夜ごといとしい神様へ
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夜ごといとしい神様へ

後野オカピ

神様に求婚した少年と約束を守った神様

ネタバレ
2025年3月6日
このレビューはネタバレを含みます▼ 両親に捨てられ祖父母と暮らしていた清澄は、幼い頃に森で迷って土地神様のくじろ様と出逢います。清澄はくじろ様のことが大好きになり、「お嫁さんになって」とプロポーズして再会の縁を結んでもらいます。大きくなって立派になれば迎えに来ると言ってくれたくじろ様の言葉を信じ、清澄は限界集落で祖父から継いだ商店を細々と営み、ライターをしながら村のお年寄りや子供達の面倒をみているのでした。長い時が経って諦めかけた時、ついにくじろ様がやって来ます。長い金髪に藍色の瞳の美しいくじろ様は「藍」と名乗り、清澄と一緒に暮らし始めます。「嫁」と名乗りながら抱く気マンマンのくじろ様の明るさと執われのなさが、いかにも神様で素敵です。くじろ様を信じない村の悪ガキも、嫌われ者の犬神も、そして親に捨てられ育ててくれた祖父母も亡くした清澄も、みんなを優しく受け入れる小さな村の優しい神様に癒されて下さい。
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