異世界で仙王の愛され猫になりました
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異世界で仙王の愛され猫になりました

ナツ之えだまめ/石田惠美

不遇のDK仙界で猫になって愛される

ネタバレ
2025年3月13日
このレビューはネタバレを含みます▼ 10歳の時に両親を亡くした伊波カナメは、親戚をたらい回しにされて孤独なまま18歳になった高校3年生です。カナメの持つ遺産目当ての親戚達から解放されるべく一心に勉強に励んでいたカナメは、ある日大切にしていたスケッチブックを同居する親戚の子供にめちゃくちゃにされて家を飛び出します。心を落ち着けようと歩き回るうちに神社の境内に出ただカナメは、ひとりぼっちの悲しみに泣きながらふっと「猫になりたい」と思い、不思議なウサギを追いかけるうちに猫の姿となり異世界に転生するのでした。そこは百葉界と呼ばれる仙界の一つ•青龍国で、仙王であるロンユー真君が宴を催していました。ロンユーは空から降ってきた魔物を捕らえようとする人々からカナメを取り上げて、ご飯をくれます。美しい翠雨苑で、ぶっきらぼうで怖い顔をしたロンユーと子猫になったカナメとの暮らしが始まります。30歳ぐらいにしか見えないロンユーが、73年前に人間から仙王になりずっと孤独を託っていたこと、そのロンユーが子猫のカナメがやって来てから生き生きと変わったこと、やがてカナメが人の姿に戻ります。百葉界の設定が良くできていて面白く、そこにいきなり放り込まれた猫だけどDKらしいカナメの反応も楽しいです。ロンユーを取り巻くキャラクター達もそれぞれ愛嬌があって良きでした。
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