【単話版】天稟
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【単話版】天稟

たかせりえ

え、めっちゃいい…

ネタバレ
2025年3月29日
このレビューはネタバレを含みます▼ 広告で見て絵がとても綺麗だったので読んでみました。え、めっちゃいい…。和泉の雰囲気が昭和の挿絵画家の岩田専太郎や濱野彰親の美人画さながらの色気…!あとなぜかNCTのテン君がふと思い浮かびました…。お話はまるで藤沢周平のような世界観。
介錯での静謐さ、ふとした時の仕草や空気感を感じる色気が素晴らしい画力で表現されていてかなり痺れました。あと、甚介の真っ直ぐでいい人そうな好青年ぶりも可愛いですね。2人の表情や横顔、後毛、体躯、体勢などから切なさと色気が感じられて堪らんですw
何度も読み返してしまいます。
私の勝手な想像ですが、和泉の死んだ兄とは血の繋がらない関係で2人は愛し合っていたのではないかと。その兄の面影がある甚介に惹かれて…とかだったりw
あの和泉の儚げな美しさからして、きっとハピエンではないんじゃないかなあ…と今から切ない気持ちになりますw
甚介を庇って命を落とすとか…、そんな感じが思い浮かんでしまい、そうなったら辛すぎてその世界から抜け出せなくなりそうです…。
作家さまは江戸の風景や言葉や知識もかなり詳しくていらっしゃるようで、また江戸の男色は当時普通に認知されていたようなのでその点もリアルに感じられます。
帯や着物の柄、床の木目や畳の編み目、印籠の中身、桜の舞い散る光景、日の光や顔に当たる光と影の表現など、その他も丁寧に描かれていてどれを取っても本当に本当に素晴らしいです。画力が本当に凄い!BLという括りだけでは収まりきらないような気がします。
不忍の稲荷や池周辺、芝の切通坂上は今の風景と比較してタイムスリップするような気持ちで見ています。とにかく時代考証が凄いです…。知らない事も調べながら読むとより知識が増え楽しめます。
早く続きが読みたいです!!
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