このレビューはネタバレを含みます▼
大好き作者さん。
最高です。BLってだけではなくSFやサスペンスの要素が強いので、じっくり時間をかけて自分で状況を解読していくのが楽しく感慨一入な作品でした。
4話あたりで大筋は理解出来るのですが、下巻に突入しても最終話になっても色んな気づきが新たに出てくるので、そのたびに感動し常に目には涙を浮かべて最後は大号泣!!どの世界線も無駄でも犠牲にもなってなくて、17歳の2人にすら救いを感じる始末。美しすぎませんか?優しすぎませんか?過去、現在、未来のみならずいくつもの可能性と世界線があり、その全てが大切に描かれてます。
見える人の物語が好きなので、2人の男性がそれぞれ過去と未来が見えてしまい、その視点が重なり合って、何人もの命が犠牲になってる事件が絡み、己の命の危険にまで曝される中、自分の力や愛する人の想いを信じて行動する‥!て展開は最大限に設定を使ってて面白過ぎました。
じいちゃん、家族の描き方も曽我部や死者たちの関わり方もどれも上手いし、ちゃんと意味と繋がりを感じられる。
BLとしても最高で切実な想いがしっかり(でも上品に)伝わってくる。このニコイチな関係性は加減を間違えると執着や共依存のようにも捉えられそうだけど、彼らが穏やかに自分達の今を見つめて生きられてる明るさが、正に過去と未来の『間』にいる私達の無数の可能性そのものだと感じました。
作者さんも書いてますが再会ものの良さ!この作品の10年はちゃんと重みがあって、望まずに持たされた者たちが自分を犠牲にして生きていたのは辛いけど、それを無視する事が出来ない彼らの繊細なキャラクターが好きだし、蛍の抱える負い目への昇華の仕方が作品の重要なポイントになってるのもこの作品の持つ優しさそのもの。
描き下ろしも最高で、蛍が違う世界線の自分や晶が見てる未来の自分に嫉妬したり、10代の頃の青い衝動に駆られる蛍と恋人である今の蛍を見てる晶が可愛い反応をする場面はこの設定ならでは。晶の顔が好きなのでちょっと顔を赤らめるだけでも満足!最高!!全部お前らやんけ!!最高!!!!
この作品の面白さは自分には上手く説明出来ないけど、割と自分達の実生活に反映出来る事が多くて読後もじっくり考える時間がありました。とりあえず最高だって事は伝えたい!最高!!最高!!