このレビューはネタバレを含みます▼
壬生了平は、大学の後輩の結婚式で潰れて同期の筒美佑の営む旅館で目覚めます。写真サークルだった壬生と筒美は学生時代いつも一緒に写真を撮っていたのですが、卒業前にゲイの筒美とノンケの壬生は関係しそうになりながらも最後までには至らず、それっきりになって10年後の再会でした。筒美は以前と少しも変わらず、カメラマンとして独立しながらもプレッシャーで撮れなくなってしまった壬生に、気分転換に自分の旅館にしばらく滞在しないかと言ってくれます。有難く受け入れた壬生は、筒美が自分の写真集を買ってくれていたり、自然豊かな環境で筒美がSNS用の写真を撮っている姿を見ているうちに少しずつ写真を撮りたいと思うようになります。それとともに学生時代の堤への気持ち、上手くいかなかったあの日の後悔が蘇ってくるのでした。10年の空白を経て両片想いが成就するお話は、恋を阻むのが相手の才能への憧れと嫉妬という男性同士ならではの感情がリアルです。すっきりとした線と構図はエロシーンでも如何なく発揮されていて、修正が極小でした。各話のカラー表紙も写真っぽくて良きです。