藍より愛し【電子限定おまけ付き】
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藍より愛し【電子限定おまけ付き】

はなぶさ数字

代わりなんていない

ネタバレ
2025年3月20日
このレビューはネタバレを含みます▼ 将来有望な大学生スプリンターと陸上競技から美容部員に転身したゲイの再会ラブ。
陸上一家に生まれた新は、まだ中学生だった漣太郎に恋したことをきっかけに地元を離れメイクで自分を変えようとするが、忘れるどころか寂しさを拗らせる日々を過ごしていた。一方、当時高校生の新に見出されスプリンターとして花開いた漣太郎は怪我で休養を余儀なくされ、4年ぶりに新を頼り上京することとなったのですが…もう、初っ端から切ないのなんのって。
ホテルで添い寝しているその黒髪は回想シーンで青臭くイチャコラしていた漣太郎じゃないんかーい…!と先の気になる導入の仕方が秀逸です。
高校生と中学生。同性未成年への恋心に気づいたと同時に諦めるしかなかった新の絶望感を思うとそれだけで胸が張り裂けそうになりますが、誰にも相談できずマッチングした初体験の相手に泣きながらすがりつくコマを見た瞬間、新とリンクしてわたしも涙が溢れてしまいました…
できるだけ望みを叶えてくれるやさしい相手とでも忘れることなんてできないんですよ。絶対に叶わない望みを叶えてもらったはずが、するたび漣太郎に惹かれている事実を実感するだけなのがまたつらい。
だから気づけなかったんだね、漣太郎の気持ちに…
もっとも、漣太郎も憧れとの区別がつかなかっただろうけれど、読み返すと行動や言動の端々から新への好意が見て取れるので、本当にどこをどう切り取ってもよくできた作品だなと思います。
そんな2人だから、一度でも触れ合ってしまったならもうノンストップですよ。
ラストに向けて甘々が超加速。ケアを怠らずひげの脱毛まで済ませている新なんだから、きっと全身すべすべで触れ合えば大層気持ちのいいことでしょう…
晴れて恋人となり、手練れな新に翻弄される漣太郎の姿をモアプリーズです。
需要はあります。今後、それだけをまとめた糖度の高い続編ないし番外編が配信されることを祈っています。
※糖度といえば、おまけのタイトル「青菜に砂糖」は青菜に塩ということわざをもじった感じですね?元の塩バージョンは元気だったものがしょげることを意味しますが、砂糖なら……?その発想がおもしろい。
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