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今月(4月1日~4月30日)
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エロさはさすがの画力です2025年4月30日不感症気味が悩みの平凡なサラリーマンが、幼馴染みの年下DKに相談し、体の開発をしてもらう内に自分の気持ちに気付くお話。
とにかくエロに特化したお話。性 感帯を一緒に探すことから始まり、恭介にあれこれ開発されていく祐一がものすごいエロくて気持ちよさそうです。でん蔵先生の描くえちは生々しさを大迫力の画力で思う存分に楽しめるのが魅力だと思います。それにしても祐一の乱れっぷりは圧巻でした。
ただ、お話の内容的に、サラリーマンが些細なことから性の悩みまで抵抗なく男子高校生に相談するという設定に疑問が残りました。ストーリー展開が添え物になりすぎてしまっているのが少々残念でした。いいね
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まさにこれはヒモの鑑と言える2025年4月29日俳優を目指していたヒモ男が同棲中の彼女の浮気で家を追い出され路頭に迷っていたところ、見た目がチャラい色黒の謎の男に拾われて助けられるお話。
このお話の良さはまさに主人公2人のキャラが際立っているところです。薫は、拾ってきた颯一郎にお礼しろと無理やり襲い受けするハチャメチャな展開をするくせに、普段の言動は弁護士らしく理路整然としています。そんな冷静さと情熱のギャップが、薫の頭のキレや親しみやすさをより引き出していて素敵でした。
また、颯一郎は呆れるくらいの大バカですが、甘え上手・床上手な上、ズルさが全くない一生懸命さが母性本能を刺激します。まさに天然のヒモの鑑。最初こそダメ男に見えましたが、知れば知るほどハマっていくタイプだなと感じました。
そんな2人の恋愛は、いい具合に手綱を握り合いながらの関係性で、熱愛スクープを逆手に取っての公共の電波を使った告白シーンはさすが弁護士だなと思わせる天晴な展開でした。面白かったです。いいね
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振り向いてつかまえて【単行本版(シーモア限定描き下ろし&特典付き)】
カワイイのオンパレード2025年4月29日幼馴染みに片想いしているが失恋確定で傷心中の男の元に、その幼馴染みの弟が転がり込んできて、一緒に過ごす内に癒され心惹かれていくお話。
誠への想いが断ち切れずに落ち込む陽向の元に転がり込んできた郎。年下らしく、ワガママでやりたい放題だけど甘え上手な郎の弟気質が、優しい陽向の年上本能を擽り、いつの間にか一緒に過ごす時間に癒しを感じるようになります。最初こそ郎の甘えや一途さなど、年下っぽいところが可愛いと思っていましたが、徐々に陽向の素直さや真っ直ぐさに翻弄され、理性をガタガタに崩されていく一面が可愛らしく見えました。陽向の天然っぽいピュアっぷりもとても可愛くて、カワイイが大渋滞した作品でした。いいね
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同人誌が読める幸せ2025年4月28日「いつまで代わりでシましょうか」の公式同人誌と描き下ろしを一冊にまとめた作品集です。
本編のその後の二人のイチャイチャがたっぷりと詰まった一冊です。同人誌が読めるだけでもとてもありがたいですが、それがまとまって読めるのが嬉しいです。どのお話も展開が同じなのはご愛嬌。二人の蜜月ぶりを堪能出来る一冊です。
まだ、同人誌版は続きがあるようなので、続編が出るのを楽しみに待ちたいと思います。いいね
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神作家の同人作品集2025年4月24日弟の治療費を稼ぐ為に、幼馴染みと兄代わりの2人とPET契約を交わす表題作と、その他の短編3つが入った作品集。
今や神作家として崇められる存在の座裏屋先生の、同人時代の作品を集めた初単行本です。初めての単行本が同人作品を一冊にまとめたものだということで、先生の作品の完成度が昔からいかに高いかを示していると思います。実際読んでみても、絵の美しさやエロの供給度合い、構図など、同人作品とは思えない程レベルが高く、さすがとしか言いようがありません。
ただ、内容的には縛りプレイや3人プレイ、無理やりプレイといった激しめのものが多く、見る人によっては苦手な展開も含まれているかと思いますが、エロの快感が開発され恍惚な表情を見せる受けは一見する価値ありです。同人作品なのでストーリーよりもエロスに特化した一冊です。いいね
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3人ともめちゃくちゃ2025年4月18日夫に体の関係を拒否されているが旦那のことが大好きで手放せない妻と、結婚後にゲイだと自覚し年下男と不倫中の夫と、その夫婦どちらのことも同じくらい好きだという夫の彼氏で妻の元教え子。複雑な三角関係が展開されるお話。無料公開で6巻まで読了済み。
登場人物3人がとにかくめちゃくちゃです。設定も突拍子もなければ、展開も現実離れしている。他の方のレビューにもあるように、性的マイノリティーの取り上げ方に倫理観が欠如して描かれているので、読んでいてモヤモヤするばかりです。
ゲイだと告白し、強い決意で離婚したいとまで言ってきた夫を、どんなに好きだとしても美咲は別れるべきだった。悠生は美咲と別れてから伊奈と付き合うべきだった。伊奈の恋愛の考え方やルールは二人とは相容れないものなのだから、二人から離れるべきだった。誰もが自分の気持ち最優先で、相手への思いやりがズレている。美咲の好きは執着だし、悠生の優しさは優柔不断の弱さだし、伊奈の好きは自己陶酔と自己中の塊。この状況で3人で同居するなんてありえません。
逆に、ここまで自分本位の人たちを掛け合わせ、ストーリーをあらぬ方向へと展開させられる創造力に感心しました。常識や倫理観が欠けた3人がどんな幕引きをするのか、ある意味作者様の力量が問われる結末になると思います。 -
ファンタジーBLとして秀逸2025年4月17日互いに助け合いながら歴史を紡いできた三国間で仲睦まじく成長してきた王子たち。国王同士の殺害が起こったことで2国が敵国となるが、側室となる条件を受け入れることで平和を保つ。そんなファンタジーな国のお話。
この作品は本当に凄いです!ファンタジーとしてのストーリーもしっかりしているし、そこで起こる事件を紐解くサスペンス的な展開も秀逸。その上で、幼馴染み3人の人間性がきちんと描かれ、更には溺愛執着BLとしてエロ度高めの絡みが大ボリュームかつ綺麗な絵で描かれています。こんなにも高難度な合わせ技を持った完成度の高い作品にはなかなかお目にかかれないので、とにかく読んで大興奮でした。
物語としては、アステラは渋々ドルクの側室になったので、最初のえちでは組み敷かれる屈辱もあったと思いますが、それを上回るドルクの愛が想像以上に重くて熱くて、それに溺れるしかないアステラとの長い一夜は最高にエロくて良かったです。絶対に叶わなかった想いが実った幸せを日々全力でぶつけてくることが、ドルクの愛の真剣さと誠実さに繋がっていて、アステラが絆されるのも自然な流れだと受け入れられる展開だったと思います。
また、国王が殺されるというサスペンス的要素もしっかり練り込まれていて、どこにも齟齬がなく、納得出来る内容でした。この事件と側室になるBL要素との絡め方もとても上手いと感じました。そして、幼馴染み3人の幼少期からの信頼関係も取り込みながらなので、ドルクの愛の重さも嫌味なく受け入れられるのが良かったです。
ファンタジー世界でのBL作品はまだあまり存在していないので、とにかく新鮮で素晴らしかったです。 -
佐伯✕ウッチーの馴れ初め目当てで2025年4月16日表題作は双子とその双子に溺愛される幼馴染みとの3人プレイのお話。お目当ては「えっちなお尻〜」の佐伯✕ウッチーCPの馴れ初め編が読みたくて購入しました。
表題作の3人のお話は、三角関係ではなく、ある意味平和な双子と千明のえちえちなノロケ話。こちらはあまりストーリーがなく、3人ということに特化したえち話でした。
そしてお目当ての佐伯✕ウッチーのお話。先にこの2人の恋人編を読んでいたので、どんな馴れ初めだったんだろうと期待したのですが、あっさりと始まり、あっという間に関係を持ち、気付けば恋人に。読んだ順番が悪かったのかもしれませんが、何かもっと秘めたる想いがあるのかと思っていたので拍子抜けでした。もう少し佐伯目線の独白シーンなどもあったら良かったなぁと思いました。とはいえ、2人の始まりが読めたのはスッキリ。もっとこの2人のスピンオフも見たいです。いいね
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漫画好きなら楽しく読める2025年4月16日同じ漫画家を担当するライバル雑誌の編集者同士が恋に仕事に全力投球するお話。
クセの強い漫画家さんたちと担当編集者との様々なやり取りや関係性が面白おかしく、楽しく笑える物語です。真面目できっちりしている夕子とおおらかでストレートな順平、タイプの違う二人ですが、共に仕事に対する真摯な姿勢や漫画に対する熱い思いに溢れていて、漫画大好きな私は作品がこんな風に多くの人の愛で創られることに嬉しくなりました。漫画に携わる人たちの色々な思いが伝わってきます。
そして、特筆すべきなのは順平の人柄です。いつでもニコニコ明るく前向きで褒め上手。自分の気持ちをいつでも真っ直ぐ伝えてくれる素直さと情熱には、夕子だけでなく女性ならメロメロになるはず。時たま見える男らしさにもキュンとしました。こんな人と結婚したら間違いなく幸せになれると思います。恋も仕事も充実していて、読むだけで自分も頑張ろうと思える作品です。いいね
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クズの教育【R-18版】【コミックス版】【電子限定特典付き】
エロを読みたい時に2025年4月9日親からのプレッシャーに追い詰められていた優等生が、放課後の先生との「ご褒美」を同級生のヤンキーに見られたことから始まるエロティックなお話。
後に続く「クズの教育」シリーズの本編。題名といきなりの濃いエロ展開に理性崩壊系の闇BLかと思いましたが、実際は全然違います。馬場の高校生らしい明るさと友達付き合いが葛城先生に依存していた郁哉を変えていき、そのきっかけを作った先生のやり方は悪趣味ですが郁哉の為を思っての行動だった、という意外にいいお話なのです。この予想外の展開とエロさのギャップが凄くて驚きますが、後味はスッキリしています。
エロはさすがR18版ということもあり、生々しく激しめです。トーンを使った陰影が肉々しさを強調していて、青年誌よりのリアルなタッチでした。
そして、この後に続く「優等生に〜」を読むと先生の見方が変わります。ぜひセットで読んでもらいたいです。いいね
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追放された聖女は、捨てられた森で訳アリ美青年を拾う~今の生活が楽しいので、迎えに来られても帰りたくありません!~
簡潔に完結2025年4月8日護国聖女として国に懸命に尽くしてきた少女が姉と婚約者の裏切りで森に国外追放されるが、そこで偶然助けた隣国の王子と運命を変えていくお話。
よくあるタイトルの長いざまぁ系のお話としては、ストーリーが寄り道することなくスッキリと簡潔で分かりやすくて良かったです。リアが綺麗になる様子やニコライ王子が老けていく感じなどが絵でしっかり表現されていたのも好印象。ファンタジーとして良作だと思います。
ただ、精霊と黒の精霊、魔物たちとの関係性が少し難しく、もう少し深掘りされても良かったかなと感じました。また、復讐の形が残忍なので、苦手な方は要注意です。とはいえ、3巻と短めなので、スッキリと読み切れる物語だと思います。いいね
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珈琲のように奥が深い物語2025年4月3日移動珈琲屋さんが様々な街でその人の為だけに大切に一杯の珈琲を淹れてくれると共に、気持ちがほぐれるような時間を提供してくれるお話。
前半は、青山が様々な街で困った人や悩んでいる人に一杯の珈琲を淹れながら優しくお話を聞くオムニバス形式のほのぼのとしたお話です。ただ、毎話終わりに青山の素性や過去に繋がるお話がちょっとずつ描かれ、後半はその青山の話がメインで展開されるという面白い作りだったと思います。
そして、その青山の話が想像以上に重く、シリアスな内容なので、衝撃が凄かったです。ほのぼのとした世界の裏側の底しれぬ闇を見たような気がしました。
でも珈琲を丁寧に心を込めて淹れる時間や、その珈琲を味わうゆったりとした時間で、たくさんの人がリラックスして心が癒される様子は人々の様々な心模様が滲み出ていて、珈琲と同じでとても奥が深かったです。私もたこ珈琲のような美味しい珈琲が飲みたくなりました。 -
サブタイトルに疑問2025年3月31日文芸編集部の新人賞宛に送りつけられた、応募条件を満たさない直筆の投稿原稿。この革新的な小説を書いた高校生が作家として生きるようになる過程を描いたお話。無料公開で5巻まで読了済み。
本が大好きな女子高生・響が、初めて書いた小説を投稿したことから始まるこの作品。本人の意思に反してどんどんと周囲の反応や環境が変わっていく過程に、大作家が生まれる瞬間の興奮を感じました。響本人は自分の才能に気付かずケロッとしているけど、周りはその大物ぶりに慄く様子が丁寧に描かれていると思います。
そのストーリー展開自体はとても面白いのですが、響の人としてのあり方に難がありすぎます。人に対してとても素直な反面、自分の信念は絶対に曲げず、ともすれば暴力などの危険な行為を厭わない人間性は常識を外れていて、天才的な才能があっても許されるべきことではありません。周囲の大人も、響の小説家としての才能に溺れ、彼女の未熟さを庇うばかりで、人としての成長を促すような大胆な助言がなかったのが残念でした。天才には変わり者が多いかもしれませんが、こういう形で描かれるのはある意味誤解を生んでしまうような気がしました。物語のテーマや展開が面白かっただけに、彼女の人間性が作品の盛り上がりを興醒めさせてしまっていたのがもったいなかったです。 -
抱いて欲しけりゃ啼いてみろ【単行本版/電子特装版小冊子付き】
小田切のドSが性癖にぶっ刺さる2025年3月29日大型案件を任されたIT営業の男が、仕事で組むSEが見つからず、同期で陰キャの男に頼み込んだことをきっかけに、その男のドSっぷりにドMの性癖を開花させていくお話。
試し読みを読んで即購入を決めるくらい、性癖にぶっ刺さる好みの作品でした。深山が惹かれるのが分かるくらい、私自身も小田切のクールで圧のある冷たい目にゾクゾクしました。ただの素っ気ない態度からSっぷりにギアチェンジしていく様子が、口調やプレイに表されていて、その一つ一つに深山が興奮して蕩けていくのが見事にハマり、最高のエロになっていると思います。小田切のドSっぷりがとにかく好みでしたが、それを最大限に引き出したのはドM深山の無自覚な可愛い煽り。重くならずに明るいストーリー展開になったのも、深山が快感を単純に追い求めるエロさ、バカさがあったからであり、作家様のキャラ作りが本当に大成功したCPだと思います。その上で、小田切の秘めた想いや煽りを受けての欲望をぶつけるようなえち、独占欲や嫉妬モロ出しのプレイに熱い滾りを感じ、最高に興奮しました。続編、続々編と続いているようなので、単行本化が本当に楽しみです。今後も期待しています。 -
悪役令嬢ですが死亡フラグ回避のために聖女になって権力を行使しようと思います
物語に要素を詰め込みすぎた2025年3月26日普通のOLがプレイしていたゲームのどのルートでも強制的に死亡してしまう悪役令嬢に転生し、死亡フラグを回避する為に知識を活かして大活躍するお話。
なろう系で人気だった小説のコミカライズということで期待して読みましたが、とにかく詰め込みすぎの印象を受けました。悪役令嬢(子供)に転生し、死亡フラグを回避すると共に陥れた犯人を探し出し、貧しい領地を盛り立てる。更には聖女にレベルアップし、溺愛してくれていた父と元の姿で結ばれる。転生モノはただでさえ元の世界とは違った環境化で始まり、その世界に慣れていくことが話のスタートです。そこから明確なゴールに向かって努力したり、知恵を絞り出すところが面白いのですが、目的があちこちにあると当初のゴールが霞んでしまいます。途中までは領地再生に力が注がれ、本筋ルートに戻ったかと思えば恋愛を混ぜ込んでくる。しかも相手は父親。魂が違うと言えど、幼少期を育てた娘への愛情が恋愛感情であることへの疑問が拭えませんでした。そこは溺愛親バカルートであって欲しかったなと思います。また、途中から駆け足で物語が進んだのも残念でした。面白い要素があっただけに、じっくりと進めるか、物語を簡潔にするかが必要だったのではと感じました。いいね
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こんがらがった糸が自然と解けていくように2025年3月23日「マッチ売り」に続き、1枚の恋文に人生を狂わされた4人の男のお話。
「マッチ売り」とは別の作品ページになっていますが、「やぎさん郵便」としては2巻〜4巻にあたる作品です(実際、9話から始まっています)。自然と惹かれ合った廣瀬と花城CP。そして、初めてを奪われた花城に執着していた拗らせ男の澤と廣瀬に片想いしていた有原CP。こんがらがってぐちゃぐちゃになっていた2組が、収まるところにきちんと収まるまでがじっくりと描かれています。前巻同様に雰囲気は独特でとても素敵ですが、説明がとにかく少なく、その割に登場人物が多いので、相関図が欲しくなりました。そんな図解があれば、もう少しお話の内容が分かりやすくなると思いますが、それぞれの関係性を全部自分で読み解かなくてはいけないので、ぱぱっと簡単に読みたい方には複雑で難しく感じられる気がします。純文学的に行間を読むような、味のある漫画だと思いました。いいね
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必ずセットで購入すべし2025年3月22日友人に貸した本に挟まっていた宛名のない1枚の恋文を返そうとトンネルで友人を待つ男と、マッチ売りに偽装して男娼をして性欲を満たしている男、そして、その恋文を書いた男とその恋文の宛名部分を持つ男。4人の男の想いが交錯するお話。
戦後のノスタルジックな雰囲気と、絵柄や多くを語らない作風がこの物語とマッチしていると思います。この作家様のお話はいつも独特な雰囲気を醸し出していて、それが素敵です。
ただ一つ問題なのは、このお話は後に続く「やぎさん郵便」と合わせて全4巻の作品であるということ。題名になっている「マッチ売り」は「やぎさん郵便」の前日譚であり、このお話の最初のわずか40ページ程のお話で、残りは「やぎさん郵便」の1〜8話になっています。なので、このお話を読んだだけでは1巻を読んだにすぎず、内容が途中で終わっているため何が何だか分かりません。題名が異なっているので違う作品ページになってしまっているようですが、シリーズものではなく完全に1つの作品なので同じページにまとめてもらいたいです。読む時は必ず「やぎさん郵便」と一緒に読まないと、お話は完結しないので注意が必要だと思います。いいね
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木島の人生にかけがえのない二人2025年3月22日「ポルノグラファー」シリーズ2作目、木島と城戸が再会してからポルノ作家が誕生するまでの過去編です。
「ポルノグラファー」本編から遡り、木島と城戸がある意味特別な関係になるまでのお話。友人であり、作家と担当編集者であり、初めての男となる軌跡がじっくりと生々しく描かれています。
「ポルノグラファー」では、木島のハチャメチャで陰気ないやらしさが際立っていましたが、このお話を読むと、そんな木島を作り上げた一端に城戸が大きく関わっていたことがよく分かります。確かに作家らしい変わり者で飄々とした気難しい一面は元々あったものの、艶めかしいエロさや本音を嘘で固めて誤魔化すようなズルさを覚えたのは間違いなく城戸との関係からです。まともでありたい城戸のまともでない部分によって木島の変態性は目覚めさせられ、それを受け入れていくのは木島にとっての一種の愛ではないかと思いました。城戸には木島を受け止める度量がなかったために二人のただれた関係は終わりを告げますが、木島にとって特別に影響を与えた人物であるのは間違いないと思います。
そして、もう一人木島にとっての特別な人物が蒲生田先生。父親に死ぬまで自分という人間を受け入れてもらえなかった木島にとって、蒲生田先生は一種の父親代わり。木島のファザコン的欲求と蒲生田先生の家族愛的欲求が互いにマッチし、お互いの望みを叶えられた最期だったと思いました。城戸の下心が生んだとんでもない発想が、二人の人生に大きく影響を与えるなんて、出会いという偶然の産物が起こした奇跡だと思います。
「ポルノグラファー」では、木島という人間が全く理解出来ませんでしたが、彼の過去の濃密さを知り、また見方が変わるような気がします。 -
シリーズ序章であり、運命の出会い2025年3月22日自転車で衝突しポルノ作家の腕を骨折させてしまった大学生の男が、彼の仕事を口述筆記で代筆するという仕事をすることから始まるセクシャリティーな恋のお話。
ポルノグラファーシリーズ1作目、物語の全ての始まりであると同時に、このお話は序章にしか過ぎません。なので、これだけでは木島がどういう人なのか、城戸との関係性など、知りたいことは良く分からないまま終わってしまいます。
それでも物語に没入させてくれる力は見事です。妖しい雰囲気でセクシャリティーな魅力溢れる木島と、密室でポルノ文学に浸る非日常感はどことなくエロティック。真面目で純情な久住がその雰囲気に徐々に飲み込まれていく気持ちにも頷けます。ただ、そこで凄いのがこの展開全てが木島の思いつきと興味本位だということ。ハチャメチャで嘘まみれの木島への虚無感を、怒りというパワーでぶつけてきた久住の真っ直ぐさが、木島の心に温かな光として差し込んだところでこのお話は一旦終了してしまいます。この一連の妖しさだけでも物語としては面白いですが、やっぱりモヤモヤが残ってしまうのも事実。二人の行く末を見るためには続編も読むべき、素晴らしい序章だと思います。いいね
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妖狐✕坊主、永遠編2025年3月18日「九尾の狐と子連れの坊主」の続編、円仁の成長と円楷・玉嵐の永遠の幸せ編です。
お話は再びシリーズ1作目のように、周囲の人の悩みや頼みを解決するカタチに。その中で円仁の成長が描かれたり、円楷と玉嵐が喧嘩したりと、家族の物語と妖怪としての物語が上手く合わさっています。そして最後は、円楷と玉嵐の旅立ちへ。最期の時まで二人が仲睦まじく生を全う出来たかと思うと感慨深くなりました。死後の世界がとても楽しそうなのも良かったです。ファンタジー要素と家族愛が見事に調和した素敵な作品だったと思います。いいね
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妖怪✕坊主CP、子育て編2025年3月18日「九尾の狐となまぐさ坊主」の続編、円楷が実家に戻り亡き兄の子供円仁を玉嵐と一緒に育てていくお話。
法力の強い父がいる実家に玉嵐と一緒に出戻った円楷。男同士であることや玉嵐が妖怪だというだけでも問題山積なのに、亡き兄の子供円仁が妖狐とのハーフだったことが分かり、ドタバタな展開になっていきます。それでも、円仁の子育てを通じて玉嵐と円楷はCPとして成長し、二人の絆も、家族の絆も強くなっていく様がとても素敵でした。円仁がとにかく無垢で無邪気で可愛くて癒されます。最後は大団円で上手く纏めてくれるので、安心して読める作品です。いいね
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九尾の狐の妖怪となまぐさ坊主の出会い編2025年3月18日太古の昔、帝に恋をし妖怪になって人間の姿を手に入れた九尾の狐と、ギャンブルや女の子が大好きななまぐさ坊主が、様々な不思議な出来事を解決しながら恋になっていくお話。
九尾の妖怪である玉嵐の気を得る方法がえちな精気を取り入れるというものであるため、えちは生存手段の一つという形で描かれています。確かにえちシーンはエロいし、玉嵐と円楷は男同士なのでBLと言われればBLなんですが、どちらかというとファンタジーなお話の要素が強く、二人が様々な難問を解決していくのが面白いです。色々な人の様々な想いに触れることで互いへの恋心に気付き、恋愛としても成就しますが、恋愛がお話の中心ではない為、とても楽しく読める作品だと思います。ファンタジーが好きな方にはぜひ読んでもらいたいです。いいね
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香りと記憶の結びつきに縛られた思い出2025年3月18日パチメーカーの人事課に勤める普段は真面目ぶっている男の会社に、オフの素の時にワンナイトした男が新入社員として入ってきたことから始まる恋のお話。
嗅覚は五感の中で唯一直接脳に信号を送れることから、香りや匂いは記憶との結びつきが強いと言われています。三崎は西田が吸っていた煙草の香りにとらわれ続けることで、全てを諦めた今を肯定して生きてきたのかなと思いました。そんな三崎の想いを吹き飛ばすくらい真っ直ぐな伊織の強さと笑顔が、三崎の凍りついた心を優しく溶かしていく様子が丁寧に描かれていてとても良かったです。
そして、言及するのを避けて通れないのが三崎の想い人、西田。三崎の想いを感じ取りながらも、決して懐には入れず、三崎の気持ちを利用するかのようにつかず離れずの関係を続ける彼のズルさは、スパイスというには効きすぎるほどの印象を残したのではないでしょうか。最後まで見えない西田の本音が気になるところではありますが、誰に対しても本気になれない西田には彼なりの苦悩があると思いたいです。
三崎と伊織はまだくっついたばかり。ぜひ続編で二人のラブラブをもっと見たいです。そして、西田の本音も聞かせてもらえたらありがたいなと思います。いいね
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ハグ以上の癒し効果がある漫画2025年3月16日独身を誓い合った親友の結婚式の帰りに馴染みのバーで酔っ払った男と、そんなやさぐれた男をハグで癒してくれるピカピカのイケメン男子とのセラピーラブなお話。
とにかく尚の癒し効果で読者もほっこり癒されること間違いなしのこの作品。尚の突拍子もないハグの提案から変な関係が続き、徐々に意識するというピュアさが良かったです。
貴一がお疲れリーマンという設定もあってか、年齢の割に考え方がおっさんで、各話の間にある独り言がリアリティのある独白でそれも面白かったです。そんなおっさんくささもありますが、尚を大事にしようという心持ちなどは男前で、実は甘えたい尚との相性はいいだろうなと思いました。尚も、カッコ可愛いという言葉がピッタリの魅力溢れる子で、二人の優しい関係性がこのお話の癒しに相乗効果を与えているような気がします。お互いに安心できる相手に出会えた幸せを噛み締められる作品です。いいね
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アラフォー同士のピュアな恋愛2025年3月12日41歳のゲイで今まで一度も恋人がいたことがない男が、自社開発のマッチングアプリでマッチしたイケメン男と偶然出会い、初恋を実らせるお話。
アラフォーの男同士とは思えないくらい、ウブでピュアな二人。恋人なしの人生に突然降ってわいた恋の花に浮かれる春江と、様々な表情を屈託なく見せてくれる春江に惹かれる藤嶋。汗水流してボロボロに働く姿を褒めてくれたり、同性婚が認められない不満を笑い飛ばしてくれたりと、互いの負の感情を受け入れてくれる器の大きさはやはり大人ならではの恋愛感だなと感じました。だけど実際に恋人になるまでは、こちらが恥ずかしくなるくらいピュアな展開。すぐにえちをせず、キスだけであれこれ練習する姿などは誠実で良かったです。
物語の最初の場面ではまだ恋人として慣れず、春江は別れないか不安を感じているようだったので、ぜひどっぷりと幸せに浸かって欲しいです。初めてのえちシーンも含めた続編をぜひ期待しています。 -
春原くんの独特な考え方が何だか新鮮2025年3月12日社畜リーマンが残業帰りに路地裏で集団リンチを目撃し、何故かそのリーダー格の男に家まで送迎され、えちをしたことで恋人認定されお付き合いするお話。
宮良さんがとにかく流されすぎで最初の展開は謎でした。春原くんが怖いからと彼の行動を受け入れたのが全ての始まり。「家に上げた=誘われた」という変な考え方と執着的な思い込みで逃げられない状況に追い込まれていきます。だけど、怖かったはずなのに、懐かれているように感じ始め絆されて行く宮良さん。独特な考え方による強引な春原くんと優しさと真面目さで相対する宮良さんは相性いいのかなと思いました。何だかんだで互いの気持ちをしっかり話し合って理解を深めていく二人はラブラブで良かったです。 -
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40×40 ちくわ会議【完全版】~じりじりもだもだ20年愛~【合本版】
友情と愛情の熟成発酵2025年3月12日学生時代に寮で同室になってから、ずっと隣で一緒に成長してきた男二人のもだもだ両片想いのお話。
公私共に最良のパートナーとして認められている英司と浩一。一緒に通勤し、出張に行き、週末は両家族とお出かけととにかく四六時中一緒。会社の人にも家族にも呆れられる程の仲の良さでずっと楽しそうにしているおじさん二人が印象的な作品です。離婚を機にようやく恋愛的に一歩踏み込んだものの、二人の関係性は相変わらず。長年育んだ友情と隠し持った恋心が、親愛の情として昇華していたと思います。恋愛というよりもブロマンス的な深い繋がりや男同士の唯一無二の熱い友情が他のBLとは一線を画していたと感じました。エロさはちくわで軽減されていますが、ちくわがいい具合に味があって良かったです。いいね
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えちえちで甘々2025年3月8日子供の頃からやたらと動物に好かれる体質の男が、勤め先の店長の友人に異様に懐かれ、執着強めな溺愛に振り回された結果恋人になるお話。
匂いで興奮するというのは本能的に好意がある証であると何かで読んだ記憶があります。実際に、いい匂いだと感じる相手とは相性がいいとも言われています。そんなことを思い出しながらこのお話を読むと、普通の人間には感じられないある種のフェロモンを人間も感じられるのかなと思いました。
そして、まさにクマさんは匂いの好き嫌いに正直に生きている人。あきの匂いに興奮してケモノのようになる姿がエロくて雄味があり最高でした。特に舐めるという行為は深い愛情と興奮が感じられ、エロ度MAX。あきも最初こそ戸惑っていましたが、気持ちいいことに敏感で、意外とえちに積極的なのがまた良かったです。匂いで興奮したり、安心したい為にくっついたりしている内にえちな展開になるので、思っていた以上にえちのページ数は多めで甘々。たっぷりとえちが楽しめます。
一応完結編となっていましたが、これは続編を期待できる気がしました。家族のお話や、一緒に住むお話、パートナーになるお話など、まだまだ未来があります。ぜひまた二人に会いたいです。 -
全然捜査はしていません笑2025年3月5日田舎ののどかな警察署の刑事課に勤務している老若男女に愛される人情派刑事と、生活安全課に勤務する若手イケメン後輩は犬猿の仲。そんな二人が、見合い話をきっかけに恋人になるお話。
超鈍感な多古井と好きなのに嫌味ばかり言う塩野。物語のスタートから矢印がはっきりしていたけど(江川さんのおかげ笑)、恋愛になる気配が全くない多古井の気持ちがキス一つで急に動き出すのには少々戸惑いがありました。ゲイでもないのにそんなことで気持ちが変わるかなと違和感はありましたが、仲良くなり始めてからの展開は押せ押せの雰囲気だったり切なさだったりと恋の酸いも甘いも上手く表現されていて、途中からは夢中で読み進められました。アラフォーの多古井が恋をすることを恥ずかしく思ったりする気持ちは、共感しかありません。でもまだ恋人同士になったばかり。この二人が恋人としてどんな風に熟成されるのか、続編が今から楽しみです。そして、続編では多古井のえち中のエロい顔をぜひもっと拝みたいです。 -
気持ちよさで心もびしょびしょになれる2025年3月5日元陰キャで大学デビューした男が、特殊体質のため童貞を捨てられずに悩んでいるところ、イタリア料理店を経営する大人の男と出会い、お世話になるうちに恋をするお話。
人には相談しにくい特殊体質の悩みを真剣に受け止めてくれた秋山はとても大人だなぁと思いましたが、それを見て興奮してしまう辺りから潮プレイを楽しめるCPの成立が楽しみで読み進めました。いきなりエッチなイタズラもしてしまう関係になりますが、そこからの二人の関係を築いていく過程はとても真面目。尊敬出来る秋山のようになりたいと一生懸命努力する不器用な圭介と、そんなヘタレな圭介が可愛くて甘やかす秋山の関係性はもはや両片想いだなと思いました。弟気質、兄気質の二人は相性抜群だし、特殊体質も性癖になってしまえば怖いものなし。二人にはいつまでもびしょびしょでいてもらいたいです。いいね
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こたちゃんが可愛くていいコです2025年3月5日友達も彼女もいない地味な大学生が、幼馴染みに彼氏のフリを頼まれたことで、遊び人のチャラ男と知り合い恋をするお話。
ゲイだけど女の子もイケちゃう吉野という設定や彼氏のフリがバレたからとトイレに連れ込まれ、えちなことをされてしまう展開には、やや疑問を感じる部分がありました。でも、それを補って余りあるのがこたちゃんの可愛さです。素直で優しくて真っ直ぐなところはウブなのに、えちには興味津々で恥ずかしがる姿が妙にエロい。なぜ今まで友達がいなかったのか不思議に思いました。お話に若干の矛盾はありますが、最終的に吉野が「可愛い、可愛い」とこたちゃんを愛でてくれたので良かったです。いいね
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ぶっ飛び過ぎるファンタジーBL2025年3月5日性接待で契約をもぎとる暗黒営業課に配属されたリーマンが、その上司とえちえちな関係になるお話。その他短編がいくつか入った短編集です。
BLはファンタジーとは言われますが、まさにこれはファンタジーな世界観のお話です。枕営業の部署があったり、小麦粉の妖精とえちしたり、ノースーツデイがある会社だったり…。どの設定もぶっ飛んでいるのに、みんな真面目で、みんなエロエロなのがまた面白いです。ただ、ファンタジーすぎてリアリティはまるでないので、ストーリー重視の方にはあまりオススメ出来ません。ジャンルの枠組みをぶっ壊した内容や様々な方向性の作品を受け入れられる方向けの作品です。いいね
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面白すぎて泣ける2025年3月5日「フランスはとにっき」のその後、作者様とその姉、担当者様御一行がフランスへ旅行したお話。
前作で作者様のポンコツぶりとそれでもめげないメンタルの強さを学んだ読者としては、またも面白いネタ帳を追加して頂けたと舞い上がってしまう程、たくさん笑わせてもらえる作品でした。タイプが違うけど強いDNAを感じさせてくれるお姉さんや、類は友を呼ぶとはこのことかと言わんばかりのポンコツ担当者様の行動一つ一つが面白く、どうしてこの人の周りにはこんなにネタが落ちているのか、いやもうこの人自身がネタなんだなと納得してしまうお話ばかりでした。そして、どんなトラブルも笑いに変えて面白がってしまうその明るさに、日常のモヤモヤを吹き飛ばしてもらった気がします。今後もあちこち旅行して、たくさんのネタを作って欲しいです。そしてまた面白旅行記を期待しています。 -
寂しい者同士、互いが唯一の救いに2025年3月1日九州に異動してきた元心臓外科医の医者と地元で有名なヤクザがふとした出会いをきっかけに恋に落ちるお話。
とにかく色気がものすごく溢れ出る作品です。天授の身のこなしや方言など、言動の全てに色気がダダ漏れです。そして、訳が分からないまま体の関係になっていく聖高。今までえちの経験が全くないとは思えない程、身を捩る姿が可愛らしくて、泣き顔や反応全てに受けの才能を感じてしまいます。そんな二人の絡みがねっとりと濃厚で、エロさ抜群に仕上がっています。
お話としてはほぼ体の関係スタートですが、違う世界で生きる者だからこそ互いに素直な気持ちを零すことができ、寂しさやツラさに寄り添ってあげられる業の深いお話だと思います。その危うさや儚さと九州の港の綺麗な夜景がとてもマッチしていて、世界観が素敵でした。天授の大陸マフィアっぽい雰囲気も、普通のヤクザの男臭さを感じさせずに良かったと思います。
二人の想いが通じ合い丸く収まって物語は一旦終了。続編があるとのことなので楽しみですが、ヤクザと医者という難しい関係性を今後どう発展させていくのかは、不安と期待が混じるところです。その辺も楽しみに待ちたいと思います。 -
最強の当て馬が運命以上の恋を手に入れる2025年2月28日「ロマンチック・ラメント」のスピンオフ、旭の運命の相手だった遊真が、旭に声が似ているβと出会い、運命以上の恋を手に入れるお話。
「ロマンチック・ラメント」ではすでに恋人と強く想い合う旭の運命の相手として登場した遊真。出会いのタイミングが悪かった為に、旭と煌臣の仲に割り込む当て馬ポジションとして描かれていましたが、とてもいい人だったのである意味可哀想な役でした。しかし、その運命を10年引きずった後に出会ったのはαに捨てられたβの誉。傷ついた二人が、バース性関係なく惹かれ合う姿は優しく、恋の熱がじんわりと温かくなるのがとても良く伝わりました。
二人の過去はオメガバースの運命に翻弄され、辛く苦しい経験となっていますが、二人の恋愛には番やフェロモンなどが全く関係しないので、ごく普通の恋愛に近く、それ故相手を大切に想う気持ちなどは共感しやすいです。その上で、遊真がαらしく誉にえげつないマーキングをしたり、独占欲全開で抱き潰す姿は熱くて最高。こんなにカッコよくていい男の当て馬は見たことがありません。幸せになるべくしてなった遊真と誉にキュンキュンさせられる作品です。 -
メタラーさん可愛い2025年2月28日「となりのメタラーさん」の描き下ろしやショートストーリーがまとまった番外編集です。
相変わらずのメタラーさんと遣斗のやりとり(主に食事)が可愛いです。特にリアルフェス好きのマミタ先生が描くフェス参加編はリアリティがあって、なるほどと思いながら読みました。また、言葉少ないメタラーさんを周りの人が温かく見守ってる姿も良かったです。メタラーさん好きにはぜひ一読してもらいたいお話ばかりでした。いいね
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やっぱり二人には笑っていて欲しい2025年2月20日「ロスタイムに餞を」のその後が描かれた番外編。ヨリを戻した後の二人の幸せな日常を垣間見ることが出来ます。長く付き合う為に、二人が歩み寄ったりルールを決めたりして一緒にいることを大切にしているのがよく伝わるお話です。ご飯を食べている時もえちの時も、二人がとにかく笑っている姿に愛を感じました。馴れ初めが見れたのも嬉しかったです。
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江戸文化人たちの苦悩と情熱2025年2月20日吉原で本屋を営む出版人蔦屋と絵師歌麿が江戸で美人画を有名にするまでのお話。
いつもBLでお世話になっている作家様の歴史モノの作品、ストーリーは色恋ではありませんが、だからこその興味で購入しました。お話自体は江戸時代の文化人らしさがとてもよく表現されていて、お上との対立や文化人としての華やかさ、絵や本にかける意気込みなどが随所に描かれていて面白かったです。用語の解説などからも分かるように、とても良く調べられて勉強されたのが伝わります。ただ、史実にとても忠実な分、テーマとして伝えたいこと、描きたいことが薄れてしまったような気がします。蔦屋の本屋としての矜持、歌麿の絵にかける心意気など、もっと彼らの情熱に焦点を当てて、そのパワーでストーリーが展開されれば、受け取る側の読者にももっと印象に残る部分があったように感じました。改めて、こういうお話の難しさを実感したと共に、BL以外にチャレンジしてくださった作家様の向上心に感謝します。また面白いお話を描いてほしいです。 -
落語がこんなに艶っぽくなるなんて!2025年2月12日落語「貧乏神」と「寿限無」を元にしたBLっぽい色めくお話。二つの連作と、その他の短編一つが入った作品集です。
落語を元ネタにして、人生や恋を取り入れた艶っぽい、そして切ないお話を作るなんて、作家様の創造力に尊敬です。様々な知見があり、かつそれを壮大に膨らませる力量がないと作れない作品だと思いました。
フラフラと生きる与平や寿限無に振り回されながら、自分を必要としてくれる人に特別な感情を抱くようになっていくビンちゃん。みんな、一人が寂しくて隣にいてくれる人を強く求め、そんな存在に癒されて生かされる。切なさと安心感のちょうどいい塩梅に、物語としての巧さを感じました。こういう面白い作品をもっと読んでみたいです。いいね
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これが短編だなんて信じられない!2025年2月11日聖人認定が間違いないと言われている修道女、彼女の経歴を疑う青年記者が正体を暴こうと、過去を辿るお話。
85ページとは思えない程、濃厚で奥の深い短編です。マザー・ドロテアが聖人なのか詐欺師なのか、そんな疑念から辿った彼女の人生から彼女の様々な顔や壮絶な生き様が見えてきて、真実の奥深さに本当に驚きました。そして、この小さなお話が、まさか歴史的大事故に繋がっているなんて想像すら出来ませんでした。作者様の漫画家としての才能に本当に心から感服しました。
マザー・ドロテアの強さには一人の女性としての愛があり、優しさには修道女としての人間性が表されていました。最後は、彼女の長い人生が人間としての選択をさせ、教会には認められなかったものの、人々の心に強く残る聖人になった。とても素晴らしいお話だと思います。短編で、手に取りやすい作品なので、もっと多くの人に読んでもらいたいです。 -
設定がピカイチ2025年2月11日市役所が建て替えになり、移転した仮庁舎はホテルの隣。真面目で融通がきかない市役所職員がホテルの名前を変えてもらおうと直談判しに行ったことから始まる恋のお話。
市役所とホテルが一時的とはいえ隣同士になるなんて、あり得そうであり得ない設定が絶妙で面白いです。しかし、そんな状況があり得ない出会いを生み、展開していくというのはお話としていい作りだなと思いました。普段とは違ったことが新たな出会いを生むのは鉄板ですが、まさかこんなことからと思える発想は流石です。ストーリーとしてはままある展開ですが、この設定を思いつき、そして最後はお隣に引っ越すことでタイトル回収という全ての流れにまとまりを感じました。タイトルと物語のスタートからは想像出来ないシリアス部分もありますが、いっそ全体的に軽めでも良かったかなとは思います。いいね
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一気に読んでどっぷりハマる2025年2月11日「ナイトミルクヘッズ」「ナイトミルクヘブン」の本編と「ナイトミルクアソート」が一冊になったお得な合本版。各シリーズの短編は入っていないので購入の仕方には要注意です。
「ナイトミルク」シリーズが一気に楽しめるので、読んだことがない人は世界観にどっぷり浸れます。「ナイトミルクアソート」の部分は2CPがとにかくイチャイチャ甘々でエロエロでした。それぞれのCPの力関係がとても上手く描かれていて、各シリーズ本編よりも熟成された恋人同士のお付き合いにニマニマしながら読みふけりました。昌も大和も本編以上に雄っぷりが増していて、とても良かったです。この2CPの続きならいくらでも読めそうです。また続きが出てくれることに期待しています。 -
こちらのCPの方が好き2025年2月11日「ナイトミルクヘッズ」のスピンオフ、店長の大和と川瀬の恋のお話です。
憧れていた大和にスタッフとして引き抜かれ、大和の側で働くことになった川瀬。優しく包容力のある大和への憧れはいつしか好きに変わっていたが、役に立てるだけで十分だと考え、店長と従業員の一線を越えないように注意して過ごしていた。それでも徐々に距離が縮まり、告白をするものの、一度は玉砕。読者からは明らかな両片想いが分かっていただけに、川瀬の気持ちが痛い程伝わってきて涙が零れました。また、振られてもいつも通りにする川瀬を見ているのは本当に辛かったです。それでも、憧れや尊敬の気持ちで頑張ってこられた自分を忘れたくないという川瀬の想いの深さに感動し、謙虚で真面目な彼の人柄に好きの透明度をみた気がします。最終的にハピエンで本当に良かった。こんなに可愛い川瀬をこれからもずっと大和が独り占めして欲しいと思いました。いいね
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読めば読むほど味が出る2025年2月9日男性風俗店の黒服として働くことになった貧乏大学生が、そこで出会った毒舌でワガママなNo.1キャストと恋に落ちるお話。
最初読んだ時は、昌と歩が惹かれ合う過程が少なくあっさりとくっついた印象だったので、あまりハマらなかったんですが、シリーズ作品を読み続けていくと、寂しさをワガママで隠していた歩に一歩踏み込んで関わろうとした昌の真っ直ぐさに心惹かれるのがよく分かりました。この世界ゆえに表面だけで生きてきた歩には、昌のような真面目で真っ直ぐな人の愛情が必要だったんだなと感じます。世界観にどっぷり浸かると楽しめるお話でした。
恋人同士になってからは、普段の上下関係がえちの時には逆転する二人の関係性がとても良かったです。何だかんだで、昌の無理難題にも応じる歩と、そんな無茶を受け入れてくれる歩に暴走する昌の関係性がエロくて最高でした。もっと二人のイチャイチャを見たいです。 -
プッシー=子猫、で合ってる?2025年2月8日湾岸諸国某都市の郊外で大衆食堂を切り盛りしている男の元に土地開発の為に王族で実業家の自由気ままな暴君が立ち退きを求めて訪れる。それをきっかけに二人が恋に落ちるお話。
本編が始まる前に王サマと使用人たちとの乱チキプレイが入っています。そのワガママっぷりがあまりにも自分勝手で王サマに少々嫌悪感を抱きながら本編を読みました。本編では、王サマが出会ったこともないような庶民カドリの対応が王サマを徐々に可愛い子猫ちゃんに変えていきます。最終的には、王サマらしさを天の邪鬼として残しつつも、可愛らしいネコが完成したなと思います。前日譚の自分勝手さがなければ、もっと可愛く見えたかな?と思うと何だかもったいない気もしました。また、リバというわけではないかもしれませんが、王さもはタチからネコに変わります。その辺が苦手な方は注意が必要だと思います。いいね
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スパダリがスパダリらしさを発揮する物語2025年2月5日世界各地に現地セ フレがいるヤリ手ビジネスマンと、世界のホテルグループのGMを務めるスパダリが恋をするお話。
一話1エロを見事に踏襲したこの作品、とにかく世界各地の素敵な場所でのえちシーンが見応えあります。そしてアルがセレブなので、スパダリっぷりがすごい。決まった相手を作らないと豪語するハルトにあの手この手で迫ります。ただ、ストーリーは王道の展開で、強引なスパダリの愛に陥落するまでのお話。問題が起きても相手がセレブゆえのよくある障壁なので、新鮮味はなかったです。また、えち多めなのでストーリーに深みが足りなかったのが少々残念でした。
ただ、題名にもなっている、スイートルームの名前を「エスケープ」にするという発想はとても素敵だなぁと思います。ハルトがアルを好きになったのはこういうところなのかなと感じました。いいね
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ジレジレからのデレデレ2025年2月5日社内の女性ストーカーから身を守るために同僚の会社員同士が交際していると偽装恋愛することから始まる恋のお話。
ストーカー撃退手段が社内の同僚との偽装ゲイCPになるというなかなか斬新なスタート。森山にしたら、まさかこんな形で谷中と恋人になれるとは思っていなかったでしょう。でもその残酷な嘘から自然と二人の距離が縮まっていく過程がとても丁寧に描かれていて良かったです。
谷中の為に身なりを整えたり、一線を越えないように努力したりする森山の真摯な姿勢が谷中に届き、告白されてからの森山はそれまでと一変してとても可愛らしい人でした。両想いになってからの二人を見ていると、森山は本当に大好きだったんだなぁと、気持ちがダダ漏れになっていてもっと二人のイチャイチャを見ていたかったです。可愛いリーマンを堪能出来る作品です。いいね
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どスケベを貫き通した作品2025年2月4日地味で陰キャなドMサラリーマンが会社にゲイバレしたところ、陽キャイケメンの営業の男からまさかのお誘いを受け、良すぎる体の相性に身も心も溺れていくお話。
元々が同人での作品ということで、エロがメインのストーリー展開です。とにかく、エロのページ数が多いですが、その段階が一つ一つ丁寧なので、どぎつい印象を与えません。エロはSMプレイですが、あくまでも飼い主とワンちゃんという可愛らしい関係性なので、優しさや愛を感じられると思いました。こんなにもお互いが楽しそうに、求めているように、えちにのめり込める相手に出会えて良かったと実感出来るお話です。恋人としての二人をもっと見たかったです。 -
王道らしさが光る名作2025年2月1日αとして生まれ育った高校生が実はΩで、αの名家の当主と魂のつがいとして惹かれ合うお話。
名家の当主と魂のつがいとして出会い、互いに惹かれ合うものの困難や障壁が邪魔をし一度は離れる。しかし最終的に互いに成長して結ばれるというまさに王道のストーリー。αとΩとして惹かれ合う様子や階級差別など、オメガバースの要素を詰め込み裏切らない展開は、新しさはありませんが安心感がありました。展開としてはよくあるお話ですが、場面の見せ方、人物の表情や目線、洗練された言い回しなどが格別に上手く、物語の盛り上がりと共に感動して何度も涙する程でした。王道としての完成度が高い作品に仕上がっていると思います。
また、何よりも修正が神です。細い白短冊はあるものの、カタチはしっかりと確認でき、生々しさがありました。結合部の描き方も上手く、作品の盛り上がりを存分に楽しめます。キスも舌の絡み合う様子が丁寧に描かれていてとてもエロかったです。
圭騎の表情が硬かったり、お互いどこに惹かれたのか分かりにくい部分もありますが、流れでねじ伏せるストーリー力も見事でした。最初より柔らかくなった圭騎の表情に愛を感じられたと思います。もう少し二人の続きが見たいです。いいね
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母の人生を辿るヒストリージャーナル2025年2月1日一人で母を看取った大学生が、遺言に従い母の死を友人に伝える旅に出るお話。
母が仕掛けた遺言による、母の人生を辿る旅。目的地に着き、母の友人に会うと、また次の手紙を渡される。そんな物語の仕掛けが面白く、斬新かつロマンティックだと思いました。海外慣れしていない大空が、兄や旅先で出会った人たちの様々な生き方に触れ、見地を広げていく。自分の知らない家族の一面に戸惑ったり、子供だからと教えてもらえなかった真実を知りやさぐれたりしますが、強くたくましく成長する姿に世界を広げてあげたいと願う母の愛を感じました。
ただ、母や兄の家族愛はたくさん感じられましたが、父だけはどうにも理解出来ませんでした。再婚は祝って欲しいけど、母とのことは話し合いたくないという態度には疑問しかありません。離婚の原因については語られていませんが、父の配慮不足を感じるし、いつでも思っていることを相手に言わせようとする臆病さに少しイライラしてしまいました。父との和解が旅の最後だったので、何となく最後はスッキリしない気持ちになりましたが、母の懐の深さや優しさはたっぷり感じられたと思います。この作品はメールやネットが普及している今の時代に、直接会いに行ったり、直筆の手紙を書いたりするアナログの良さも思い出させてくれました。素敵な旅をありがとうございました。いいね
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本気になったら男泣き2025年1月30日不幸続きの高校生が親切な花屋さんに助けてもらったことをきっかけに、二人が恋をするお話。
チャラいと思った花屋さんを看病したことをきっかけに距離が縮まる翔と半田。大人の余裕を見せる半田に振り回されたり、高校生らしく突っ走る翔に振り回されたりしながら、お互いを意識していきます。お付き合いを始めてからは年齢の差や経験の差などですれ違ったりしますが、最後はきちんと本音で話し合う姿が印象的でした。本気になったらなりふり構わず泣いてしまう二人は似たもの同士だなと思います。また、とにかく二人の裸体がキレイ。えちシーンはエロさもありますが、カラダのラインや筋肉のつき方などが綺麗で見惚れてしまいました。画力の高さは全体的な満足度にも繋がると思います。いいね
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想像より重く苦しいお話2025年1月30日仕事仲間だった人気AV男優とゲイビ男優がバディを組み共演していたが、同じマンションに住んでいることが分かってからプライベートでも仲を深めていくお話。
ゲイビ男優同士という設定ということもあり、チャラくて軽くてえちメインのお話だと思っていたので、想像以上に重くシリアスなお話でビックリしました。ストーカー事件から始まり、離婚した子供が出てきて、過去には犯罪事件も起こしている。AV業界のエロい部分ではなく、アングラな世界をここぞとばかりに描いていて、この一冊に光と仁の二人の人生がギュッと詰まっていました。
えちもちょこちょこありますが、あくまで仕事のシーンとして描かれ、エロさはあまり感じません。BL漫画というより、ゲイビ男優同士が様々な困難を乗り越え、お互いの存在が特別になっていく、とても深いお話でした。最後の描き下ろしで、光と仁のコイビトとしてのお付き合いぶりが少しだけ覗けて良かったです。いいね
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互いの予測不能な言動に陥落2025年1月27日ゲイ向けナイトクラブで働くピュアな美人ボーイと、遊び人と噂される常連客が、えちの練習をするうちに心もカラダも癒されるお話。
ちょっぴり強引な陽介の極上テクで、天音がどんどんえちに慣れていくストーリー。カラダを慣らすための関係から徐々に惹かれていく王道の展開ですが、天音のピュアで真っ直ぐな性格と陽介の優しいエロ展開でとても面白かったです。
恋をしないと決めていた陽介を落とした天音の言動には私もメロメロでした。その性格は恋にも仕事にも真摯に取り組む姿勢に表れていて、自然といいなぁと思える気がします。エロくて可愛い天音ですが、いつでも諦めずに自分の力で切り拓こうとする強さは男前。苦労してきた陽介はその眩しさに惹かれたのかなと思いました。甘々な二人が本当にエロくて幸せで最高に良かったです。いいね
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惚れた男は親友で【単行本版/コミックシーモア限定特典まんが付き】
アソコを食べたら恋が始まる!?2025年1月27日小学校からの幼馴染みで親友の二人が、唐突な衝撃発言による出来事で関係が一変するお話。
「◯◯◯食わせて」という突拍子もないシゲの一言から、親友の二人がえちに流れる急展開から始まるストーリー。振り回される与一の戸惑う気持ちや拒みたいけど拒めない行動などには、長年の片想いゆえの捨てきれない好意があるからだと分かり、切なさと苦しさと訳分からなさが入り混じります。しかし、シゲの突然の行動の本音がイマイチ見えず、えちな与一が可愛かったから好きになった?とか、長年一緒にいるうちに好きになる出来事があった?とか、色々考えながら読み進めました。だけど、答えはシゲが単細胞で、直感的な行動派だということ。どういう心境の変遷があったかは描かれていませんが、気付いたら与一のことを独占欲が湧くくらい好きになっていたというものすごく単純なお話にまとめていたことがある意味新鮮でした。こんなにも裏がないストレートなお話は珍しいと思います。それでいいのかと思う部分もありますが、与一が好きになったシゲはこういう男なんだと感じました。男同士、長年の親友だからこその関係性が恋人へ。えちはとてもエロくてもっといちゃいちゃを見ていたかったです。いいね
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特別真新しい要素はなし2025年1月25日武芸と商才に秀でた子爵家令嬢が、結婚してから8年間不在だった夫の帰還に際し離縁を要求するが、一ヶ月の期限を決めたとんでもない賭けをすることになるお話。無料期間に9封まで読了済み。
2025年電子コミック大賞を受賞した作品ということで、無料公開部分のみ読ませて頂きました。率直な感想としては、面白い話ですが特別変わった要素や真新しい展開はないかなという感じでした。強気で活発な令嬢、名ばかりの結婚だったが予想外に出来る嫁で婚家には上手く溶け込むものの、本人の希望は離婚したい。こういった設定は珍しくなく、そんな嫁に興味がなかった旦那もすっかり惚れ込んでしまうという展開もよくある話です。それでも皆が好きだというなら分かりますが、賭けの対象が子供であったり、TLかと錯覚するような早すぎるえちシーンなどには疑問が残りました。賞を頂けるのは作家様にとっても作品にとっても大変名誉なことです。多くの人が納得出来るものになるよう今後を期待したいです。 -
人間を人間たらしめるものとは2025年1月23日「2055」から17年後の、アンドロイドと人間の世界を描いたSFファンタジー続編です。
2055と同じ世界線の17年後、人間はオリジンと呼ばれ、ニューオーダーAIと共存するようになる。2055年よりも高度になったアンドロイドに管理された平和を生きるサガミとスバル。オールドAIのアオイのコアも加わり、人間らしさについて深く考えさせられる作品になりました。
人間のために生まれたAIがアンドロイドとして高度になった世界で、人間らしい感情が分からないスバル。人間らしさとは一体何なのか。秩序を保つ為に、人間としての様々な感情を殺し生きていくことは本当に幸せなのか?見せかけの平和な世界がとても嘘くさく見えました。対照的に過去のオリジンのスバルは、とても活き活きとした表情をしていて、生きていると実感しました。危険因子だとしても、きっととても人間らしい感情を持った人だったと思います。人としては完璧ではないかもしれない。でも、だからこそ人間らしいのかなと感じました。
アンドロイドらしさと人間らしさが一目で分かるほど、ちゃんと絵で表現されているのも本当に見事でした。表情一つでその人らしさを表す三月先生の画力に感動です。 -
代替品では埋められない想い2025年1月22日2055年、アンドロイドと人間が共生する世界で、自分そっくりのアンドロイドを用意し、恋人と別れる準備をするお話。
そう遠くない近未来に起こりうるかもしれないアンドロイドとの共生。そんなSFファンタジーの世界が短編で描かれていますが、完成度がとても高い作品です。
ニセモノだと分かっていても、恋人そっくりのアンドロイドを作らずにはいられなかった弥凪。しかしきっと徐々にその矛盾に苦しむことになったのでしょう。葵ではなく、アオイだという事実を毎朝突き付けられ、胸が痛み涙する日々に耐えられなくなり、今度はヤナギを用意します。一人の寂しさが二人でいる苦しさを生む、そのツラさと切なさで胸がいっぱいになりました。そして、代えがたい命の重さに涙しました。
アンドロイドの有用性や存在価値を認めつつも、人間のような感情を生まない欠落性を上手く表現したこの短編は、SFであると共に愛の物語である深い作品です。三月先生のストーリーテラーぶりを堪能して欲しいと思います。 -
ドS編集長のイケないご指導【単行本版/コミックシーモア限定特典まんが付き】
ピュアな先生の天然煽りが可愛い2025年1月22日恋愛経験の少ない小説家が、担当が変わったことで官能小説を書くことに。そんな悩みにエロテクで応じるヤリ手編集長とウブな作家の開発エロティックラブなお話。
編集者と作家という鉄板の組み合わせですが、ストーリーも絵も丁寧でとても面白かったです。官能小説に悩んだ篠原に高倉がいきなり襲いかかり、先生も気持ち良くてすんなり受け入れちゃうというのはちょっと突拍子もないですが、編集の熱心さがいい具合に表現されていて強引な展開でも素直にエロさと篠原のウブな可愛さを楽しめたと思います。それが、実は高倉が熱心なファンだからというストーリーに繋がるのも良かったです。変ないやらしさではなく、ちゃんと愛情を感じられたからこそ、ドキドキキュンキュンしました。ドSというタイトルですが、無理やりではなく、あくまでも篠原の快楽の手助け程度の強引さというところも愛情ポイントでしょうか。もっと煽られて余裕のない高倉も見たかったです。いいね
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短いけど濃ゆい2025年1月22日「ドSおばけが寝かせてくれない」の特典小冊子です。このCPはどちらも生霊の方がえちに積極的でエロエロ。そんな生霊同士の絡みに本体が影響されてしまうという濃ゆいお話です。彼らの隠した本音が暴かれるのもいいですが、やっぱり本体の恥じらいがある方が私は好きです。本編がお好きな方は必見です。
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念願のSMシーンがもっと見たい2025年1月20日「調教」シリーズ第4弾、藤田の元カレ登場編。そしてついに金岡と藤田のSMプレイを拝めた作品です。
今作では、バーの周年パーティーでの二人のSMプレイが冒頭に登場。ついにSMの扉を開けるのかと期待したのも束の間、お話は藤田の元カレ登場へ。とは言っても、大した悪さをすることなく、金岡の彼氏としての執着や藤田への深い愛情を実感しただけの平和な展開で、ちょっと拍子抜けでした。それでも藤田の可愛らしさと金岡のドSっぷりは健在。もっとSMシーンがあっても良かったです。いいね
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特殊な設定に好みが分かれる2025年1月20日ゲイの男が、失恋した夜に色情霊に襲われ、そのおばけに気に入られるが、実は現実で絡み酒に付き合ってもらった相手だったというお話。
失恋すると誰彼構わず絡み酒をする雄二。そしてたまたま絡んだ康祐に生霊を飛ばすほど気に入られ、最終的に恋人になるというストーリー。現実世界での魔訶不思議なファンタジー設定にイマイチ入り込めず、サラッと読み終わってしまった印象です。生霊を飛ばしている康祐も、そんな生霊に気に入られた雄二も、その状況をあっさり受け入れお話が進んでいくので、疑問を抱いたままの読者は置いてけぼりになってしまう気がしました。
とはいえ、設定が色情霊ということで、早い段階からえちシーンは多めです。この設定を楽しめれば、えちたっぷりの作品としてハマる気がします。いいね
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キュンが止まらない!2025年1月19日不器用な男と誰もが認めるいい男。幼馴染みの二人がやらかしてしまった高校の卒業後の一夜を8年後に答え合わせするお話。
お話の展開、上手すぎです。とにかく読んだら分かりますが、キュンが止まらない。小さい頃からの幼馴染みの二人、懐き方を見ると剛は昔から優介を特別視していた?そうじゃないと煽られてもえちな展開にならないのでは、とか、様々な経験をしてみて優介が特別だと気付いていたのでは、などと、短いお話の間に色々と妄想してしまう楽しさが詰まっていました。鈍感な優介は、みんなに好かれている剛から懐かれている優越感にずっと浸っていますが、嫉妬ではなく優越感だという時点で、優介にとっても剛はカッコいい男だと認めていて、それは好意の一種なんだろうなと思いました。
その二人が8年経って再会。気まずい気持ちは時間が解決し、いざ真相へ。二人の答え合わせが、8年越しの気持ちの答え合わせへ。ものすごくいいところで終わりますが、そのラストの答えがまさにタイトル!タイトルすら物語の一つにしてしまうma2先生の巧さに脱帽です!ぜひ、続きください!続きが気になりすぎる、最高の短編です。 -
こんなバカネコ大好きです2025年1月19日コンビニでバイトしている大学生と、そこに度々訪れてはちょっかいをかけてくる常連客との恋のお話。
愛されたがりの鈴原と愛がしつこいと振られまくる沢田。いつもヘラヘラしている鈴原を苦手な沢田が、いつの間にか鈴原の押しに負け、何だかんだで可愛いと思ってしまうよこた先生らしい作品です。普段は押せ押せの鈴原がえちでは逃げ腰になるくらい、沢田が雄化するのも最高でした。尽くし過ぎの鈴原が沢田のしつこいエロテクに尽くされまくる姿も良かったです。
もう一つの短編もエロネコちゃんがお酒で記憶を飛ばしてやらかしちゃうお話。どちらのお話もバカだけど可愛すぎるネコちゃんで面白かったです。いいね
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新宿69へヴン【単行本版(シーモア限定描き下ろし&特典付き)】
底辺で出会い同居企画で育てた愛2025年1月18日歌舞伎町の風俗ルポライターとゲイのウリ専人気No.1の男が、仕事で一度関係を持った直後に雑誌の企画で同居することになり関係が変わっていくお話。
歌舞伎町の底辺を生きる男の生き様をとても上手く描いたこの作品。ルポライターとウリ専として出会ったヒロムと慶太が、ルームシェア企画で本当の素の部分を知っていく過程が丁寧に描かれています。慶太はヒロムのエロさが忘れられないが、普段の素っ気なさに翻弄される。ヒロムの過去の後ろ暗さと自分自身への諦めが野良猫のようで、そんなヒロムが慶太の真っ直ぐさで徐々に懐き始めるのがとても可愛くて良かったです。
ただ、途中までは一つ一つとても丁寧に段階を踏んできた感じでしたが、最後の方は駆け足で終わってしまったのが残念でした。当て馬沢木もあっさりと手を引き、事件はそのまま終了。執着もあったと思いますが、意図があまり分からなかったです。また、オマケのページが上下巻同じだったのは誤植なのかと思いました。同じオマケならどちらかでいいのかなと思います。
とはいえ、ウノハナ先生の作品はやっぱり面白かったです。また職業柄二人のえちシーンが多く、エロさは過去一だったと思います。エロさや妖しさ、ダークさが混在する世界と、ウノハナ先生の描く訳ありのネコは相性ピッタリ。ぜひまたこういうお話を描いてほしいです。 -
魂が呼び合う壮大なサイエンスファンタジー2025年1月16日転生者の会社員とタイムトラベラーのその従兄弟が織りなす、人生と時をかけたサイエンスファンタジーなお話。
転生者とタイムトラベラー、どちらもファンタジーではよくある設定ですが、各々その性質を持つ主人公が両方同時に存在し、なおかつその二人が魂で惹かれ合う運命の相手であるというこの発想が何よりも斬新で素晴らしいアイデアだと思いました。それぞれのルールや特徴がどうなっているのかを紐解く過程は、同じ性質を持つ仲間たちとの会話で展開させ、各々の生きる意味や目標を模索しながら、普通とは違った運命に翻弄される彼らの生き様をじっくりと見せるストーリーは、重厚でとても深い内容になっていると思います。それと対比するかのように、あっくんとトッキーの日常は穏やかで、彼らのやりとりに日々の小さな幸せを感じられるのも素敵です。
複雑なルールで転生を繰り返す転生者と時をまたぐタイムトラベラー。絡み合った彼らの運命が、ようやく二人の幸せというゴールへ向かうことが出来た時、膨大な時間とたくさんの人生が過ぎりました。その壮大さと、魂が惹かれ合う姿に、感動して涙が止まらなかったです。
そして、お話もとても素晴らしいですが、カラー絵の使い方などもとても上手いなと思いました。各話の表紙だったり、大事な場面でのカラーページは印象的でした。特に最終話のカラーページは、互いの想いや苦悩が辿り着いた幸せのカタチとして、漫画としてだけでなく目に見える物語として大きく羽ばたいた作品の仕上がりになったと感じました。各話に挟まれる4コマ漫画の使い方などの工夫も多く、ストーリーでは収まらない人となりを余すことなく楽しめる作りには感謝と尊敬しかありません。
主題の設定も斬新ですが、細かいところにも作者様のアイデアが光ります。あっくんやトッキーが働く魔訶不思議な会社や、登場人物たちの一風変わった名前など、溢れ出る個性が最高でした。
こんなにも素晴らしい作品なのに、レビュー数が少ないのが本当に残念です。もっと多くの人に読んでもらい、この作品の素晴らしさが伝わればいいなと思います。 -
お得な特典集2025年1月15日マキネ先生のdrapコミックの特典を一冊にまとめた特典集です。
未読の作品もありましたが、4作品の特典が一気に楽しめるお得な一冊です。画業10周年の特別版とのこと、今後のご活躍も期待しています。いいね
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こういうハードボイルド作品を待ってた!2025年1月14日10年前に潰れた暴力団のことを聞いて回る謎めいた青年が、欲望の街新宿に波乱を巻き起こすハードボイルドなお話。
原作がハードボイルドの巨匠大沢先生の小説ということもあり、お話の構成や展開、緊張感や疾走感が素晴らしかったです。コミカライズにあたり構成や流れを多少変更したようですが、元々の作品の作りがしっかりしているので最後まで目を離すことが出来ない程夢中で読みました。また、もんでん先生の構成力や画力も素晴らしく、キャラの魅せ方や描き方が作品として完成度が高かったと思います。
内容は雪人が父親の死の真相を知るために秋田と新宿で体を張って真実に近づいていくお話。雪人のマタギの孫としての野生の勘や警官としての正義、人と真っ直ぐ向き合う素直さなどが周りの人を惹きつけ、仲間がどんどん増えていく様は彼のキャラの魅力を存分に表現しています。そしてそれと同時に、ヤクザの世界での仁義やルール、欲望や執着の恐さをストレートに描いていて、これぞハードボイルドの良さであると認識できました。
小説ではハードボイルド作品は一つのジャンルとして確立してますが、漫画ではハードボイルドと呼べる作品はまだ少ないように感じます。重厚な内容になるこのジャンルを分かりやすく漫画として魅せるのは難しいことだと思いますが、だからこその面白さと魅力があるのではないでしょうか。今後、もっと本格派のハードボイルド作品が増えてくれることを期待したいです。 -
エロさはすごい2025年1月14日新人編集者が暴君と名高い売れっ子作家の小説の執筆に協力するうちに恋人になるお話。
元々純文学を書いていた武田と熱心なファンだった夏目が、ポルノ小説家とその担当編集として再会。互いに過去の気持ちを隠して、体のみの関係を続けるという王道の展開。過激なポルノを書く割に自分の気持ちに奥手な先生と、体から落とされどんどんいやらしくなる夏目のモダモダ両片想いがとにかくエロい。事あるごとにえちしていて、二人の純粋な好きとは裏腹にどんどん乱れていく様は見応えがあります。
続編では当て馬として元同級生が登場。そのことで二人の想いがより強く結びつくストーリーは良かったですが、当て馬くんの目的がちょっと分かりづらく、その真意が気になって最後まで引っかかってしまいました。夏目のことを睨んでいたのは、気になっていたからか邪魔だと思っていたからか。ホテルの夜のことも含め、回想シーンなどで芥川側の視点を描いてほしかったなぁと思いました。とは言え、最後までエロさは思う存分堪能出来る作品です。いいね
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三十路ゲイ、勃たなくなりました。 ~自己否定と闘った1460日~
現実と素直な気持ちが丁寧に綴られている2025年1月14日いつもSNSでお見かけするミナモト先生のリアルなエッセイ作品。
明るくて楽しそうに日々を送っている先生が、過去にこんなに苦悩した日々があったとは知らずに驚きました。内容は、男性にとってはとても辛く真剣なお悩みで、しかもそれが心的原因ということで、種類が違えども誰しもぶつかる可能性がある問題。お悩みに対してあらゆる角度から解決を試みるチャレンジ精神や、逆に更に悩みを深めてしまう選択など、全てにおいて真摯に考え取り組まれているその姿勢に先生の真面目さと優しさが溢れていたと思います。また、ゲイ界隈のリアルな出会いやえちのあり方など、本当のリアルを知ることが出来たのも面白かったです。とてもシリアスなお話だと思いますが、明るくちょっとおしゃべりなミナモトカズキ先生の個性が光り、とても読みやすく最後は良かったと思える素敵な仕上がりです。いいね
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素人の優しさと真面目さで本気が伝わる2025年1月14日「素人なのにハメられました」のスピンオフ、はじめの同僚の三橋とAV男優の蓮の恋のお話。
優✕はじめCPのちょっとマヌケでほのぼのとした世界線と同じとは思えない程、シリアスで真面目な三橋と蓮。雨宿りをさせてあげてえちをした流れからは考えられないような深い内容にいい意味で驚きました。いちご牛乳をこよなく愛するポヤポヤした人かと思っていた三橋が、普段はものすごく優しくていい人で、実は周りをよく見ている思慮深い真面目さがあるだけでなく、えちでは雄み満載な魅力に戸惑いつつもときめいてしまいました。その三橋の意外性と共に、天の邪鬼で、感情の暴走に実は自分自身苦労している孤独な蓮という組み合わせがなんとも言えずピッタリで、スピン元の2人よりキャラの魅力に惹き込まれる作品でした。蓮の一つ一つのセリフがとにかく天の邪鬼過ぎて、でも天の邪鬼な人にとってはあれが精一杯の素直さなんだよなーと分かる言い回しで、気持ちがこもっていた気がします。さらなるスピンオフも見たいですが、この2人のえちえちな番外編などもあったら嬉しいです。ぜひ期待しています。いいね
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ドジリーマンの真っ直ぐさが可愛い2025年1月11日借金を背負いAV撮影のバイトをすることになったドジなサラリーマンと、ピンチを救ってくれた人気NO.1の男優が、エロレッスンをするうちに恋に落ちるお話。
ストーリーはよくあるゲイビ男優とちょっとおバカなサラリーマンもの。ふとしたことがきっかけで出会い、リーマンの真っ直ぐさとエロの才能によって、男優が惚れ込んでしまうという安心設計の展開です。全てありきたりですが、はじめがドジすぎるところも、優がどんどんハマっていく過程も面白く読めました。はじめのような甘ちゃんはもっと苦労してもおかしくないですが、優だったり三橋だったりとちゃんとした人が周りにいてくれて良かったなと思いました。そして、そのはじめのエロエロ度がどんどん増していくのも良かったです。
1巻完結作品なのに無料公開されていたのでとてもお得に読めました。スピンオフ作品もあるようなので、そちらは購入して読みたいと思います。いいね
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歴史ものは安心してお任せ出来る2025年1月11日フランス革命前夜のパリを舞台に、没落貴族の少年と三文小説家の平民の愛の変遷を描くお話。
「大奥」と同じように、こちらも歴史の流れを取り入れた作品。歴史ものを扱う時は、その舞台や背景、その時代の考え方など、どこまで取り入れてどのように見せるかが難しいところではありますが、よしなが先生の作品では安心して読めます。今作もフランス革命前夜のパリという貴族が栄華を極めた時代と、平民が力をつけてきた時代、その革命がひっくり返る時代の境界線をお話の起承転結に活かす手法は見事だと思います。その上で、そんな貴族よりもお金持ちになった平民のジェラールを主軸に、男女の恋にばかり溺れる典型的な貴族としてナタリーを登場させたりと、この時代をとても上手く描いていて、BLとして、愛のお話としてだけでなく、歴史ものとしても面白く読めました。
でもお話の核はジャックとジェラールの愛の変遷で、男娼と客として出会った貴族と平民が、主人と下男になり、互いのことを知るうちに親子のように大切にしたい存在となり、最後は恋人のように愛し合う。その過程でお互いを特別に思うようになるのが一つ一つきちんと実感出来る。この描写力は流石としか言いようがありません。ページ数からは考えられない程のお値段も魅力的。ぜひもっと多くの人に読んでもらいたい作品です。 -
純文学好きなら間違いなし2025年1月8日モデルにした人物が必ず不幸になってしまう元脚本家と娼館に居候するカメラマンとの愛のお話。
とにかく絵が芸術的に上手いです。一つ一つの作画が丁寧で綺麗で、流れるように物語が進んでいきます。漫画でありながら、モノクロの無声映画を観ているようなリアリティに溢れる作品です。
内容も純文学的で、その表現には純文学作品を読んでいるような世界観が描かれています。それ故、叙情的で分かりにくい部分もあるので、一般的に理解するのが難しいお話だと思います。それでも、戦後間もない日本への郷愁や物書きの狂乱など、違和感のない部分を上手く結びつけて二人の愛を構築した作品創りは素晴らしいと思いました。
最後の憑き物が落ちたような穏やかな憬は、色気と共に親しみやすさがあって、幸せぶりが伝わってきました。モノクロの無声映画にして欲しい作品です。いいね
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初心者目線だからこそ面白い2025年1月8日無職で独身の30歳目前の女性が、突然思い立ってフランスにワーキングホリデーで1年住むことにしたお話。
とにかく思いつきのきっかけに、語学勉強や手続きもあやふやなまま勢いで海外にワーホリに行った、というハチャメチャなこの作品。何も分かってない、何も出来ない人だからこその目線がすごく参考になると同時に面白い。日本との文化、価値観、生活習慣の違い、フランスというお国柄のあれこれに振り回されながら、何とかやっていけてる日々の暮らしにとてもリアリティがあり、その大変さや苦労は実際に行って経験してみなければ分からないことばかり。その経験を初心者目線でありのままに描いてくれていることで、海外暮らしの経験がない私にも解像度がかなり高くなりました。海外に慣れている人にとっては当たり前のささいなことでも、普通の日本人にとっては驚くことばかりの日常を、あるあると思ったりへぇと思ったりしながら楽しく読めました。そして何よりも作者様の超ポジティブさや大雑把さでメンタルが鍛えられます。海外暮らし気分をたっぷり味わえる作品です。いいね
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面白いからこそもったいない2025年1月8日人の嘘を聞き分けてしまう耳を持つ大学生が民俗学を担当する准教授に気に入られ、怪異収集を手伝うアルバイトをすることで、自分の身に起きた不思議な出来事と向き合うお話。
怪奇体験と民俗学を繋げるテーマや発想はとても面白く、伝承の成り立ちや広がり、根付き方などなるほどと思える内容で、説得力がありました。その上で、深町と高槻先生が体験した不可思議な事象に迫っていくミステリー調な展開にどんどん惹き込まれ、一気に読み進めてしまいました。
ただ、相談に来た人たちと深町・高槻の事象には怪異としては乖離がありすぎで、相談者たちのがほとんど人間の仕業であるのが少し残念でした。不安感を煽る要素として民間伝承などが利用されているのは理解出来ますが、二人が体験した実際の怪奇現象については考察が浅いかなと思います。また、深町の不思議が分かったところでこれからもっと面白くなっていきそうなのに、そこで完結、終了となってしまったのが本当に残念です。元々小説をコミカライズしたものだと分かっていますが、出来ればこの先もコミカライズで読みたかったなぁと思いました。とても面白かっただけに、途中で完結にしてしまったのはもったいないです。ぜひまた続きを描いてほしいです。 -
タイトルがふんだんに使われている2024年12月25日同期の借金の連帯保証人になったことで多額の負債を負ったサラリーマンが、回収役のヤクザに世話を焼かれ、調教開発されていくうちに恋が芽生えるお話。
カモがネギを背負ってきたようにチョロい陽太。回収にきたヤクザにすら心配される程騙されやすい性格ですが、その純真無垢な優しさとおバカな真っ直ぐさで暁人の心を鷲掴みにします。
お話の流れはあっという間で、二人がくっつくまでの時間が短くあっさりとしています。暁人のヤクザもライトな感じで、全体的に薄味な印象を受けます。ただ、陽太のチョロさやチャーハンを作るのにネギがいるとか、所々でタイトルを使っているのがいいなと思いました。いいね
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アンドロイドと人間の恋2024年12月25日亡くした恋人を追ってマンションから飛んだはずが、250年冷凍保存され未来世界に生還した男。目覚めた時にいた恋人の3割減のアンドロイドとの生活で、再び愛を知るお話。
最初は、勝手に冷凍保存されたこと、恋人のニセモノになるアンドロイドとの再会を用意されたことに腹が立つと共に、虚しさを感じました。寅雄本人が納得して選択した生き方を親のエゴで書き換えられ、恋人の代わりを用意される。そこにはもう自分の知っている人は誰もいないし、住んでいる世界もまるで別世界。自分だったらと思うと納得出来ないし、淋しさも悔しさも虚しさもぶつける相手がいないし意味がないと思いました。
そんな未来世界を生きていく虚無感を吹き飛ばしたのが、ヒカルB。元恋人の失敗作ロボットに最初はイライラしたものの、いつも笑顔で優しく献身的なヒカルBとの生活が寅雄の心を溶かしていきます。このお話のスタートは実はここからで、再び250年冷凍保存された寅雄の生きる原動力になったのがヒカルBとの約束だったというのは感動しました。ゴミとして処理されたヒカルBも寅雄との約束を光に動いていた。アンドロイドであるヒカルBと心を通わせることが出来た。そして二人がもう一度出会えた。そこに500年の意味を感じました。最後はとても清々しい気持ちで二人の再会を祝福できる、愛を感じられる作品です。いいね
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一話ずつちゃんとあるオチが面白い2024年12月25日古い一軒家に住む女癖の悪い書道家のおじさんとその親戚で何かと面倒を見ている男子高校生が、名誉の負傷から住み込みでお世話をすることになり、関係が変わっていくお話。
ストーリー自体は王道の展開ですが、住み込み生活のきっかけになった怪我が治り始めると再び怪我をしてお世話の期間が延びるという毎話のオチがとても上手いなと思いました。関係性が進むにつれて増すシリアスさを笑いにして終わらせることで、内容が重くなりすぎず明るさと軽さを残す描き方はさすがです。
越郎の淋しさや孤独を紛らわせたのが小さい弓太。あんなにも素直でからかいがいのある親戚がいたら、さぞ癒されたことでしょう。甘えられることで自分の存在意義を感じられる。愛は孤独には一番効く薬だなと思いました。弓太のエロエロも良かったです。いいね
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おじさまを描かせたら一流2024年12月25日真面目で純情なおじさまが、初めての恋とえっちに挑むためゲイ風俗を利用する。そこで出会った黄金の指の異名を持つ男と恋に落ちるお話。
とにかくおじさまを描かせたら一流のりーるー先生。今回の静音さんも最高でした。普段は上品で物腰が柔らかくとても真面目なのに、オフではピュアで可愛くてエロエロ。こんな可愛い箱入りおじさん、シュウじゃなくてもハマってしまうこと間違いなしです。年齢を重ねたからこその大人の対応や礼節を欠かさないことなど、おじさまの良さを存分に引き出しつつ、末っ子気質を活かした甘えっぷりでブラコンの幹兄ちゃんを翻弄する姿にはあざとさすらあり、いい出会いがあって本当に良かったなぁと思いました。トロトロになる静音さんもとても良かったです。 -
安定のエロ度2024年12月22日借金がありヤクザにゲイビに出るよう迫られていたところを高校時代の同級生で芸能人になった男に助けられるお話。
カネ子先生の安定のエロ度はありますが、如何せんストーリーが王道の展開。音生が由利のどこに惚れていたのか、いつから好きなのか、何故あの場に居合わせたのかなど、深く掘り下げられるべきところが全てスルーされているので、お話の内容が浅くなってしまっていて残念でした。サラッと読むには面白いと思います。いいね
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続編というより全てまるっと解決編2024年12月22日「ワンダーフォーゲル」の続編、イブと稜CPが恋人として熟成していく様子とゆうとの過去を探求するお話。
前作のお話を全てまるっと受け継いで、いい意味で解決し、発展させた今作。前作の2つのお話は、繋がりがあるものの登場する人物も場所も展開も各々別のお話でしたが、今作はその2つのお話を見事に融合させています。サイン会を行うことで上京させ(場所の一致)、過去をたどりながらイブという第三者かつ大人の意見で納得出来る真実を見つけ(主要人物たちのストーリーの共有)、マリさんという新キャラによってイブと稜の理解度が増す(親密度の発展)。ミステリー要素と恋愛要素が上手く溶け合って、キャラたちがとても活き活きとしていたように思いました。稜のゆうとへの異常な庇護欲や、イブのポンコツぶり、しろうの彼氏力に南くんの真っ直ぐさ。各キャラの良さを短い中にもしっかりと伝わるように描いている作者様の力量が素晴らしいです。中でも、新キャラのマリさんは最高でした。核心への切り込み方やものの言い方など、キツイように見えて愛情があり、マリさんの登場でそれまでミステリアスな雰囲気に包まれていたイブがちょっと自己チューな可愛いお子様に見えるように。稜とイブが思ったよりもラブラブな恋人同士で良かったなと思える続編になったと思います。いいね
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読めば読むほど味が出る2024年12月22日放浪先の沖縄で野宿を続けていた男が、台風の避難先で小説家の家にお世話になることに。不思議な力を持つという小説家と閉所恐怖症の男との嵐の一夜から生まれた恋のお話。またその人物が関係者として登場する前日譚的なお話。
この感想を書いていて改めて気付かされるのが、この作品は2つ目のお話「ワンダーフォーゲル」が主軸なんだということ。それをくってしまうくらい最初の「みえない友達」が難解すぎて、噛み砕くのに必死になってしまいました。一度読んだだけでは内容がさっぱり分からない上に、登場人物が誰が誰なのかを区別することも難しい。一体何の話をしているのか、どんな関係性なのかも分かりづらく、何度もページを戻ったり、名前を確認する作業を繰り返した人は多いはずです。だけど、何度も読み返し、色々な人のレビューを参考に考察していくうちに、驚くくらい話の内容がクリアになるから不思議です。良く理解した上で読み返すと、今までちんぷんかんぷんだったのが逆に不思議になるくらい話の内容がスッと入ってきて、描かれるべきところはきちんと細かく描かれているし、話す内容も過不足なく的を得ているのがちゃんと読み取れます。こんな不思議な体験は初めてでドキドキしました。自分がこの世界に入り込んでいけるかどうかが理解力に表れるなんて、作者様の漫画は本当にすごいと思います。
このお話には続編があり、考察したものが結実し、ストーリーとしてきちんと補完されるだけでなく、「みえない友達」をよりクリアにする展開になっています。ぜひセットで読んで欲しいです。 -
異次元のエロシーンは見応えあり2024年12月17日「普通」を生きてきたゲイのサラリーマンが、知り合いのいない土地に異動したことをきっかけにメンズ専用出張ホストに手を出したことから始まる恋のお話。
今まで一人で生きてきた淋しさもあり、身体のみならず心まで落とされてしまう直樹。すっかりレンにハマっていたが、偶然友達に直樹のことを話しているのを聞き、姿を消します。その後、心を入れ替えたレンと直樹は会社で偶然再会し、ようやく恋人へというストーリー。内容はごくありふれたもので、結構あっさりとしていますが、それを補って余りあるのが迫力のエロシーン。でん蔵先生のえちは青年漫画風の絵で、モノのカタチや皮膚感、汁という普通に語られるBLエロシーンでの細部だけではなく、肉感やヒダの生感、シワや血管のリアルさなどが修正ではカバーしきれない画面いっぱいの迫力で楽しめることが何よりも魅力だと思います。直樹の感じすぎて気持ちよさが突き抜けてしまった表情なども見応えがあり、気持ちが伝わってきました。ぜひじっくり読んで楽しみたいです。いいね
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推しCPがリアルに近くにいる幸せ2024年12月17日真面目で仕事も正確な経理事務の女性が、職場にいるしぶユル系係長とフレッシュ全開の部下の仲良しぶりに、妄想と癒しとドキドキをもらって毎日を楽しく生きるお話。
あくまでも妄想から始まる腐女子目線での推しCP、本郷と大地。最初は少し遠目から一人で妄想を膨らませていた乙が、山脇さんという同士を得ることで心の雄叫びを共有する楽しみを知り、推しに力を入れていく様子がまさにリアルです。ちょっとした推しカプの言動に生きる気力と幸せな高揚をもらい、仲間とキャーキャー言いながら楽しみを噛みしめる姿は腐女子の見本であり、立ち位置的に憧れのポジションだなと思いました。
本郷と大地の関係性を匂わせて、乙の推しカプ物語は終了しますが、絶対この二人何かあるでしょと気になって仕方ありません。本郷と大地、二人の物語をぜひぜひ描いて欲しいです。二人の目線ではどんな風に物語が紡がれたのか、知りたいです。そして、本郷の色気ダダ漏れのえちが見たい!ついでに三城カプのあれこれも読みたいです。ma2先生、ぜひとも続編よろしくお願いします。 -
出会いが人を変えていく2024年12月14日「僕のミーちゃん」の同人誌をまとめた作品集です。
同人誌の作品ですが、あまりエロは多くありません。それでも満足度が高いのは、ミーちゃんと森魚はまだ始まったばかりで、まだまだ乗り越えなければいけないことや、共に歩んでいく日々が描ききれていなかったからだと思います。どんなお話でも新鮮味があり、二人が少しずつ関係性を深めている過程を見るのはとても楽しいです。
森魚がミーちゃんが側にいることで色々なことに前向きになれていること、二人の繋がりが新たな繋がりを生み、様々な人たちと絆を築けていることなど、一つの出会いが人を変えていくのがきちんと伝わってきます。ソルコフでの森魚妖精小話にも胸がほっこりと温かくなりました。また、この二人に会えるのを楽しみにしています。いいね
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言葉がなくても愛は芽生える2024年12月14日10年間引きこもりの資産家の子息が、余命わずかな祖母のために結婚を決意し、手違いでお見合い場所に現れた長身で美人の外国人と結婚するお話。
間違いで出会った外国人ミーちゃんと森魚。まさかの男同士、外国人、言葉が全く通じないという中で、何故かお互いの気持ちだけが通じ合うというちょっと不思議なお話です。でも、言葉が分からないなりに何とか意思疎通しようとする姿勢や、二人が醸し出す雰囲気、寄り添う距離感など、全てにおいて波長が合うのを感じられるため、とても静かに側で支え合う姿に違和感を感じません。二人とも多くは語りませんが、その静けさの中にゆっくりじっくりと愛と信頼が降り積もるのが分かるのが良かったです。互いに大事な人を亡くしたツラさを抱えながら生きているからか、少し臆病な部分もありますが、だからこそ相手にとても優しく出来るのであり、優しさがちゃんと分かる気がします。ただ側にいてくれるその優しさに全ての想いが含まれていたように思いました。間違いだった出会いが素敵な出会いになった奇跡、とても素敵でした。いいね
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わっくんの活躍が物足りない2024年12月14日「コミックパーティーワンダーラブ」のスピンオフ、TOS先生の担当編集者で副編集長の副成と部下の柴咲との恋のお話。
BL漫画には魔法が使えるようになったり、副音声で互いの気持ちが見える化するようになったりするものがありますが、こちらはいわゆるナレーションやモノローグに使われる枠が副成にだけ見えるようになるというファンタジー要素溢れるお話です。ただ見えるようになるだけでなく、話しかけてきたりするなど、最初はわっくんの活躍が著しかったものの、二人の関係性が進むとわっくんの登場がめっきり減り、ごく普通のお話になってしまったのが少しもったいないと思いました。副成と柴咲のキャラが意外と普通だったことや、過去の関係性があるもののそれだけに留まってしまったことなど、二人の恋愛がストーリーとしては少し浅かったので、ここはわっくんのファンタジー性がもっと出番としてあっても良かったのではと思います。二人の邪魔をするくらいのわっくんの濃密な活躍が見たかったです。いいね
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TOS先生のノリが最高に好き2024年12月13日「コミックパーティーワンダーラブ」の続編、二人が同棲をし始めるお話です。
同棲となると避けて通れない家族へのカミングアウト。雷蔵の場合、BL漫画家への道を作ってくれた腐女子の姉との関係が一番大事であり、関門だったと思います。そんな難問をいつものノリと勢いで乗り越えた今作もとても面白かったです。前作よりギャグ多めでしたが、えちは激しくエロく、決めるところはバッチリ決める。そして、雷蔵の漫画家としての能力はやっぱり神で、溢れ出る才能が止まらないなんて幸せだなぁと思いました。そして、何よりもTOS先生のキャラが大好きです。二人の描く漫画を読んでみたいなぁと思いました。いいね
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正反対な二人の両想いラブ2024年12月13日イケメンで超売れっ子BL漫画家の男と陰キャで引きこもりの中堅BL漫画家の男がお酒の勢いで付き合うことになったお話。
付き合うまでの流れや互いの気持ちをちゃんと確認するまでのお話は何となく流された感じで進んでいきますが、実際は最初からお互いの漫画が大好きでファンであることから、好きが溢れたお話です。陰キャのTOS先生は雷蔵に会う為に即売会に行ったり、自然と家に来たりするようになるなど、意外と行動派。マイナス思考ではあるもののオタク気質で良く喋るので、実はとても真っ直ぐな人です。そして、明るくイケメンでオシャレな雷蔵は実は闇が深く嫉妬深い。二人とも見た目とは正反対な性格ですが、それが漫画の作風に現れているというのがまた面白いです。
最初はTOS先生が不気味で怖い感じでしたが、途中から笑顔の裏の闇が見える雷蔵が怖く感じます。二人の怖さがいい意味で逆転し始めてから、二人がより恋人らしくなっていくのが素敵でした。TOS先生の「なんなら一生好きですよ」は最高に想いのこもった告白だったと思います。 -
BLとしてチャレンジに溢れた一作2024年12月11日遊園地で着ぐるみの中の人として働く男が、誘拐犯から子どもを助けてくれた男と社員寮のルームメイトになったことから始まる不思議な恋のお話。
これはBLという括りでは話が進まない作品だと思います。ミステリー調でお話が始まるので、徐々に過去の繋がりが明かされていくのかなと思いましたが、カズハがあっさり多重人格だと分かります。また、過去に悠真と出会っていたことも明かされますが、お話の難しさはここからスタートといっても過言ではありません。たくさんの人格たちとのやりとりや統合へ向けての治療、悠真という最重要人物との愛の進展など、今まで読んできたBL作品たちとは一線を画す難題が降りかかります。そういった意味でも、愛の形成ではなく、愛の作用にスポットを当てた本作は人の心の奥深くに触れる難しさと、人に真摯に向き合う悠真の優しさや真面目さをよく表していると思いました。
統合していく過程は少々簡略化されていると思いますが、全く異なる性格を表情やセリフだけで表現しているのは見事だし、現れる性格のタイプなども、題材をとても良く調べているからこそだと感じました。また、悠真とレイのえちにカズハが乱入するところなどは、体では一対一なのに、精神的な部分では完全に三人でのえちで、特殊で新しい3Pに見えました。こういう設定でのえちは初めてで、斬新なアイデアだと思いました。この難しい作品を描ききった作者様に感謝と尊敬を抱きました。 -
真夜中シリーズ3作目、大人の二人の行く末2024年12月11日「真夜中ラブアライアンス」のシリーズ3作目、いつも優しく見守ってくれていたゲイバーのママヨシオと、ヤクザの天麻。大人組二人の恋と人生を賭けたお話。
今までの真夜中シリーズと年齢層も事情も異なり、しっとりとした大人の雰囲気と重苦しさを纏っています。そんな重たさをヨシオの明るさと柔らかい口調が中和させ、更に、不穏な空気を仲間の信頼関係がいい方向に持っていくなど、ヨシオと天麻の歩んできた軌跡がじっくりと伝わってきます。複雑な事情があっても絶対離れないというヨシオの愛と覚悟、ヤクザの男を抱くという昂った欲情なども心情として上手く描かれていたと思いました。
ヤンチャをしてきた2人だからこそ、一緒にいることの難しさも分かっているし、最後はヨシオだけでいいという天麻の愛も感じました。いつまでも変わらない二人でいてほしいです。 -
過去に戻る程切なさが募る2024年12月7日サラリーマンの男とカメラマンの男、体の関係のみだった二人だが、告白をしようと決意した日にカメラマンの男は交通事故で死亡してしまう。そんな未来を変えようと何度も過去に戻って運命を変えようとする男のお話。
萬を救うために何度もタイムリープする一成。萬を失くして初めて自分の想いの大きさに気付き、変わらない運命を繰り返す度に想いが強くなっていくのがとても切ないです。どうやっても変わらない未来に失望しつつも、諦めることなく方法を模索し、タイムリープする際の条件や時間を計算する日々は、焦燥感に駆られると同時に愛を伝えるチャンスが与えられた貴重な時間。「無数の選択肢の中から自分自身が運命を選んでいる」という不思議な老人の言葉を聞き、受け身だったこれまでを変えるように自分で積極的に行動します。それでも変わらない最悪の未来に、萬の命を救うために萬のいない未来を選択。全ては愛する人の命を救うためとは分かっていても、やり直した8年の日々のやるせなさと淋しさを考えると胸が押しつぶされそうでした。
運命の日を過ぎ、ようやく運命が変わったことが分かっても、萬が隣にいない未来に呆然とする一成。タイムリープした回数とやり直した日々の重さが切なく襲ってきました。そこで、奇跡的に萬に出会い、最初と同じように告白してきた萬は、やっぱり運命だなと思います。二人の幸せな未来がようやく動き出し、たくさんの愛を感じられて本当に良かったです。 -
Dom/Subのランク設定が面白い!2024年12月6日底辺ランク外のSubとしてダイナミクスで苦労していた会社員の男が、偶然出会ったランクSSSのDomの超有名モデルと恋に落ちるお話。
Dom/Subのお話だと、強めのコマンドによるプレイが多く、優しいお話というより強さが描かれることが多いですが、このお話はそのイメージを180度覆すものでした。ランクの設定によりダイナミクス性の強さが明確化しているものの、シノのランク外という謎の部分が二人の関係に上手く作用するのがとても見事だと思います。
そして、ランクだけでなく、立場や住む世界が全く違う二人が運命的な相性の良さでどんどん惹かれ合っていく姿にキュンキュンしました。高ランクなのに偉そうにすることなくとても優しく寄り添ってくれるアオハ、普段は冴えない眼鏡男子なのにプレイをするとトロ顔でエロエロになるシノ。特にシノの表情の変化は凄いです。甘い雰囲気やSubの多幸感がページから溢れて伝わってきました。シノのSub性の開花していく様子がじっくり味わえるくらい、最初と最後では色気が変わっていると思います。
1巻では恋人になるまで、2巻では恋人として関係を深めクレームするまでが丁寧に描かれています。二人の出会いから仲を深めていく過程、悩みやいちゃいちゃ、果ては修正の甘さが光るえちシーンまで、何度読んでも飽きることがないし、何度読んでも幸せな気分でいっぱいになれます。Dom/Subのお話では私の中では一番大好きなお話になりました。心が幸せを求めた時は、このお話で癒やされようと思います。いいね
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哲学を身近に感じられる2024年12月4日自堕落な大学生活を送る哲学科の先輩とイケメンでクソ真面目な後輩が恋をするお話。
こあら先生の作品はいつもテーマと内容に齟齬がないように、とても良く調べられているのを感じます。今回は哲学との調和ということで、少し小難しくなるかなと思いましたが、上手く溶け込ませていて流石だなと思いました。タイトルだけでなく、能美先輩や瑛人の考え方などに哲学的な表現や考え方などが含まれていたのですが、日本人にはソクラテスの無知の知などあまり馴染みがないので、知らなければ哲学的なことを感じることなく読めてしまうのが、分かりやすくした良さでもあり、哲学の存在を薄めてしまった残念さも含んでいたような気がしました。本編中にソクラテスの言葉などがもっと描かれていても良かったかなと思います。ただ、これだけ違和感なく現代にマッチさせた描き方は見事で、この作品を読んで哲学に興味を持ってくれる人がいるのではないかという期待感もあり、何にせよこあら先生あっぱれでした。
能美先輩と瑛人の恋愛はとてもガキくさく、やりとりが小学生男子のように子供っぽいですが、とにかくこの二人の感じが可愛かったです。もっともっと二人のいちゃいちゃが見たいと思っていたので、今から続編が楽しみです。 -
引力勝負の結果はどちらもボロ負け2024年12月4日共演相手を虜にしてしまう人気ゲイビ男優と一流エスコートボーイが、共演したことをきっかけに互いに相手の魅力に陥落し身も心もメロメロになってしまうお話。
「抱けるドラッグ」と「一級カレシ」、相手を惹きつけてやまない者同士が出会ったらどうなるか。その答えが、お互いに骨抜きにされてしまうというとても平和で可愛らしいものでした。一度のえちでどうしようもない程相手に惹かれてしまったのに、好きになってはダメだと我慢する姿が千尋はいじらしく、篤之は悩ましくて、焦れったかったです。でも、とにかく二人でいる時の甘いいちゃいちゃタイムが幸せで、愛に飢えていた二人が求め合うものが二人の間にはあったと思いました。
千尋の淋しそうで恥ずかしそうにする表情と篤之の余裕のある大人の優しさ溢れる表情、どちらも甘く色気があって人としての引力が凄く、読んでいる私もとても惹きつけられました。タイトルも分かりやすくて良かったです。
二人を会わせるという人生最大の大失態をしてくれた橘さんに感謝です。