どうせ捨てられるのなら、最後に好きにさせていただきます
セレン/碧貴子/すらだまみ
このレビューはネタバレを含みます▼
ストレスも感じましたが、それを上回るほど面白かったので星5です…!ヒーローがプライド投げ打って、何度も食い下がってヒロインを引き止める場面、ものすごく刺さりました!ヒロインがきっぱり拒絶したのが良かった。ショックを受け愕然とし、傷つきながらも足掻くヒーローが最高!しかも、それなら王太子をおりる、とまでよくぞ言った!前半のヒーローの言動はひどいですが、全編を通して、とにかく表情の良さが作品をプラス評価に押し上げています。言葉よりも雄弁に、本当は愛していることが伝わってくるからこそ、ヒーローを許せたしツンデレ可愛なと思えました。傷ついた顔、切ない顔、照れた顔…様々な表情に胸きゅん必須です!めちゃくちゃ恋してるなと。ただ、やはり事情があったとはいえ、ヒロインの前で別の女性に触れて愛を囁くヒーローは苦手です。(地雷の方要注意)ヒーロー兄の「ヒロインに素直に向けることができない感情を、リーリエの中に見出そうとしていた」というセリフ、またヒーローの「自分の気持ちを誤魔化すために、リーリエとその気持ちを利用した」というセリフ。読解力と人生経験の乏しさのせいかもですが、理解できず…。つまり別の女性に優しくして愛情を得て、自分も愛情を返すことで、満足感を得る?自己肯定感を保つ?依存先を増やして心のバランスを取る?傷つかないようにする?気持ちが軽い分、簡単に優しくできたのでしょうが。1番気になったのが、愛情の大きさと深さは別次元だとして、結局リーリエのことを女性として愛していたのでは?という点です。妹のような感情って、実際の妹に対する愛情とは別物だと思います。兄妹のように育ったわけでもないのに。燃え上がるような激しい愛もあれば、穏やかで心が安らぐような愛もあって、それぞれ別の形の幸せがあると思います。国政のことは抜きにして、もしリーリエと結婚していても、それはそれでありだったのでは…。体の関係がなかったのが救いです。終盤、過去を許して問い詰めず、1番ほしかったもの(ヒーローとの未来)を手に入れたヒロインは良い女すぎるし、賢い!私だったらもっと後悔して泣いて謝って、弁明してほしかったな。番外編のヒーローは文句なしです!よりヒロインにメロメロでポンコツ気味なヒーローが可愛い。ラブラブな2人に大満足です。クズさ加減を許せるかどうかで評価が分かれると思いますが、私は購入して本当に良かった!
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