このレビューはネタバレを含みます▼
リーマンの猿渡巧は、美容師の犬伏基樹にいきなりキスされてびっくりします。同じサッカーファンでスタジアムで意気投合した二人は、髪を切ってもらったり一緒に飲みに行ったり仲良くつるんできたのですが、基樹の恋心も知らずペタペタひっついてくる巧に、とうとう基樹が気持ちを抑えられなくなってしまったのでした。キスされて咄嗟に気持ち悪いと言ってしまった巧は、ショックはあるものの大事な友達を失うのは嫌だからと謝りに行きます。縁を切られると思っていた基樹は驚きつつ、自分こそいきなり変なことをして悪かったと謝るのでした。表面上は元に戻ったようでも、巧は基樹が自分のことを好きなんだと思うと落ち着かず、基樹の表情や行動をじっと見てしまいます。基樹が自分に向ける甘い視線に居心地の悪さを感じるものの嫌ではなく、それどころか誰にでもそんな顔をしているかもと思うと腹が立ってくるのでした。一方、大好きな巧に気持ち悪く思わせないように気を遣う基樹のは、以前と変わらず距離感の近い巧の行動に複雑な心境になるのでした。気の合う二人がそれぞれ相手と自分の気持ちに真摯に向き合いながら、恋人となってゆくピュアな恋物語です。本編がなかなかのエモさで終わるのですが、間髪入れずに始まる描き下ろしで急に空気感が変わるのがちょっと残念でした。