもそこで終わらないのが先生で、イケメンなのにどこかズレてる西園寺のキャラとか、ネガティブシンキング対策に向かった先が料理教室とか、小さな意外性が様々な面白味になって大きな楽しみに繋がっていくようで、とっても楽しかったです。

    BLなので、料理教室の先生が男性なのは分かりますけど、出会って恋して(すれ違いもあるかもしれないけど)ハピエンでめでたしめでたし…ではなくて、昴先生の暗黒とも言える過去がなかなかの衝撃で笑えました。恋の駆け引きみたいな展開も工夫があって面白かったです。
    いいね
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  • 黒猫にキスを

    鈴木レモン/湊はつはる

    ほぼ恋愛関係の話なのに飽きずに楽しめる
    ネタバレ
    2025年8月1日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 穏やかそうな表紙とタイトルに加えて、多くはないけどそこそこあるレビュー数と、小説では珍しいくらいよ高評価に釣られて読んでみました。ざっくり全体について言わせてもらうと…それほど大きな事件・事故・国家間のいざこざなどはありません。ほぼほぼ二人の恋愛についてのお話なので、込み入ったストーリーを好む方には向かないかもしれません。それでも高評価に違わぬ面白さがありました。

    始めはニデル視点から語られ、良い意味で緩い話ぶりが楽しかったです。レガートに関しては、真面目で堅物、実直なキャラ設定を前面に出してこられたので、素直に受け止めていました。その後レガート視点に転換すると、何やら不穏な空気になり…「この先、二人の関係はどうなるの?」という大事な所で、焦るでもなく「やる事やってて、実は男性相手も経験あり」とか、イメージが180度変わって少しがっかりしたりもしました。

    二人の関係が明るみになった後もレガートは、現代風に言うとセフ◯関係を安易に受け入れられる緩さとか、この期に及んで「恋情ではない」と言えてしまう配慮・道徳観の無さとか、あまりに世俗的な普通の男過ぎてビックリしました。

    相談を受けた元上司の「お前、結構な最低男だぞ」という言葉に頷きしかなかったし、誰がどうジャッジしても「クズ」だと思うのに…そう言い切れない何かがある不思議な人物でした。どうなることかと思った二人でしたけど、周りに助けられて大団円のラストを迎えられて良かったです。
  • 溺愛ホストにご指名いただきました【電子限定おまけ付き】

    ヤマヲミ

    あとがきまで余す事なく面白い
    2025年7月31日
    作家さん買いの方向で色々読んでいます。今回も面白かったんですけど、ただ1点「おもらし」系は得意なほうじゃないので、そこだけちょっと乗りきれませんでした。私だけかもしれませんが、苦手な人は気をつけてほしいです。

    でも相変わらずコメディと恋愛とのバランスが良くて、二人の心情に合わせて上がったり下がったり楽しませてもらいました。そして期待の「あとがき」は、今回も最高に笑えました。先生の独り言のようなノリツッコミ、願望のような軽い愚痴のような文章も面白かったです。
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