このレビューはネタバレを含みます▼
志田と江藤は顔は違うものの背格好や雰囲気が似ています。二人と同じゼミで2つ上の先輩だった虻川は学生時代から江藤に片想いしており、二人が自分の勤める会社に入社したことを嬉しく思っていました。ある日、急な天候悪化で急遽ホテル泊まりとなった虻川と志田は、ダブルの部屋を割り当てられます。江藤じゃなくて良かったと虻川はほっとしますが、シャワーを浴びた志田はいつもより一層江藤に似ていて虻川は眠れません。それに気づいた志田は、自分を江藤と思ってくれればいいからと言い、そこから二人の秘密の関係が始まるのでした。いつも必ず暗闇で行われる逢瀬は、ある時はずみでライトが点いてしまったことから終わってしまいますが、虻川は学生時代から自分を見つめていた志田の想いを知るのでした。『齧ってみなけりゃわからない』『暗がり〜』の後半、男性から告られたと志田に爆弾を落とした江藤のお話。江藤は、行きつけの定食屋の息子•相庭とお互いの部屋を行き来するほど親しくなり、ある時酔った相庭から突然好きだと言われます。けれども翌朝、相庭は昨夜のアレは無かったことにしてくれと言うのでした。ゲイであることは受け入れられないのがデフォルで、万が一好きな相手に受け入れてもらえても、今度は相手まで世間から弾かれてしまうという苦悩が描かれます。