半魔の竜騎士は、辺境伯に執着される
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半魔の竜騎士は、辺境伯に執着される

矢城慧兎/央川みはら

本編とスピンオフのテイストの違いも面白い

2025年1月29日
1・2巻と、それぞれに大きな事件(事故)があり、巻ごとに解決する事、作品全体で最終的に解決する事、諸々が上手く絡み合いストーリーが進みます。3巻だけは集大成という感じで、4割までで本編は完結します。残りはキースとユアンのスピンオフという構成でした。約半分ものページ数があり、ちょっとした事件も起こるので、かなりのボリューム感でした。ラストで、キースの身の上にヒヤッとする事が起こりますが、本編にはなかったようなファンタジー設定が効いていて面白かったです。
3巻の前半(本編)で、オリビエが「テオドールが過去に愛した人」の話をしていて、その時はピンとこなかったし、本筋に関係のない脇道の話だろうから気にしなくていいか…と(まさか伏線だとは思わずに)流していた、その答えが、後半のスピンオフに出てきました。勘の良い人なら本編のその場で答えが分かったでしょうけど、私は鈍い残念組で、いきなりの答え合わせにまんまと驚かされてしまいました。
表紙のカラーイラストを拡大して見ましたら、カイルの瞳の色が1〜3巻へ行くごとにどんどん赤くなっていて…何かしら作者さんの意図がある気がしました。適度に作り込まれた設定や世界観が上手く機能して、読み応えのある面白い作品になっていたと思います。配信中となっていますが、一応の完結はしている気がします。
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