このレビューはネタバレを含みます▼
タイトルが…よくある青春DKものみたいで、可愛い感じの話を想像してたのですが、めっちゃ本格的アクション・ハードボイルドなストーリーでした。それでいて中野の語彙センスとか発言のタイミングとかのズレが絶妙で、凄く面白かったです。
序章と書いてある通り、ゆっくり…車だったらローギアのスピードという滑り出しだったので、こちらものんびり構えていたら、いきなり!!トップギアのスピードになるからビックリしました。あまりのギャップに完全に意表を突かれて、出だしからワクワク感でいっぱいになりました。
35%くらいまで読み進めて、いいだけ色々と起こっていても坂上サイドのことは何も分からず…の状態が続きます。それでも↑中野の語り口調や行動が面白いし、飽きさせない・よそ見させない面白さがありました。
70%辺りで視点変換があって、坂上サイドの過去と心境が語られるので、そこで全体像が見えてきます。上巻は、とんでもない所でというか中途半端なシーンで終わるので、上下巻揃えてから読むのが得策だと思います。
下巻は、上巻を引き継いで今までにない緊迫感のあるシーンから始まるのに、過去一のんぴりした中野の様子に吹き出してしまいました。アテレコとか、暇とか言って…そんな場合じゃないでしょ!?と、思いつつ笑ってしまいました。ここで「和洋進化」と聞こえる言葉が出てきます。私は、正しい発音を読み上げ機能を使って聞きました。そしたらほんとうに「和洋進化」と聞こえて、思わず「ホンマや」とニヤけてしまいました。
坂上視点で語られる最後のSSまで抜かりなく面白かったです。物騒な台詞や単語が飛び交う割に、何とも微笑ましい様子に笑ってしまいました。
全体を通して、しっかりBLしているのに、ジャンルが違うのは何故なんでしょうか。何となくですが…行為のシーンが直接的ではないから?という気がします。なので、ストーリー性重視の方にお勧めです。