余命宣告からはじまる婚約者様との最期の一年
」のレビュー

余命宣告からはじまる婚約者様との最期の一年

八橋はち/海野はな

短い…長編に描き直して欲しい

ネタバレ
2025年2月24日
このレビューはネタバレを含みます▼ 佳作です。最近読んだ中で、イチオシ。しみじみ美しく、余韻がある。ほろりとさせられます。そして、満足できます。
まず絵がキレイ。繊細な線がお話しにぴったり合っている。これ、大事です。
主人公は、第二王子と婚約中です。第一王子は、別派閥の令嬢と婚約中。政界のバランスを取るための政略結婚ですね。でも、主人公は第二王子に恋しているから、辛い王妃教育にも耐えて頑張ってます。ところが、第二王子の方は…第一王子の婚約者である令嬢に恋をしていらっしゃる。結ばれない恋…可哀想な王子様…と、主人公は思い込んでいる訳ですが。可哀想なワタシ…ではないのですね。愛する人にしあわせになって欲しいから。深い!
でも、まぁ、分かりますよね。もちろん勘違いです。ちょっと腹割って話せば誤解は解けるのに、寡黙なんですね。控えめなんですよ。深窓の令嬢ですから。奥ゆかしいんです。
王子の方は、主人公令嬢に輪をかけて寡黙です。これ、意味わかりません。ほんとは溺愛しているんだろうなぁ…と読者は全員確信してますが、なんでか冷たく当たってます。理由は、最後まで語られませんでした。とにかく短すぎるのよ。あれこれ端折りすぎなの。王子目線で何十ページも費やして、溺愛デレデレ語って欲しい。
そんな、無口で寡黙で意思疎通に難ありの(たぶん)両片思い…の2人なんですが。
主人公令嬢が余命1年と宣告されるところから、話が始まります。望まれてないのに、婚約者の座に居座っているから、バチが当たったんだわ…って。どんだけ自己評価低いのよ!
そして、なんとあっという間に1年経って亡くなってしまうんですね。この展開の早さにもびっくり。とにかく短い。繰り返しますが短い。
めちゃくちゃ良いお話しなので、長編に描き直していただきたい。出会いとか、すれ違いとか、嫉妬令嬢の嫌がらせとか、お互い目線でのジレったい誤解エピとか、じっくり語って欲しい。
文句ばかり書いていますが、評価は星5つです。最高に、満足させていただきました。
…それにしても、短い。←まだ言うか!
いいねしたユーザ460人
無料会員登録でもっと見る
レビューをシェアしよう!