サブタイトルに疑問





2025年3月31日
文芸編集部の新人賞宛に送りつけられた、応募条件を満たさない直筆の投稿原稿。この革新的な小説を書いた高校生が作家として生きるようになる過程を描いたお話。無料公開で5巻まで読了済み。
本が大好きな女子高生・響が、初めて書いた小説を投稿したことから始まるこの作品。本人の意思に反してどんどんと周囲の反応や環境が変わっていく過程に、大作家が生まれる瞬間の興奮を感じました。響本人は自分の才能に気付かずケロッとしているけど、周りはその大物ぶりに慄く様子が丁寧に描かれていると思います。
そのストーリー展開自体はとても面白いのですが、響の人としてのあり方に難がありすぎます。人に対してとても素直な反面、自分の信念は絶対に曲げず、ともすれば暴力などの危険な行為を厭わない人間性は常識を外れていて、天才的な才能があっても許されるべきことではありません。周囲の大人も、響の小説家としての才能に溺れ、彼女の未熟さを庇うばかりで、人としての成長を促すような大胆な助言がなかったのが残念でした。天才には変わり者が多いかもしれませんが、こういう形で描かれるのはある意味誤解を生んでしまうような気がしました。物語のテーマや展開が面白かっただけに、彼女の人間性が作品の盛り上がりを興醒めさせてしまっていたのがもったいなかったです。
本が大好きな女子高生・響が、初めて書いた小説を投稿したことから始まるこの作品。本人の意思に反してどんどんと周囲の反応や環境が変わっていく過程に、大作家が生まれる瞬間の興奮を感じました。響本人は自分の才能に気付かずケロッとしているけど、周りはその大物ぶりに慄く様子が丁寧に描かれていると思います。
そのストーリー展開自体はとても面白いのですが、響の人としてのあり方に難がありすぎます。人に対してとても素直な反面、自分の信念は絶対に曲げず、ともすれば暴力などの危険な行為を厭わない人間性は常識を外れていて、天才的な才能があっても許されるべきことではありません。周囲の大人も、響の小説家としての才能に溺れ、彼女の未熟さを庇うばかりで、人としての成長を促すような大胆な助言がなかったのが残念でした。天才には変わり者が多いかもしれませんが、こういう形で描かれるのはある意味誤解を生んでしまうような気がしました。物語のテーマや展開が面白かっただけに、彼女の人間性が作品の盛り上がりを興醒めさせてしまっていたのがもったいなかったです。

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さゆ さん
(女性/40代) 総レビュー数:89件