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今月(10月1日~10月31日)

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シーモア島
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投稿レビュー
  • 寺野くんと熊崎くん 【電子限定特典付き】

    依子

    読み続けるといつの間にかハマる
    ネタバレ
    2025年10月3日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 校内の人気者な生徒会長と学校一の不良でコワモテな男、接点がなさそうな二人が恋人同士としてイチャイチャラブラブするお話。
    元々はショートエッセイとして始まったお話なので、恋人同士の二人のラブラブっぷりを楽しむショート漫画。その為、いきなり恋人同士の展開だったので、最初は何かの続編かなと思いました。読切として描かれたものなので、全体的なストーリー展開という意味では浅く、1巻は特に寺野と熊崎の日常短編集といった感じでした。
    でも読み続けると、二人の好きという気持ちが大きくなっていく様子や、恋人としての絆が深まっていく成長が感じ取れて、何だかこの先の二人ももっと見たいなと思わせてくれるようになっているから不思議です。それくらいふたりのラブラブっぷりに幸せの安心感があるのかなと思いました。寺野のようにあんなに毎回「かわいい」「好き」と言ってくれたら、喧嘩にもならないくらい幸せになれるよなと納得してしまいました。
    真面目だけどむっつりで、重たいくらいの愛情をアピールしまくる寺野と、元ヤンの割に大人しく、ウブで照れ屋な熊崎。キャラ作りの巧さが際立った作品だと思います。
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  • アノマリーライフ

    日高ショーコ

    圧巻のストーリー
    ネタバレ
    2025年10月1日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 「未来を見る力」を持つ男と「過去を見る力」を持つ従兄弟同士が、10年越しに再会し、事件に巻き込まれながら、不思議な力で乗り越えるお話。
    とにかくストーリーが圧巻です。さすが日高ショーコ先生と言わんばかりの作品でした。オカルトやSF要素を混ぜながら、サスペンスとミステリーを掛け合わせて展開していく話は、難しいけれども、ページを捲る手が止められないくらい夢中になりました。
    パラレルワールド的な世界線Aと世界線Bの蛍と晶。時に交わり、ニアミスしながら進む物語は複雑ではありますが、読み応えがスゴイです。Aの蛍とBの晶の不思議な再会から、Bの晶がBの蛍に会えない現実。そして、Aの蛍の行動の意味は、Aの世界線で危ない目に遭うAの晶の過去を見たから。晶も蛍も、長年会わないというしこりがあったものの、お互いのために何かしようと行動を起こし、結局その思いが互いを助ける力になっていく。そこには二人の愛だけでなく、ひいじいちゃんの大きな愛もあって、物語はサスペンス的に展開していても、とても愛を感じられるお話に仕上がっていると思います。
    最終的に世界線Bで事件を未然に防ぎ、物語は無事に幕を閉じますが、ラストまで駆け抜けるようなスピード感は本当にあっぱれの一言。Aの二人は事件を乗り越えた絆と大人の色気を感じさせ、Bの二人はやっと素直になれた子供っぽさを感じさせる。そんな描き分けすら楽しめるその後もとても良かったです。BLというより、ブロマンスや家族愛に近いものでしたが、えちやエロなどいらないと思えるくらい素敵な作品でした。
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  • 紅椿

    三田六十

    「鬼」とは一体何なのか
    ネタバレ
    2025年9月29日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 里から離れ山で一人で暮らす青年が、赤子の鬼を拾い、育て、様々な壁にぶつかりながら最後は共に過ごすまでを描いたお話。
    村八分にされた男と鬼の赤子が、成長していく中で心を通わせるストーリー。言葉が通じない鬼と人間の間に生まれる愛を描いたお話ですが、私は少し違った視点で物語を読んでいました。
    人とは異なる見た目を持った佐吉を村八分にする里の人々、里の離れに住まわせる代わりに母親を里の男たちの慰み者にした里の長。山奥には本物の鬼が住むといわれる場所で起こる人の心に棲む鬼に怖さを感じました。
    そんな中で心を通わせるアカと佐吉。肉食のアカを人の生き方に縛り付けてはいけないと離れる覚悟をしたり、佐吉の言葉を理解しようとじっと見つめたりするアカの視線は優しさの塊で、人と鬼、本来は生きる世界が違うけれど、種族が違えどもお互いを想う気持ちがあれば心を通わせられるのだなと感じました。
    本物の鬼は確かに怖いけれど、人の心に棲む無意識の鬼もとても怖く、それらと一線を画すように生きているアカと佐吉の二人の愛に生きる喜びが見て取れました。BL的な展開ではなくて、親子愛に近いものだったような気がします。
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  • おすわり、よくできました【単行本版】

    三栖よこ

    第二性を素直に受け入れられる強さ
    ネタバレ
    2025年9月28日
    このレビューはネタバレを含みます▼ ゲイバーで人気のサッカー選手と医師の男は恋愛スタンスの違いで喧嘩ばかりしていたが、酔っ払ったところを介抱したことをきっかけに、Dom/Subパートナーとして距離を縮めていくお話。
    最上と支倉は喧嘩ばかりの二人ですが、Dom/Subのお話としてはとても穏やかな雰囲気の作品です。コマンドという命令も緩く、キツイSMプレイのようなものもないので、そういうのが苦手な人にも手に取りやすいと思います。
    特に最上は第二性がSubだと発覚するまではバリタチだったこともあり、メンタル的にはタチ×タチなので、暗く悩む事がありません。これは最上自身の性格がとても前向きであるということが一番の要素だとは思いますが
    、Subであると分かっても落ち込むことなく、素直に受け入れ、対処していこうとする強さが読んでいて心地良かったです。
    1巻の当て馬である陽くんとのエピソードはちょっとモヤッとしましたが、2巻では全ての人を味方に巻き込む最上の強さに感服しました。
    Dom/Subでは見られないくらい、お互いの立場が対等であるとても平和な作品です。
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  • オメガの婿取り

    黒井よだか

    オメガバースの悲壮感なくスカッとする
    ネタバレ
    2025年9月28日
    このレビューはネタバレを含みます▼ Ωの若頭が組長命令で別の組のαとお見合いをするが、ことごとく断り、付き人のαの男と結婚するお話。
    極道とオメガバースという一風変わった組み合わせの作品。目の付け所が面白いなと思いました。次期組長の義治はΩですが、バース性の立場や不利な状況を理解しているからこそ、強さでは負けないと、悲壮感すらぶっ飛ばす感じが最高でした。オメガバースの話でこんなにもスカッとする展開は初めてです。
    最終的に一番の理解者である真とくっつき、本人のみならず組員全員の願いが叶った幸せな結婚に。まさに「オメガの婿取り」。展開もタイトルもピッタリで納得のストーリーでした。
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  • 金色蜂に蜜

    キタハラリイ

    仄暗い過去と金色の世界
    ネタバレ
    2025年9月28日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 色覚を失った男が資産家の男に拾われ、飼われ続けるうちに互いに心の距離が縮まり、特別な存在になっていくお話。
    この作品では所々に見られる対比がとても上手いです。寡黙な八岡と楽しそうにお喋りする顕史、貧乏な常識人と怪しい遊びに耽る資産家、仄暗い顕史の過去と八岡が見ている金色の世界。その対比の陰に見え隠れする彼らの本音や心情がとても切なく、苦しい展開が続きます。
    互いにぶつかり合いながら少しずつ孤独や寂しさを理解し合う二人。近づけば近づくほど、問題の火種が大きくなっていき、穏やかに過ごせなくなりますが、逆に二人の気持ちの絆が深まっていくのが目に見えて分かり、心に響きました。とても重くシリアスなストーリーですが、顕史の周りにいる人々の温かさや愛に最後は涙する素敵なお話でした。
    寡黙な朴念仁の八岡のまっすぐで嘘のないキャラクターも良かったですが、何と言っても顕史の可愛さが光りました。最初は冷徹な笑顔と大人びた冷静さに人間らしさがなかったですが、少しずつ表情に熱がこもり、照れたり、慌てたりと、子供のように素直になっていくのが良かったです。小さい頃からずっと仮面を被ってきたからこそ、素の顕史は子供のままで、本当はこんなにも可愛い人だったんだなと思えました。そして、ようやく素の自分でいられる幸せを手に入れられて、心からホッとしました。二人の出会いは不幸のどん底けら始まったものでしたが、こんなにも幸せな眩しい日々に辿り着けて本当に良かったです。
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  • 無口な年下カレシの本音はすごくエッチ~そんなオスの顔で私を見てたの?

    来岬未悠

    途中から路線が変わった?
    ネタバレ
    2025年9月28日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 心の声が聞こえる特殊な体質の持ち主である女が、後輩男子の素直すぎる好意にメロメロになるお話。
    最初は、鮫島の心の声が甘くエチエチな実況のようで、こんなに好き好きと言われたら嬉しいし、流されてしまうのも分かるなぁと2人のラブラブっぷりを楽しんでいました。ところが、途中からえちシーンは減り、特殊な体質の秘密や過去の話など複雑になり、TLらしさがなくなってしまったような気がしました。こういう展開なら少女マンガジャンルでもいいのではと思います。
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  • ももいろ あんずいろ さくらいろ

    伝わるものがない
    ネタバレ
    2025年9月27日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 男女4人の大学生が、互いの恋心をめぐって四角関係になるお話。
    シーモアコミックス1周年記念の全巻無料で35巻まで読了済み。無料という機会にドラマ化の作品ということで読んでみましたが、とても中身のないお話でした。大学生にしては自分勝手で幼稚な人たち、主人公の杏はあちこちフラフラして男同士の友情を引き裂き、すぐに身体の関係を持ってしまう尻軽さ。この内容でドラマ化して、何を伝えたいのかと考えてしまいました。この年代の恋と友情の複雑さを描くにしても、登場人物の思慮の浅さが気になってしまい、うーんと考え込んでしまう部分が多い作品でした。
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  • 兄弟失格それ上等

    中川カネ子

    背徳感なしの明るい兄弟モノ
    ネタバレ
    2025年9月26日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 飲み屋で初めて会った男と一夜を共にしてしまった大学生が、その男と義理の兄弟になり、一緒に暮らすお話。
    義兄弟の恋愛ともなると背徳感たっぷりの暗く重い話だと思いがちですが、このお話はそのイメージを根底から覆してくれる作品でした。酔った勢いで男との一夜を経験しても、気持ち良かったならまぁいっかという感じだし、義兄弟になっても、気まずさより面倒をみてあげる適当っぷり。クヨクヨしない風介と、執着系の芹の相性の良さが見ていて面白かったです。
    ただ、明るい分、内容はあっさり軽め。くっつくまでのゴタゴタも当て馬も全て最後はえちして解決という形なので、ストーリーとしては印象に残りにくいです。最後に問題があれこれ出てきても、勢いで全て解決という強引な展開ももったいなく感じましたが、ある意味カネ子先生らしさかなと思いました。えちは相変わらずどエロなので、そこは間違いなしでした。
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  • 四人のにびいろ

    akabeko

    作者のあとがきで解像度が上がる
    ネタバレ
    2025年9月23日
    このレビューはネタバレを含みます▼ ヤクザ一家の異父兄弟が、主従関係や抗争に巻き込まれながら、お互いが唯一無二の存在になっていくお話。
    最初の方は、誠のハチャメチャっぷりや、そんな誠に文句も言わず付き従う相の考えが良く分からず、そこに極道ならではの難しい関係性が絡んできて、良く内容が分からなかったです。特に、何度も関わるなと言われているのに考えなしに突き進んでくる勇くんにはとてもイライラしました。
    しかし物語が進み、誠と相の歪ながらも濃い血の繋がりを理解していくと、急に解像度が上がっていきます。そして、その理解度を一気に上げるのが作者様のあとがきでした。「濃縮還元の近親相かん」だったり、「胎内回帰」だったりと、分かりやすい一言で物語を表現してくれたことで、なるほどとストンと全てを納得できた気がしました。
    相と誠、互いが互いを一番意識していて、それが一番のこだわりで愛だということを自覚した途端、急にラブラブ度が増したのも良かったです。イライラした勇くんも六の救済には必要な人材だったんだなと最後には納得できました。血の繋がりこそ最強だという相の思いに一番頷けた気がします。
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  • 寅野探偵事務所へようこそ

    黒井よだか

    獣人と人間のハートフルストーリー
    ネタバレ
    2025年9月22日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 獣人と人間が共存する世界で、天涯孤独になった人間の男が、トラの獣人が開く探偵事務所で住み込みでやっかいになることから始まる種族を超えたハートフルなお話。
    獣人のジウと人間の快晴という設定はファンタジーですが、恋愛をしたり、家族愛という絆を深めていく内容はとても自然で心温まるものでした。獣人ではあるものの、ジウは誰よりも人間らしい心根の優しさを持っていて、その包容力の大きさを体格で表現しているように感じます。快晴は恋愛シーンではものすごくウブなのに、それ以外の場面では人一倍キレ散らかしてしまうとてもまっすぐな人。いつもジウに対して遠慮がちなのに、キレるとジウでも手が付けられない程なのが面白かったです。えちシーンもありますが、体格差などが気になり、エロ要素はあまり感じませんでしたが、とても愛情のあるものでした。家族愛にに重きをおいた作品です。
  • 島さん

    川野ようぶんどう

    コンビニバイトから人生の荒波を学ぶ
    ネタバレ
    2025年9月20日
    このレビューはネタバレを含みます▼ ベテランのコンビニ深夜アルバイトのおじいさんとそこで出会う様々な人たちとのふれあいを描いたお話。
    何やら訳アリのベテランコンビニアルバイトの島さんのコンビニでの働きぶりを通して、様々な人とのふれあいや生き方を考えさせられるストーリーです。島さんは決して強さがあるわけではなく、特別仕事が出来る人でもなく、ただ真面目に働く心優しい人です。理不尽な客に謝ったり、働く仲間に怒られたりしても、めげずにコツコツと働く姿には、生きる実感を感じました。当たり前に一生懸命な彼の働き方から、大切なものとは何かを感じ取れるストーリーがとても良かったです。コンビニあるあるなお話も満載で楽しく読めました。
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  • 先輩がうざい後輩の話

    しろまんた

    日常の一コマ
    ネタバレ
    2025年9月20日
    このレビューはネタバレを含みます▼ ちょっとガサツだけど面倒見のいい先輩と、子供のように小さい後輩が、微妙な距離感で親交を深めるお話。
    凸凹コンビの武田先輩と五十嵐。会社の先輩後輩として交流を深めるうちに相手が気になり始める。そんな2人の距離感にモダモダする日常が描かれています。一つ一つのお話はとても短いし独立したお話なので、サラッと読みやすいです。
    2人のモダモダは見ていて楽しいですが、ほとんど進展がないのが難点。13巻までというのは少々長かった気がします。せめて、半分くらいは恋人同士の2人でも良かったのではないでしょうか。武田先輩が恋人同士だとどんな風になるのかを見てみたかったです。
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  • 僕らは恋がヘタすぎる

    橘えいこ

    騒がしい日常ストーリー
    ネタバレ
    2025年9月20日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 親友と傷心旅行に行った時に偶然出会った男2人と、それぞれが恋に落ちるお話。
    旅行先で出会った花と成田、みずきと歩がそれぞれ恋に落ち、お付き合いをし、将来に向けて動き出すところを描いたお話です。2組の男女の恋模様を中心に描いていますが、とにかくガチャガチャと騒がしい印象です。最初はいきなりの親友の裏切りでドロドロ展開なのかと思いきや、案外普通の男女の恋愛のお話。その割には次々と問題が降りかかるし、新キャラが続々と投入され、一息つく暇もないくらいのハイスピードでお話の内容が勝手に進んでいく。大の大人がこんなにもプライベート中心に生活していくのは難しいのではと感じました。
    読み終わった後、内容が盛り沢山すぎて、伝えたかったことは一体何だったのだろうと考えてしまいました。恋愛なのか、友情なのか、家族なのか、仕事なのか。もちろん日常生活にはどれもあって、同時進行することもありますが、物語としてどこにスポットを当てたいのか、もう少し濃淡をつける必要があったのではと思います。男性陣はキャラもよく、イケメンなのに、キュンとしたりする間もないくらい次々とトラブルが起こるのではもったいない。彼らのイケメンぶりにもっと光を当てても良かったのではと思いました。
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  • orange

    高野苺

    生きる意味を考えさせられる重いテーマ
    ネタバレ
    2025年9月15日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 死んでしまう友達を助けるために、未来の自分から手紙が届き、皆で協力して彼を助けようとするお話。
    人生は確かに選択の連続で、選ばなかった先の未来がどうなっているのかは分かりません。後悔をなくすために未来の自分から届いた手紙のアドバイスを実践していく菜穂たちの必死さは、ある意味若者らしい姿なのかもしれません。でも、リアルさがない気がします。それは、パラレルワールドというSF要素が入っているからではないと思います。
    いつも一緒にいた友達の一人が死んでしまうのは高校生には衝撃的な事件です。そんな未来を回避しようと努力する姿は青春の1ページだなと思いました。でも、主人公である菜穂はとても考えが浅すぎます。未来からの手紙を読んでも翔の本当のツラさをきちんと理解していないことは明白で、アドバイスがその場しのぎです。そして、死を知ってもウジウジと悩んで出来ないと立ち止まる。彼女からは翔の死を打ち消すための強さが感じられませんでした。
    また、翔もだいぶ闇が深いです。希死念慮の強さは、彼の性格や考え方に起因する要素が多く、これを友情で救おうというのがそもそも無理難題なお話です。皆が死に向かわないように道を正しても、結局死のうとしてしまったことを考えると、翔に必要だったのはもっと根本的な心の寄り添いだったのではないでしょうか。
    お話のテーマが一人の友達の死という重いテーマであるが故に、高校生らしい勢いだけでは物語として未熟さを感じさせてしまう気がしました。死と向き合うためには、もっと考えて、もっと理解し合う努力が必要だったのではないでしょうか。でもそれを高校生がやるには荷が重すぎる。物語のテイストや展開とテーマが上手く溶け込まなかったように思いました。
  • BEASTARS

    板垣巴留

    動物の擬人化物語としては上手い
    ネタバレ
    2025年9月14日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 肉食動物と草食動物が共存する世界で起こる、恋愛と成長の物語。
    最初は肉食動物と草食動物の共学校で起こる食殺事件を追うミステリー的展開。そこに高校生らしい恋愛と、肉食・草食という相容れない関係性ゆえの難しい問題が絡み合いながらストーリーは進みます。様々な動物の描写がとにかく上手く、その動物の生態と性格を体格差や表情で上手く表していて、各々の動物らしさがとても楽しいです。
    ただ、最初に起こった食殺問題の根が深かったり、レゴシが高校を辞めてからの第二章とも呼べるメロン事件も展開が長く、どこまでも描き続けられる物語なだけに、少々長く続いてしまった感じがしました。レゴシの成長はとても良かったですが、肉食の観点から言うと各々の立場によって正解が違うこの問題を扱うのは難しすぎた気がします。何となくフワッとした終わりだったのがイマイチ消化不良でした。
  • ずたぼろ令嬢は姉の元婚約者に溺愛される(コミック)

    サクマノマ/仲倉千景/とびらの

    タイトルと設定に違和感
    ネタバレ
    2025年9月14日
    このレビューはネタバレを含みます▼ ズタボロな格好で召使いのように扱われている男爵令嬢が、国一番の大富豪である伯爵と恋に落ちるお話。7巻まで読了済み。
    まず気になったのが、タイトル。内容を正確に言うと、グラナド伯爵が一目惚れした相手の名前を確認せず姉妹取り違えて求婚したというミスであり、アナスタジアとグラナド伯爵は婚約者と呼べるような親しい間柄ではありません。令嬢ものの漫画は今では数多くあるので、内容を正確に表したタイトルが必要だったのではと思いました。
    内容自体は面白く、グラナド伯爵がマリーに必死に想いを伝えようとする恋愛のストーリーと、マリーを不遇に扱っていた両親に罰を与えるストーリーが上手い具合に少しずつ進展します。ただ、進展がだいぶゆっくりなのと、マリーがとても卑屈で、好転し始めると途端に弱気になってしまうので、読み進めるのに我慢が必要です。
    また、何故両親がマリーに対してだけ冷たくするのかの答えが、自分の不出来に対する八つ当たりであり、嫉妬心だということがとても残念でした。血縁がないとかならまだしも、出来のいい我が子の才能に妬んだだけというのは浅はかすぎる気がします。
    8巻からは新章スタート。作画担当の方も変わるということで、7巻までで一旦終了しようと思います。また面白い展開が見られたら読んでみようと思います。
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  • 高嶺の花は、乱されたい

    左京亜也

    消化不良な要素がありすぎる
    ネタバレ
    2025年9月11日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 「高嶺の花は、散らされたい」の続編、ハナと連雀さんが結婚するお話です。
    前作で番になった二人が、互いの家族や将来に向けて、パートナーとしてもう一段階絆を強くする内容です。その為、前作よりも少しシリアスな展開が多く、ハナの弱気な部分にモヤモヤしてしまう感じでした。また、妊娠したと分かった次のお話ではもう子育て編に入っていて、今作で明らかになったハナの親との問題や、連雀家との交流などの要素がすっ飛ばされているのも気になりました。結婚するという一つのゴールには至りましたが、今作では問題提起ばかりで、何一つ解決されないまま続編へという展開には少々疑問を感じます。同じ問題を扱うなら、同じタイトルの中できちんと解決させてスッキリして欲しいなと思います。その上で、二人の関係の発展をシリーズ化するなら次も楽しみと思えるのではと感じました。モヤモヤが残ったまま一旦完結となることには疑問が残る作品でした。
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  • 溢れて零れて、我慢できない overflow 【電子限定特典付き】

    やまち

    びしょびしょがパワーアップ
    ネタバレ
    2025年9月11日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 「溢れて零れて、我慢できない」の続編、綾と零司が将来に向けて考え始めたお話。
    前作のびしょびしょプレイから、まさか続編が出るとは思わなかったのでビックリしました。ストーリーは将来に向けて一歩踏み出そうとしたところで起こるちょっとした行き違いを描いたお話です。内容的にはその後の二人ですが、これといって進展はありません。関係性も変わりなく、綾は相変わらず天の邪鬼のまま。少しだけ素直になり、大人になった二人が見られます。
    ただ、びしょびしょはパワーアップ。上下巻のうち半分以上はびしょびしょだったのではと思うくらい盛り沢山です。びしょびしょプレイが癖な人には最高ですが、そうじゃない人だと少し飽きてしまうかもと思いました。作者様の癖一点描きは面白いですが、一冊一冊がとても濃厚なので、続編より新たな癖を見てみたいなと思います。
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  • いかさまメモリ

    夏目イサク

    途中からスピンオフ突入
    ネタバレ
    2025年9月11日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 大手おもちゃ会社に勤める男が、下請けメーカーとの取引で高校時代の親友と再会し、恋心も再燃するお話。
    だいぶ昔の作品ですが、夏目先生らしいキャラと展開は健在。ウブで可愛い中野と少々無神経な津田のカップルがイジイジモダモダとしているのが焦れったかったです。お互いの誤解も解けてくっついたらあっさりと終了。7話からは佐伯メインのスピンオフのお話になり、ビックリしました。中野と津田のCPが見たかった人にとっては2巻はちょっと残念だったかも?スピンオフも面白かったですが、全体的にあっさりめな印象でした。
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  • 隣の芝くんは見せてくれない

    森脇葵

    幸せな時間が短すぎる
    ネタバレ
    2025年9月11日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 他人を羨ましがることをせず努力していたキャリアウーマンが、全てを失って引っ越したボロアパートの隣人のミステリアスな男と恋に落ちるお話。
    最初は良くあるザマァ系のお話かなと思って読み進めていました。その時はみやはムカつくものの、そのの優しさや努力を怠らない姿勢がまっすぐで、困難なことが続いても前向きで面白いと思っていました。そして、ポチとようやく両想いになりやっと幸せに向かい始めたかなと思ったら、新たな問題が発生。色々あって想いが通じたので、後は二人で乗り越えていく場面が見たかったのに、小春が嫌な人になって邪魔をする。挙句の果てには記憶喪失。ここまで不幸ばかりだと読み進めるのがツライです。アメとムチはバランスが大事で、ここまでムチばかりだと楽しく読めない気がしました。
    そもそも、るいの母親がありえない。子どもに対して無責任な上に、筋違いの恨みで執着してくる展開にモヤモヤ。芝の家の人は悪くないし、お金の援助までしたのだから、キッパリと関係を断ち切れば済む話なのではと思いました。それを出来る力もお金もあるのに、何故るいの母親には詰めが甘いのかが納得できない気持ちです。最後は幸せになれるのだろうけど、不幸展開を引っ張りすぎている気がします。両想いになったところでタイトルも回収出来たのだから、終わりに向かっても良かったかなと思います。
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  • あなたと食べるしあわせを‐槙と花澤‐

    七ノ日

    食べる相手によってご飯の美味しさは変わる
    ネタバレ
    2025年9月7日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 一つ屋根の下で一緒に暮らす男の子二人とうさぎ一匹の平凡だけど笑顔の溢れた日々を描いたお話。
    1巻では慎と花澤のほのぼのとした同棲生活と美味しいご飯がたくさん描かれていて、お腹が空くとともにほっこり出来るストーリーです。ところが2巻では、一転してシリアスなお話に。1巻で見え隠れしていた不穏な要素を全て出しきった内容でした。このギャップには驚きましたが、感動と納得のストーリーだったと思います。お話はBLカップルの内容ですが、少女マンガジャンルの作品だからか、えち要素はゼロ。それでも二人の幸せな笑顔が印象に残る素敵な作品です。
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  • 恋するMOON DOG

    山田南平

    ワンコ好きならどっぷりと沼
    ネタバレ
    2025年8月30日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 大型犬に好かれやすいトリマーが、ある夜ドーベルマンを保護すると、その犬がイケメンに変身するという獣人体質の男とワンコ大好きトリマーのファンタジーラブなお話。
    南平先生のファンタジーは本当に夢があっていつもとても面白いです。今回はモダモダや焦れキュンが多いお話ですが、全てが幸せな方向に転がっていくように出来ていてとても幸せな気持ちになれる作品でした。
    そして、とにかくアキラがカッコよかったです。律歌に出会うまではプロのヒモ彼氏ですが、律歌に出会ってからは重すぎるくらい一途で真面目。また、律歌がワンコのアキラも人間の晃も同じように愛してくれるというのが見ていて伝わりました。犬のカッコよさや可愛さも上手く表現されていて、可愛さとドキドキで最後まで楽しく読めました。
    スピンオフや続編もまだまだ続くとのこと。また可愛いワンコたちで癒されたいです。
  • ヲタクに恋は難しい

    ふじた

    展開があまりにもなさすぎる
    ネタバレ
    2025年8月30日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 隠れ腐女子のOLと重度のゲーム廃人である幼なじみが、会社で偶然再会し、ヲタク同士お付き合いするお話。
    ヲタクの生態や日常がとても細かく丁寧に描かれたこの作品。過去に何度か最初の数巻を無料試読させてもらった時はヲタクっぷりがとても詳しく描かれているし、成美と宏嵩の恋愛に焦れキュンがあって面白いと思いました。今回、全巻無料でありがたく最後まで読んでみましたが、ビックリするくらいお話に展開がなくて驚きました。花ちゃんと樺倉先輩が結婚したり、尚ちゃんとこーくんが付き合ったりと周りには進展があったものの、私たち読者が一番見たかったのはなると宏嵩カップルのイチャイチャ恋愛モード。ヲタクでも恋したらこんな風に変わるんだねっていうのが楽しめるのは最初だけで、その後は過去のドキドキの繰り返し。もっと二人がイチャイチャするところを期待していたので残念でした。最初が一番ドキドキした展開というのはとてももったいなかったです。
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  • 環状白馬線 車掌の英さん

    都戸利津

    人の縁は全てが繋がっている
    ネタバレ
    2025年8月30日
    このレビューはネタバレを含みます▼ シティを円くつなぐ電車の車掌が、様々なお客様と出会い別れてゆくお話。
    白馬線の電車の車掌として淡々と働く英さん。電車という目的地ではないその場所で、通り過ぎていく人々とのちょっとした出会いと、そこから生まれる小さな奇跡や幸せを描いたお話です。初めてでも毎日でも同じお客さんというモットーが冷たくも感じますが、あくまでも車掌に徹する姿勢が安心と一歩引いた優しさを感じました。時系列が少々分かりにくかった部分は気になりましたが、英さんが自ら選んで車掌を続けていることに仕事へのプライドを感じました。色々な人の縁が繋がっている描写は上手かったと思います。
    いいね
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  • 催眠術入門

    カシオ

    こんなにロマンチックな催眠術はない
    ネタバレ
    2025年8月23日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 大学で先生として勤める男の元に足繁く通う高等遊民の男。高等学校時代の友人同士が、互いの想いを実らせるまでのお話。
    最初は友人同士の他愛ないお遊びでした催眠術から思いもよらないえちえちな展開へ。催眠術にかかったエロティックな周を拒否出来ずに戸惑う龍彦と、催眠術にかかったフリ?をしていやらしく迫る周。二人の想いが交錯するものの、関係性は一向に変わることのない日々にヤキモキしました。そんな二人が進展するきっかけは龍彦が兵役に行くことになったこと。ここで大正時代という時代背景を利用してくるのかとあっぱれな思いでした。そして、今生の別れになってしまうかもしれないという状況でようやく互いに素直に気持ちを打ち明けるという切ない展開でした。龍彦の最後の言葉が解けない愛の催眠術となり、龍彦の帰りを待ち続ける周の姿に二人の深い愛情が感じられ、素敵な締めくくりだったと思います。
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  • 執事の分際

    よしながふみ

    時代物を描かせたらとにかく上手い
    ネタバレ
    2025年8月23日
    このレビューはネタバレを含みます▼ フランス革命の動乱期の中、名門貴族に仕える執事とその主人の恋愛を描いたお話。
    よしなが先生の描く時代物は、とにかく歴史的観点とその時代に生きる人たちの描写がとても上手く、いつもその世界観にどっぷりと浸かれます。ヨーロッパでは特にフランス革命期に造詣が深く、革命前の優雅な貴族の日常と動乱の最中で時代の変調に巻き込まれていく上流階級の様子が見事に表現されていると思います。また、よしなが節とも言える、プライドが高い人、ちょっとワガママな人、贅沢に慣れきっている人が、妙に貴族とマッチしていて、すべての人物が生きていると感じられます。
    物語はシノワズリの血が入ったクロードが執事として仕えるお話。アントワーヌとの恋は革命があったからこそ成就したものであり、それまでの貴族と執事らしい彼らのやりとりはまさにフランス人らしいエスプリに満ちたものだったと思います。よしなが先生の時代物にはハズレなしと言える作品です。
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  • とある書店員の恋物語

    たき猫背

    3CPどれも良かった
    ネタバレ
    2025年8月23日
    このレビューはネタバレを含みます▼ ある書店の店員さんの恋を描いたオムニバス形式のお話。
    1組目は書店員とお客のDK、2組目は書店員と配達員さん、3組目は書店員と営業担当者。どのCPもピュアな好きが溢れていて、気持ちが通じ合うまでのむず痒いけど尊い時間が丁寧に描かれています。たき猫背先生は片想いを描かせたらピカイチだなぁと思いました。
    特に、1作目は異動人員、2作目は風邪と、モブとして活躍していた鈴木くんが、3作目で主人公として出てきた時は感慨深いものがありました。3つの話の中ではちょっと大人な展開もありますが、鈴木くんが一番スパダリだったと思います。3CP共にハッピーエンドで良かったです。
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  • とりあえずキスしてください

    たき猫背

    DKらしい恋物語
    ネタバレ
    2025年8月23日
    このレビューはネタバレを含みます▼ クラスメイトに片想いしている高校生が、AVを一緒に見てるうちに抜き合いをするようになり、恋が成就するお話。その他、同じDK主人公の片想い作品が一つ入っています。
    表題作ももう一つのお話も高校生らしいピュアなお話です。特に後半の「少女漫画みたいな恋を、」は本当に少女漫画の展開とストーリー。好きな人が両想いなら自分が身を引こうとする献身さや、それでも諦めきれないツラさ、男同士故に立ち止まってしまう気持ちなどが丁寧に描かれていて、尚の気持ちが痛いほど伝わってきました。この辺のモダモダはBLでは意外にすっ飛ばされてしまうものも多く、新鮮な恋の気持ちを思い出せた気がします。その分エロは控えめですが、こういう若さ溢れる青春物語もいいなぁと思いました。
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  • 僕のセックス・ヴァージンキラー【特典付き】

    鍛えられた忍耐力が試される
    ネタバレ
    2025年8月23日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 新進気鋭の若き政治家の下にやってきた元傭兵の男が、政治家のセクシュアリティを見抜き、その秘密を守る代わりに処女をくれと要求してくるお話。
    清廉潔白な政治家とワイルドな元傭兵。組み合わせも面白いですが、展開も早くて1巻完結作品なのにとても濃密な内容だと思いました。純真な心でまっすぐに生きる耀と、そのまっすぐさに惹かれ、可愛すぎる耀に悶える明。ウブな男の素直さに転がされながらも開発していく過程は、エロさもさることながら、忍耐力が試されるシーンだったと思います。あんなに可愛くて、あんなにエロいだなんて反則すぎると思いながら楽しく読めました。
    政治家らしい複雑な利権や力関係などの描写も丁寧に描かれていたのも好印象でした。難しい問題も色々と降りかかりますが、あっさりと解決策が示されるのもご愛嬌。仕事もエロも人間関係も全てが丸く収まるハッピーエンドでした。
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  • キスは番にひざまずく【単行本版】

    エヌオカヨチ

    シリアスとロマンチックのギャップ
    ネタバレ
    2025年8月23日
    このレビューはネタバレを含みます▼ α喰いで有名な不良のΩが、運命だというαにひたむきに想いを告げられて、運命を受け入れるお話。
    重すぎる過去を背負うレオと運命を馬鹿みたいに信じる伊織のちぐはぐな二人が、徐々に心の距離を縮めていく過程が丁寧に描かれています。伊織に出会うまでのレオは心を殺して生きている感じでしたが、伊織のひたむきさや真っ直ぐさが少しずつレオの心を溶かしていくのが伝わりました。レオの現状がシリアスなだけに、伊織とのちょっとおバカなやりとりが物語を明るくポップにしていて、そのギャップが上手いなと思います。何も信じられないレオと、運命も信じて突き進む伊織。伊織はまっすぐ過ぎてロマンチックなことも口にしてしまえる人ですが、レオにはこれくらい熱く想いをぶつけてくれる人のほうが安心できる気がしました。伊織の人の良さを子供が懐くことで表現しているのも良かったです。
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  • 調教愛執【電子限定描き下ろし付き】

    藤峰式

    もはや日常がエロくて面白い
    ネタバレ
    2025年8月23日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 「調教」シリーズ5作目、映が教育係としてお世話した新人に関係がバレるが、相変わらずラブラブな二人のお話。
    映と雅喜の同棲生活も順調で、平穏になった二人の日常。今作はそんな日常とちょっとしたハプニングが描かれています。このシリーズも長くなり、二人の関係性が安定したことで、第二章に入ったような感じがしました。そのため、ヒリヒリとした場面は少なく、安心感と面白さにシフトチェンジしたような気がします。それでも二人のえちは相変わらず激しくてエロくて最高。見応えは十分あり、楽しめる一冊です。
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  • 好きで好きで、大好きで

    吉尾アキラ

    幸せな両想い
    ネタバレ
    2025年8月22日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 兄の親友で芸能人の男に片想いする高校生が、一途な想いを成就させるお話。
    はーくん一筋の伊織と、そんな伊織が可愛くて仕方ない葉月。家族も応援する一途な恋が、ようやく実りそうな場面でのちょっとした行き違いを描いています。好き好きと言い続けて相手にされてないと思っている伊織と、そんな伊織に裏切られたと感じる葉月。誤解からの告白はカッコ悪いかもしれませんが、二人の想いがようやく通じて良かったと思いました。誠実でウブな二人が可愛かったです。
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  • 合図はシガーフレーバー

    白金ジェリー

    10年経ったらもう愛でしょ
    ネタバレ
    2025年8月22日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 大学時代から10年関係を続けていた二人が、冗談半分で切り出した別れから、互いの本音に行き着くまでのお話。
    10年もの間側にいた二人が急な別れ話から本音を引き出すストーリー。よくあるお話ですが、敬と有史の関係性や性格がとても上手く表現されていて、展開が分かっていながらも切なくなったりキュンキュンしたりしました。有史の罠にハマった敬ですが、有史の気持ちはいつから好きだったのかと考えると、してやったりな有史に良かったねと言いたい気持ちになりました。ものすごく完成度の高い作品だと思います。作者様の他の作品が読みたいのに、この1作だけなのが非常にもったいないです。
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  • 上司はネコ

    中田アキラ

    部長が男前なネコ
    ネタバレ
    2025年8月22日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 部長に惚れているけどアタック出来ない部下が、二丁目で偶然部長に会い、とんでもないカミングアウトをされたことがきっかけで恋人になるお話。
    とにかく部長が男前です。優しくてカッコよくて勇気がある部長のおかげで、宮地はハッピーエンドになれたといっても過言ではありません。ガチムチなネコが苦手な人は好みではないかもしれませんが、ガチムチ好きには堪らない胸筋が見られます。
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  • その運命ウケてタツ!

    加藤スス

    タイトルが上手い
    ネタバレ
    2025年8月22日
    このレビューはネタバレを含みます▼ ノンケの彼氏に浮気されて別れたゲイの男が、復縁を求めてきた元カレにある条件を提示してヨリを戻すお話。
    気分屋のワンコ系彼氏貝は女と浮気するものの、孝道との復縁を望んで謝罪の為に付きまとう日々。タチの孝道がネコになってまで溺愛してくれていた事を考えると、だいぶ甘ちゃんな考えの男ですが、立場が逆転してからの方が色々な意味で仲が深まったと感じました。笑顔で無理難題を優しく突きつけるブラック孝道がとても楽しそうで、幸せになる未来しか見えない気がします。開発されて、感じまくる貝も見てみたかったです。
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  • クズの取り柄

    高永ひなこ

    力関係が逆転する攻めザマァ
    ネタバレ
    2025年8月16日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 浮気性のクズ男との別れを決意した男のお話。
    クズ中のクズだった彼氏に見切りをつけ、ようやく別れを決意した朋樹。最後のえちでも絆されずに別れたものの、半年後に心を入れ替えた浩司が現れ、再び恋人になりそうなところで完結。朋樹への甘えを見直し、ちょっと必死になる浩司の姿は可愛く、今後は力関係も逆転すればいいなぁと思わせるお話でした。短いけれど、スッキリ出来るお話です。
  • 恋する教師はお帰りください

    文川じみ

    絆されてるのか流されてるのか
    ネタバレ
    2025年8月16日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 若い男子が好きな保険医が、体育教師と体の関係を持つうちに絆されるお話。
    学校の教師同士の恋愛自体は悪くないと思いますが、学校でえちをしてしまうのは少々問題がある気がしました。また、若い男子が好きと言いながらも、可愛いと思っていた男子高校生に襲われそうになるのはダメ。若者好きは性癖なのかと思っていたけど、恋に恋していた感じで、結局は大人の先生と普通にくっついて終わったので、何となくストーリーに一貫性が感じられなかったです。
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  • かこってとらえてきみだけにそそぐ

    天河藍

    盛り込んだ謎は未回収
    ネタバレ
    2025年8月16日
    このレビューはネタバレを含みます▼ サークルの後輩にストーカーのように付きまとわれている男が、ある日しつこく耳を舐められたことにより意識するようになるお話。
    短編なのに当て馬がいたり、親が出てきたりと展開が少々盛り込みすぎに感じました。その部分にページ数が取られてしまい、肝心な気持ちの部分の描写が疎かになってしまった気がします。
    成護が何故凛をそこまで気に入ったのか、成護にどんな秘密があるのかなどが謎のまま終わってしまったのが残念です。真意が不明なまま、えちな関係になり終了。フィカパだとこれで完結だと思うと、何だか勿体ないお話でした。
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  • スイートハッピーヒモライフ

    藤河るり

    ヒモではなく、せめて主夫と言って
    ネタバレ
    2025年8月16日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 仕事が出来る男と芸術家で今はヒモ同然の男の甘い同棲生活のお話。
    創作ペースが遅い芸術家のミケはヒモ同然。だけど、読んでいて思ったのは、ヒモというより主夫なのではということ。諸々雑だが家事をしてくれて、疲れた体をマッサージで癒し、自分のどうでもいい話をきちんと聞いて覚えていてくれる。世間一般でいう穀潰しのヒモとは違い、生活のQOLを上げてくれるミケの存在は、特殊というか特別な気がしました。ノロケだなと納得している北山には最高の相手なのかなと思いました。
  • 俺の臆病なオオカミくん。

    ひなこ

    短過ぎるけど大満足
    ネタバレ
    2025年8月16日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 付き合って3週間の恋人に嫌われないように冷静を装っているけど、本当は欲望が渦巻いている男のお話。
    右田が好きすぎて本当は押し倒してめちゃくちゃにしたいけど、嫌われたくないので我慢して大人しくしている端場。そんな端場に不安を抱き、煽ってくる右田。理性崩壊してしまう端場とそれに満足そうな右田はとても幸せそうでした。ページ数が本当に少ないのに、お話としてもきちんとまとまっているし、二人の気持ちもちゃんと伝わってくるいいお話です。これは色々な意味で満足度高しです。
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  • 社内恋愛お断り

    ダヨオ

    澄田の好きがダダ漏れ過ぎる
    ネタバレ
    2025年8月16日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 社内恋愛中の先輩と後輩が、お泊まり出張に行くお話。
    女性にモテモテのワンコ系の後輩澄田と厳しすぎるクールな先輩高井戸。いつでもイチャイチャしたい澄田とツンツンな高井戸だけど、二人になったら甘々になる高井戸と絶倫澄田の関係性がとても良かったです。天の邪鬼な高井戸に上手く転がされている澄田ですが、とても幸せそうでえちも見応えあって、ダヨオ先生らしい作品でした。
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  • 先パイいじわるしないで!

    にやま

    朝からムラムラ
    ネタバレ
    2025年8月16日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 満員電車でブツを擦り付けてくる後輩をイジメるお話。
    とても短いお話ですが、その中で先輩後輩の関係性や性格、気持ちなどが伝わってくるのがとても上手いと思いました。朝の通勤時間での出来事という短い時間のピックアップも良かったと思います。仕返しは倍返しくらいして欲しかったですが、そこは如何せんページ数不足ですかね。それでも上手くまとまった作品だと思います。
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  • 君想いエレジー

    世尾せりな

    身も心も裸になった再会
    ネタバレ
    2025年8月16日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 気持ちを伝えられないまま高校を卒業した男が、6年後行きつけの銭湯で片想いしていた相手に再会するお話。
    気持ちを伝えられなかったまま疎遠になった二人が、再会して両想いになる王道のストーリー。当時の行きつけだった銭湯での再会は、変わらない想いを象徴していて良かったです。
    ただ、短編な割に互いの気持ちや背景を想像させる余白が多く、それを読み取るのがちょっと難しかった気がしました。もっとじっくり気持ちを読み取れるページ数が欲しかったです。
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  • いわくつき物件で、エロい目に遭いまして

    佳門サエコ

    判断しづらい
    ネタバレ
    2025年8月15日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 事故物件に住むことになった男が、夜な夜な幽霊に痴漢されていることを相談した友人とえちな関係になるお話。
    お話としては面白く、佳門先生らしさ溢れるえちなシーンの描写が豊かです。短編としてはとても良くできたお話だと思います。
    ただ、レビュー欄でたくさん指摘されていたのが酷似した作品があるということ。ストーリーや構図がとても良く似ているというのが気になりました。
    真相は分からないですが、佳門先生の作品が好きなので残念な気持ちになりました。
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  • 幼なじみとアレするまでの24時間

    ちしゃの実

    スピード感と変態っぽさが駆け抜ける
    ネタバレ
    2025年8月15日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 数学一筋で初心な男が、幼なじみとアレするまでの24時間をカウントダウンしていくお話。
    えちな動画を見てから、頭の中がゴトちゃんとのえちでいっぱいになるシゲ。高揚感と緊張感がカウントダウンでどんどん盛り上がっていきます。漫画を読んでいて、こんなにもスピード感と爽快感を感じたのは初めてでした。そして、急な展開もシゲとゴトちゃんが両片想いだったが故であり、駆け巡るえちな欲望に囚われてしまいますが、二人の想いが報われたからこそのハッピーエンドだと思います。
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  • ねこでねこのねこです

    みちのくアタミ

    タイトルも内容も上手い
    ネタバレ
    2025年8月15日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 猫大好きな男が、SNSでネコを募集したところ、本物のニャンコがやってきてしまうファンタジーなお話。
    猫好きの多磨がある日出会った根古さん。本来ならばビックリするまさかの展開なのに、猫が大好きすぎる多磨にとっては大喜びの大興奮。ネコ好きも、愛されたがりのネコも共に幸せになれる一冊です。そして、短編とは思えない程の濃密なえちも見応えあり。さすがはみちのく先生、あっぱれです。
  • ヴァンパイア症候群(シンドローム)

    じゃのめ

    全てを明かさないのがミステリアスな良さ
    ネタバレ
    2025年8月15日
    このレビューはネタバレを含みます▼ マッチングアプリで知り合った理想の彼氏が吸血鬼かもしれないという恋のお話。
    満臣のミステリアスな雰囲気から、彼が吸血鬼なのではと疑い始める瞬。恋人の不審な行動を吸血鬼かもとアドバイスするりーちいっぱつ先生も、それを真に受けて満臣に直接確認してしまう瞬も、とても真面目なおバカさん。そんな面白さと、満臣のミステリアスさがアンマッチでとても素敵な作品でした。最終的に吸血鬼なのかも?でお話は終わりますが、なんだっていいやと思ってしまう瞬のメロメロな惚気で終了。全てをはっきりさせないけど、とても幸せを感じられるお話だったと思います。
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  • ひねくれ猫の甘え方

    佐倉リコ

    全身で表現する甘えたがカワイイ
    ネタバレ
    2025年8月15日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 拾ってきた野良猫を可愛がる彼氏を見て、俺も猫だったらと思っていたら、翌朝猫になってしまったファンタジーなお話。
    短編ながらも構成がとても上手いです。素直になれない敬が無邪気に甘える猫を羨ましく思う気持ちだったり、普段ツンな敬のデレた態度にメロメロになる拓海の気持ちだったり、素直に甘えられる猫の自分に嫉妬してしまう気持ちだったりと、短いストーリーの中にキュンも切なさも入っていてとても良かったです。ツンな敬から滲み出る好きが可愛いと思える拓海に愛を感じました。でも、たまには素直に甘えるのもいいスパイスになるのではとニヤニヤしてしまうお話です。
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  • わがままネコのしつけ方

    いちかわ壱

    段階は踏んで欲しいかも
    ネタバレ
    2025年8月15日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 実家を出たいと兄の親友の家に転がり込んだことで始まる恋のお話。
    短編読切ということで、展開が早くあっという間です。親兄弟から過保護に愛されて育った環と、同じように可愛がってきた兄の親友のたつ。同じ家で生活するのは理性を試される展開ですが、ノンケの年下相手にいきなり最後まではちょっと急展開すぎたかなと思いました。我慢出来ないたつの気持ちも、ページ数の関係も分かりますが、もう少し段階は踏んで欲しかったです。とはいえ、ワガママな環を溺愛する気持ちが伝わってくるお話でした。
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  • はきだめと鶴【電子限定特典付き】

    キタハラリイ

    否が応でも光を放ってしまう蛍の美しさ
    ネタバレ
    2025年8月13日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 映画館でバイトをする元AV男優の男が、毎週日曜日のレイトショーに来る年下の若い男に告白をされたことから始まる恋のお話。
    大人でスマートな螢に惹かれる年下ワンコ系の準太。些細なきっかけで始まった恋愛が思った以上に重い過去を引っ張り出してきて驚く展開でした。様々なものを惹きつけてしまう螢のまばゆい美しさが悪いのか、好きになった相手が悪かったのか、現状にたどり着くまでの螢の人生が波乱万丈で衝撃です。でも、そんなにツライ状況でも、「思い出だけで生きるには人生は長い」と、生きることを諦めずにいてくれた螢の強さが私にはとても美しく見えました。全てを諦めながらもちゃんと生きる螢の生き方には世捨て人のような達観したものがありましたが、その儚さに惹かれる人がたくさんいたのも事実だろうなと感じずにはいられません。そして、まばゆいからこそ目障りに思う人がいるだろうことも否定出来ないと思います。実際、波柴は螢の眩さに惹かれていたのではないかと感じました。
    全てを聞いても受け入れてくれた準太。若さゆえかなと心配になりましたが、過保護に愛する様子を見るといい恋人だなと思います。真っ直ぐなワンコと様々な過去を乗り越えてちょっと捻くれた螢のやりとりが、とても素敵でした。
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  • ブラットテイマー/ジョーカー

    キタハラリイ

    次々と出てくる設定の巧さに感動
    ネタバレ
    2025年8月13日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 「ブラットテイマー」シリーズのスピンオフ、Switchのフロラと特殊ランクDomのレオの恋模様を描いたお話。
    待っていました、スピンオフ!「エンゲージ」で仲良くなり、これは期待できるのではと思っていたフロラとレオの恋が動き出したことがとにかく嬉しいです。そして、このスピンオフで改めてリイ先生の創作アイディアに感動しました。SwitchとDomの恋愛模様というだけでもちょっと難しいのに、ダイナミクスEDな上に匂いで相手の気持ちが分かってしまうチート能力だなんて、スパイスが最高すぎです。恋愛+ドムサブ+ランクや特殊能力持ち、という全ての要素が上手い具合に溶け込んで、切なさも面白さもエロさも表現しているブラットテイマーシリーズがとにかく大好きです。
    今回はレオの特殊能力が、彼の過去のトラウマに繋がり、Domとしての矜持を失っているツラさがよく伝わりました。普段明るく、自信満々に振る舞っていただけに意外でしたが、レオの優しい「いーよ」はこんなところに繋がっているんだなと切なくもなりました。二人はやっと結ばれましたが、まだ恋人として乗り越えなくてはいけないものがたくさんあるところ。続編が今から楽しみです。
  • 冬知らずの恋

    夏野寛子

    行動が突っ走ってしまう高校生らしさ
    ネタバレ
    2025年7月30日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 暑い夜にやってきては同じベッドで寝ていく隣人の従兄弟に片思いしていた男が、魔が差してキスをしてしまったことがきっかけで二人の関係性が変わっていくお話。
    キスをきっかけに意識する千紘と、変わらない関係を望む愁人。恋する気持ちと性欲とのアンバランスさをじっくりと描いています。ずっと片思いをしていたけれど、親の戸惑いの態度や同性同士であることへの諦めで、進展は望んでない愁人の気持ちは分かりやすいですが、千紘の気持ちはイマイチ読めず。毎晩同じベッドで寝るくらいの好意は元々あったけど、誰かに取られそうになって初めてきちんと意識したという感じにみえました。そしてなし崩しに体の関係を求めていく展開に、高校生男子の欲望で突っ走る短絡的な若さを垣間見た気がしました。でも、この青臭さに嫌味な感じがないのは、二人が共に過ごしてきた時間の長さが存在するからなのかなと思います。ただ、大きな展開はないので、ストーリー的には物足りない部分もあると思いました。
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  • レンアイサイド[コミックス版]

    あめきり

    新しい恋で失恋を癒す鉄板のストーリー
    ネタバレ
    2025年7月30日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 「ハツコイノオト」のスピンオフ、燕に失恋した歩夢と歩夢の高校の友達龍が仲良くなり、共に新しい恋の相手として恋愛するお話。
    クールで大人びている龍と、妙にカッコつけたがりの歩夢。悪い奴らに拉致されそうになった事件がきっかけで仲良くなります。子供っぽさを隠してスマートにしたいけど、感情ダダ漏れでギャーギャー言ってしまう歩夢と、そんな素直さを可愛いと思う龍のやりとりが面白いです。天の邪鬼の歩夢に少しずつ沁みる龍の優しさや独占欲からくる寂しさに、とにかくキュンとしました。
    そんな龍の失恋相手が義姉で、龍を都合良く使うタチの悪さはBLでは珍しい最低な女のキャラでしたが、それを忘れさせてくれるような相手に出会えたことが良かったと思えました。歩夢の反応全てがツボだという龍の気持ちに完全同意した作品です。
  • ハツコイノオト

    あめきり

    ポエム男子の初恋
    ネタバレ
    2025年7月26日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 恋を知らない高校生男子が、ネットで見つけた同性への恋心を綴った日記に興味を持ったところ、その日記を書いているのがクラスメイトだと分かり、そこから恋が始まるお話。
    偶然ネットで見つけた日記をクラスメイトが書いていたというのはちょっと奇跡的すぎる設定ですが、逆に斬新でした。知り合いに読まれていると思わない燕は、日々の気持ちを赤裸々に書いていて、それをひっそりと見守る笑也は彼の身近な存在になったように感じて、どんどん気になっていきます。そんな展開も面白かったし、高校生らしい彼らのやりとりが可愛くてキュンとしました。付き合ってからえちまでのストーリーもピュアさと高校生らしい照れがあって良かったです。
    いいね
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  • めんどくさいけど愛してる

    英数字

    恋愛なんて面倒だらけ
    ネタバレ
    2025年7月26日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 飲み会で酔った勢いで上司にキスをしたら、その上司が突然会社を辞めてしまった。その後、その上司がバイトしていたコンビニで偶然再会したことから始まる恋のお話。その他、兄弟モノの中編が入っています。
    2作品ともとても静かで淡々としたお話です。それぞれの登場人物に色々な想いがあるけれど、新倉や楽はそれを無理やり押し付けたりせず、想いを秘めたまま黙っていなくなるところが同じだなと思いました。でもそれは置いていかれる村田や仁にとっては悲しく切ないもので、そっといなくなられることの喪失感が逆にその人への想いを際立たせてしまうという結果に繋がっているような気がします。
    個人的には1作目の2人の方が好きでした。面倒くさいと脳内で言いながらも、村田を受け入れる新倉に、そこはかとない愛情を感じて良かったです。
  • なかないひばり

    ミナヅキアキラ

    素直になってからの二人が可愛すぎる
    ネタバレ
    2025年7月25日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 仕事仲間でもあった親友の死に責任を感じてその弟を引き取った新進気鋭の写真家が、家族の役割以上の気持ちを抑えきれなくなるお話。
    両片想いだけど、家族としての役割に固執して共に自分の気持ちを言えずにいるひばりとすみ。その葛藤が丁寧に綴られています。中でも、同じ構図で寝たフリをした現実と、ひばりを強く抱きしめてしまう願望を表したのは、すみの想いの強さを如実に表していて、切なさが存分に伝わってきました。モノローグで本音を語らせながらのあの対比は素晴らしかったです。
    出張先ですみが倒れたことで、大事なことは伝えられるうちに相手に伝えようと思い直した二人は無事に結ばれます。そこからの素直な二人は本当に可愛くて、甘えたり、ワガママを言ったりする姿にほっこりしました。泣けたひばりに安心したと同時に、笑顔のひばりの可愛さにキュンとし、そんなひばりを猫可愛がりするすみに更にキュンキュンしました。
  • 君と出会ってから僕は

    吉井ハルアキ

    大人が青春したっていいじゃない
    ネタバレ
    2025年7月25日
    このレビューはネタバレを含みます▼ ゲイで人見知りの高校教師が、進路を決めない生徒の相談役として親身になるうちに、その生徒に懐かれ、自分も意識してしまう恋のお話。
    教師と生徒といういわゆる禁断の恋模様を描いた作品ですが、本田の大人の節度と、恋愛初心者のようなウブな反応が光ります。また、同じように、生徒として距離を詰め、先生の迷惑にならないようにと遠慮がちにしながらも、時には強引にアピールする遠藤の大人びた雰囲気も素敵でした。ここまで徹底して世間のルールを守っている禁断の恋愛もないのではと思う程、真面目な展開です。
    でも、互いの立場や将来を考え、貫いたその姿勢にこそ、相手を大切に想う気持ちが込められていて、とてもいい作品だったと思います。
  • Daisy Jealousy

    おげれつたなか

    嫉妬する気持ちとの折り合いのつけ方
    ネタバレ
    2025年7月24日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 専門学校時代に才能に嫉妬していた相手と、社会人になり再会し、恋人になるまでの複雑な気持ちを描いたお話。
    ゲーム業界で働く三咲と要。学生時代から天才的な才能を発揮し続けるコミュ障の要は、仲良くなった三咲を一途に想い続ける。かたや三咲は、同じものが好き同士で仲良くなればなる程、努力では追いつけない要の才能に嫉妬して劣等感に苛まれる。そんな二人が、仲良くなっては破滅してを繰り返すのが読んでいてとても苦しいお話でした。
    多くの人が、三咲のやるせなさに共感するであろうこの作品。好きなものだから頑張りたい気持ちを才能という武器で木っ端微塵に砕かれて、何度も何度も落胆し、自己嫌悪で落ちていく。三咲と要は好みが似ているからこそ余計にその凄さも分かってしまう。要の悪気のない行動にも苛立ってしまう。全部捨てて、落ちるところまで落ちてもなお、忘れられなかった好きの気持ちを大切にしてくれた三咲の頑張りは、才能以上に価値があったのではと思いました。
    二人は恋人同士になりますが、やっぱり一番近くでその才能を見続けることは私には苦行に感じられました。プランナーとして、要以上に三咲が成功をおさめられたという結末ならもっと手放しで喜べたと思いますが、この過程を見ている限り、こういう関係性は多少なりとも距離があった方が精神的には楽な気がします。
    三咲の気持ちなり、コミュ障の要の気持ちなりは丁寧に描かれていましたが、何となく三咲のやるせなさが消えないままなのではと感じてしまいました。恋愛の好きと才能への嫉妬の折り合いのつけ方を深く考えてしまう作品です。
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  • ネオンサイン・アンバー

    おげれつたなか

    心の痛みに寄り添える作品
    ネタバレ
    2025年7月23日
    このレビューはネタバレを含みます▼ クラブのホールスタッフの男といつも違う女を連れたクラブ常連の褐色肌のギャル男。ロッカーの鍵をなくしたことがきっかけで、朝食を作ってもらう関係になり、互いに惹かれていくお話。
    ひょんなことから距離が近づいたサヤとゆうすけ。傷ついてきた過去を持つからこそ人の表情に敏感なサヤの何気ない理解が、ゆうすけの心を急速に惹き寄せていきます。しかし、そんなサヤに救われたゆうすけは、逆にサヤを傷つけてしまったことに苦しみます。心がリアルな感触についてこれなかったのは、同性同士の恋愛における現実的な問題で、サヤにとっては諦めが色濃くなるショックな出来事だったと思います。
    傷つけたゆうすけも、自分の心と向き合うことをやめずに、伝え続けてくれたのが良かったです。互いに、周囲の何気ない一言に傷ついてきた者同士、それぞれの心に優しく寄り添った結果、二人が幸せになることが出来てホッとしました。この心の機微を丁寧に描いてくれる作者様の力量が本当に素晴らしいと思います。
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  • ヒメにいはおぢさん

    えだちほほ

    絶妙に気持ち悪くて最高にエッチ
    ネタバレ
    2025年7月23日
    このレビューはネタバレを含みます▼ Hな写真をこっそりネットにあげる裏垢男子大学生と、ベタベタなおじさん構文を送りつけてくるイケメン社長が、リアルで会ったのをきっかけに恋人になるお話。
    小柄で可愛くてエッチに興味津々ななーくんと、なーくん大好きド変態なイケメンおじさんヒメにい。設定も展開もストーリーも最高でした。ヒメにいのおじさん構文のノリも完璧だし、えちの時の言葉責めのねっとり具合も絶妙。最高に気持ち悪いのに、最高に面白くて、最初から最後までずっと笑いっぱなしでした。
    それもこれもヒメにいの暑苦しくて優しすぎる想いがあったからこそ。こんなにずっと大好き、チュッチュとされ続けたら、なーくんも絆されちゃうよなぁと思いました。エッチに興味津々で寂しがりやななーくんにはこれぐらいなーくんをねっとりと愛してくれるヒメにいがお似合いだったような気さえしてきます。そして、そんななーくんがヒメにいを雑に扱うやりとりもものすごく面白かったです。
    また、えちシーンもとにかく秀逸。エロさといやらしさと面白さの塩梅が絶妙で、ヒメにいの興奮具合とか、なーくんの気持ち良さが全部伝わってくるようでした。えち多めなのに、様々なプレイで飽きることなく楽しめるように工夫されていて、見せ方も抜群。えだちほほ先生の作品のえちは、とにかく気持ちよさと多幸感に溢れていて、えちの良さがものすごく伝わってくると思います。
    絵柄や世界観も含めてえだちほほ先生が推しの先生になる程、大好きになりました。他の方のレビューもおじさん構文で盛り上がっていて、新しい楽しみ方を教えてくれたような気がします。今後の作品も期待しています。
  • Ghostdog(合本版)

    小野浜こわし

    渋いイケオジがてんこ盛り
    ネタバレ
    2025年7月23日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 閉店間近のバーにやってきた喪服の男とその店のバーテンダー、二人の過去が複雑に絡み合いながらも互いに惹かれていくお話。
    イケオジ好きには堪らないこの作品。出てくる人物たちみんなオジさんなのに、渋みだったり、陰だったり、色気だったり、エロさだったりと、ありとあらゆるオジさんの魅力に溢れています。暗く重苦しい過去とバーという夜の世界がとても良くマッチしていて、全体に漂う世界観が本当に素敵でした。
    ストーリーもとても面白いのですが、少々登場人物が多めで複雑なので、もう少しスッキリしていると読みやすいかなとは思いますが、それぞれが抱える闇を丁寧に繋げているのは感じられました。この独特の世界観と絵柄は作者様ならではなのかなと思います。ぜひ今後も渋み全開のイケオジをたくさん描いて欲しいです。
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  • 僕だって君がいなけりゃたぶん。【電子限定特典付き】

    蔓沢つた子

    初めての性癖
    ネタバレ
    2025年7月22日
    このレビューはネタバレを含みます▼ いじめられっこの転校生とその転校生を助けたド変態の人気者。小学生の頃からニコイチな二人が恋人になるお話。
    いじめられっこのシオンとそのシオンのふにゃチンを気に入ったレオ。一見すると上下関係なのかなと思いましたが、二人か一緒にいる様子は対等で、親友のような関係性でした。ただ一つ普通と違うのは、レオがふにゃチン好きで、そのまま体の関係になってしまったこと。そんな二人がお互いをどう思っているかを改めて言語化するストーリー。
    意識していなかっただけで、シオンとレオの想いは恋人同士のような関係性なのは間違いなし。それを見てるだけでも楽しいですが、二人が机を並べて勉強したりと切磋琢磨する様子に、二人の仲の良さだったり、相性の良さを感じました。エロさより、そういうほのぼのシーンが好きだなと思える作品です。
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  • 好物は愛しいあなたの腹のなか 【電子限定特典付き】

    蔓沢つた子

    問題児CPの成長がアツい
    ネタバレ
    2025年7月22日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 「好物はいちばんさいごに腹のなか」シリーズ4作目、正親とグリムのその後のお話。
    CPとして一番問題のあるくっつき方をした二人ですが、今作では強い絆を感じられることが出来ました。正親は好物シリーズの誰よりも売れっ子で、頑張り屋で、寂しがり屋。だからこそ、今作のように仕事とプライベートのバランスがボロボロになってしまったのかなと思います。誰よりも人間らしいその悩みと疲労がとても丁寧に描かれていました。そして、そんな正親を再び大人の包容力で包みこんだグリム。本当に素敵なCPに成長したと感じました。また、えちの時の激しさはNo.1。甘えん坊な正親が本能のままにオスになる姿がやっぱり最高でした。ずっと続いて欲しいシリーズです。
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  • 好物は真夜中のうちに腹のなか 【電子限定特典付き】

    蔓沢つた子

    グリムの大人な対応に安心感がある
    ネタバレ
    2025年7月22日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 「好物はいちばんさいごに腹のなか」シリーズ3作目、人気俳優正親とラジオパーソナリティグリムのお話など、米蔵一家三世代のお話。
    若者世代最後の一人、正親が憧れのグリムを恋人にするお話がメインです。今までのCPに比べ、じっくり描かれていたのは嬉しかったものの、始まり方にはちょっと嫌悪感がありました。興奮剤入りのタバコを吸わせて、そのままえちに持ち込むという正親のやり方は、いかがなものかなと思います。しかも、その事故をグリムのせいにしてしまうやり方や、策略的な考え方が悪どく、絆されかかっていても真実を知ったら嫌われること間違いなしの手法に呆れてしまいました。そんな正親を二つ返事で許して、受け止めるグリムの懐の広さに感服。子供のいたずら程度だと一蹴し、こんな自分を選んでくれるのならと正親の気持ちに応えたグリムが素敵でした。慎重で大人なグリムだからこそ、うまくいったCPだと思います。
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  • 好物はこっそりかくして腹のなか 【電子限定特典付き】

    蔓沢つた子

    ノアとカズイの子供たち
    ネタバレ
    2025年7月16日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 「好物はいちばんさいごに腹のなか」シリーズ2作目、ノアとカズイの子供たち3人のそれぞれの恋のお話。
    三者三様のCPたちの恋模様。ノアとカズイの子供だなぁと感じる部分もありながら、今作も楽しく読みました。やっぱり猫人間、可愛すぎです。フェロモンで発情を誘ったり、尻尾で感情を表現したりと、猫特有の動きがとにかくキュンとします。色々なCPが見れるのも楽しみの一つです。3作目も楽しみです。
  • 好物はいちばんさいごに腹のなか

    蔓沢つた子

    猫人間可愛すぎる
    ネタバレ
    2025年7月16日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 猫を先祖に進化した、オスもメスも関係なく子供を産める世界で、子種を漁る雑種とイケメンモデルの純血種が結婚するお話。その他2CPのお話。
    とにかく設定が可愛いです。猫耳と尻尾の付いた姿は本当にファンタジー。人間の姿だし、生活習慣も人間と同じなのに、何故かどことなく猫っぽい。そして、毛並みや顔立ちで純血と雑種の違いを表現出来ていて、上手いなぁと思いました。
    そして、サビ猫のオスが超貴重種だということもはじめて知って勉強になりました。猫の奥深さと可愛さが楽しめる作品です。
  • お前にだけは好きって言わない【単行本版(電子限定描き下ろし付)】

    橈やひろ

    スピン元よりキュンがある
    ネタバレ
    2025年7月16日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 「ビッ チなあの子の言うとおり!」のスピンオフ、楓プロデュースのアイドルグループのメンバーが恋愛するお話。
    クールな悠真とおバカな南実。正反対な二人だけど、だからこそお互いにハッとさせられる部分があり、惹かれ合っていきます。スピン元は勢いえちからの相性の良さで長く付き合える二人となったけど、こちらはもっと恋愛の手順を踏んでいる感じでした。キュンとする自分に戸惑ったり、嫉妬したりして、互いの心が惹かれ合う様子が良かったです。悠真の溺愛っぷりに愛を感じられる作品です。
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  • 化け猫かたって候

    早寝電灯

    見る視点で変わる物語の意味
    ネタバレ
    2025年7月15日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 疲れ切って死にかけの社畜リーマンが、家に帰る途中でたまたま入った寄った寄席で、講談の魅力に惹き込まれる。すると、講談師が急に化け猫に見え、それがきっかけで結婚を迫られるお話。
    身も心も疲弊していた時に心を動かす講談を聞いた草太。その講談師がまさかの化け猫で、異種間婚姻を結ぶ展開がとても面白いです。それまでは死んだような表情をしていた草太が、喜八に出会って、驚くような物語の一員に引き込まれ、人間らしい心を取り戻していく。物語を聞いて心を動かされることや、物語の一員になって刺激を受けること、そして、自分自身も物語を紡ぐこと。生きてることを力強く実感した気がしました。
    草太と喜八は恋愛としてより、人として惹かれ合っている感じがしました。なので、BLっぽさは少し薄めで、人間と妖怪という異種間同士でありながらも、共感し合えるものを共有しているように思いました。その辺が少々小難しかったですが、作品としては面白かったです。
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  • にいちゃん

    はらだ

    なるほど、大問題作です
    ネタバレ
    2025年7月14日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 幼い頃、近所のにいちゃんに手を出された男の子が、成長してからもそのにいちゃんのことが忘れられず、街を徘徊してようやく再会出来たものの、昔とは違った関係性になってしまったお話。
    多くの人から、「にいちゃんはメンタルが大丈夫な時でないと読めない」と聞いていたこの作品。確かに、これは読後感がものすごく悪くなる前代未聞のお話だと思います。
    BLはファンタジーとは言えども、この作品が切り抜いているのは同性同士の愛でも、年の差の恋愛でもなく、はっきり言って犯罪です。おじさんがにいちゃんにした犯罪が、にいちゃんやにいちゃんの家族だけでなく、まいこやゆいすらも巻き込んで苦しめる結果になってしまっているのに、当の本人は何事もなかったかのように、また新しい家庭を築き、子供を作っていることが何よりも許せなかったです。これはBLではないし、ショタ好きという性癖であり、犯罪です。
    にいちゃんがさらに不幸だったのは親が毒親だったということ。田舎のいいとこの坊っちゃんだったが故に、世間体という常識をぶつけられ、人格形成が破壊されるほどの躾を受けて育つ。そんな過程が、愛着を愛憎として歪ませていったことは一目瞭然。ゆいの親は一般的な親だと思いますが、事件を全てにいちゃんのせいにしてしまったのが良くない。ゆいは鍵っ子で淋しかったんじゃないでしょうか。にいちゃんもゆいも、ただ好きでいることを否定され、なぜそれがダメなのかが分からなかったからこそ、愛情をこじらせてしまったような気がしました。
    とは言え、淋しい子供心につけ込み、楽しく過ごすことで安心感を与え、愛情の行為として性的搾取をするそのやり方は、善悪の判断が乏しい子供に対しては犯罪なのです。ゆいの目線で物語が進むので、恋愛的感覚に囚われてしまいますが、これは愛ある関係性ではないのです。最終的ににいちゃんとゆいはくっつきますが、薬に頼り、親にも言えない後ろめたさを感じている二人の未来は破滅的だと感じました。
    ありとあらゆる意味で、この作品を描いたのはチャレンジでしょう。作品の完成度は高くても、倫理的観点から高評価にはしづらいです。逆に、これは犯罪で、こうやって繰り返されるという啓発漫画だと思います。何度も言いますが、これはBLではなく、犯罪です。
  • タケトコタトアオト 【電子限定特典付き】

    akabeko

    コタの成長が眩しい
    ネタバレ
    2025年7月13日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 嫁に逃げられて父子家庭になった男とその息子が通う保育園で偶然出会った中学時代の同級生が、家族になるお話。
    コタの成長に合わせてオムニバス形式になっているこの作品。最初は、淋しいからといって元同級生の同性同士いきなりえちな関係になるかなと疑問を抱きました。タケは普通にノンケだろうし、アオトはゲイなのかどうかという描写も全くなかったので、不思議な関係性のまま何となく大団円で終わっていて、拍子抜けでした。1話が短いこともあり、深く掘り下げられない作りだったのかなと思います。
    そのままタケとアオトは恋人のようになり、コタを含めた3人が家族のようになっていく過程が描かれていて、エロはありますが恋愛より子育て中心のお話です。最終的に3人が大好きだから一緒にいるのが普通なんだよという心に沁みる展開で、今までの疑問もどうでも良くなってしまいました。まさに終わりよければ全て良し。タケの母を含めて、愛のある家族の姿が描かれた作品です。
  • ビッチなあの子の言うとおり!4【単行本版(電子限定描き下ろし付)】

    橈やひろ

    きっと二人はいつまでも仲良し
    ネタバレ
    2025年7月13日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 「ビッ チなあの子の言うとおり!」のシリーズ4作目、完結編です。
    作者様があとがきで言っているように、名前がなくても、ずっと一緒にいるような人たちが最後まで徹底して描かれていました。純孝と楓は恋人同士であるとは明言していませんが、最後には好きだと伝え指輪を贈る関係性に。シオリと棗も二人の身内としていい友人関係に、シュウと風間もセ フレのような曖昧な関係に。全てが丸く収まった訳ではありませんが、きっと純孝と楓を通していつまでも繋がり続ける人たちなんだろうなというのが伝わってきました。そして、最後に確信したのは純孝がだいぶ変な人だったということ。変わり者同士、こんなに安定感のある二人はなかなかいないなと思います。いつまでも騒がしく楽しくお幸せに。
  • ビッチなあの子の言うとおり!3【単行本版(電子限定描き下ろし付)】

    橈やひろ

    もはや安定感抜群の二人
    ネタバレ
    2025年7月12日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 「ビッ チなあの子の言うとおり!」のシリーズ3作目、純孝と楓の日常をオムニバス形式で詰め込んだお話。
    風邪をひいた話や元カノ話、二人のラブラブデートに仕事の話と、盛りだくさんな内容がオムニバス形式で入っています。当て馬もマンネリも不要なこの二人には日常こそが刺激的。全く不安感がなく、楽しく読めるのがいいところだと思いました。
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  • ビッチなあの子の言うとおり!2【単行本版(電子限定描き下ろし付)】

    橈やひろ

    相変わらずのえち三昧
    ネタバレ
    2025年7月12日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 「ビッ チなあの子の言うとおり!」のシリーズ2作目、家族や友人との親睦を深めながら、二人の絆が深くなっていくお話。
    出会ってから4年経ち、社会人になった純孝とAV男優を引退した楓。前作に残った問題点をあっさり解消したものの、相変わらずの関係性な二人が、家族や友人など周りを巻き込みながら、より堅実な関係性を築いていく様子が描かれています。恋人同士とは明言しませんが、その後も一緒に住み続け、引っ越ししても同棲を続ける二人は相変わらずえち三昧。でも、体の関係以上に、お互いを好きだと思っていることが伝わってくるのが不思議です。恋人のような甘さより、長年連れ添った夫婦のような、はたまた漫才コンビのようなノリですが、それぐらい一緒にいるのが自然だと思える相手に出会えたこと、そしてその相手にキュンとさせられる日々であることが幸せだなと感じました。
    そして、シュウと風間の関係性は一体どういうことなのか気になります。全くそんな素振りもなかったので驚きました。
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  • ビッチなあの子の言うとおり!【単行本版(電子限定描き下ろし付)】

    橈やひろ

    ハイテンションでスピード感あり
    ネタバレ
    2025年7月12日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 一人暮らしの大学生がアパートのゴミ捨て場でAV男優を拾い、そのまま居座られて一緒に暮らすようになるお話。
    ゴミ捨て場で拾った人とワンナイトラブしてしまうというのは珍しくないですが、相手がAV男優で、お礼のえちにノリノリで、相手の迷惑も押し切って居座ってしまうハイテンションっぷりが面白くて、最後まで疾走感がありました。図々しいけど嫌味がなく、エロ可愛い楓と、滅多なことでは動じず、オカンのように世話焼きな純孝。相性バッチリな二人が自然と一緒にいるようになるのが上手く表現されていたと思います。
    一緒にいる日々が自然すぎて、互いへの理解が人としての好きになっていくのが伝わりました。ただ、その関係性が恋人なのかははっきりしないまま終わったのがちょっとモヤモヤ。その辺を曖昧にしたのが気になりますが、恋人じゃなくても事あるごとにえちしまくりなので、ラブラブだなと思いました。
    とにかく最初から最後まで明るく楽しく読める作品でした。
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  • DOUBLE HOUND【おまけ漫画付きコミックシーモア限定版】

    ハジ

    BLではなくアクション漫画として面白い
    ネタバレ
    2025年7月9日
    このレビューはネタバレを含みます▼ ヤクの密売グループの重要人物を追う刑事と、その男の贔屓のコールボーイが、各々の仕事の都合で接触し、近づき、交錯する近未来型アクションミステリーなお話。
    カフェの店員を装う潜入捜査官リーガーと、殺し屋の顔を持つコールボーイ・ヤクモ。互いに裏社会で素性を隠しながら目的の為に生きる様子がとても良く描かれています。その上で、世界観や小道具などが近未来的な要素があり、細かいところまで良く作り込まれているなと感じました。
    シードルを追っているうちに互いに交錯するアクションシーンは迫力満点。BL要素がなくても十分に面白いストーリーであり、疾走感と迫力があったと思います。
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  • 訳あって、新婚です

    上田にく

    第三者の冷静な視点は大事
    ネタバレ
    2025年7月9日
    このレビューはネタバレを含みます▼ ダメ男に惚れやすいイケメンパティシエが、婚活アプリで出会ったウエディングプランナーの男とスピード婚するお話。
    お互いに利害関係が一致したからと即日結婚を決めた佐枝と桜輔。はじめは何か裏があるのか、それとも事件が起こるのかとヒヤヒヤしましたが、二人が穏やかな結婚生活から幸せを感じ、自然と恋愛関係が深まる様子がとても良かったです。恋心はお互いの相性や生活習慣の違いなどを無視しがちになってしまいますが、冷静な状態からのスタートなので、その人自身や自分との波長が合うかなどをきちんと判断出来たことで、こんなにWin-Winな結婚生活を送れるなんて、ある意味理想だなと思いました。その上で、相手を好きになれたこの結婚が本当に羨ましいです。
    やっぱり真の幸せを掴みにいくなら、冷静な判断ができる第三者の視点は大事だなとしみじみ実感。そういう意味で、西くんは大きな仕事をしたと思います。佐枝を理解し手助けしてくれる彼の存在が貴重だし、そんな素敵な友達がいる佐枝の友人関係にこそ、彼の良さが詰まっているような気がしました。とても幸せな気持ちになれる作品です。
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  • Odds and Ends オッズ・アンド・エンズ

    暮田マキネ

    薬袋の成長がハンパない
    ネタバレ
    2025年7月8日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 擬似兄弟制度を敷く全寮制男子校で、相部屋となった先輩奈良崎と後輩薬袋のお話。
    問題児ばかりの全寮制男子校。もうこの設定がすでに好きでした。最初と最後が現在で、間に過去を挟むサンドイッチ形式なので、一気読みしたほうが内容が分かりやすいと思います。
    リトルとブラザー、他よりも密接な間柄を築くこの制度と、家族とは疎遠で頼れる人がいない環境。もうこの後ろ暗さがまさにマキネワールド。そこで成長する彼らの感受性と独特なシステムが、薬袋と由一の特別な関係を形成していくと言っても過言ではないでしょう。その心理描写を丁寧に描いてくれるからこそ、マキネ先生の作品はいつも心に訴えかける何かがあると思います。
    今作での驚きは、薬袋の成長っぷり。あんなに可愛くてよしよししたくなる小動物的だった薬袋が、誰よりも逞しくカッコ良くなった姿にはビックリでした。由一の前では相変わらずの薬袋が何だかとても可愛く見えました。
    これはシリーズ化を期待してもいいのでしょうか?設定がマキネワールドにぴったりなだけに、色々なCPの様子も描いてほしいです。
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  • エッチなことおしえてください【おまけ漫画付きコミックシーモア限定版】

    晴屋うまこ

    優しいえちの指南がたっぷり
    ネタバレ
    2025年7月8日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 就職で上京してきた童貞のゲイの男が、男同士のえちを色々教えてもらいたいとプロにお願いし、人気のタチに優しく教えてもらうお話。
    ストーリーのメインがえちを教えてもらうという内容なので、最初から最後までえちシーンは多めです。細かい手の動きや甘い雰囲気など、恋人のえちを教えてもらう設定なので、ずっとイチャイチャした雰囲気で、体から堕ちるというよりも恋人として錯覚してしまい、恋に落ちるといったパターンでした。そのため、同じような設定はままありますが、甘い雰囲気が好きな人にはオススメです。
    大和がなぜ寛也にそこまでドハマリしたのかなど、心的描写は少々少なめですが、甘いイチャイチャが読みたい時にピッタリの作品だと思います。
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  • ないしょのストーカーさん

    ヒロハルヨシ

    設定が飛び抜けている
    ネタバレ
    2025年7月8日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 頑張り屋で優しいけど、毎日疲労困憊の会社員の男が、姿の見えない誰かに家事や夜のお世話までしてもらっているうちに惹かれてしまうお話。
    最初の印象は、誰だか分からない人が家の中に入ってくるなんて怖すぎるし、それを受け入れるなんてあり得ないと思いました。だけど、読み進めると、角谷はそんな恐ろしい状況でも受け入れたくなってしまうくらいいっぱいいっぱいだったことと、自分には害がない、むしろ優しさすら感じるお世話のあれこれに身も心もどっぷりと浸かってしまったら確かに楽だよなという考えでした。私も自分が面倒くさがりのズボラな人間なので、角谷の気持ちに共感してしまいました。
    そんな突拍子もない設定ですが、お話の展開は先が読める真っ直ぐなストーリー。ある意味安心して読めました。ただ、正体がバレてからの八雲はいつも一歩引いていて、恋人になったあとくらいガンガン攻めてガツガツとしたえちをして欲しかったなぁとちょっと残念。えちの描写が尻すぼみになってしまった感がありました。野獣と化した八雲が見たかったです。
  • アケミちゃん

    丸木戸マキ

    スナックの場末感が良く出てる
    ネタバレ
    2025年7月8日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 「ポルノグラファー」シリーズのスピンオフ、「續・ポルノグラファープレイバック」に出てきたスナックアケミの息子と、前科持ちとなり大学を中退した元同級生が再会し、惹かれ合うお話。
    アケミちゃんこと静雄と病院の息子の蒼介。自分らしさを殺して虚無的に生きる姿と、根性が腐る程奔放に生きてきた姿、正反対だけど心に燻っていた生きやすさを求めて田舎を飛び出す青年たちに、今度こそ幸せになって欲しいと思える作品です。
    とは言え、途中までの蒼介のクズっぷりは目に余るものがありました。それもこれもやっぱり母親のせいなのだと思うと、狭い田舎社会故の家族の存在の大きさや距離の近さ、逃げ場のないやるせなさが感じられます。そういう意味で、閉鎖的な田舎をとても良く捉えているなと思いました。
    アケミのママと蒼介のパパは、元々恋仲だったと思うと、二人が惹かれ合うのも自然だったのかなと思います。暗くてジメッとした雰囲気が見事に描かれている作品です。
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  • Flaver フレイバー

    さちも

    唯一無二で互いを刺激する間柄
    ネタバレ
    2025年7月5日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 刺激を求めてヤクザまがいのゲス野郎になった男が、唯一その男に敗北感を与えた高校の同級生をヒモとして飼うことから始まるお話。
    人生イージーゲームな下條とその下條を負かした久瀬が、ヤクザまがいのゲスと警察官の身分を隠したヒモ男として再会。互いに知らないフリをしながら、お互いの思惑に気付くクレバーなやりとりが、ヒリヒリとした世界観と合っていてとても面白かったです。
    退屈を嫌う下條にとって久瀬は唯一の刺激であり、嘘まみれの好意にウンザリしていた久瀬にとって下條は唯一本音でぶつかってきてくれた相手。お互いを唯一無二と認め合う関係性は男同士ならではかなと思います。
    タチ同士なので恋愛関係になっても、プライドとプライドのぶつかり合いですんなりエロい展開にはなりませんが、「抱かれてやるよ」的な下條の攻めの姿勢はとにかくエロかったです。
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  • リカー&シガレット

    座裏屋蘭丸

    外国映画の一幕を見ているような作品
    ネタバレ
    2025年7月5日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 幼馴染みでお向かいの店のタバコ屋と酒屋の二人が、お試しで付き合うことから始まる恋のお話。
    座裏屋先生の作品はいつも外国映画を見ているような気持ちになります。舞台設定やキャラが外国なのもありますが、絵のテイストとキャラの色気、作品全体に漂う雰囲気が異国感満載で、こういうテイストは他に類を見ない唯一無二のものだと改めて感じました。
    外国風になると、キャラの物言いがストレートだったり、直情的だったりの激しいイメージがありますが、このお話は常にカミロの愛で包みこまれるような優しさに溢れていました。ストーリー的には、ノンケのテオの気持ちを最優先にしたもので、カミロが時間をかけてテオの気持ちが追いつくのをひたすら我慢強く待つお話です。山や谷はほぼありませんが、グレープフルーツのシャンプーの香りとタバコの香りが混じり合った、日本ではないその雰囲気に、どっぷりと浸かって、夢見心地で楽しめる作品でした。満足感のある作品です。
  • おくびょうなディア 【電子限定おまけマンガ4P付】

    秋雨るい

    忍の色気は女子よりスゴイ
    ネタバレ
    2025年7月4日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 「ふきげんなディア」のスピンオフ、桜庭に挿絵を依頼したエロ小説家の百武先生と、出版社御用達の和菓子屋の若旦那が恋をするお話。
    「ふきげんなディア」に登場した百武先生と忍。当初から不思議な関係性だなと思っていましたが、二人が恋人になるまでのお話をこちらで読めて、何だかとてもスッキリしました。
    和菓子をいつも美味しそうに食べてくれる百武に好意を抱く忍と、一目惚れの百武。出会った時点ですでに両片想いです。なので、展開は早く、あっという間に体の関係になります。そこから恋人になるまで多少時間はかかりますが、百武先生の大人の包容力と、好きに向かってまっしぐらな姿勢は好感が持てました。元々忍も好意を持っているだけに、少々強引な百武先生の好き好きモードは読んでいても気持ち良かったです。
    それにしても、忍の色気は本当にスゴイです。上品かつ落ち着いた仕草や、一歩引いた控えめな感じは、まさに淑女。料理もパソコンも得意で、スケジュール管理も夜の営みもバッチリ。百武先生じゃなくてもメロメロだと思います。二人のちょいエロなプレイも気になるので、ぜひぜひえちえちな番外編でも読みたいです。
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  • ふきげんなディア 【電子限定おまけマンガ付】

    秋雨るい

    理想の担当編集者!?
    ネタバレ
    2025年7月4日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 絵本が好きで入った出版社で働く編集者が、気難しい作家の担当になり、その作家と恋に落ちるお話。
    作家さんと編集者の王道ストーリーなので安心して読めました。気難しいが才能に溢れ、更にはイケメンだという桜庭先生と、素直で真っ直ぐな担当編集者の奏汰。設定や展開はままあるモノですが、とにかく奏汰が可愛いです。好きだということを体全体で表現し、筆舌を尽くしてとにかく作品を褒めてくれるというのは、ものづくりをする人にとってはとてもありがたい存在。そして、奏汰自身も、大好きなものに囲まれて幸せを感じられるというのは、何ともWin-Winな関係だなと思いました。
    2巻では当て馬も登場しますが、その展開よりも、奏汰が酔っ払った時にものすごく甘えん坊になるのが最高に良かったです。好き好きオーラはいつも出てるけど、仕事の時は意外と真面目な奏汰のオフの一面がとにかく可愛くて、桜庭もそりゃ悩んでしまうよなと共感しました。面白かったです。
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  • 蛍火艶夜

    amase

    BLジャンルを超えた物語
    ネタバレ
    2025年6月28日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 第二次世界大戦末期、国の為に自らの命を武器に闘うべく募られた特攻隊の男たちの秘められた夜を描いたお話。
    戦時中、しかも特攻隊というピンポイントなテーマを描いた作品は多くの漫画がある中でもかなり珍しいと思います。そんな難しいテーマをBLジャンルで描くというのは批判もあるかもしれませんが、作者様のチャレンジ精神は素晴らしいです。そして、読めばBLジャンルでは語りきれないことは分かります。
    確かに男同士の性的な関係がメインで描かれているという点ではBL漫画です。でも、BがLするというのとは違います。戦時中、皆がお国の為にという一つの方向を向いている時代、男だけが寝食を共にしながら、命の灯火を燃やし尽くすその時までに戦い続けた様子はとても研究して描かれているし、その時代を必死に生きた人たちに対する尊敬と敬愛の念はキャラたちの表情や言動一つ一つに込められていると思いました。この難しいテーマに対して多くの賞賛が集まるのは、物語から作者様のそういう情熱が伝わるからではないでしょうか。そして、そんな情熱すら、「これはただのエロ漫画」だと言い切り、全力で趣味嗜好に振り切った作品だから要注意ですという作者様の姿勢が大好きだなと思いました。
    上下巻で様々なCPが登場しますが、私はやっぱり八木と志津摩が一番好きでした。厳しい制裁をする怖い上官の一面と臆病で傷つきやすい一面を持った八木と、自分の性的嗜好の苦悩を八木への慕情に昇華させ堂々と黒い襟巻きを巻く志津摩。個人の性格や嗜好すら抑圧され、男として生まれた運命に従わなければならない二人のそれぞれの生き方が儚くも無惨で、戦争という環境が生み出した歪な関係性が一番顕著に描かれていると感じました。裏表紙のような二人の素の幸せそうな笑顔が夢物語であることが、とても哀しくて印象的でした。
    性的なえちシーンは性欲発端のものが多く、特別な感情があっても愛ではないパターンばかりです。また、青年漫画風の筆致で、筆圧と描きこみが強めの絵柄です。そういうのが苦手な方にはお勧めしづらいですが、BLでも戦争漫画でもない、深い人間物語、時代漫画になっていると思います。多くの物事を考えさせられる素晴らしい作品には間違いなしです。
  • 傷あとにくちづけ【単行本版】

    あまきいお

    大人の二人の穏やかで甘い恋
    ネタバレ
    2025年6月25日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 「噛みあとにキス」のスピンオフ、橘の兄の来栖と偶然出会った近所の歯科医瀬戸の大人の恋を描いたお話。
    スピンオフ作品ではありますが、スピン元とはあまり関係ないので単体でも楽しめる作品です。最初は尚が過去の恋愛を引きずってなかなか恋人同士になりませんが、とにかく来栖が最初から最後まで尚の事を優しく包み込むように愛を注いでいるのが伝わります。仕事も立場も経験もある来栖だからこその大人の穏やかな愛し方が心地良く、尚と二人互いを尊重し合う姿勢が素敵でした。こんな風に、穏やかな日常が幸せだと感じられる相手に出会えたこと(3度の偶然)はやっぱり運命的だと思います。2巻で見たたくさんの笑顔が印象的でした。
  • 「BUDDIES」番外編集【電子限定版】

    倫敦巴里子

    この二人をもっと見たい
    ネタバレ
    2025年6月25日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 「BUDDIES」の番外編の短編2つ入った作品集です。短いですが、二人の頭の良さや相手を理解しきったやりとりのテンポの良さが存分に発揮された短編です。そして、どんな虹郎も可愛くて仕方ない梶と、クールに見せて実は照れている素直な虹郎が本当に可愛いです。
    この二人の高度なイチャイチャをもっともっと見たいです。虹郎のお父さんの遺産を取り戻すくだりとか、その後の二人のラブラブとか、見たい場面がたくさんあります。またぜひ描いてほしいです。
  • BUDDIES

    倫敦巴里子

    最高のバディもの
    ネタバレ
    2025年6月25日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 「清掃王子」として大人気のビル清掃員と大手ゼネコンエリート部長が、会社の闇を暴き膿を出すためにタッグを組んで暗躍するお話。
    腹黒イケメンの梶と頭脳明晰で眉目秀麗な虹郎。会長の妾子と時給1万円のアルバイトがスパイ活動をして悪い奴らを一掃するという、緻密に練られた計画と複雑な伏線回収がとても見事で面白かったです。徐々に明らかになる大きな目的や人心掌握術を駆使しながらのスパイ活動というシリアスな一面と、虹郎が可愛くて仕方ないというダダ漏れ過ぎる梶の愛情というコミカルな一面が上手い具合にマッチして、ハラハラドキドキとキュンキュンで感情が忙しかったです。巴里子先生が描く男子は本当に可愛くて魅力的で最高だなと改めて思いました。
    伏線をはったり、ストーリーの組み立てが大変だったとのことですが、ぜひまたこういうお話を描いてほしいです。最高のバディものでした。
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  • 素晴らしきこのクソ世界【電子単行本】

    たうみまゆ

    ストーリー性の高いオメガバース
    ネタバレ
    2025年6月24日
    このレビューはネタバレを含みます▼ サラリーマンからヤクザに転身したαの男が、βの若頭の男に付き従ううちに、彼の秘密を知ってしまうお話。
    ヤクザ同士の複雑な関係性や上下関係と、オメガバースの性的搾取や差別が上手い具合に混ぜてあり、読ませる作品だなと思いました。Ωには必要不可欠であるピルとしての薬と、ヤクザが取り扱いを嫌うヤクとしての薬を混同させ、様々な人の思惑を絡ませる内容は少々複雑ですが、これだけのストーリーを1巻にまとめたのは素晴らしいです。
    Ωという立場の形勢逆転も見事で、ミステリアスな展開から徐々に本質が見えていく過程はとても面白かったです。恋愛要素は少なめでしたが、ヤクザの男臭さといい相性だったと思います。
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  • 2075

    三月えみ

    AIに愛は生まれるのか
    ネタバレ
    2025年6月17日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 「2055」シリーズ、第3作目。「2072」の事件から3年後の世界を描いたお話。
    三月先生のこのシリーズ、短編とは思えない程、深くて考えさせられる作品です。今回はリールー型のAIと、それに管理されるミカのお話です。
    トートは旧型のAIで、人の形でもなく、言葉を発することもありません。長年の使用で故障だらけ、ミカの世話を毎日必死に焼いていますが、何一つ上手く出来ていません。それでも、ミカに対する溢れんばかりの愛情がきちんと伝わってくるし、表情豊かにすら感じます。そして、そんなリールー型AIを大切にし、故障を個性だと言い切るミカにも愛情を感じました。
    トートがついに人型のニューオーダーに代えられそうになると脱走して反発するミカ。二人の絆に涙が出ました。ニューオーダーにとっての雑音と呼ばれるものの中に、人間らしい愛情が垣間見えたのを希望と呼ぶことにこそ、未来の希望が見えた気がしました。
    とにかく、最初の喜怒哀楽が伝わってくるくらい可愛いリールー型トートが好きです。そして、何度読んでも胸が熱くなる最高の作品です。
  • どうしようもないけれど

    夏目イサク

    また二人が見られて嬉しい
    ネタバレ
    2025年6月17日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 「どうしようもないけれど」の二人の番外編。
    大好きな二人の続編のような番外編が再び読めるとは思わず、すごく嬉しかったです。島野と黒川の二人らしいやりとりが嬉しい反面、もっとイチャイチャが見たかったです。とはいえ、こんな風に続きが見られることに感謝です。
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  • ゴミ屋敷の鎌倉さん【単行本版】

    あるくジョー

    部屋の乱れは心の疲れ
    ネタバレ
    2025年6月17日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 仕事で心が疲弊し、家がゴミ屋敷になってしまった男が、同じアパートの階下の住人と一緒に部屋を片付けるうちに、少しずつ元気を取り戻していくお話。
    きちんとしていた人が家をゴミ屋敷にしてしまうのは、片付ける気力すら湧かないという心の疲れです。鎌倉さんが心の限界を迎えてしまったことが過去の様子から伝わります。そして、それを偶然見つけ、一緒に片付けることを提案した荒井くん。彼は、弟への後悔と懺悔の気持ちの一環として同じ状況の鎌倉さんを助けることで、自らを省みようとします。
    このお話を読んで思ったのは、鎌倉さんも荒井くんも、ある意味他人同士だったからこそお互いに助け合えたのではないかということ。ゴミ屋敷にする前のちゃんとした鎌倉さんを荒井くんは知らないからこそ、鎌倉さんも肩肘張らずに向き合えたし、荒井くんも引きこもっていたのが身近な家族ではなく、他人の鎌倉さんだからこそ気遣いながら片付けを手伝えた。ある種の距離感が、二人にはちょうど良かったのかなと思いました。
    エロいおもちゃを見つけたことで意識するようになりますが、とにかく二人が部屋を片付けるように心も整理していく様子が何だかスッキリする展開で、心惹かれるのも納得でした。幸せそうな二人にホッとする作品です。
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  • 君が寝ている間に…

    岡崎真弌

    お値段以上
    ネタバレ
    2025年6月17日
    このレビューはネタバレを含みます▼ ガラの悪い高校の寮のルームメイト同士が、寝ている間に一線を越えることで互いの想いを伝え合うお話。
    ガチムチの絵だけでなく、不良が殴り合う、強さが持ち味の内容が青年漫画のようですが、ちゃんとしたBLです。むしろ、前後編の短編で、男くささやヤンキーくささをこれでもかと盛り込みつつ、えちへ流れ込むストーリーは秀逸。しかも、書き込み具合が緻密で、まるで大人版のような内容なのに、一冊100円の安さがすごい。表紙の絵を見ているだけで眼福でした。
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  • まやかしの愛でみたしてよ【特典ペーパー/電子限定描き下ろし付き】

    鳥生莉世

    まやかしでは本物の愛は得られない
    ネタバレ
    2025年6月10日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 大学デビューした男がマッチングアプリで出会った男と大学のゼミで再会し、お互いの素の部分を知って恋人になるお話。
    元々自分に自信のない真尋。大学デビューしたものの、それはあくまでも偽りの姿で、実際の中身は卑屈で陰キャです。過去のツライ経験から変わろうとした努力は認めますが、柊に対してのホテルでの発言だったり、地味なゼミ仲間に対して偏見を持ったりと、こじらせ感が酷いです。イケメンや陽キャに対する劣等感は仕方ないにしても、自分がされて嫌だったことを同じように他人にしてしまう最初のイメージが残念でした。
    その後、柊と一緒にいることで少しずつ自己肯定感が高まり、こじらせていた感情が素直になれない照れに変わって、可愛さモード全開に。イケメンだけどスレてない柊との出会いで、真尋が幸せになったのは良かったと思いました。
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  • あいのかさぶた

    綴屋めぐる

    幼馴染み両片想い、王道系
    ネタバレ
    2025年6月10日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 家庭環境が複雑な男とそれを見守る優しい男。小学生からの幼馴染み二人が、自然と側にいるようになり、特別な感情を抱くようになるお話。
    幼馴染みの両片想いというまさに王道のBL。家庭環境が複雑な尚人をいつでも側で見守る創。ケガをさせ、一時期は疎遠になろうとした時も、いつものように側にいてくれた。そんな創の優しさに、尚人はいつの間にか創の隣が一番安心する場所になる。大事な相手だからこそ、今までの関係を壊さないように慎重になりつつも、お互いの想いが溢れてくる様子が可愛いです。
    尚人の母に対しては、なぜ暴力を振るう夫の元に子供を残していったのかと怒りがこみ上げました。その上で、優しい男と再婚し、可愛い連れ子のママになろうとすることを報告してくるなんて、と複雑な気持ちになりました。そんな母に対しても優しく接してあげられる尚人の優しさが痛かったです。けれど、母に対して優しく出来たのは、創が側にいてくれたから。二人で幸せになって欲しいと心から願いました。
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  • 裏切りは果てるまでお前を責める

    尚騎ユウ

    二転三転どころか、七転八倒
    ネタバレ
    2025年6月10日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 山の中で一人で倒れていた男は目が覚めると記憶がなくなっていた。助けてもらった少女とその祖父と過ごすうちに、真実と過去の記憶に近づいていくお話。
    話の展開がとにかく面白いです。コウと同じように全く何も分からないところから話が始まり、過去の記憶のフラッシュバックで何やら不穏な展開を想像させ、近づいてくる過去の知り合いは怪しさ満点。コウは何者で、何を考え、何をしたのか。真実に近づく程、様々な人物の思惑が混入し真相が掴めなくなっていく展開はサスペンスとして非常に良くできています。
    最後は少々詰め込みすぎな展開でしたが、そう感じるのも無理はありません。裏切りに次ぐ裏切りの連続でやっと一段落と思ったところで、ようやくコウの本心が語られ始めます。それは、誰の味方でもない彼の孤独な闘いでした。そして、それを一番理解したのは、彼が一番憎んできた茜の娘、安ちゃんでした。結局、子供の純真な気持ちを利用してきた大人たちに対する子供の復讐劇だったのでしょうか。サスペンスのお話の最後で感じるのが安堵ではなく、切なさであるのが胸が痛かったです。
  • 古道具 伊織屋

    りんこ/三原しらゆき

    2巻で終わりはもったいない
    ネタバレ
    2025年6月10日
    このレビューはネタバレを含みます▼ この世とあの世の狭間に位置する世界で、唯一神の手が及ばない場所として存在する古道具伊織屋で繰り広げられる不思議なお話。
    とにかく、設定が面白いです。狭間の世界で神の手が届かない唯一の治外法権の場所、古道具伊織屋。世界観と設定はこの上なく上手く作られていて、伊織屋が唯一の治外法権である謎や、店主伊織の謎が好奇心を煽ってきます。
    第一話の紫龍の話はとても良くできていて、キャラの設定も神に仕える神官とのやりとりもとてもテンポ良く、今後を期待させるものでした。ただ、その後、「九尾の狐と子連れの坊主」シリーズの円仁ちゃんが出てきてからはミステリアスな雰囲気が一変。円仁ちゃんは可愛いのですが、そのシリーズのスピンオフのようになってしまったのが残念でした。せっかくの独特の世界観と作り込まれた設定、ミステリアスかつシリアスなストーリー展開は、別作品として十分面白かっただけに、そのまま続けて欲しかったです。
    結局、様々な謎も明かされることなく終わってしまったのが本当にもったいないです。ぜひ続きを描いてもらいたいし、最初の雰囲気のストーリー展開でお願いしたいです。
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  • デスパレート ラヴァー(分冊版)

    左藤さなゆき

    これはどちらも選べないのが分かる
    ネタバレ
    2025年6月7日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 施設育ちの男が、ヤクザの二人から告白され、どちらも選べないものの3人で何とか上手くやるお話。
    幼い時に猫の世話を一緒にして仲良くなった桐と、高校の同級生で犬の世話を一緒にして仲良くなった涼青。二人ともヤクザでありながら、梛への隠しきれない想いを抱き、遠慮なく奪い合う姿は怖いながらも真剣な気持ちが伝わってきます。ヤクザだから皆に恐れられ孤独だった二人にとって、何の偏見もなく仲良くしてくれた梛は特別な存在。タイプの違う二人が梛にだけ優しい顔をして甘くなるのが素敵でした。
    二人のどちらかを選ぶことも、選ばずに離れることも出来ない展開。最終的にえちも3人でとなり、梛も二人を選ばない選択をします。将来的には不可能だろうけど、今の一瞬でも梛が幸せな日々を送れるならとりあえずはこんな結末もアリかなと思いました。
  • お前に相談するんじゃなかった

    ピロ子

    王道DKモノ
    ネタバレ
    2025年6月7日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 彼女とえちが出来ない男子高校生が、幼馴染みの男とえちの練習をするうちに特別な感情を抱くお話。
    彼女が出来て青春真っ只中の隆良が、えちが上手くいかず幼馴染みの朔に相談。練習しようとなり、えちなことをするうちに徐々に意識していく王道DKモノです。お話自体は特に目新しい点はありませんが、最初に出てくる隆良の彼女がスゴイです。えちが失敗続きでも、抱かれたい派だと告白しても理解して受け入れようとしている懐の広さに脱帽。別れても嫌がらせしたりしない気持ちのいい人で、そちらの方が印象的でした。
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