自由気ままな精霊姫
」のレビュー

自由気ままな精霊姫

めざし/しょくむら

大陸を自由気ままに吹っ飛ばす精霊よりも

2025年1月30日
恐ろしいのは、四大財閥。表題に惹かれて読み始めましたが、発売直後に2巻を読んで、この世界の歪さが際立ってきたことを感じ、素直に楽しめない…と思ってしまいました。四大財閥以外、いや四大財閥当主とその家族以外の人間は「全て下等で動物と同等、あるいはそれ以下」と明確に線引きしていて、誰もがそれを当たり前と受け入れているこの設定には怖気がします。1巻である程度は予想していましたが、自由気ままな精霊姫に満足してもらえるだけの財力と権力を持ってます!とアピールするなら、ちょっとやり過ぎだと思いました。最新の2巻を読んで、作者さんはこの作品をどうしたいのか???精霊姫の話をしたいのか?世界を牛耳るマフィア?的財閥の裏の顔にスポットライトを当てたいのか?暗黒ドロドロの展開は好みじゃないなぁ。自由気ままの解釈が違うんだよね。
ただ、一言付け加えさせてもらうと、作品中で自然そのものの精霊姫を描くにしても、人を虫と同等に見下して処分していく四大財閥を描くにしても、どっちも中途半端だと感じました。描くなら徹底的に、そうでないならいっそぼかした方が、読者の想像力を掻き立ててくれたのに…。私のイライラの原因はコレかもしれません。
いいねしたユーザ3人
レビューをシェアしよう!