このレビューはネタバレを含みます▼
『僕の番はサラブレッドΩ』のスピンオフ。人それぞれ好みのCPや設定があるかと思いますが、私にはスピン元よりこちらの方が刺さりました。(不憫受け・切ない・丁寧な心理描写の掘り下げなど)
二人のバース設定が重くて辛い…これぞオメガバースというのを前面に出しながらも、優しさと思いやり溢れる展開やラストに感動しました。そしてタイトル…途中途中で度々意識させられて、いかに作者さんが考えなり思いなりを込めて付けられたのかを見せつけられた気がします。
何気ないのに原点回帰するような、二人の関係を彷彿とさせるかのように絶妙な…タイトルの持つ威力を改めて感じました。それは、あとがきも同じで、「鈴蘭の花言葉を調べてみて」と先生の一言が載っていて、最初は意味が分からなかった(そしてごめんなさい…調べる気もなかった)のですが、番外編を読んで納得。
二人のお子ちゃまの名前(すず)だった?んですかね。改めて見ると、各巻のカラー表紙にも単話の表紙にも鈴蘭がありました。そこで真面目に調べたところ、鈴蘭の花言葉は色々ありますが、作品に沿ったものとしては「幸せの約束・希望・幸福の再来」などがあり、細かい設定にまで神経を配れるセンスに感動しました。