偽聖女の妹にすべてを奪われた私が本当の聖女でした
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偽聖女の妹にすべてを奪われた私が本当の聖女でした

櫻井亜矢子/藍上イオタ

『成敗』に期待したんですが、、呆れました

ネタバレ
2025年2月17日
このレビューはネタバレを含みます▼ 定番の婚約破棄と偽聖女の物語ですが、他の類似作と異なる設定は、悪役妹が自分は無能で姉(真の聖女)の能力に寄生している、と明確に自覚していることです。その一方、ヒロインは自分の真の能力に気付かず隷属化を強いられています。私はWeb版で大量の聖女物語を流し読みしてますが、搾取される側とする側の関係性がこれ程明確な設定は初めてです。この設定は単純ですが、妹の言動は禍々しいくらいに整合性がとれてます。即ち、姉の命は奪わずに常に側に侍らせ、自立は断固阻止。読者は、妹(悪役)の悪辣さに憤慨しつつ、ヒロインとヒーロー(正義の味方)がどう対抗するかを堪能するために物語を読みます。(この構図は、昭和世代には懐かしい定番時代劇『水戸黄門』等と共通しています。)第6話以降、お約束場面〈ヒロインと毒家族との対面〉があります。もしもヒロインが『悪いのは夢魔、両親や妹は悪くない!』と宣って悪役家族を庇ったら、物語は壊滅です。時代劇の魅力は、上様の『成敗!』。悪役への、圧倒的強者•王子の爽快な断罪です。画力で物語をランクアップできず、作画の破綻も表面化していますが、話を引き伸ばさずに『成敗』で完結すればそこそこ読める作品になるかもしれません。
【2025.3/8追記】定石どおり?ヒロインが悪役の罠にかかりました。ここから『成敗』を期待していたんですが、、、。ヒロインよ!まだ家族に縋るの?こんなパターンは時代劇ではあり得ません!(時代劇では、悪人は悪人、悪の親玉は善人の仮面をかぶりラストで正体をばらし、、が定石です。)この物語では冒頭から悪人の立ち位置は明確です。そんな奴等に期待•依存するヒロイン? これは時代劇のお約束破りです。読者(私)の方がヒロインの愚鈍な感覚に呆れ、物語への期待が壊れ、幻滅感MAXです。
 ※ 原作未知の単話作品は10話前後読んでからレビューを書くべきでした。反省してます。
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