キスと春雷【単行本版】
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キスと春雷【単行本版】

しっぽの北/.Poika編集部

幼馴染みのプロ棋士×夢を諦めたフリーター

ネタバレ
2025年2月22日
このレビューはネタバレを含みます▼ 幼馴染みの人気プロ棋士・柊馬×夢を諦めたフリーター・倫太郎。かつて一緒に追っていた夢を一人叶えた幼馴染み・柊馬とルームシェアしている倫太郎は、対局で勝つたびにご褒美のキスをねだってくる柊馬に戸惑いつつも、ズルズルとその関係を続けている。柊馬を応援したいのに素直にできない葛藤を抱え、誰よりも近くにいるのにズレが出てきてしまう、微妙な距離感の幼馴染み同士。夢を諦めた倫太郎が何者でもない自分を中途半端に感じてしまったり、怖いほどまっすぐ将棋と倫太郎に向き合っている柊馬に嫉妬と羨望が入り混じった感情を抱いてしまうのも、すごく分かる。どんどん進んでいく柊馬についていけなくて、そんな自分が不甲斐なくて。柊馬の好意に甘えてそのままの自分でいることを許さない倫太郎が自分の道を探そうと動き出し、でも結局倫太郎の迷いも弱さも掬い上げるのは柊馬で、その唯一無二感が尊かった。柊馬の重すぎる執着もブレなさすぎて怖いくらいなので、ちゃんと倫太郎が受け止めてくれてなにより。キス止まりでHはなし。柊馬は毛嫌いしてたけど、なにかと二人の橋渡しをしてくれる杉浦さんがいなかったらもっともっと遠回りしてたと思うので、もう少し優しくしてあげて欲しいな。
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