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レビュー

今月(11月1日~11月30日)

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シーモア島
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投稿レビュー
  • SEX PISTOLS

    寿たらこ

    唯一無二の設定が面白い
    ネタバレ
    2025年11月17日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 突然「斑類」に目覚めてしまった普通の高校生が、野獣と言われる先輩に目をつけられ、どんどん深淵にハマっていくお話。
    昔からあるこの作品が今でも多くの人に好まれる理由が分かる、唯一無二の設定が面白いです。オメガバースやドムサブに負けないセクピスの世界観。ヒトには「人類」と「斑類」がいて、斑類にも種類があり、ヒエラルキーがある。そんな設定と個々のキャラの性格が上手く溶け合って、ハチャメチャでドタバタな展開も楽しめるストーリーになっています。
    ただ、ノリ夫と国政の話から周囲の人たちの話へと次々と広がっていき、過去の話まで入ってくる風呂敷の広げ方には少々疑問が残りました。作者様にははじめから想定していたお話かもしれませんが、人魚が出てきた辺りから世界観が広がりすぎて、壮大になりすぎてしまったように感じます。ようやくノリ夫と国政に話が戻ってきたかと思ったら、想定外の初エッチとノリ夫の恋心はゼロに。振り出しに戻ったような気分で、全然進んでない二人にヤキモキしてしまいました。せっかくの唯一無二の設定、もっと純粋に楽しみたいです。
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  • 酒と涙と男とニャンコ

    小野ユーレイ

    渋い男たちとニャンコの戯れ
    ネタバレ
    2025年11月14日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 猫ロスから立ち直れない「葬儀屋」と呼ばれる殺し屋と、突如転がり込んできた頬に傷のある男。ハードボイルドな男たちと猫が贈るハートフルなお話。
    小野浜こわし先生の別名義作品、BL要素はないですが、渋いイケオジばかりが登場するお話です。殺し屋と訳アリの元刑事が、猫好きが集まるバーで偶然出会ったところからお話が始まります。
    ストーリー展開はミステリー調で、少しずつ内容が明らかになっていくシリアスなものですが、そこに猫と周りのサブキャラたちがいい味を出して参加してくるので、ギャグ調で進んでいきます。そのため、最後はだいぶハードですが重くなりすぎず、読後感はニャンコを愛する男たちの悲哀と一途なニャンコ愛が印象に残り、嫌な感じはありません。
    イケオジな男が猫にメロメロになる姿が可愛くて、こんな男たちにも癒しは必要だよなと思わせてくれる作品でした。
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  • シティ・ライツ・バースデイ【電子限定描き下ろし付き】

    本郷地下

    世界にオメガバース設定が本当にあったら
    ネタバレ
    2025年11月12日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 幼少期に出会った運命の番を捜すΩの男と、そのΩの役に立ちたいと、一緒に捜すことを提案したβの男。運命を否定しない二人の運命ではない本物の恋のお話。
    今までオメガバースを色々と読んできましたが、一番私たちの世界に近い世界線が描かれていると思いました。偏見や差別が強く描かれることもなく、発情に左右されすぎることもない。その他の部分を普通の世界に溶け込ませ、強烈な性設定を排除したからこそ、運命だけが色濃く残り、特別なものとして印象づける。そして、その運命にまっすぐに向かうからこそ生まれる、運命ではない感情。運命と現実の狭間で起こる切ない想いが悲しくて優しい。感情が揺さぶられ、考えさせられるお話でした。
    運命の相手に会いたいという希望を頼りに生きてきたまほろ。それは蓮も同じで、二人にとって運命は生きる糧だった。だけど、生きていく過程で得たかけがえのないものを大切にしよう、そんな選択ももちろんあるんだという当たり前のことに気付かせてくれる温かいストーリーが胸に響きました。
    そして、この作品の素晴らしさをあとがきで作者様自らが簡潔にまとめられていて、その言葉選びがまたとても素敵でした。今まで読んだどのオメガバースよりも全てが現実的な作品だと思います。
  • 恋する暴君

    高永ひなこ

    3歩進んで2歩下がる
    ネタバレ
    2025年11月12日
    このレビューはネタバレを含みます▼ ホモが大嫌いで凶悪強暴な先輩に4年も片想いを続ける大学生が、千載一遇のチャンスを利用して先輩と一線を越えたことをきっかけに恋人になろうと努力するお話。
    何かの続きものなのかなと思わせるストーリーの始まりでビックリしましたが、「チャレンジャーズ」という先輩の弟が主人公だったお話が先にあるようです。なので、森永の長い片想いの始まりは不明でしたが、距離を少しずつ縮めようとする過程が描かれています。
    猪突猛進な森永と、暴力と暴言で真っ向拒否の先輩。こんなに拒絶を公言している人は初めてでした。ただ、拒絶はしているものの、森永という人の能力や真面目さ、人としての良さにはちゃんと向き合い、恋愛とは切り離して人付き合いをする先輩の優しさに、彼の真っ直ぐな人柄を感じました。とはいえ、ちょっと近づいたかと思えば、その倍以上の残酷さで反発があるので、森永も良くめげないなぁと呆れるくらいでした。
    それでも寄り添って歩もうとする二人の姿には、愛と互いへの深い思いやりが感じられました。恥ずかしがり屋で天の邪鬼な先輩が、大嫌いだと拒絶する男同士の関係に思い悩みながらも受け入れることへの勇気や、公私ともに先輩に尽くし、先輩の気持ちを取りこぼすことのないようにいつも想像し、絶対的な愛で側にいる森永の一途すぎる想い。本当に少しずつですが、変わっていく関係性にハラハラドキドキさせられました。我慢強さと根負け具合、その絶妙なバランスに多くの人が魅了されると思います。いつかは、先輩の口から「好きだ」と言う言葉が聞ける日を、森永と共にのんびり待ちたいと思います。
  • 恋知らずの神様に捧ぐ 番外編 Night Wear Challenge!

    滝端

    何だこの可愛すぎる生き物は!!
    ネタバレ
    2025年11月7日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 「恋知らずの神様に捧ぐ」の同人誌番外編、彼パジャマに緊張する佐後と、その姿に静かに興奮する浮津のお話。
    とにかく佐後が可愛すぎます。神様と崇める浮津とのイチャイチャに慣れず、全てにおいてメロメロになる姿。そしてその姿に可愛いがダダ漏れているのに全く気付いていない鈍感な佐後。それを「何だこの可愛い生き物は…」という愛しい目で見る浮津。どこを読んでも幸せが溢れていて、読んでいるこっちが恥ずかしくなるくらいのラブラブっぷりが描かれていました。ページ数が多くなくても、こんなにも幸せで満足した気持ちになれるんだなと改めて実感しました。もっともっと二人の幸せな姿がみたいです。待ってます!
  • わが美しきヴィクター【単行本版(電子限定描き下ろし付)】

    鹿島こたる

    これぞ耽美絵
    ネタバレ
    2025年11月7日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 財閥の御曹司が暇つぶしに闘技場にいた野蛮な獣のような男を買い取り、理想の人間に調教できるかの賭けをする。そんなゲームのような日々から、互いに焦がれる相手になるまでを描いたお話。
    これぞまさに耽美BLとでも言うのでしょうか。まつげバサバサで、ギリシャ彫刻のような身体、上流階級の優雅さを表した日々の中で、エロティックに交わるブラッドとヴィクター。ストーリーは少々ありきたりですが、ブラッドの振り切ったワガママぶりと、ヴィクターの妄信的な想いが熱く交錯して、甘美で激しいえちの数々として描かれています。そのえちの美しさと、力のこもった数ページにも及ぶ愛の営みが本当にエロくて、読み終わる頃には世界観にどっぷりと浸かっていました。ワガママブラッドの顔が優しくなったところに、彼の愛が見えたかなと思います。
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  • 僕と魔女についての備忘録

    三つ葉優雨

    坊の成長備忘録
    ネタバレ
    2025年11月7日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 幼い頃、森で魔女に拾われた男の子が、「備忘録」として魔女と過ごす愛おしい日々を綴った成長記録を描いたお話。
    可愛くて雰囲気のある絵とストーリーがとてもマッチしていて素敵でした。冒頭の流れから、坊がいつか先に死んでしまうのは分かっていましたが、そこに至るまでの思いがけない僕の過去に驚きました。そんなに深い話になるとは思わなかったので、展開としては意外性があると思います。
    最後は涙なしでは読めないお話になりますが、何と言ってもこの作品の良さは坊が小さい頃から結ばれるくらいまでの若年期にあります。小さい頃はとにかく可愛い坊。しっかり者で優しくて冷静なところも素敵ですが、やっぱり一番は紳士なところでしょうか。坊の精神的な大人っぽさが紳士的な姿で見事に表現されていました。可愛くてカッコよくて一途な坊。そんな坊を見てるだけでとても幸せな気持ちになれました。幼少期の坊と魔女さんと蛍の3人の姿をいつまでも見ていたかったです。
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  • The Movie

    中田アキラ

    それぞれの好きポイントの違い
    ネタバレ
    2025年11月5日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 「リフレイン」のその後の二人を描いた短編です。
    本編よりもだいぶ距離感が近くなり、恋人同士の雰囲気が漂っていて、とても良かったです。
    内容的には、えちのムービーなんて喧嘩の一端になりそうなものですが、朝日は意外な反応を示します。優は普段と違うエロエロな朝日の姿が好きだし、朝日は最中の優の声が好き。とても興味深い性癖だなと思いました。
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  • リフレイン

    中田アキラ

    運命のいたずら
    ネタバレ
    2025年11月5日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 財布を落として困っていたところを助けた年下の大学生が、かつて好きだった相手の弟だと知って戸惑うものの、互いに惹かれ合い恋に落ちるお話。
    こういうのを運命のいたずらとでも言うのでしょうか。かつて好きだった人の弟と偶然知り合い、何故か懐かれ親しくなってしまう。出会ったことが奇跡的なものですが、朝日は早々に気付きながらも仲良くなっていくのには複雑な思いがあっただろうなと感じました。優の方も、偶然出会った人との恋の予感は普通なら楽しめるものなのに、また兄に負けてしまうのかと、ツライ思いを抱えてしまうのが切ない展開でした。
    知ってしまった現実はとても苦しいものでしたが、彼らの未来が明るいことに救われました。過去は複雑であっても、皆が好きな人と結ばれたのだから、きっと幸せになれるだろうと思います。
    兄弟はあまり似ていませんが、恋愛に対してフラットな考え方を持っていたり、好きなタイプが同じだったり、やっぱり血は争えないなぁと感じてしまいました。
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  • 落花と破鏡の

    里つばめ

    それぞれに抱えるものは暗くても
    ネタバレ
    2025年11月4日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 仕事で体調を崩した男が友人の勧めをきっかけに長年離れていた地元に戻り、そこで幼馴染みの男と再会することから再燃する恋と人生のお話。
    「GAPS」などスタイリッシュな大人たちのテンポのいいお話が印象深い里先生。こちらの作品はイメージが180°変わるしっとりとしたお話です。
    自分の不注意で姉が死んでしまったことに負い目を抱える真智と自分を捨てた母親からお金をせびられることに苦しむ然。まさに、「落下枝に帰らず破鏡再び照らさず」の二人。死んだ人は生き返らないそのツラさと、一度壊れた関係は二度と戻らないことに藻掻く二人の姿が見事に表現されていました。
    幸せになっていいのかと悩み、幸せから目を背けていた二人が、再会し、互いの想いを自然と受け入れるようになり、ようやく前を向けるようになって安心しました。相手を幸せにしたいという目標が二人を幸せに向かわせてくれると思うと、恋愛する気持ちのパワーは計り知れないなと思います。多くを語る二人ではないですが、想い合う気持ちがじんわりと伝わってきました。
    もしわがままを言えるならば、二人の学生時代が見てみたいです。当時の二人の想いや距離感など垣間見れたら、この数年後に二人がくっついた話の解像度が上がる気がします。
  • 東京似非紳士倶楽部

    里つばめ

    今後に期待
    ネタバレ
    2025年11月2日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 名家の御曹司たちが集う会員制の紳士倶楽部を舞台にしたお話。
    大好きな里つばめ先生の作品、相変わらずイケメン揃いでした。ただ、いつものようなストーリー性はあまりない作品で、お金持ちの御曹司たちの道楽をただ眺めているような感覚だったのが残念です。登場人物も多すぎて、誰がどんな人なのか、どんな関係性なのかを把握する前に物語が終わってしまった気がします。もはや、本編は別にあり、長い描き下ろし作品を見ているかのようでした。
    せっかくのイケメン勢揃い、一つ一つのCPにもっとスポットを当てた短編集だったら、関係性も見えて面白いかなと思います。今後、彼ら全員が幸せになるまでを見届けられるよう続編を描いてほしいです。
  • 誰か夢だと言ってくれ

    みっしぇる

    ファンタジーな夢物語を少女漫画路線で
    ネタバレ
    2025年11月1日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 低身長がコンプレックスの高校生が、高身長イケメンに可愛いと言われムカついていた矢先、夢の中でそのイケメンに抱きしめられるような不思議な感覚を持つようになり、恋に発展するお話。
    ファンタジーな少女漫画に近いBL作品です。眠るとぬいぐるみの中に意識が入ってしまうという不思議なストーリーを中心にした高校生CPのほのぼのとした日常が描かれています。男同士ということや摩訶不思議な体験については深く触れられず、少女漫画的なノリでお話が展開されます。途中で兄CPの話が中心になったり、父の少々暗い過去も出てきますが、基本的には明るく軽く読めるので、BL初心者さんには読みやすい作品だと思いました。
    ただ、ファンタジーな部分は深掘りされず、そういう展開を楽しめるノリがないと面白さを味わうのは難しいと思います。BL読者様はリアルを求める傾向が強いので、少女漫画が好きな方の方がハマるかも。ファンタジーもエロも好きな方にはオススメです。
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  • 大好きな妻だった

    武田登竜門

    こんな別れは嫌だ
    ネタバレ
    2025年10月31日
    このレビューはネタバレを含みます▼ いつも仲の良かった夫婦に訪れた妻の病気。残された命の時間を過ごす夫婦のそれぞれの想いを描いたお話。
    レビュー件数も多く、評価も高いこの作品。短編で高い評価を受けることはとても難しいので、ずっと気になっていました。読んだ感想としては、賛否両論あるだろうなというのが率直な思いでした。
    色々な考え方はあると思いますが、私が昴ならこんな風にして欲しくなかったと思いました。真実を知らないまま千香が亡くなったら、確かにその一瞬はホッとしてしまうでしょう。でも、時間が経てば経つほど、後悔する気がします。大好きだった人との楽しい思い出すらツラく、彼女を好きになったことまでもを悔いて、幸せな最期を迎えてやれなかった自分を責めて、いつまでも前に進めないのではとすら思います。大切な人を失うことは確かに辛いことです。でも、その人との別れが予想より早く来てしまっても、楽しい思い出、素敵な思い出がたくさんあればあるほど、前を向いた時に強くなれる気がするのです。良い昇華は嫌な思い出よりもいい思い出の方がしやすいのではと思います。
    最後に千香の本音を知ることが出来て、二人がちゃんと向き合えたのは良かったですが、千香の行動には賛同できません。昴のことを本当に思いやるなら、最後までいつもの千香で一生懸命生きる姿を見せ、一緒に闘って欲しかったです。
  • SV、恋の進捗について。

    中田アキラ

    優柔不断は優しさか逃げか
    ネタバレ
    2025年10月29日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 「店長、恋です。」のスピンオフ、米村と安藤のその後が描かれたお話です。
    前作から、関係性をはっきりさせないまま付かず離れずの米村にずっとモヤモヤしていました。西山の時も、安藤の時も、今作登場の三津原の時も、いつも世話を焼くだけ焼いて、自分の気持ちに鈍感なフリをしたり、自分の気持ちをはっきりと告げない米村の姿勢は、本気で向かってきている安藤には腹立たしくてしょうがないのが痛いくらい分かります。好きだと言ったり恋人同士になることに極端に臆病で、優柔不断に振る舞うことを歳のせいにする米村にズルさを感じたくらいです。確かに最後は大人の責任になりますが、責任逃れをするような姿ばかりを見せて、自分で追うことを諦めてはダメでしょう!?、と私も米村を叱りたくなりました。今作でやっと一歩前進しましたが、安藤の成長の方が目立ちました。もっと大事なことは言葉にして相手に伝えて欲しいです。そうじゃないと、いつか安藤に捨てられてしまうのではと心配になるくらい、米村は困ったさんだなと思いました。イラッとはするけど、あれこれ口を出したくなるようなキャラ作りはある意味とても魅力的。作者様の作り込みに感心しました。
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  • 店長、恋です。

    中田アキラ

    こんなコンビニ近くに欲しい
    ネタバレ
    2025年10月29日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 新米コンビニ店長が古株バイトに手を焼いていたが、共に行動するようになって急接近した二人の関係性が変わっていくお話。
    コンビニ店員の恋が3CP入っています。最初の西山と東野の話が面白く、もっと二人のラブラブが見たかったです。2つ目はSVの米村のお話。最初の東野×西山の時は当て馬だった米村が新人バイトの安藤とイイ感じになるというもの。1つ目の登場も含め、全体的に米村率が高い一冊でした。作者様のお気に入りキャラなんでしょうか。私は東野×西山CPが好きだったので、読めば読むほど印象が薄くなっていくのが残念でした。もっと西山を掘り下げて欲しかったです。
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  • レディ&オールドマン

    オノ・ナツメ

    兄弟喧嘩の行く末
    ネタバレ
    2025年10月28日
    このレビューはネタバレを含みます▼ ロサンゼルス郊外のダイナーの娘が、100年の刑を終えて出所したという男と出会ったことから始まる摩訶不思議なオカルトと様々な人たちに出会うお話。
    ストーリーが面白いと評判のオノ・ナツメ先生。オールドアメリカンな舞台と謎が謎を呼ぶストーリー展開が、絵の雰囲気ととてもマッチしていて良かったです。内容的には登場人物がやや多く、警察だけでなく、裏の組織や政治家なども絡む複雑なもので、人物相関図が欲しくなるような展開でした。また、シンプルなイラストが素敵ですが、人物が似たりよったりになり、見分けるのが少々難しかったです。
    不死ではないが不老のロブとその弟のラス。最終的には彼らの兄弟喧嘩を謎の不老集団がごちゃごちゃにしたことが一連のきっかけでした。まさに世紀を股にかける無言の兄弟喧嘩。その答えにたどり着くまでの長いやり取りにそれぞれの人生が詰まっていて面白かったです。
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  • クソアンチ・ラブデストロイ 【電子限定特典付き】[デジタル修正・コミックス版]

    さきしたせんむ

    クソアンチシリーズは面白かった
    ネタバレ
    2025年10月20日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 粘着気質の過激なアンチファンとイケメン作家のエッチでひねくれた愛のお話。その他、短編集です。
    とってもエロくてとっても過激な一冊とのことで興味が湧いて購入しました。最初に入っているクソアンチシリーズはぶっ飛んでるのに、お互いの愛情を感じられる変態さが最高でした。浩平はアンチだと言いながら、好きがダダ漏れで、だけど最強に口が悪くていつも罵詈雑言ばかり。それを簡単に丸め込む氷室には懐の深ささえ感じました。一冊全部このシリーズで読みたかったです。その他の短編はえちの為の短編でストーリー要素はほぼないのが残念。それでもクソアンチの二人が読めたので楽しかったです。
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  • Perfect Crime

    梨里緒/月島綾

    完全犯罪というには軽すぎる
    ネタバレ
    2025年10月19日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 社内の上司と7年も不倫を続けている住宅メーカーのプランナーが、香港から異動してきたデザイナーに不倫を見抜かれ、やめるように言われ続けるうちに、その男に恋に落ちるお話。
    全巻無料キャンペーンで最後まで読みましたが、とにかく恋愛まみれの会社で嫌だなと思いました。香織と遥斗、冬木と沙織の四角関係だけならまだしも、周りにいる人全てが恋愛感情ありきの思惑で行動していて、自分の知らないところで様々な人が繋がっていて情報がダダ漏れなのが恐いと思います。香織と冬木の不倫も、本人たちは隠し通していたつもりのようですが、周りの人皆が気付いていたかと思うと恥ずかしいです。
    ただ、7年も不倫を続けていたのに、遥斗の横やりであっさりと別れたことに尻軽感を感じた人も多いようですが、それについては私は納得感もありました。7年も不毛な恋愛を続けていると、鬱屈としてくる想いもあるだろうし、私はこれで幸せなんだと意地のように思い込みたくなるのだと思います。そして、やめるように進言してくれる人もいない中で、強引な手法ではありますが、やめるきっかけを与えてくれた遥斗の存在がある程度大きくなるのは必然だと感じました。
    とはいえ、いい大人が恋愛に振り回されすぎているのは残念。登場人物全員が恋愛脳なので疲れてしまいます。完全犯罪というよりは恋の罠くらいが妥当かなと思いました。
  • おしどり縁結び商会へようこそ

    阿部あかね

    縁結び商会としての仕事は少なめ
    ネタバレ
    2025年10月18日
    このレビューはネタバレを含みます▼ ゲイのカップルが営むゲイ専門の恋活相談所での様々な出会いを描いたお話。
    上巻は主に縁結び商会で出会った人々が幸せを掴むお話、下巻は縁結び商会で働く豪と宇楽の出会いを描いたお話がメインです。ストーリー自体は面白いし、人と人との奇妙な縁の繋がりを感じられて良かったです。
    ただ気になる点もありました。まず、『マッチング率120%』を謳う理由や根拠がなく、縁結びのお仕事自体はあまり描かれていないこと。その仕事ぶりや、人を見抜く力など秘密があるのかなと思っていたのですが、特にそういった要素はなく、偶然の出会いが上手くいったように感じられました。そして、下巻は主に島田、豪、宇楽の3人のお話であること。確かに豪と宇楽の馴れ初めは気になりましたが、思っていた以上にその話が長い。更には、島田の存在感が強すぎて、豪と宇楽のラブラブが希薄に感じられました。3Pシーンも多く、地雷の人は要注意です。縁結び商会を開いた経緯なども分からず、お話のテーマが中途半端になってしまったのが残念でした。面白いテーマだったので、たくさんのCPが成立するところが見たかったです。
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  • KING IS DEAD【単行本版】

    芽玖いろは

    3CP勢揃いのホスト祭り
    ネタバレ
    2025年10月17日
    このレビューはネタバレを含みます▼ ホストシリーズ4作目、邑のホスト引退までのお話と3CPのその後が描かれたお話。
    前作「ウルフハウンド」で消化不良だった邑のお話が読めると期待しましたが、描いてあるのは彼らの日常でした。邑と弥勒の関係性が確実なものになったのか、ちゃんと愛が生まれたのかを確認したかった思いが強かったので、何となく拍子抜けしてしまいました。しかも、オーナーになったはずなのに、何だかんだでお店に出ている邑。2号店を出すにしても、結局自分が表に出てしまっては引退したという話も霞んでしまうのではと思います。弥勒も経済学部だったのに弁護士になっていて、あちこちにお話の齟齬があったのが気になりました。
    邑のお話は疑問が残りましたが、赤と青のCPのその後はラブラブでとても良かったです。
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  • ウルフハウンド【単行本版】【シーモア限定特典付】

    芽玖いろは

    新宿No.1の男とその忠犬
    ネタバレ
    2025年10月17日
    このレビューはネタバレを含みます▼ ホストシリーズ3作目、「青くて苦い」に出てきた天王寺邑と黒服弥勒との忠実な主従関係から特別な存在になるまでのお話。
    ついにラスボス邑にたどり着いたホストシリーズ。「青くて苦い」より更に昔の、邑がホストNo.1に君臨していた時代のお話です。前作のミヤとのやりとりから、精神的にも性格的にも一番ねじれ曲がった人だと感じていた邑。母親に殺されかけた経験から、信じられるものがお金だけになってしまった悲しい過去がありました。過去の出来事は同情に値しますが、何よりも悲しいのは感情が死んでしまったこと。人を魅了したり、人に寄り添ったり出来るのに、そこには彼の温かい感情が存在していないのが切なかったです。
    そんな邑にとって、絶対の主従関係を誓う弥勒と一緒にいることは、やっと得られた安心感なのかもしれません。愛を怖がる邑に、忠実に付き従う弥勒。その構図への信頼感が特別を生んだのかなと思いました。
    とはいえ、ラスボス感ありありの邑のお話だっただけに、もっと彼の心が動いたところが見たかったです。何となくパートナーに昇格して終わりでは、ちょっと物足りなく感じてしまいました。また、最初に現在の弥勒を見かけたという描写があったので、最後は同じように現在の二人の様子が分かる描写が欲しかったです。
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  • 青くて苦い

    芽玖いろは

    名前をつけるなら「好き」と
    ネタバレ
    2025年10月15日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 「赤くて甘い」のスピンオフ、有朋が居候していた同僚のタマとミヤの二人の恋のお話。
    ホストシリーズ2作目ですが、スピンオフでは珍しくスピン元よりも過去のお話です。その為、スピン元を読んでいなくても全く問題なく読めるし、最終的に二人が仲良く暮らしているのが分かった上でのお話なので、仄暗いストーリーですが安心して読めます。
    前作の明るい雰囲気とは違い、タマとミヤが徐々にギスギスしていくのが苦しい展開です。ミヤの一途な好きが献身的だけど自虐的で、自分に向けられた好意ではないと誤解しているタマがイライラする気持ちが分かります。自分が立ち入れない過去を軸にして生きているミヤを見ていると、邑との間の深い絆を感じてしまうのは当然のこと。このモヤモヤでタマはミヤを一度は突き放しますが、本当のミヤの想いに気付いてからは再び必死に追いかけて心配してくれて、タマの優しさにジンとしました。結局、ミヤもタマも求めていたものは愛で、きちんと向き合える相手で良かったなと思います。
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  • 赤くて甘い

    芽玖いろは

    赤面症とホスト
    ネタバレ
    2025年10月15日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 自分の太客を逃すことになったホストが、その原因となる歯科医の顔を見に行くと、その男は赤面症だった。常に隠していた素顔が可愛かったことがきっかけで、特別な感情を抱くようになるお話。
    ホストシリーズ1作目、赤面症の歯科医野田とそれを治そうとするホストの有朋のお話です。医者とホストという組み合わせは珍しくありませんが、赤面症で縮こまる医者と、その赤面症を治そうと尽力するホストというチグハグな関係性が面白いです。二人がお互いを特別に思う過程がややあっさりとしていますが、自分の赤面症に苦言を呈すのではなく、きちんと向き合ってくれた有朋に対する野田の信頼や、ホストという職業故に自分の言動の信頼度が薄いことに思い悩む有朋の様子などからは、お互いを大切に想う気持ちが伝わってきました。気持ちが通じ合ってからのちょっとたくましくなった野田も良かったです。
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  • 闇金紳士のキケンな悪癖【単行本版/電子限定おまけ付き】

    さとう蜂子

    ドSな闇金社長は溺愛紳士
    ネタバレ
    2025年10月13日
    このレビューはネタバレを含みます▼ No.1売り専ボーイが元カレの借金の保証人になっていたことから、怪しげな闇金社長に目をつけられ、一緒に仕事をするうちに自然と惹かれていくお話。
    売り専ボーイ純也は、体を売っている割にあっけらかんとしていて明るい性格。闇金社長の恩田も限りなく裏の世界に近いところにはいるけど、ヤクザではなくカタギ。設定から考えると薄暗い雰囲気が漂いますが、意外にざっくばらんとしたお話です。
    ストーリーはあっさりとしていますが、キャラはとても作り込まれていて良かったです。特に恩田のカッコ良さ。俺様気質の中に優しさがあり、純也に対しての独占欲は愛情の表れで、熱のこもった目で見つめてくるえちは完全に恋人仕様。そんな恩田も、純也の天然な煽り発言に度々メロメロにされていて可愛かったです。
    ただ一つ、タイトルの「危険な悪癖」というのがイマイチどの部分を言っているのかが分からなかったのが残念。もっと溺愛や俺様など、内容に沿ったタイトルの方が分かりやすかったのではと思いました。
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  • 好きになったらダメですか?

    文川じみ

    甘酸っぱい青春ストーリー
    ネタバレ
    2025年10月12日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 明るく一途な男子高校生が真面目な数学教師に恋をし、毎日見つめているうちに先生もまたゲイであることに気付く。互いにゲイであるという秘密を共有するうちに二人の心の距離が縮まっていくお話。
    要の一途でピュアな恋心がとても丁寧に描かれています。見ていただけの恋が、秘密を共有することで一歩も二歩も近づき、色々な話をしたり、一緒に様々なことを経験して相手を知って更に好きになる。そんな過程の一つ一つが積み重なって恋になっていく。そして、その気持ちを大切に温めようとする甘酸っぱさはまさに高校生らしい青春の1ページだなと思いました。
    名取が先生として要の高校生らしい青春を守りたいと強く思う気持ちもものすごく分かります。先生と生徒だからこその慎重さがものすごく伝わると同時に、滲み出てしまう好きの欠片がとても切なくて、卒業まで待とうという選択に互いを大切に思う気持ちが伺えました。禁断の恋ではなく、世間のルールを守ってという真面目な姿勢がとにかく好印象だったと思います。
  • Knife【電子限定特典付き】

    千葉リョウコ

    刑事にとっての特別な相棒
    ネタバレ
    2025年10月11日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 何よりも事件捜査が好きな捜査一課の変人刑事と、半年前に所轄からやってきた新人刑事が、ある事件をきっかけに特別な関係になるお話。
    相棒となって半年の津積と佐久間。佐久間の過去に繋がる事件をきっかけに仕事の相棒だけでなく、身体関係も持つようになります。事件の入り組んだ作りや徐々に真相に近づく感じなどはとても面白く、かつ、仕事熱心な二人がえちに溺れる姿とのギャップが意外性があって良かったです。ただ、佐久間の豹変ぶりがPTSD由来というのがちょっと腑に落ちない感じはありました。
    2巻はリブートというように全く新しい事件を追うその後の二人。事件の作り込みは1巻に劣りますが、その分佐久間の恋する気持ちと津積の天の邪鬼な愛情表現が光りました。事件にはキレキレの津積も、自分の気持ちには鈍感なんだなと思いました。津積が好きだと自覚して、佐久間に告白するシーンが見たいです。続きがあるならぜひお願いします。
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  • 坂の上の魔法使い

    明治カナ子

    幸せな日常が訪れたその後
    ネタバレ
    2025年10月8日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 「坂の上の魔法使い」本編その後の後日譚です。
    総督になったラベルと顧問になったリーのその後の生活が描かれた外伝。人と魔法使いとの共存に注力するラベルの頭の良さが光り、相対するように、本編よりちょっと力が抜けて、自由気ままに過ごすリーのやりとりが面白いです。本編では暗く思い過去があっただけに、クスッと笑える部分もあるこのお話は安心して楽しめる一冊でした。ラベルの王族の目の使い方に、魔法使いの長もようやく一目置いてくれて、明るい未来が見えたと思います。楽しいシリーズでした。
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  • 坂の上の魔法使い

    明治カナ子

    ファンタジー世界の作り込みが素晴らしい
    ネタバレ
    2025年10月8日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 魔法使いが多く住む街の外れの山に住む魔法使いとその弟子。二人の過去の物語と、弟子の成長を綴ったお話。
    人との交流が苦手な大魔法使いリーとその弟子で幼いラベルの物語。とにかく、ファンタジーとして秀逸な作品です。異世界転生や令嬢系などの流行りでファンタジー的な作品は多くなっていますが、どれも設定は似たりよったり。それに比べると、この作者様の創ったファンタジー世界はまるで童話のように独創的で繊細で緻密。魔法使いを従える力のある王族の目や、魔法使いの脱皮、使役は入れ物であるなど、どれも特殊な設定ですが、斬新で面白いアイディアが詰まっていると感じました。この世界観にどっぷり浸れるだけで読む価値があると思います。
    そして、世界観が面白いだけでなく、リーとラベル、はたまたラベルの親の王様やリーの使役のリリドなど、多くの愛の形が存在し、それを一つずつ噛み締められるのが素晴らしいです。特にリーと王様の叶わぬ愛の形が、リーとラベルの不変であり唯一無二の愛に繋がるのかと思うと、変わるものと変わらぬものの良さを感じさせます。親子のようでありながら、主従関係にもあり、ラベルの成長と共に相棒のようになっていく、そんな二人の関係性がとにかく素敵でした。
    BLジャンルになっていますが、ほとんどそういう描写はありません。せっかくこれだけ素晴らしい作品なので、もっと多くの人の目にとまって、読んでほしいです。
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  • ロスタイムに餞を 特典小冊子

    ココミ

    二人をもれなく見たい方に
    ネタバレ
    2025年10月6日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 「ロスタイムに餞を」1巻発売時の書店特典ペーパーを収録したもの。
    尽と桐生の二人が大好きで書店ペーパーが気になる人向けです。ショート漫画は1つだけで、あとは1ページ漫画。中身も10ページちょっとしかなく、この内容では少し割高な値段設定かなと思いました。
    私的には、とらのあなさんのペーパーがお気に入りです。セリフはなく、二人の表情のみでその時の気持ちがギュンと伝わってきて切なさが滲み出ていたと思います。
  • 秘密ありきの僕たちですが

    櫻井ナナコ

    ヤクザ本来の狂気が見えてダークが増した
    ネタバレ
    2025年10月6日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 「お金ありきの関係ですが」のスピンオフ、2巻で登場した巡の恋のお話。
    前作では、見た目は完全にヤクザだけど恋人には溺愛スパダリタイプの牧と、訳アリ美人真が主人公。世界観はヤクザものだけど、牧がとにかく優しいのでダークさはあまりなかったですが、今作の主人公キャラ巡は前作登場時よりダーク感マシマシで、私的にはとても面白かったです。
    普段は優しく大人の雰囲気を纏う皆の人気者が、裏では睨みをきかせ、やりたい放題。その手法も強引で、凶暴さが一度顔を出すと抑えられない。牧とは違って、ヤクザの血筋たる狂気が常に見え隠れする巡の冷たい視線にゾクゾクしました。自分勝手な行動やワガママな考え方にはうーんと思うところもありましたが、ヤクザの息子としてチヤホヤされてきた気分屋の一面と若さをより表現してるのかなと思いました。
    そんな巡のお相手が、全方位いい子ちゃんで隙がありまくるゆるふわな倫太郎というのも面白い。世間知らずの甘チャンですが、前向きでとても芯の通った人。倫太郎と一緒にいる巡は、凶暴さは抑えられなくても、毒気が抜かれる気がしました。
    独占欲も強く、倫太郎のことを死ぬまで離す気もないくせに、いつも「俺との関係続けられそう?」と聞く巡の愛情。愛だけでなく覚悟も試されるこのセリフが、巡にとてもよく合っていて印象に残りました。
  • 寺野くんと熊崎くん 【電子限定特典付き】

    依子

    読み続けるといつの間にかハマる
    ネタバレ
    2025年10月3日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 校内の人気者な生徒会長と学校一の不良でコワモテな男、接点がなさそうな二人が恋人同士としてイチャイチャラブラブするお話。
    元々はショートエッセイとして始まったお話なので、恋人同士の二人のラブラブっぷりを楽しむショート漫画。その為、いきなり恋人同士の展開だったので、最初は何かの続編かなと思いました。読切として描かれたものなので、全体的なストーリー展開という意味では浅く、1巻は特に寺野と熊崎の日常短編集といった感じでした。
    でも読み続けると、二人の好きという気持ちが大きくなっていく様子や、恋人としての絆が深まっていく成長が感じ取れて、何だかこの先の二人ももっと見たいなと思わせてくれるようになっているから不思議です。それくらいふたりのラブラブっぷりに幸せの安心感があるのかなと思いました。寺野のようにあんなに毎回「かわいい」「好き」と言ってくれたら、喧嘩にもならないくらい幸せになれるよなと納得してしまいました。
    真面目だけどむっつりで、重たいくらいの愛情をアピールしまくる寺野と、元ヤンの割に大人しく、ウブで照れ屋な熊崎。キャラ作りの巧さが際立った作品だと思います。
  • アノマリーライフ

    日高ショーコ

    圧巻のストーリー
    ネタバレ
    2025年10月1日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 「未来を見る力」を持つ男と「過去を見る力」を持つ従兄弟同士が、10年越しに再会し、事件に巻き込まれながら、不思議な力で乗り越えるお話。
    とにかくストーリーが圧巻です。さすが日高ショーコ先生と言わんばかりの作品でした。オカルトやSF要素を混ぜながら、サスペンスとミステリーを掛け合わせて展開していく話は、難しいけれども、ページを捲る手が止められないくらい夢中になりました。
    パラレルワールド的な世界線Aと世界線Bの蛍と晶。時に交わり、ニアミスしながら進む物語は複雑ではありますが、読み応えがスゴイです。Aの蛍とBの晶の不思議な再会から、Bの晶がBの蛍に会えない現実。そして、Aの蛍の行動の意味は、Aの世界線で危ない目に遭うAの晶の過去を見たから。晶も蛍も、長年会わないというしこりがあったものの、お互いのために何かしようと行動を起こし、結局その思いが互いを助ける力になっていく。そこには二人の愛だけでなく、ひいじいちゃんの大きな愛もあって、物語はサスペンス的に展開していても、とても愛を感じられるお話に仕上がっていると思います。
    最終的に世界線Bで事件を未然に防ぎ、物語は無事に幕を閉じますが、ラストまで駆け抜けるようなスピード感は本当にあっぱれの一言。Aの二人は事件を乗り越えた絆と大人の色気を感じさせ、Bの二人はやっと素直になれた子供っぽさを感じさせる。そんな描き分けすら楽しめるその後もとても良かったです。BLというより、ブロマンスや家族愛に近いものでしたが、えちやエロなどいらないと思えるくらい素敵な作品でした。
  • 紅椿

    三田六十

    「鬼」とは一体何なのか
    ネタバレ
    2025年9月29日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 里から離れ山で一人で暮らす青年が、赤子の鬼を拾い、育て、様々な壁にぶつかりながら最後は共に過ごすまでを描いたお話。
    村八分にされた男と鬼の赤子が、成長していく中で心を通わせるストーリー。言葉が通じない鬼と人間の間に生まれる愛を描いたお話ですが、私は少し違った視点で物語を読んでいました。
    人とは異なる見た目を持った佐吉を村八分にする里の人々、里の離れに住まわせる代わりに母親を里の男たちの慰み者にした里の長。山奥には本物の鬼が住むといわれる場所で起こる人の心に棲む鬼に怖さを感じました。
    そんな中で心を通わせるアカと佐吉。肉食のアカを人の生き方に縛り付けてはいけないと離れる覚悟をしたり、佐吉の言葉を理解しようとじっと見つめたりするアカの視線は優しさの塊で、人と鬼、本来は生きる世界が違うけれど、種族が違えどもお互いを想う気持ちがあれば心を通わせられるのだなと感じました。
    本物の鬼は確かに怖いけれど、人の心に棲む無意識の鬼もとても怖く、それらと一線を画すように生きているアカと佐吉の二人の愛に生きる喜びが見て取れました。BL的な展開ではなくて、親子愛に近いものだったような気がします。
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  • おすわり、よくできました【単行本版】

    三栖よこ

    第二性を素直に受け入れられる強さ
    ネタバレ
    2025年9月28日
    このレビューはネタバレを含みます▼ ゲイバーで人気のサッカー選手と医師の男は恋愛スタンスの違いで喧嘩ばかりしていたが、酔っ払ったところを介抱したことをきっかけに、Dom/Subパートナーとして距離を縮めていくお話。
    最上と支倉は喧嘩ばかりの二人ですが、Dom/Subのお話としてはとても穏やかな雰囲気の作品です。コマンドという命令も緩く、キツイSMプレイのようなものもないので、そういうのが苦手な人にも手に取りやすいと思います。
    特に最上は第二性がSubだと発覚するまではバリタチだったこともあり、メンタル的にはタチ×タチなので、暗く悩む事がありません。これは最上自身の性格がとても前向きであるということが一番の要素だとは思いますが
    、Subであると分かっても落ち込むことなく、素直に受け入れ、対処していこうとする強さが読んでいて心地良かったです。
    1巻の当て馬である陽くんとのエピソードはちょっとモヤッとしましたが、2巻では全ての人を味方に巻き込む最上の強さに感服しました。
    Dom/Subでは見られないくらい、お互いの立場が対等であるとても平和な作品です。
  • オメガの婿取り

    黒井よだか

    オメガバースの悲壮感なくスカッとする
    ネタバレ
    2025年9月28日
    このレビューはネタバレを含みます▼ Ωの若頭が組長命令で別の組のαとお見合いをするが、ことごとく断り、付き人のαの男と結婚するお話。
    極道とオメガバースという一風変わった組み合わせの作品。目の付け所が面白いなと思いました。次期組長の義治はΩですが、バース性の立場や不利な状況を理解しているからこそ、強さでは負けないと、悲壮感すらぶっ飛ばす感じが最高でした。オメガバースの話でこんなにもスカッとする展開は初めてです。
    最終的に一番の理解者である真とくっつき、本人のみならず組員全員の願いが叶った幸せな結婚に。まさに「オメガの婿取り」。展開もタイトルもピッタリで納得のストーリーでした。
  • 金色蜂に蜜

    キタハラリイ

    仄暗い過去と金色の世界
    ネタバレ
    2025年9月28日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 色覚を失った男が資産家の男に拾われ、飼われ続けるうちに互いに心の距離が縮まり、特別な存在になっていくお話。
    この作品では所々に見られる対比がとても上手いです。寡黙な八岡と楽しそうにお喋りする顕史、貧乏な常識人と怪しい遊びに耽る資産家、仄暗い顕史の過去と八岡が見ている金色の世界。その対比の陰に見え隠れする彼らの本音や心情がとても切なく、苦しい展開が続きます。
    互いにぶつかり合いながら少しずつ孤独や寂しさを理解し合う二人。近づけば近づくほど、問題の火種が大きくなっていき、穏やかに過ごせなくなりますが、逆に二人の気持ちの絆が深まっていくのが目に見えて分かり、心に響きました。とても重くシリアスなストーリーですが、顕史の周りにいる人々の温かさや愛に最後は涙する素敵なお話でした。
    寡黙な朴念仁の八岡のまっすぐで嘘のないキャラクターも良かったですが、何と言っても顕史の可愛さが光りました。最初は冷徹な笑顔と大人びた冷静さに人間らしさがなかったですが、少しずつ表情に熱がこもり、照れたり、慌てたりと、子供のように素直になっていくのが良かったです。小さい頃からずっと仮面を被ってきたからこそ、素の顕史は子供のままで、本当はこんなにも可愛い人だったんだなと思えました。そして、ようやく素の自分でいられる幸せを手に入れられて、心からホッとしました。二人の出会いは不幸のどん底けら始まったものでしたが、こんなにも幸せな眩しい日々に辿り着けて本当に良かったです。
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  • 無口な年下カレシの本音はすごくエッチ~そんなオスの顔で私を見てたの?

    来岬未悠

    途中から路線が変わった?
    ネタバレ
    2025年9月28日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 心の声が聞こえる特殊な体質の持ち主である女が、後輩男子の素直すぎる好意にメロメロになるお話。
    最初は、鮫島の心の声が甘くエチエチな実況のようで、こんなに好き好きと言われたら嬉しいし、流されてしまうのも分かるなぁと2人のラブラブっぷりを楽しんでいました。ところが、途中からえちシーンは減り、特殊な体質の秘密や過去の話など複雑になり、TLらしさがなくなってしまったような気がしました。こういう展開なら少女マンガジャンルでもいいのではと思います。
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  • ももいろ あんずいろ さくらいろ

    伝わるものがない
    ネタバレ
    2025年9月27日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 男女4人の大学生が、互いの恋心をめぐって四角関係になるお話。
    シーモアコミックス1周年記念の全巻無料で35巻まで読了済み。無料という機会にドラマ化の作品ということで読んでみましたが、とても中身のないお話でした。大学生にしては自分勝手で幼稚な人たち、主人公の杏はあちこちフラフラして男同士の友情を引き裂き、すぐに身体の関係を持ってしまう尻軽さ。この内容でドラマ化して、何を伝えたいのかと考えてしまいました。この年代の恋と友情の複雑さを描くにしても、登場人物の思慮の浅さが気になってしまい、うーんと考え込んでしまう部分が多い作品でした。
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  • 兄弟失格それ上等

    中川カネ子

    背徳感なしの明るい兄弟モノ
    ネタバレ
    2025年9月26日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 飲み屋で初めて会った男と一夜を共にしてしまった大学生が、その男と義理の兄弟になり、一緒に暮らすお話。
    義兄弟の恋愛ともなると背徳感たっぷりの暗く重い話だと思いがちですが、このお話はそのイメージを根底から覆してくれる作品でした。酔った勢いで男との一夜を経験しても、気持ち良かったならまぁいっかという感じだし、義兄弟になっても、気まずさより面倒をみてあげる適当っぷり。クヨクヨしない風介と、執着系の芹の相性の良さが見ていて面白かったです。
    ただ、明るい分、内容はあっさり軽め。くっつくまでのゴタゴタも当て馬も全て最後はえちして解決という形なので、ストーリーとしては印象に残りにくいです。最後に問題があれこれ出てきても、勢いで全て解決という強引な展開ももったいなく感じましたが、ある意味カネ子先生らしさかなと思いました。えちは相変わらずどエロなので、そこは間違いなしでした。
  • 四人のにびいろ

    akabeko

    作者のあとがきで解像度が上がる
    ネタバレ
    2025年9月23日
    このレビューはネタバレを含みます▼ ヤクザ一家の異父兄弟が、主従関係や抗争に巻き込まれながら、お互いが唯一無二の存在になっていくお話。
    最初の方は、誠のハチャメチャっぷりや、そんな誠に文句も言わず付き従う相の考えが良く分からず、そこに極道ならではの難しい関係性が絡んできて、良く内容が分からなかったです。特に、何度も関わるなと言われているのに考えなしに突き進んでくる勇くんにはとてもイライラしました。
    しかし物語が進み、誠と相の歪ながらも濃い血の繋がりを理解していくと、急に解像度が上がっていきます。そして、その理解度を一気に上げるのが作者様のあとがきでした。「濃縮還元の近親相かん」だったり、「胎内回帰」だったりと、分かりやすい一言で物語を表現してくれたことで、なるほどとストンと全てを納得できた気がしました。
    相と誠、互いが互いを一番意識していて、それが一番のこだわりで愛だということを自覚した途端、急にラブラブ度が増したのも良かったです。イライラした勇くんも六の救済には必要な人材だったんだなと最後には納得できました。血の繋がりこそ最強だという相の思いに一番頷けた気がします。
  • 寅野探偵事務所へようこそ

    黒井よだか

    獣人と人間のハートフルストーリー
    ネタバレ
    2025年9月22日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 獣人と人間が共存する世界で、天涯孤独になった人間の男が、トラの獣人が開く探偵事務所で住み込みでやっかいになることから始まる種族を超えたハートフルなお話。
    獣人のジウと人間の快晴という設定はファンタジーですが、恋愛をしたり、家族愛という絆を深めていく内容はとても自然で心温まるものでした。獣人ではあるものの、ジウは誰よりも人間らしい心根の優しさを持っていて、その包容力の大きさを体格で表現しているように感じます。快晴は恋愛シーンではものすごくウブなのに、それ以外の場面では人一倍キレ散らかしてしまうとてもまっすぐな人。いつもジウに対して遠慮がちなのに、キレるとジウでも手が付けられない程なのが面白かったです。えちシーンもありますが、体格差などが気になり、エロ要素はあまり感じませんでしたが、とても愛情のあるものでした。家族愛にに重きをおいた作品です。
  • 島さん

    川野ようぶんどう

    コンビニバイトから人生の荒波を学ぶ
    ネタバレ
    2025年9月20日
    このレビューはネタバレを含みます▼ ベテランのコンビニ深夜アルバイトのおじいさんとそこで出会う様々な人たちとのふれあいを描いたお話。
    何やら訳アリのベテランコンビニアルバイトの島さんのコンビニでの働きぶりを通して、様々な人とのふれあいや生き方を考えさせられるストーリーです。島さんは決して強さがあるわけではなく、特別仕事が出来る人でもなく、ただ真面目に働く心優しい人です。理不尽な客に謝ったり、働く仲間に怒られたりしても、めげずにコツコツと働く姿には、生きる実感を感じました。当たり前に一生懸命な彼の働き方から、大切なものとは何かを感じ取れるストーリーがとても良かったです。コンビニあるあるなお話も満載で楽しく読めました。
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  • 先輩がうざい後輩の話

    しろまんた

    日常の一コマ
    ネタバレ
    2025年9月20日
    このレビューはネタバレを含みます▼ ちょっとガサツだけど面倒見のいい先輩と、子供のように小さい後輩が、微妙な距離感で親交を深めるお話。
    凸凹コンビの武田先輩と五十嵐。会社の先輩後輩として交流を深めるうちに相手が気になり始める。そんな2人の距離感にモダモダする日常が描かれています。一つ一つのお話はとても短いし独立したお話なので、サラッと読みやすいです。
    2人のモダモダは見ていて楽しいですが、ほとんど進展がないのが難点。13巻までというのは少々長かった気がします。せめて、半分くらいは恋人同士の2人でも良かったのではないでしょうか。武田先輩が恋人同士だとどんな風になるのかを見てみたかったです。
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  • 僕らは恋がヘタすぎる

    橘えいこ

    騒がしい日常ストーリー
    ネタバレ
    2025年9月20日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 親友と傷心旅行に行った時に偶然出会った男2人と、それぞれが恋に落ちるお話。
    旅行先で出会った花と成田、みずきと歩がそれぞれ恋に落ち、お付き合いをし、将来に向けて動き出すところを描いたお話です。2組の男女の恋模様を中心に描いていますが、とにかくガチャガチャと騒がしい印象です。最初はいきなりの親友の裏切りでドロドロ展開なのかと思いきや、案外普通の男女の恋愛のお話。その割には次々と問題が降りかかるし、新キャラが続々と投入され、一息つく暇もないくらいのハイスピードでお話の内容が勝手に進んでいく。大の大人がこんなにもプライベート中心に生活していくのは難しいのではと感じました。
    読み終わった後、内容が盛り沢山すぎて、伝えたかったことは一体何だったのだろうと考えてしまいました。恋愛なのか、友情なのか、家族なのか、仕事なのか。もちろん日常生活にはどれもあって、同時進行することもありますが、物語としてどこにスポットを当てたいのか、もう少し濃淡をつける必要があったのではと思います。男性陣はキャラもよく、イケメンなのに、キュンとしたりする間もないくらい次々とトラブルが起こるのではもったいない。彼らのイケメンぶりにもっと光を当てても良かったのではと思いました。
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  • orange

    高野苺

    生きる意味を考えさせられる重いテーマ
    ネタバレ
    2025年9月15日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 死んでしまう友達を助けるために、未来の自分から手紙が届き、皆で協力して彼を助けようとするお話。
    人生は確かに選択の連続で、選ばなかった先の未来がどうなっているのかは分かりません。後悔をなくすために未来の自分から届いた手紙のアドバイスを実践していく菜穂たちの必死さは、ある意味若者らしい姿なのかもしれません。でも、リアルさがない気がします。それは、パラレルワールドというSF要素が入っているからではないと思います。
    いつも一緒にいた友達の一人が死んでしまうのは高校生には衝撃的な事件です。そんな未来を回避しようと努力する姿は青春の1ページだなと思いました。でも、主人公である菜穂はとても考えが浅すぎます。未来からの手紙を読んでも翔の本当のツラさをきちんと理解していないことは明白で、アドバイスがその場しのぎです。そして、死を知ってもウジウジと悩んで出来ないと立ち止まる。彼女からは翔の死を打ち消すための強さが感じられませんでした。
    また、翔もだいぶ闇が深いです。希死念慮の強さは、彼の性格や考え方に起因する要素が多く、これを友情で救おうというのがそもそも無理難題なお話です。皆が死に向かわないように道を正しても、結局死のうとしてしまったことを考えると、翔に必要だったのはもっと根本的な心の寄り添いだったのではないでしょうか。
    お話のテーマが一人の友達の死という重いテーマであるが故に、高校生らしい勢いだけでは物語として未熟さを感じさせてしまう気がしました。死と向き合うためには、もっと考えて、もっと理解し合う努力が必要だったのではないでしょうか。でもそれを高校生がやるには荷が重すぎる。物語のテイストや展開とテーマが上手く溶け込まなかったように思いました。
  • BEASTARS

    板垣巴留

    動物の擬人化物語としては上手い
    ネタバレ
    2025年9月14日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 肉食動物と草食動物が共存する世界で起こる、恋愛と成長の物語。
    最初は肉食動物と草食動物の共学校で起こる食殺事件を追うミステリー的展開。そこに高校生らしい恋愛と、肉食・草食という相容れない関係性ゆえの難しい問題が絡み合いながらストーリーは進みます。様々な動物の描写がとにかく上手く、その動物の生態と性格を体格差や表情で上手く表していて、各々の動物らしさがとても楽しいです。
    ただ、最初に起こった食殺問題の根が深かったり、レゴシが高校を辞めてからの第二章とも呼べるメロン事件も展開が長く、どこまでも描き続けられる物語なだけに、少々長く続いてしまった感じがしました。レゴシの成長はとても良かったですが、肉食の観点から言うと各々の立場によって正解が違うこの問題を扱うのは難しすぎた気がします。何となくフワッとした終わりだったのがイマイチ消化不良でした。
  • ずたぼろ令嬢は姉の元婚約者に溺愛される(コミック)

    サクマノマ/仲倉千景/とびらの

    タイトルと設定に違和感
    ネタバレ
    2025年9月14日
    このレビューはネタバレを含みます▼ ズタボロな格好で召使いのように扱われている男爵令嬢が、国一番の大富豪である伯爵と恋に落ちるお話。7巻まで読了済み。
    まず気になったのが、タイトル。内容を正確に言うと、グラナド伯爵が一目惚れした相手の名前を確認せず姉妹取り違えて求婚したというミスであり、アナスタジアとグラナド伯爵は婚約者と呼べるような親しい間柄ではありません。令嬢ものの漫画は今では数多くあるので、内容を正確に表したタイトルが必要だったのではと思いました。
    内容自体は面白く、グラナド伯爵がマリーに必死に想いを伝えようとする恋愛のストーリーと、マリーを不遇に扱っていた両親に罰を与えるストーリーが上手い具合に少しずつ進展します。ただ、進展がだいぶゆっくりなのと、マリーがとても卑屈で、好転し始めると途端に弱気になってしまうので、読み進めるのに我慢が必要です。
    また、何故両親がマリーに対してだけ冷たくするのかの答えが、自分の不出来に対する八つ当たりであり、嫉妬心だということがとても残念でした。血縁がないとかならまだしも、出来のいい我が子の才能に妬んだだけというのは浅はかすぎる気がします。
    8巻からは新章スタート。作画担当の方も変わるということで、7巻までで一旦終了しようと思います。また面白い展開が見られたら読んでみようと思います。
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  • 高嶺の花は、乱されたい

    左京亜也

    消化不良な要素がありすぎる
    ネタバレ
    2025年9月11日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 「高嶺の花は、散らされたい」の続編、ハナと連雀さんが結婚するお話です。
    前作で番になった二人が、互いの家族や将来に向けて、パートナーとしてもう一段階絆を強くする内容です。その為、前作よりも少しシリアスな展開が多く、ハナの弱気な部分にモヤモヤしてしまう感じでした。また、妊娠したと分かった次のお話ではもう子育て編に入っていて、今作で明らかになったハナの親との問題や、連雀家との交流などの要素がすっ飛ばされているのも気になりました。結婚するという一つのゴールには至りましたが、今作では問題提起ばかりで、何一つ解決されないまま続編へという展開には少々疑問を感じます。同じ問題を扱うなら、同じタイトルの中できちんと解決させてスッキリして欲しいなと思います。その上で、二人の関係の発展をシリーズ化するなら次も楽しみと思えるのではと感じました。モヤモヤが残ったまま一旦完結となることには疑問が残る作品でした。
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  • 溢れて零れて、我慢できない overflow 【電子限定特典付き】

    やまち

    びしょびしょがパワーアップ
    ネタバレ
    2025年9月11日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 「溢れて零れて、我慢できない」の続編、綾と零司が将来に向けて考え始めたお話。
    前作のびしょびしょプレイから、まさか続編が出るとは思わなかったのでビックリしました。ストーリーは将来に向けて一歩踏み出そうとしたところで起こるちょっとした行き違いを描いたお話です。内容的にはその後の二人ですが、これといって進展はありません。関係性も変わりなく、綾は相変わらず天の邪鬼のまま。少しだけ素直になり、大人になった二人が見られます。
    ただ、びしょびしょはパワーアップ。上下巻のうち半分以上はびしょびしょだったのではと思うくらい盛り沢山です。びしょびしょプレイが癖な人には最高ですが、そうじゃない人だと少し飽きてしまうかもと思いました。作者様の癖一点描きは面白いですが、一冊一冊がとても濃厚なので、続編より新たな癖を見てみたいなと思います。
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  • いかさまメモリ

    夏目イサク

    途中からスピンオフ突入
    ネタバレ
    2025年9月11日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 大手おもちゃ会社に勤める男が、下請けメーカーとの取引で高校時代の親友と再会し、恋心も再燃するお話。
    だいぶ昔の作品ですが、夏目先生らしいキャラと展開は健在。ウブで可愛い中野と少々無神経な津田のカップルがイジイジモダモダとしているのが焦れったかったです。お互いの誤解も解けてくっついたらあっさりと終了。7話からは佐伯メインのスピンオフのお話になり、ビックリしました。中野と津田のCPが見たかった人にとっては2巻はちょっと残念だったかも?スピンオフも面白かったですが、全体的にあっさりめな印象でした。
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  • 隣の芝くんは見せてくれない

    森脇葵

    幸せな時間が短すぎる
    ネタバレ
    2025年9月11日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 他人を羨ましがることをせず努力していたキャリアウーマンが、全てを失って引っ越したボロアパートの隣人のミステリアスな男と恋に落ちるお話。
    最初は良くあるザマァ系のお話かなと思って読み進めていました。その時はみやはムカつくものの、そのの優しさや努力を怠らない姿勢がまっすぐで、困難なことが続いても前向きで面白いと思っていました。そして、ポチとようやく両想いになりやっと幸せに向かい始めたかなと思ったら、新たな問題が発生。色々あって想いが通じたので、後は二人で乗り越えていく場面が見たかったのに、小春が嫌な人になって邪魔をする。挙句の果てには記憶喪失。ここまで不幸ばかりだと読み進めるのがツライです。アメとムチはバランスが大事で、ここまでムチばかりだと楽しく読めない気がしました。
    そもそも、るいの母親がありえない。子どもに対して無責任な上に、筋違いの恨みで執着してくる展開にモヤモヤ。芝の家の人は悪くないし、お金の援助までしたのだから、キッパリと関係を断ち切れば済む話なのではと思いました。それを出来る力もお金もあるのに、何故るいの母親には詰めが甘いのかが納得できない気持ちです。最後は幸せになれるのだろうけど、不幸展開を引っ張りすぎている気がします。両想いになったところでタイトルも回収出来たのだから、終わりに向かっても良かったかなと思います。
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  • あなたと食べるしあわせを‐槙と花澤‐

    七ノ日

    食べる相手によってご飯の美味しさは変わる
    ネタバレ
    2025年9月7日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 一つ屋根の下で一緒に暮らす男の子二人とうさぎ一匹の平凡だけど笑顔の溢れた日々を描いたお話。
    1巻では慎と花澤のほのぼのとした同棲生活と美味しいご飯がたくさん描かれていて、お腹が空くとともにほっこり出来るストーリーです。ところが2巻では、一転してシリアスなお話に。1巻で見え隠れしていた不穏な要素を全て出しきった内容でした。このギャップには驚きましたが、感動と納得のストーリーだったと思います。お話はBLカップルの内容ですが、少女マンガジャンルの作品だからか、えち要素はゼロ。それでも二人の幸せな笑顔が印象に残る素敵な作品です。
  • 恋するMOON DOG

    山田南平

    ワンコ好きならどっぷりと沼
    ネタバレ
    2025年8月30日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 大型犬に好かれやすいトリマーが、ある夜ドーベルマンを保護すると、その犬がイケメンに変身するという獣人体質の男とワンコ大好きトリマーのファンタジーラブなお話。
    南平先生のファンタジーは本当に夢があっていつもとても面白いです。今回はモダモダや焦れキュンが多いお話ですが、全てが幸せな方向に転がっていくように出来ていてとても幸せな気持ちになれる作品でした。
    そして、とにかくアキラがカッコよかったです。律歌に出会うまではプロのヒモ彼氏ですが、律歌に出会ってからは重すぎるくらい一途で真面目。また、律歌がワンコのアキラも人間の晃も同じように愛してくれるというのが見ていて伝わりました。犬のカッコよさや可愛さも上手く表現されていて、可愛さとドキドキで最後まで楽しく読めました。
    スピンオフや続編もまだまだ続くとのこと。また可愛いワンコたちで癒されたいです。
  • ヲタクに恋は難しい

    ふじた

    展開があまりにもなさすぎる
    ネタバレ
    2025年8月30日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 隠れ腐女子のOLと重度のゲーム廃人である幼なじみが、会社で偶然再会し、ヲタク同士お付き合いするお話。
    ヲタクの生態や日常がとても細かく丁寧に描かれたこの作品。過去に何度か最初の数巻を無料試読させてもらった時はヲタクっぷりがとても詳しく描かれているし、成美と宏嵩の恋愛に焦れキュンがあって面白いと思いました。今回、全巻無料でありがたく最後まで読んでみましたが、ビックリするくらいお話に展開がなくて驚きました。花ちゃんと樺倉先輩が結婚したり、尚ちゃんとこーくんが付き合ったりと周りには進展があったものの、私たち読者が一番見たかったのはなると宏嵩カップルのイチャイチャ恋愛モード。ヲタクでも恋したらこんな風に変わるんだねっていうのが楽しめるのは最初だけで、その後は過去のドキドキの繰り返し。もっと二人がイチャイチャするところを期待していたので残念でした。最初が一番ドキドキした展開というのはとてももったいなかったです。
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  • 環状白馬線 車掌の英さん

    都戸利津

    人の縁は全てが繋がっている
    ネタバレ
    2025年8月30日
    このレビューはネタバレを含みます▼ シティを円くつなぐ電車の車掌が、様々なお客様と出会い別れてゆくお話。
    白馬線の電車の車掌として淡々と働く英さん。電車という目的地ではないその場所で、通り過ぎていく人々とのちょっとした出会いと、そこから生まれる小さな奇跡や幸せを描いたお話です。初めてでも毎日でも同じお客さんというモットーが冷たくも感じますが、あくまでも車掌に徹する姿勢が安心と一歩引いた優しさを感じました。時系列が少々分かりにくかった部分は気になりましたが、英さんが自ら選んで車掌を続けていることに仕事へのプライドを感じました。色々な人の縁が繋がっている描写は上手かったと思います。
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  • 催眠術入門

    カシオ

    こんなにロマンチックな催眠術はない
    ネタバレ
    2025年8月23日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 大学で先生として勤める男の元に足繁く通う高等遊民の男。高等学校時代の友人同士が、互いの想いを実らせるまでのお話。
    最初は友人同士の他愛ないお遊びでした催眠術から思いもよらないえちえちな展開へ。催眠術にかかったエロティックな周を拒否出来ずに戸惑う龍彦と、催眠術にかかったフリ?をしていやらしく迫る周。二人の想いが交錯するものの、関係性は一向に変わることのない日々にヤキモキしました。そんな二人が進展するきっかけは龍彦が兵役に行くことになったこと。ここで大正時代という時代背景を利用してくるのかとあっぱれな思いでした。そして、今生の別れになってしまうかもしれないという状況でようやく互いに素直に気持ちを打ち明けるという切ない展開でした。龍彦の最後の言葉が解けない愛の催眠術となり、龍彦の帰りを待ち続ける周の姿に二人の深い愛情が感じられ、素敵な締めくくりだったと思います。
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  • 執事の分際

    よしながふみ

    時代物を描かせたらとにかく上手い
    ネタバレ
    2025年8月23日
    このレビューはネタバレを含みます▼ フランス革命の動乱期の中、名門貴族に仕える執事とその主人の恋愛を描いたお話。
    よしなが先生の描く時代物は、とにかく歴史的観点とその時代に生きる人たちの描写がとても上手く、いつもその世界観にどっぷりと浸かれます。ヨーロッパでは特にフランス革命期に造詣が深く、革命前の優雅な貴族の日常と動乱の最中で時代の変調に巻き込まれていく上流階級の様子が見事に表現されていると思います。また、よしなが節とも言える、プライドが高い人、ちょっとワガママな人、贅沢に慣れきっている人が、妙に貴族とマッチしていて、すべての人物が生きていると感じられます。
    物語はシノワズリの血が入ったクロードが執事として仕えるお話。アントワーヌとの恋は革命があったからこそ成就したものであり、それまでの貴族と執事らしい彼らのやりとりはまさにフランス人らしいエスプリに満ちたものだったと思います。よしなが先生の時代物にはハズレなしと言える作品です。
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  • とある書店員の恋物語

    たき猫背

    3CPどれも良かった
    ネタバレ
    2025年8月23日
    このレビューはネタバレを含みます▼ ある書店の店員さんの恋を描いたオムニバス形式のお話。
    1組目は書店員とお客のDK、2組目は書店員と配達員さん、3組目は書店員と営業担当者。どのCPもピュアな好きが溢れていて、気持ちが通じ合うまでのむず痒いけど尊い時間が丁寧に描かれています。たき猫背先生は片想いを描かせたらピカイチだなぁと思いました。
    特に、1作目は異動人員、2作目は風邪と、モブとして活躍していた鈴木くんが、3作目で主人公として出てきた時は感慨深いものがありました。3つの話の中ではちょっと大人な展開もありますが、鈴木くんが一番スパダリだったと思います。3CP共にハッピーエンドで良かったです。
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  • とりあえずキスしてください

    たき猫背

    DKらしい恋物語
    ネタバレ
    2025年8月23日
    このレビューはネタバレを含みます▼ クラスメイトに片想いしている高校生が、AVを一緒に見てるうちに抜き合いをするようになり、恋が成就するお話。その他、同じDK主人公の片想い作品が一つ入っています。
    表題作ももう一つのお話も高校生らしいピュアなお話です。特に後半の「少女漫画みたいな恋を、」は本当に少女漫画の展開とストーリー。好きな人が両想いなら自分が身を引こうとする献身さや、それでも諦めきれないツラさ、男同士故に立ち止まってしまう気持ちなどが丁寧に描かれていて、尚の気持ちが痛いほど伝わってきました。この辺のモダモダはBLでは意外にすっ飛ばされてしまうものも多く、新鮮な恋の気持ちを思い出せた気がします。その分エロは控えめですが、こういう若さ溢れる青春物語もいいなぁと思いました。
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  • 僕のセックス・ヴァージンキラー【特典付き】

    鍛えられた忍耐力が試される
    ネタバレ
    2025年8月23日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 新進気鋭の若き政治家の下にやってきた元傭兵の男が、政治家のセクシュアリティを見抜き、その秘密を守る代わりに処女をくれと要求してくるお話。
    清廉潔白な政治家とワイルドな元傭兵。組み合わせも面白いですが、展開も早くて1巻完結作品なのにとても濃密な内容だと思いました。純真な心でまっすぐに生きる耀と、そのまっすぐさに惹かれ、可愛すぎる耀に悶える明。ウブな男の素直さに転がされながらも開発していく過程は、エロさもさることながら、忍耐力が試されるシーンだったと思います。あんなに可愛くて、あんなにエロいだなんて反則すぎると思いながら楽しく読めました。
    政治家らしい複雑な利権や力関係などの描写も丁寧に描かれていたのも好印象でした。難しい問題も色々と降りかかりますが、あっさりと解決策が示されるのもご愛嬌。仕事もエロも人間関係も全てが丸く収まるハッピーエンドでした。
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  • キスは番にひざまずく【単行本版】

    エヌオカヨチ

    シリアスとロマンチックのギャップ
    ネタバレ
    2025年8月23日
    このレビューはネタバレを含みます▼ α喰いで有名な不良のΩが、運命だというαにひたむきに想いを告げられて、運命を受け入れるお話。
    重すぎる過去を背負うレオと運命を馬鹿みたいに信じる伊織のちぐはぐな二人が、徐々に心の距離を縮めていく過程が丁寧に描かれています。伊織に出会うまでのレオは心を殺して生きている感じでしたが、伊織のひたむきさや真っ直ぐさが少しずつレオの心を溶かしていくのが伝わりました。レオの現状がシリアスなだけに、伊織とのちょっとおバカなやりとりが物語を明るくポップにしていて、そのギャップが上手いなと思います。何も信じられないレオと、運命も信じて突き進む伊織。伊織はまっすぐ過ぎてロマンチックなことも口にしてしまえる人ですが、レオにはこれくらい熱く想いをぶつけてくれる人のほうが安心できる気がしました。伊織の人の良さを子供が懐くことで表現しているのも良かったです。
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  • 調教愛執【電子限定描き下ろし付き】

    藤峰式

    もはや日常がエロくて面白い
    ネタバレ
    2025年8月23日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 「調教」シリーズ5作目、映が教育係としてお世話した新人に関係がバレるが、相変わらずラブラブな二人のお話。
    映と雅喜の同棲生活も順調で、平穏になった二人の日常。今作はそんな日常とちょっとしたハプニングが描かれています。このシリーズも長くなり、二人の関係性が安定したことで、第二章に入ったような感じがしました。そのため、ヒリヒリとした場面は少なく、安心感と面白さにシフトチェンジしたような気がします。それでも二人のえちは相変わらず激しくてエロくて最高。見応えは十分あり、楽しめる一冊です。
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  • 好きで好きで、大好きで

    吉尾アキラ

    幸せな両想い
    ネタバレ
    2025年8月22日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 兄の親友で芸能人の男に片想いする高校生が、一途な想いを成就させるお話。
    はーくん一筋の伊織と、そんな伊織が可愛くて仕方ない葉月。家族も応援する一途な恋が、ようやく実りそうな場面でのちょっとした行き違いを描いています。好き好きと言い続けて相手にされてないと思っている伊織と、そんな伊織に裏切られたと感じる葉月。誤解からの告白はカッコ悪いかもしれませんが、二人の想いがようやく通じて良かったと思いました。誠実でウブな二人が可愛かったです。
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  • 合図はシガーフレーバー

    白金ジェリー

    10年経ったらもう愛でしょ
    ネタバレ
    2025年8月22日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 大学時代から10年関係を続けていた二人が、冗談半分で切り出した別れから、互いの本音に行き着くまでのお話。
    10年もの間側にいた二人が急な別れ話から本音を引き出すストーリー。よくあるお話ですが、敬と有史の関係性や性格がとても上手く表現されていて、展開が分かっていながらも切なくなったりキュンキュンしたりしました。有史の罠にハマった敬ですが、有史の気持ちはいつから好きだったのかと考えると、してやったりな有史に良かったねと言いたい気持ちになりました。ものすごく完成度の高い作品だと思います。作者様の他の作品が読みたいのに、この1作だけなのが非常にもったいないです。
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  • 上司はネコ

    中田アキラ

    部長が男前なネコ
    ネタバレ
    2025年8月22日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 部長に惚れているけどアタック出来ない部下が、二丁目で偶然部長に会い、とんでもないカミングアウトをされたことがきっかけで恋人になるお話。
    とにかく部長が男前です。優しくてカッコよくて勇気がある部長のおかげで、宮地はハッピーエンドになれたといっても過言ではありません。ガチムチなネコが苦手な人は好みではないかもしれませんが、ガチムチ好きには堪らない胸筋が見られます。
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  • その運命ウケてタツ!

    加藤スス

    タイトルが上手い
    ネタバレ
    2025年8月22日
    このレビューはネタバレを含みます▼ ノンケの彼氏に浮気されて別れたゲイの男が、復縁を求めてきた元カレにある条件を提示してヨリを戻すお話。
    気分屋のワンコ系彼氏貝は女と浮気するものの、孝道との復縁を望んで謝罪の為に付きまとう日々。タチの孝道がネコになってまで溺愛してくれていた事を考えると、だいぶ甘ちゃんな考えの男ですが、立場が逆転してからの方が色々な意味で仲が深まったと感じました。笑顔で無理難題を優しく突きつけるブラック孝道がとても楽しそうで、幸せになる未来しか見えない気がします。開発されて、感じまくる貝も見てみたかったです。
  • クズの取り柄

    高永ひなこ

    力関係が逆転する攻めザマァ
    ネタバレ
    2025年8月16日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 浮気性のクズ男との別れを決意した男のお話。
    クズ中のクズだった彼氏に見切りをつけ、ようやく別れを決意した朋樹。最後のえちでも絆されずに別れたものの、半年後に心を入れ替えた浩司が現れ、再び恋人になりそうなところで完結。朋樹への甘えを見直し、ちょっと必死になる浩司の姿は可愛く、今後は力関係も逆転すればいいなぁと思わせるお話でした。短いけれど、スッキリ出来るお話です。
  • 恋する教師はお帰りください

    文川じみ

    絆されてるのか流されてるのか
    ネタバレ
    2025年8月16日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 若い男子が好きな保険医が、体育教師と体の関係を持つうちに絆されるお話。
    学校の教師同士の恋愛自体は悪くないと思いますが、学校でえちをしてしまうのは少々問題がある気がしました。また、若い男子が好きと言いながらも、可愛いと思っていた男子高校生に襲われそうになるのはダメ。若者好きは性癖なのかと思っていたけど、恋に恋していた感じで、結局は大人の先生と普通にくっついて終わったので、何となくストーリーに一貫性が感じられなかったです。
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  • かこってとらえてきみだけにそそぐ

    天河藍

    盛り込んだ謎は未回収
    ネタバレ
    2025年8月16日
    このレビューはネタバレを含みます▼ サークルの後輩にストーカーのように付きまとわれている男が、ある日しつこく耳を舐められたことにより意識するようになるお話。
    短編なのに当て馬がいたり、親が出てきたりと展開が少々盛り込みすぎに感じました。その部分にページ数が取られてしまい、肝心な気持ちの部分の描写が疎かになってしまった気がします。
    成護が何故凛をそこまで気に入ったのか、成護にどんな秘密があるのかなどが謎のまま終わってしまったのが残念です。真意が不明なまま、えちな関係になり終了。フィカパだとこれで完結だと思うと、何だか勿体ないお話でした。
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  • スイートハッピーヒモライフ

    藤河るり

    ヒモではなく、せめて主夫と言って
    ネタバレ
    2025年8月16日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 仕事が出来る男と芸術家で今はヒモ同然の男の甘い同棲生活のお話。
    創作ペースが遅い芸術家のミケはヒモ同然。だけど、読んでいて思ったのは、ヒモというより主夫なのではということ。諸々雑だが家事をしてくれて、疲れた体をマッサージで癒し、自分のどうでもいい話をきちんと聞いて覚えていてくれる。世間一般でいう穀潰しのヒモとは違い、生活のQOLを上げてくれるミケの存在は、特殊というか特別な気がしました。ノロケだなと納得している北山には最高の相手なのかなと思いました。
  • 俺の臆病なオオカミくん。

    ひなこ

    短過ぎるけど大満足
    ネタバレ
    2025年8月16日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 付き合って3週間の恋人に嫌われないように冷静を装っているけど、本当は欲望が渦巻いている男のお話。
    右田が好きすぎて本当は押し倒してめちゃくちゃにしたいけど、嫌われたくないので我慢して大人しくしている端場。そんな端場に不安を抱き、煽ってくる右田。理性崩壊してしまう端場とそれに満足そうな右田はとても幸せそうでした。ページ数が本当に少ないのに、お話としてもきちんとまとまっているし、二人の気持ちもちゃんと伝わってくるいいお話です。これは色々な意味で満足度高しです。
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  • 社内恋愛お断り

    ダヨオ

    澄田の好きがダダ漏れ過ぎる
    ネタバレ
    2025年8月16日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 社内恋愛中の先輩と後輩が、お泊まり出張に行くお話。
    女性にモテモテのワンコ系の後輩澄田と厳しすぎるクールな先輩高井戸。いつでもイチャイチャしたい澄田とツンツンな高井戸だけど、二人になったら甘々になる高井戸と絶倫澄田の関係性がとても良かったです。天の邪鬼な高井戸に上手く転がされている澄田ですが、とても幸せそうでえちも見応えあって、ダヨオ先生らしい作品でした。
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  • 先パイいじわるしないで!

    にやま

    朝からムラムラ
    ネタバレ
    2025年8月16日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 満員電車でブツを擦り付けてくる後輩をイジメるお話。
    とても短いお話ですが、その中で先輩後輩の関係性や性格、気持ちなどが伝わってくるのがとても上手いと思いました。朝の通勤時間での出来事という短い時間のピックアップも良かったと思います。仕返しは倍返しくらいして欲しかったですが、そこは如何せんページ数不足ですかね。それでも上手くまとまった作品だと思います。
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  • 君想いエレジー

    世尾せりな

    身も心も裸になった再会
    ネタバレ
    2025年8月16日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 気持ちを伝えられないまま高校を卒業した男が、6年後行きつけの銭湯で片想いしていた相手に再会するお話。
    気持ちを伝えられなかったまま疎遠になった二人が、再会して両想いになる王道のストーリー。当時の行きつけだった銭湯での再会は、変わらない想いを象徴していて良かったです。
    ただ、短編な割に互いの気持ちや背景を想像させる余白が多く、それを読み取るのがちょっと難しかった気がしました。もっとじっくり気持ちを読み取れるページ数が欲しかったです。
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  • いわくつき物件で、エロい目に遭いまして

    佳門サエコ

    判断しづらい
    ネタバレ
    2025年8月15日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 事故物件に住むことになった男が、夜な夜な幽霊に痴漢されていることを相談した友人とえちな関係になるお話。
    お話としては面白く、佳門先生らしさ溢れるえちなシーンの描写が豊かです。短編としてはとても良くできたお話だと思います。
    ただ、レビュー欄でたくさん指摘されていたのが酷似した作品があるということ。ストーリーや構図がとても良く似ているというのが気になりました。
    真相は分からないですが、佳門先生の作品が好きなので残念な気持ちになりました。
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  • 幼なじみとアレするまでの24時間

    ちしゃの実

    スピード感と変態っぽさが駆け抜ける
    ネタバレ
    2025年8月15日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 数学一筋で初心な男が、幼なじみとアレするまでの24時間をカウントダウンしていくお話。
    えちな動画を見てから、頭の中がゴトちゃんとのえちでいっぱいになるシゲ。高揚感と緊張感がカウントダウンでどんどん盛り上がっていきます。漫画を読んでいて、こんなにもスピード感と爽快感を感じたのは初めてでした。そして、急な展開もシゲとゴトちゃんが両片想いだったが故であり、駆け巡るえちな欲望に囚われてしまいますが、二人の想いが報われたからこそのハッピーエンドだと思います。
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  • ねこでねこのねこです

    みちのくアタミ

    タイトルも内容も上手い
    ネタバレ
    2025年8月15日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 猫大好きな男が、SNSでネコを募集したところ、本物のニャンコがやってきてしまうファンタジーなお話。
    猫好きの多磨がある日出会った根古さん。本来ならばビックリするまさかの展開なのに、猫が大好きすぎる多磨にとっては大喜びの大興奮。ネコ好きも、愛されたがりのネコも共に幸せになれる一冊です。そして、短編とは思えない程の濃密なえちも見応えあり。さすがはみちのく先生、あっぱれです。
  • ヴァンパイア症候群(シンドローム)

    じゃのめ

    全てを明かさないのがミステリアスな良さ
    ネタバレ
    2025年8月15日
    このレビューはネタバレを含みます▼ マッチングアプリで知り合った理想の彼氏が吸血鬼かもしれないという恋のお話。
    満臣のミステリアスな雰囲気から、彼が吸血鬼なのではと疑い始める瞬。恋人の不審な行動を吸血鬼かもとアドバイスするりーちいっぱつ先生も、それを真に受けて満臣に直接確認してしまう瞬も、とても真面目なおバカさん。そんな面白さと、満臣のミステリアスさがアンマッチでとても素敵な作品でした。最終的に吸血鬼なのかも?でお話は終わりますが、なんだっていいやと思ってしまう瞬のメロメロな惚気で終了。全てをはっきりさせないけど、とても幸せを感じられるお話だったと思います。
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  • ひねくれ猫の甘え方

    佐倉リコ

    全身で表現する甘えたがカワイイ
    ネタバレ
    2025年8月15日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 拾ってきた野良猫を可愛がる彼氏を見て、俺も猫だったらと思っていたら、翌朝猫になってしまったファンタジーなお話。
    短編ながらも構成がとても上手いです。素直になれない敬が無邪気に甘える猫を羨ましく思う気持ちだったり、普段ツンな敬のデレた態度にメロメロになる拓海の気持ちだったり、素直に甘えられる猫の自分に嫉妬してしまう気持ちだったりと、短いストーリーの中にキュンも切なさも入っていてとても良かったです。ツンな敬から滲み出る好きが可愛いと思える拓海に愛を感じました。でも、たまには素直に甘えるのもいいスパイスになるのではとニヤニヤしてしまうお話です。
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  • わがままネコのしつけ方

    いちかわ壱

    段階は踏んで欲しいかも
    ネタバレ
    2025年8月15日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 実家を出たいと兄の親友の家に転がり込んだことで始まる恋のお話。
    短編読切ということで、展開が早くあっという間です。親兄弟から過保護に愛されて育った環と、同じように可愛がってきた兄の親友のたつ。同じ家で生活するのは理性を試される展開ですが、ノンケの年下相手にいきなり最後まではちょっと急展開すぎたかなと思いました。我慢出来ないたつの気持ちも、ページ数の関係も分かりますが、もう少し段階は踏んで欲しかったです。とはいえ、ワガママな環を溺愛する気持ちが伝わってくるお話でした。
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  • はきだめと鶴【電子限定特典付き】

    キタハラリイ

    否が応でも光を放ってしまう蛍の美しさ
    ネタバレ
    2025年8月13日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 映画館でバイトをする元AV男優の男が、毎週日曜日のレイトショーに来る年下の若い男に告白をされたことから始まる恋のお話。
    大人でスマートな螢に惹かれる年下ワンコ系の準太。些細なきっかけで始まった恋愛が思った以上に重い過去を引っ張り出してきて驚く展開でした。様々なものを惹きつけてしまう螢のまばゆい美しさが悪いのか、好きになった相手が悪かったのか、現状にたどり着くまでの螢の人生が波乱万丈で衝撃です。でも、そんなにツライ状況でも、「思い出だけで生きるには人生は長い」と、生きることを諦めずにいてくれた螢の強さが私にはとても美しく見えました。全てを諦めながらもちゃんと生きる螢の生き方には世捨て人のような達観したものがありましたが、その儚さに惹かれる人がたくさんいたのも事実だろうなと感じずにはいられません。そして、まばゆいからこそ目障りに思う人がいるだろうことも否定出来ないと思います。実際、波柴は螢の眩さに惹かれていたのではないかと感じました。
    全てを聞いても受け入れてくれた準太。若さゆえかなと心配になりましたが、過保護に愛する様子を見るといい恋人だなと思います。真っ直ぐなワンコと様々な過去を乗り越えてちょっと捻くれた螢のやりとりが、とても素敵でした。
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  • ブラットテイマー/ジョーカー

    キタハラリイ

    次々と出てくる設定の巧さに感動
    ネタバレ
    2025年8月13日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 「ブラットテイマー」シリーズのスピンオフ、Switchのフロラと特殊ランクDomのレオの恋模様を描いたお話。
    待っていました、スピンオフ!「エンゲージ」で仲良くなり、これは期待できるのではと思っていたフロラとレオの恋が動き出したことがとにかく嬉しいです。そして、このスピンオフで改めてリイ先生の創作アイディアに感動しました。SwitchとDomの恋愛模様というだけでもちょっと難しいのに、ダイナミクスEDな上に匂いで相手の気持ちが分かってしまうチート能力だなんて、スパイスが最高すぎです。恋愛+ドムサブ+ランクや特殊能力持ち、という全ての要素が上手い具合に溶け込んで、切なさも面白さもエロさも表現しているブラットテイマーシリーズがとにかく大好きです。
    今回はレオの特殊能力が、彼の過去のトラウマに繋がり、Domとしての矜持を失っているツラさがよく伝わりました。普段明るく、自信満々に振る舞っていただけに意外でしたが、レオの優しい「いーよ」はこんなところに繋がっているんだなと切なくもなりました。二人はやっと結ばれましたが、まだ恋人として乗り越えなくてはいけないものがたくさんあるところ。続編が今から楽しみです。
  • 冬知らずの恋

    夏野寛子

    行動が突っ走ってしまう高校生らしさ
    ネタバレ
    2025年7月30日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 暑い夜にやってきては同じベッドで寝ていく隣人の従兄弟に片思いしていた男が、魔が差してキスをしてしまったことがきっかけで二人の関係性が変わっていくお話。
    キスをきっかけに意識する千紘と、変わらない関係を望む愁人。恋する気持ちと性欲とのアンバランスさをじっくりと描いています。ずっと片思いをしていたけれど、親の戸惑いの態度や同性同士であることへの諦めで、進展は望んでない愁人の気持ちは分かりやすいですが、千紘の気持ちはイマイチ読めず。毎晩同じベッドで寝るくらいの好意は元々あったけど、誰かに取られそうになって初めてきちんと意識したという感じにみえました。そしてなし崩しに体の関係を求めていく展開に、高校生男子の欲望で突っ走る短絡的な若さを垣間見た気がしました。でも、この青臭さに嫌味な感じがないのは、二人が共に過ごしてきた時間の長さが存在するからなのかなと思います。ただ、大きな展開はないので、ストーリー的には物足りない部分もあると思いました。
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  • レンアイサイド[コミックス版]

    あめきり

    新しい恋で失恋を癒す鉄板のストーリー
    ネタバレ
    2025年7月30日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 「ハツコイノオト」のスピンオフ、燕に失恋した歩夢と歩夢の高校の友達龍が仲良くなり、共に新しい恋の相手として恋愛するお話。
    クールで大人びている龍と、妙にカッコつけたがりの歩夢。悪い奴らに拉致されそうになった事件がきっかけで仲良くなります。子供っぽさを隠してスマートにしたいけど、感情ダダ漏れでギャーギャー言ってしまう歩夢と、そんな素直さを可愛いと思う龍のやりとりが面白いです。天の邪鬼の歩夢に少しずつ沁みる龍の優しさや独占欲からくる寂しさに、とにかくキュンとしました。
    そんな龍の失恋相手が義姉で、龍を都合良く使うタチの悪さはBLでは珍しい最低な女のキャラでしたが、それを忘れさせてくれるような相手に出会えたことが良かったと思えました。歩夢の反応全てがツボだという龍の気持ちに完全同意した作品です。
  • ハツコイノオト

    あめきり

    ポエム男子の初恋
    ネタバレ
    2025年7月26日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 恋を知らない高校生男子が、ネットで見つけた同性への恋心を綴った日記に興味を持ったところ、その日記を書いているのがクラスメイトだと分かり、そこから恋が始まるお話。
    偶然ネットで見つけた日記をクラスメイトが書いていたというのはちょっと奇跡的すぎる設定ですが、逆に斬新でした。知り合いに読まれていると思わない燕は、日々の気持ちを赤裸々に書いていて、それをひっそりと見守る笑也は彼の身近な存在になったように感じて、どんどん気になっていきます。そんな展開も面白かったし、高校生らしい彼らのやりとりが可愛くてキュンとしました。付き合ってからえちまでのストーリーもピュアさと高校生らしい照れがあって良かったです。
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  • めんどくさいけど愛してる

    英数字

    恋愛なんて面倒だらけ
    ネタバレ
    2025年7月26日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 飲み会で酔った勢いで上司にキスをしたら、その上司が突然会社を辞めてしまった。その後、その上司がバイトしていたコンビニで偶然再会したことから始まる恋のお話。その他、兄弟モノの中編が入っています。
    2作品ともとても静かで淡々としたお話です。それぞれの登場人物に色々な想いがあるけれど、新倉や楽はそれを無理やり押し付けたりせず、想いを秘めたまま黙っていなくなるところが同じだなと思いました。でもそれは置いていかれる村田や仁にとっては悲しく切ないもので、そっといなくなられることの喪失感が逆にその人への想いを際立たせてしまうという結果に繋がっているような気がします。
    個人的には1作目の2人の方が好きでした。面倒くさいと脳内で言いながらも、村田を受け入れる新倉に、そこはかとない愛情を感じて良かったです。
  • なかないひばり

    ミナヅキアキラ

    素直になってからの二人が可愛すぎる
    ネタバレ
    2025年7月25日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 仕事仲間でもあった親友の死に責任を感じてその弟を引き取った新進気鋭の写真家が、家族の役割以上の気持ちを抑えきれなくなるお話。
    両片想いだけど、家族としての役割に固執して共に自分の気持ちを言えずにいるひばりとすみ。その葛藤が丁寧に綴られています。中でも、同じ構図で寝たフリをした現実と、ひばりを強く抱きしめてしまう願望を表したのは、すみの想いの強さを如実に表していて、切なさが存分に伝わってきました。モノローグで本音を語らせながらのあの対比は素晴らしかったです。
    出張先ですみが倒れたことで、大事なことは伝えられるうちに相手に伝えようと思い直した二人は無事に結ばれます。そこからの素直な二人は本当に可愛くて、甘えたり、ワガママを言ったりする姿にほっこりしました。泣けたひばりに安心したと同時に、笑顔のひばりの可愛さにキュンとし、そんなひばりを猫可愛がりするすみに更にキュンキュンしました。
  • 君と出会ってから僕は

    吉井ハルアキ

    大人が青春したっていいじゃない
    ネタバレ
    2025年7月25日
    このレビューはネタバレを含みます▼ ゲイで人見知りの高校教師が、進路を決めない生徒の相談役として親身になるうちに、その生徒に懐かれ、自分も意識してしまう恋のお話。
    教師と生徒といういわゆる禁断の恋模様を描いた作品ですが、本田の大人の節度と、恋愛初心者のようなウブな反応が光ります。また、同じように、生徒として距離を詰め、先生の迷惑にならないようにと遠慮がちにしながらも、時には強引にアピールする遠藤の大人びた雰囲気も素敵でした。ここまで徹底して世間のルールを守っている禁断の恋愛もないのではと思う程、真面目な展開です。
    でも、互いの立場や将来を考え、貫いたその姿勢にこそ、相手を大切に想う気持ちが込められていて、とてもいい作品だったと思います。
  • Daisy Jealousy

    おげれつたなか

    嫉妬する気持ちとの折り合いのつけ方
    ネタバレ
    2025年7月24日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 専門学校時代に才能に嫉妬していた相手と、社会人になり再会し、恋人になるまでの複雑な気持ちを描いたお話。
    ゲーム業界で働く三咲と要。学生時代から天才的な才能を発揮し続けるコミュ障の要は、仲良くなった三咲を一途に想い続ける。かたや三咲は、同じものが好き同士で仲良くなればなる程、努力では追いつけない要の才能に嫉妬して劣等感に苛まれる。そんな二人が、仲良くなっては破滅してを繰り返すのが読んでいてとても苦しいお話でした。
    多くの人が、三咲のやるせなさに共感するであろうこの作品。好きなものだから頑張りたい気持ちを才能という武器で木っ端微塵に砕かれて、何度も何度も落胆し、自己嫌悪で落ちていく。三咲と要は好みが似ているからこそ余計にその凄さも分かってしまう。要の悪気のない行動にも苛立ってしまう。全部捨てて、落ちるところまで落ちてもなお、忘れられなかった好きの気持ちを大切にしてくれた三咲の頑張りは、才能以上に価値があったのではと思いました。
    二人は恋人同士になりますが、やっぱり一番近くでその才能を見続けることは私には苦行に感じられました。プランナーとして、要以上に三咲が成功をおさめられたという結末ならもっと手放しで喜べたと思いますが、この過程を見ている限り、こういう関係性は多少なりとも距離があった方が精神的には楽な気がします。
    三咲の気持ちなり、コミュ障の要の気持ちなりは丁寧に描かれていましたが、何となく三咲のやるせなさが消えないままなのではと感じてしまいました。恋愛の好きと才能への嫉妬の折り合いのつけ方を深く考えてしまう作品です。
  • ネオンサイン・アンバー

    おげれつたなか

    心の痛みに寄り添える作品
    ネタバレ
    2025年7月23日
    このレビューはネタバレを含みます▼ クラブのホールスタッフの男といつも違う女を連れたクラブ常連の褐色肌のギャル男。ロッカーの鍵をなくしたことがきっかけで、朝食を作ってもらう関係になり、互いに惹かれていくお話。
    ひょんなことから距離が近づいたサヤとゆうすけ。傷ついてきた過去を持つからこそ人の表情に敏感なサヤの何気ない理解が、ゆうすけの心を急速に惹き寄せていきます。しかし、そんなサヤに救われたゆうすけは、逆にサヤを傷つけてしまったことに苦しみます。心がリアルな感触についてこれなかったのは、同性同士の恋愛における現実的な問題で、サヤにとっては諦めが色濃くなるショックな出来事だったと思います。
    傷つけたゆうすけも、自分の心と向き合うことをやめずに、伝え続けてくれたのが良かったです。互いに、周囲の何気ない一言に傷ついてきた者同士、それぞれの心に優しく寄り添った結果、二人が幸せになることが出来てホッとしました。この心の機微を丁寧に描いてくれる作者様の力量が本当に素晴らしいと思います。
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  • ヒメにいはおぢさん

    えだちほほ

    絶妙に気持ち悪くて最高にエッチ
    ネタバレ
    2025年7月23日
    このレビューはネタバレを含みます▼ Hな写真をこっそりネットにあげる裏垢男子大学生と、ベタベタなおじさん構文を送りつけてくるイケメン社長が、リアルで会ったのをきっかけに恋人になるお話。
    小柄で可愛くてエッチに興味津々ななーくんと、なーくん大好きド変態なイケメンおじさんヒメにい。設定も展開もストーリーも最高でした。ヒメにいのおじさん構文のノリも完璧だし、えちの時の言葉責めのねっとり具合も絶妙。最高に気持ち悪いのに、最高に面白くて、最初から最後までずっと笑いっぱなしでした。
    それもこれもヒメにいの暑苦しくて優しすぎる想いがあったからこそ。こんなにずっと大好き、チュッチュとされ続けたら、なーくんも絆されちゃうよなぁと思いました。エッチに興味津々で寂しがりやななーくんにはこれぐらいなーくんをねっとりと愛してくれるヒメにいがお似合いだったような気さえしてきます。そして、そんななーくんがヒメにいを雑に扱うやりとりもものすごく面白かったです。
    また、えちシーンもとにかく秀逸。エロさといやらしさと面白さの塩梅が絶妙で、ヒメにいの興奮具合とか、なーくんの気持ち良さが全部伝わってくるようでした。えち多めなのに、様々なプレイで飽きることなく楽しめるように工夫されていて、見せ方も抜群。えだちほほ先生の作品のえちは、とにかく気持ちよさと多幸感に溢れていて、えちの良さがものすごく伝わってくると思います。
    絵柄や世界観も含めてえだちほほ先生が推しの先生になる程、大好きになりました。他の方のレビューもおじさん構文で盛り上がっていて、新しい楽しみ方を教えてくれたような気がします。今後の作品も期待しています。
  • Ghostdog(合本版)

    小野浜こわし

    渋いイケオジがてんこ盛り
    ネタバレ
    2025年7月23日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 閉店間近のバーにやってきた喪服の男とその店のバーテンダー、二人の過去が複雑に絡み合いながらも互いに惹かれていくお話。
    イケオジ好きには堪らないこの作品。出てくる人物たちみんなオジさんなのに、渋みだったり、陰だったり、色気だったり、エロさだったりと、ありとあらゆるオジさんの魅力に溢れています。暗く重苦しい過去とバーという夜の世界がとても良くマッチしていて、全体に漂う世界観が本当に素敵でした。
    ストーリーもとても面白いのですが、少々登場人物が多めで複雑なので、もう少しスッキリしていると読みやすいかなとは思いますが、それぞれが抱える闇を丁寧に繋げているのは感じられました。この独特の世界観と絵柄は作者様ならではなのかなと思います。ぜひ今後も渋み全開のイケオジをたくさん描いて欲しいです。
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  • 僕だって君がいなけりゃたぶん。【電子限定特典付き】

    蔓沢つた子

    初めての性癖
    ネタバレ
    2025年7月22日
    このレビューはネタバレを含みます▼ いじめられっこの転校生とその転校生を助けたド変態の人気者。小学生の頃からニコイチな二人が恋人になるお話。
    いじめられっこのシオンとそのシオンのふにゃチンを気に入ったレオ。一見すると上下関係なのかなと思いましたが、二人か一緒にいる様子は対等で、親友のような関係性でした。ただ一つ普通と違うのは、レオがふにゃチン好きで、そのまま体の関係になってしまったこと。そんな二人がお互いをどう思っているかを改めて言語化するストーリー。
    意識していなかっただけで、シオンとレオの想いは恋人同士のような関係性なのは間違いなし。それを見てるだけでも楽しいですが、二人が机を並べて勉強したりと切磋琢磨する様子に、二人の仲の良さだったり、相性の良さを感じました。エロさより、そういうほのぼのシーンが好きだなと思える作品です。
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  • 好物は愛しいあなたの腹のなか 【電子限定特典付き】

    蔓沢つた子

    問題児CPの成長がアツい
    ネタバレ
    2025年7月22日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 「好物はいちばんさいごに腹のなか」シリーズ4作目、正親とグリムのその後のお話。
    CPとして一番問題のあるくっつき方をした二人ですが、今作では強い絆を感じられることが出来ました。正親は好物シリーズの誰よりも売れっ子で、頑張り屋で、寂しがり屋。だからこそ、今作のように仕事とプライベートのバランスがボロボロになってしまったのかなと思います。誰よりも人間らしいその悩みと疲労がとても丁寧に描かれていました。そして、そんな正親を再び大人の包容力で包みこんだグリム。本当に素敵なCPに成長したと感じました。また、えちの時の激しさはNo.1。甘えん坊な正親が本能のままにオスになる姿がやっぱり最高でした。ずっと続いて欲しいシリーズです。
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  • 好物は真夜中のうちに腹のなか 【電子限定特典付き】

    蔓沢つた子

    グリムの大人な対応に安心感がある
    ネタバレ
    2025年7月22日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 「好物はいちばんさいごに腹のなか」シリーズ3作目、人気俳優正親とラジオパーソナリティグリムのお話など、米蔵一家三世代のお話。
    若者世代最後の一人、正親が憧れのグリムを恋人にするお話がメインです。今までのCPに比べ、じっくり描かれていたのは嬉しかったものの、始まり方にはちょっと嫌悪感がありました。興奮剤入りのタバコを吸わせて、そのままえちに持ち込むという正親のやり方は、いかがなものかなと思います。しかも、その事故をグリムのせいにしてしまうやり方や、策略的な考え方が悪どく、絆されかかっていても真実を知ったら嫌われること間違いなしの手法に呆れてしまいました。そんな正親を二つ返事で許して、受け止めるグリムの懐の広さに感服。子供のいたずら程度だと一蹴し、こんな自分を選んでくれるのならと正親の気持ちに応えたグリムが素敵でした。慎重で大人なグリムだからこそ、うまくいったCPだと思います。
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  • 好物はこっそりかくして腹のなか 【電子限定特典付き】

    蔓沢つた子

    ノアとカズイの子供たち
    ネタバレ
    2025年7月16日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 「好物はいちばんさいごに腹のなか」シリーズ2作目、ノアとカズイの子供たち3人のそれぞれの恋のお話。
    三者三様のCPたちの恋模様。ノアとカズイの子供だなぁと感じる部分もありながら、今作も楽しく読みました。やっぱり猫人間、可愛すぎです。フェロモンで発情を誘ったり、尻尾で感情を表現したりと、猫特有の動きがとにかくキュンとします。色々なCPが見れるのも楽しみの一つです。3作目も楽しみです。
  • 好物はいちばんさいごに腹のなか

    蔓沢つた子

    猫人間可愛すぎる
    ネタバレ
    2025年7月16日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 猫を先祖に進化した、オスもメスも関係なく子供を産める世界で、子種を漁る雑種とイケメンモデルの純血種が結婚するお話。その他2CPのお話。
    とにかく設定が可愛いです。猫耳と尻尾の付いた姿は本当にファンタジー。人間の姿だし、生活習慣も人間と同じなのに、何故かどことなく猫っぽい。そして、毛並みや顔立ちで純血と雑種の違いを表現出来ていて、上手いなぁと思いました。
    そして、サビ猫のオスが超貴重種だということもはじめて知って勉強になりました。猫の奥深さと可愛さが楽しめる作品です。
  • お前にだけは好きって言わない【単行本版(電子限定描き下ろし付)】

    橈やひろ

    スピン元よりキュンがある
    ネタバレ
    2025年7月16日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 「ビッ チなあの子の言うとおり!」のスピンオフ、楓プロデュースのアイドルグループのメンバーが恋愛するお話。
    クールな悠真とおバカな南実。正反対な二人だけど、だからこそお互いにハッとさせられる部分があり、惹かれ合っていきます。スピン元は勢いえちからの相性の良さで長く付き合える二人となったけど、こちらはもっと恋愛の手順を踏んでいる感じでした。キュンとする自分に戸惑ったり、嫉妬したりして、互いの心が惹かれ合う様子が良かったです。悠真の溺愛っぷりに愛を感じられる作品です。
  • 化け猫かたって候

    早寝電灯

    見る視点で変わる物語の意味
    ネタバレ
    2025年7月15日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 疲れ切って死にかけの社畜リーマンが、家に帰る途中でたまたま入った寄った寄席で、講談の魅力に惹き込まれる。すると、講談師が急に化け猫に見え、それがきっかけで結婚を迫られるお話。
    身も心も疲弊していた時に心を動かす講談を聞いた草太。その講談師がまさかの化け猫で、異種間婚姻を結ぶ展開がとても面白いです。それまでは死んだような表情をしていた草太が、喜八に出会って、驚くような物語の一員に引き込まれ、人間らしい心を取り戻していく。物語を聞いて心を動かされることや、物語の一員になって刺激を受けること、そして、自分自身も物語を紡ぐこと。生きてることを力強く実感した気がしました。
    草太と喜八は恋愛としてより、人として惹かれ合っている感じがしました。なので、BLっぽさは少し薄めで、人間と妖怪という異種間同士でありながらも、共感し合えるものを共有しているように思いました。その辺が少々小難しかったですが、作品としては面白かったです。
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  • にいちゃん

    はらだ

    なるほど、大問題作です
    ネタバレ
    2025年7月14日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 幼い頃、近所のにいちゃんに手を出された男の子が、成長してからもそのにいちゃんのことが忘れられず、街を徘徊してようやく再会出来たものの、昔とは違った関係性になってしまったお話。
    多くの人から、「にいちゃんはメンタルが大丈夫な時でないと読めない」と聞いていたこの作品。確かに、これは読後感がものすごく悪くなる前代未聞のお話だと思います。
    BLはファンタジーとは言えども、この作品が切り抜いているのは同性同士の愛でも、年の差の恋愛でもなく、はっきり言って犯罪です。おじさんがにいちゃんにした犯罪が、にいちゃんやにいちゃんの家族だけでなく、まいこやゆいすらも巻き込んで苦しめる結果になってしまっているのに、当の本人は何事もなかったかのように、また新しい家庭を築き、子供を作っていることが何よりも許せなかったです。これはBLではないし、ショタ好きという性癖であり、犯罪です。
    にいちゃんがさらに不幸だったのは親が毒親だったということ。田舎のいいとこの坊っちゃんだったが故に、世間体という常識をぶつけられ、人格形成が破壊されるほどの躾を受けて育つ。そんな過程が、愛着を愛憎として歪ませていったことは一目瞭然。ゆいの親は一般的な親だと思いますが、事件を全てにいちゃんのせいにしてしまったのが良くない。ゆいは鍵っ子で淋しかったんじゃないでしょうか。にいちゃんもゆいも、ただ好きでいることを否定され、なぜそれがダメなのかが分からなかったからこそ、愛情をこじらせてしまったような気がしました。
    とは言え、淋しい子供心につけ込み、楽しく過ごすことで安心感を与え、愛情の行為として性的搾取をするそのやり方は、善悪の判断が乏しい子供に対しては犯罪なのです。ゆいの目線で物語が進むので、恋愛的感覚に囚われてしまいますが、これは愛ある関係性ではないのです。最終的ににいちゃんとゆいはくっつきますが、薬に頼り、親にも言えない後ろめたさを感じている二人の未来は破滅的だと感じました。
    ありとあらゆる意味で、この作品を描いたのはチャレンジでしょう。作品の完成度は高くても、倫理的観点から高評価にはしづらいです。逆に、これは犯罪で、こうやって繰り返されるという啓発漫画だと思います。何度も言いますが、これはBLではなく、犯罪です。
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