このレビューはネタバレを含みます▼
故郷の寒村を救うため竜神のもとを訪れた青年ヨナークと、不遜な態度で人間嫌いを隠さない竜神アダンが、ヨナークの故郷とその周辺で発生しているオルクス(オークのことだと思う)による人攫いの実態を暴くうちに、その裏にさらに隠された人類史のからくりを解いていくファンタジーBL。
絵がとても上手い作家さんですね。やや荒削りのような気もするけど、キメ駒などで非常に映える、華やかで繊細な絵柄でした。
ストーリーの方は、ヨナークとアダン、ヨナークの元カノ・イルゼー、アダンの弟ルキウス、刑吏アンヌなど複数の人物の思惑や生きた時代・世界が絡み合ってやや複雑でした。
複雑というか、時間経過の表現について説明が欠けていて、分かりにくかったです。
作家さんの頭の中ではスムーズに時代転換がされてるんだろうけど、「それから100年後」とか時間経過を表す空白コマが無く、急に次の時間軸が始まっていて、少し置いてけぼりをくらう感じでした。
(私の読解力が足りないせいかもですけど。)
絵は綺麗だなと思う反面、世界観に没入出来ず、ファンタジーものとしてはあとひと押しの決定打が無いような読後感でした。