【単話版】天稟
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【単話版】天稟

たかせりえ

引き込まれる神作画

ネタバレ
2025年3月17日
このレビューはネタバレを含みます▼ 江戸時代劇のBLは設定や作画がキッチリ作り込まれているものが多いですが、この話は飛び抜けて情報量が多いです。詰所や武家屋敷、街並み、室内調度品から着物、床の間の木目、畳の目の方向に至るまで凄まじい熱量で書き込まれています。
お話もそれ以上に丁寧に作り込まれていて、この2人の立ち位置がまだ全容は明かされていないのに、引き込まれます。二度三度読み返しても飽きません。
そんな中で人斬り役の若侍にほぼ一目惚れ状態の主人公がどう生きるのか?

設定が作り込まれているゆえに、曖昧な「愛さえあれば幸せ」的な決着はないだろうなと思うと先が気になります。
この話で介錯人の日常の仕事や、様(ためし)斬りの詳細なども知りました。

お気に入りは江戸の芝増上寺の風景と上野の桜です。
増上寺が坂の上にあって、新橋・汐留がまだ海だ!としみじみ眺めてしまいました。
上野の桜は今も昔も変わらずなんですね。
彼らが生きた世界と今が地続きで繋がってることに不思議な感動を覚えます。
続きを楽しみに待ちます!
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