しあわせにできる
」のレビュー

しあわせにできる

谷崎泉/陸裕千景子

しあわせにできるは【人生】語りきれないよ

ネタバレ
2025年2月9日
このレビューはネタバレを含みます▼ 正直言って最初の6巻まではだいぶキツかったです。なんせ、攻めはほぼレープみたいな感じで怒りに任せて乱暴にするし、その後も久遠寺兄弟の昴と映が本田さんにちょっかいかけてきて、それに閉口する…という感じでした。特に映さんは本当に嫌で、本田さんの気持ち無視ですか?社長だかなんだか知らないけど、やって良いことと悪いことあるぞ、警察呼ぶか?ア?ぐらいの気持ちで、料亭事件は許せないですね。妻子持ちの男がやる事ですか?で、一旦この本から距離を置きました。さらに追い討ちをかけたのが日芳の環境です。落合をはじめとする御三家、噂好きな課長豊川、仕事は出来ないのに宴会やら幹事やらにばかり注力する各務。読んでて、令和の感覚からするとあり得ない…と思うことが続きます。まず、本田さんの生い立ちって結構複雑なんですが、超絶綺麗な母が電話かけてきたり、ロビーに会いにきたりするだけで、大騒ぎ。人のプライバシーにこれでもか!と言わんばかりに立ち入るし、デリカシーないです。根は悪い人達じゃないの伝わってきますけど、マジで昭和の時代に生まれなくて良かったと思う瞬間ですね。本当に序盤の本田さんの様々な苦労がキツイです。正直まゆりとの関係もよくわからないし、好きじゃない。でも、そんな中寮の鍵取り替えても窓ガラスを割って侵入してくる攻めと段々心の距離が縮まっていきます。(説明それで合ってる?)なんだかんだ、本田さんの狭い寮で一緒に暮らしてる描写は好きでしたね。後からあれは好奇心だったと言ってる攻めに若干殺意湧きましたけど、最後まで読みましょう!(ヤケクソ)退寮勧告を受けて、白金の家に引っ越した辺りから2人の関係は劇的に変わります。まず、あんなに拒絶してた本田さんが、空っぽになった寮の久遠寺の部屋みて、泣いちゃうシーンはこっちも胸が熱くなったよ。先に引っ越してた白金で再会して、安堵してしまうのも。昴の策略によって引き裂かれそうになった時も、「お前が欲しいよ」は本当に痺れました。昴編を経て、東郷会心編、久遠寺退職編と7巻辺りからは本当に面白くて、前半耐えた甲斐がありました!段々と日芳の人間関係にも諦めがつき、愛着さえ湧きます。後半は昭和感マイルドになったかも?12巻のお花見の買い出しに行く2人にはまた泣きました。本田さんがあまりにもしあわせそうで。脇役だと森田がすき。結婚迫られて可哀想。深雪と一緒になるのはありですか?
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