坊ちゃんと若頭さん
」のレビュー

坊ちゃんと若頭さん

嶋二

クールな若頭×母を亡くした組長の孫

ネタバレ
2025年1月25日
このレビューはネタバレを含みます▼ 母一人子一人の御法川成己は母を亡くして祖父に引き取られます。存在さえ知らなかった祖父は、なんとヤクザの組長でした。ごく普通のメガネDKの成己は、その日から坊ちゃんと呼ばれ、若頭の五百蔵が成己の世話係となります。組員たちは見るからに怖そうで最初はびくびくしていた成己も、皆が思いがけず優しくてだんだん馴染んでゆきます。ある夜、母親の夢をみた成己は目が覚めてしまい、その気配に気づいた五百蔵が自分の部屋で一緒に寝てくれます。大きなアザラシの抱き枕を貸してもらい五百蔵の温かさに包まれて、成己はぐっすりと眠ります。そして翌朝目覚めていつもと違う五百蔵の笑顔にキュンとなってしまいます。けれども五百蔵には愛人がいるらしく、また亡くなった成己の母親のことを今でも大切に思っているようなのでした。見た目も中身も幼い成己の意外と太い性欲が面白いです。いかにもSっ気に満ちた切れ長の眸に薄い眉の五百蔵もクールでカッコ良く、終始楽しく読めました。ただし成己はオヤジの大切なお孫さんで、しかも未成年なので、さすがの若頭も最後までは突破できません。〈高2•春〉では1年後の、やはり試される五百蔵の姿が描かれています。
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