俺の花婿はお前じゃない
」のレビュー

俺の花婿はお前じゃない

ミナモトカズキ

泣けるBL

ネタバレ
2025年3月4日
このレビューはネタバレを含みます▼ 予想以上に面白くて、感動しました。性別関係なく、自分を人生の縛りや暗闇から救い出して光明を与えてくれる力強い存在に出会えたという感動。それを素晴らしい表現力で描かれていて、展開は終始面白いし、泣けました。ホテルグループの一人息子として生まれ次期社長になる渉に両親は期待し当然のごとく見合い話を持ってくる。渉はゲイとして生きる事をとっくに諦めて結婚する道を選んでいたが、正宗と出会い、ゲイなら男と付き合えば良い、自分らしく生きた方が幸せだぞ、と何度も彼は訴えてくる。正宗自身が、無理して生きてる渉を心配し、健気な渉を愛し、理解して、逃げても逃げても追ってきて、愛と温もりを与えてくる。いつでも真っ直ぐに生き力強く渉の手をとる正宗に、ついに渉は観念する。その顛末が本当に面白くてリアルで、心を打ってきます。茨の道だと思った道でも、愛する人に力強く手を引かれて進む道ならば、そこは幸せで目が眩むような道だと思えるお話。すごく良かったです。「はじまりまでの物語」と作者さんが言われる通り、本作は主人公が敷かれたレールと違う道を選ぶ所まで。先があれば読みたいですが、渉が好きな人との道を選べた感動の本作で十分伝わるものがあります。オススメの作品!
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