婚約者は、私の妹に恋をする
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婚約者は、私の妹に恋をする

ましろ/はなぶさ/宵マチ

息を吸ってるのも許せない。

ネタバレ
2025年2月4日
このレビューはネタバレを含みます▼ 私はこの妹が息を吸ってるのも許せない。
姉のことを愛していると言う割に姉が受けている虐●にも気付かない上、姉とその婚約者が結婚した後にタイミングを見計らったように彼を奪い子供まで作る。
婚約者は両親に蔑ろにされる姉にとって唯一の逃げ場だったのに。
そもそも同じ家で暮らしているのに、姉が両親からどんな扱いを受けているのか分からないはずがない。
どうして姉が結婚した後に彼と子供を作ったの?
結婚する前にいくらでもチャンスはあったでしょうよ。
どんな気持ちでこの妹は結婚式に参加したんだろう。
妹の存在は、罪なき姉にかけられた呪いのようだ。
そして、妹と同じく息を吸ってるのも許せないのは婚約者。
すべてこの世を統べる神のシナリオから逸脱したせいだとしても、だからといって、脇役である姉になんの罪があるのか分からなかった。
この世界の主人公は妹と婚約者なのだから、お前たちがなんとかすべきであって、なぜ脇役である姉がこんなにも理不尽に何度も何度も人生を傷つけられなければならないのだろう。
不条理な物語に読者の私も悲しみ憤るわけだが、主人公の2人に罰など与えられない。
妹はソレイルが戦死した際に罰が与えられたなど戯れ言をほざいていたが、可愛い息子を2人も授かり、姉の地位を奪い妻の座に納まって今の今まで幸せに生きてきたくせに。何が罰だ。馬鹿馬鹿しい。
原作を読んだのでカラスのお陰で彼女が救われるのはわかっているけれど、それでも姉の人生を踏みにじってきた誰にもなんの罰も与えられないのは本当に悔しかった。
あの父親、母親、妹、婚約者にも、しっかりとした罰を与えてほしかった。
執事が「見て見ぬふりをしたせいで自分は一生お嬢様を失うことになった」などと後悔を口にして自分の全財産を渡してきたが、そんな言葉と行動だけで済むなんて悔しすぎる。
執事は物語にほとんど出てこなかったし、姉のことを助けようと妹のことを呼んできたし別にどうでもいいんだ。執事の後悔なんて。
それよりもあの憎き父親の懺悔がほしい。それが読みたい。
すべてはあの父親と我が儘な姫のせいなのに。なぜ姫の命令で結婚までして産まれた子供が、こんなにも酷い扱いを受けなければならないんだ。
こういったやるせない気持ちを感じるために作られた物語なんだろうね。
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