充知くんは知りたがり
」のレビュー

充知くんは知りたがり

広里かな

王道、もうひとひねりあればさらにうれしい

ネタバレ
2025年2月15日
このレビューはネタバレを含みます▼ 作者買い。そういうことに興味津々の童貞高校生が、初めては男でもいいかと思いたち、親友に相手をたのむも断られてしまう。で、もうこの先どうなるかわかってしまうお話で、想像した通りになります。「他の奴に頼むから」と充知が言い出すのも、それを聞いた大剛が焦ってとった行動も、本当に予想した通り。だからといってそれを悪いと言っているのではなく、王道は王道でいいのだけれど、私は広里先生の、王道だけれどその中にちょいちょい出てくる少しひねりのあるセリフとか、工夫のあるキャラ設定みたいな作風が大好きなのですが、本作ではそのひとひねりが私にはあまり感じられなくて少し残念というのが正直なところ。
作品全体の雰囲気は相変わらず健やかでかわいげがありつつ、でも健やかなだけでもなくて、実は仏ではない大剛の執着や闇なんかはもっとみたかった。
「もげちゃえー」と言って走り去る充知や、描き下ろしのバナナ→フランクフルト→きりたんぽの涙ぐましい努力エピソードみたいな、こういうノリはすごく好き。Tシャツや画面にちらり出てくるTつる、カバンにさりげなくついてるコロチキストラップ?などの細かな遊び心は、キャラへの愛が感じられて楽しかった。あと、広里先生の描かれるボディは、攻めも受けも細すぎ、わたし好みの適度な厚みがあって本作もよかった。バックからの腰の入れ方、密着具合もよき。
作者様の作風自体はやはり好きなので、新作出たらまた即買いします。
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