おしどり悪友
」のレビュー

おしどり悪友

黒井つむじ

噛むほどジワっと味を感じる作品

ネタバレ
2025年3月16日
このレビューはネタバレを含みます▼ こういう関係、こういう人達好きだなぁ、とジワ〜と感じられる友達、恋人関係。長く続く関係てこうだなと思える。気取らなくて、心に素直で、相手を大事にする気持ちが無意識に根底にあって、それがいつも相手に優しく表れてて、当たり前のように距離が近くて自然とくっ付いてる二人。冗談言ったり自然と温もりを感じあったり、何かしたらすぐ謝れたりカミングアウトの緊張も一緒に分け合ったり。
ゲイのカミングアウトを高校最初の自己紹介でするというユニークな冒頭から引き込まれ、二人の付かず離れずの関係が少しずつ変化していくドキドキ感と、最終的な着地点へのドキドキを楽しめる一方、先に書いたような二人の穏やかで優しい空気が作中ずっと漂ってて、ここぞと心を相手に伝える時でも、潔さがありつつも、答えがどっちだろうと絆自体は繋がってる感にどこか安心感ある二人の温かさを感じる作品。友達の貴志がそっと気付く栄の心の描き方等、キャラの心理が言葉以上に感じられるような描き方にも魅了されます。終始黒井先生のセンスが光る、読むほど魅力を感じる面白い作品。
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