雨傘で凌げないほどの恋
」のレビュー

雨傘で凌げないほどの恋

ARUKU

タイトルの様な、愛しくて苦しくて切ない恋

ネタバレ
2025年2月9日
このレビューはネタバレを含みます▼ ARUKU先生作品は、独特の世界観があり、ヨーロッパの詩のような情感が漂っていて好きです。その作品全体の世界自体も楽しめますが、心を打ち付けてくるような言葉や感情が何度も出てくるので、作中何度も感動してぐっと胸が掴まれるようです。傷付いて弱ったまま、敵だらけの世界を孤独に生きる寂しさと、傷付けてしまった方の抱え続けた懺悔の気持ち。でもその中に、淡い雪のように静かに、雨傘でも凌げないほどずっと降り続ける恋心があって、太陽のような彼を忘れられない気持ち。自分のした行為と言葉の力をずっと考えてきて、償いと共に抱く愛しい気持ち。色々な割り切れない気持ちの中で、心を決めた天花寺が、全てを捨てても五映の手を取り大きく包みこんで愛するゴールがすごく良かったです。「たった一人のために書いたものが結果届くのは一人じゃない・・」の台詞と、天花寺の書いた記事の内容が沁みてきました。終始すごく良い作品でした。
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