このレビューはネタバレを含みます▼
一軍とか二軍とか、イエベとかブルベとか…
分類することが当たり前になりつつある現代人にそっと疑問を投げかけ諭してくれる、なんて素敵な作品なんだろう。それに「気味」と「君」とが絡み合い、タイトルがしっかりと内容に反映されていて感動すら覚えました。
一見スクールカースト一軍な拓郎(攻)と、三軍に見えるひろむ(受)。
ところが実際には本人を差し置いて周りが勝手に拓郎を一軍に仕立て上げているだけだったり、ひろむのようにカーストを利用してゲイバレを防いでいるだけだったりするから、属性を頭から決めつけることほど損なことってないよね…
ぼっちなひろむに近寄りもしないクラスメイトと違い、拓郎は斜め上の結論を叩き出すタイプ(気味が悪いゆえん)だから逆にあそこまでひろむの内面に迫れたのだし、恋人にまでなれたわけで。当のひろむに至っては自発的に三軍を選び交流を断っているのだから、ひろむにしてやられているのは実はクラスメイトの方だったりして。
しかしひろむは、仮面を一枚剥がすだけでなんと魅力に溢れていることか…続編が出るとのことですが、学校という狭い世界を飛び出したひろむの方が逆にモテて拓郎が焦り散らかす未来しか見えません…
ひろむは聴いている音楽の趣味もいい(およそ20年前に人気のあった実在のバンド名をもじっている)し、上手にヒゲダンも歌うし、裸のバックスタイルも素晴らしく色っぽい。物語終盤、画面を拡大して思う存分おしりと太もものほくろをガン見するがよろしいです。
自分も三軍陰キャ寄りだからってついひろむのことばかり書いてしまいましたが…そんなひろむの良さにいち早く気づき、堂々と過去に向き合った拓郎もめっっちゃいい男です。
とりあえずこあら先生の描くびっくり顔とはにかみ顔は国宝。