式神の名は、鬼
」のレビュー

式神の名は、鬼

夜光花/笠井あゆみ

3冊で1つの話なのでまとめ買いを勧めます

ネタバレ
2025年3月9日
このレビューはネタバレを含みます▼ とりあえず1冊ではなく、セールかクーポンで3冊まとめて買った方がいいと思います。続きがとても気になりますし買って損のない面白さでした!

受は物の怪に取り憑かれた友人からかけられた呪いを解くために力と時間稼ぎが必要で、封印された鬼の攻を解放して使役しようとします。使役の方法は閨房術。致すことで攻が自分に惚れたと勘違いする、体から落とす方法だそうです。それは有効で、満月のたび訪れる百鬼夜行を退けつつ、陰陽師の仕事もしながら受は呪いを解こうとしますが…。

受は自分に呪いをかけ6年昏睡状態の友人をモデルにした式神を使役しています。読み始めはミスリードで、この式神の伊織が攻?とあらすじを読み返しました。初めは攻の鬼と受と友人の三角関係かと思っていたら、受が八百比丘尼の子孫という伝承を絡めて話が広がっていき3冊一気読みする面白さでした。預かっている子鬼の草太、お母さんの雪さん、寺の友人の千寿、陰陽師の安倍那都巳と登場人物が皆いい仕事をしていきます。そして一番のMVPは鬼の羅刹!契約縛りで受の元にいたはずが、人間ぽくなっていき受を愛おしむようになる課程が良かったです。そしてこの先生ならではで濡れ場はとってもエロく、回を追うごとにより濃厚に(笑)

式神の伊織だけは感情もあって可哀想でしたが、目覚めた本体が元から邪悪だったので仕方なかったのかな。悪意なく善意から人を不幸に陥れ続ける八百比丘尼が一番不幸かつ恐ろしい存在でした。
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