やたらやらしい深見くん【単行本版特典ペーパー付き】
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やたらやらしい深見くん【単行本版特典ペーパー付き】

松本あやか

別に失敗とかないんだし

ネタバレ
2025年3月2日
このレビューはネタバレを含みます▼ 自称100点満点のクソナルシスト営業マン、梶。ひょんなことから地味でダサい技術部の深見と一緒に出張することに。眼鏡を外した深見の美形ぶりとやらしさに興奮し、流されるままにセッ久。0点どころか100点の相性だと自信満々の梶に対し「絶対に好きにならないで」とセ友になることを承諾する深見。言葉とは裏腹に心も欲しくなっていく梶と、恋愛はできないという深見の、体から始まる友情(?)物語。

話題作はとりあえず読もうの精神で2巻まで読みました。深見がアロマンティックと推定しますが、この理解されない感じ、応えられないのに期待されてしまう感じは読んでて心が痛くなります。
ただ、2巻ラストを見ると完全に無理というよりは、デミロマンティックやグレイロマンティックの方が近いのかもしれません。
でも、恋愛感情が湧かないと自認する人物が運命の人とやらに出会い恋愛を知る、という展開が好きではないのでそのリスクは回避したい…深見の心中は気になるところですが、私は2巻でご馳走様かな。

幼稚で傲慢な梶に好感を持てなかったのも大きいです。
外面ばかり気にして内心では毒づき周囲を見下し人に点数をつける、その高すぎる自尊心は、自己肯定感の低さと背中合わせに見えます。人からの評価に安心し、人を評価することで自分の価値を確かめるというのは、果たして自分に自信のある人間のすることなのか疑問に思います。
貼り付けたような笑顔で二面性を伺わせる人、信用できなくないです?同じ職場にいたら絶対警戒してしまう。

セッ久ばかりではなく、対話をして理解を深めながら、お互いにとって良い着地点が見つかることを祈ってます。
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