宵のきみにキス
」のレビュー

宵のきみにキス

水玉ミズ

ヨリ君、おめでとう。

ネタバレ
2025年4月2日
このレビューはネタバレを含みます▼ 私の勝手な印象では、真面目でおとなし系のレビュアー様が、熱気ある感想を載せてらしたので、思わず手に取った作品です。
肌の君、種の者、当ての者と云う不思議な設定で物語は始まります。 子を成すのはオメガと同じ。 肌の君の王子であるユイは18歳。 発情を促す相手に選ばれたのは、何と乳兄弟で幼なじみのヨリでした。 いくら王命令とはいえ、密かにユイを好きなヨリの気持ちは複雑。 だって、好きな相手を発情させて、種の者である誰かに渡さなければならないのですから。 幼なじみであっても、所詮は主従関係のユイとヨリ。 末路は互いに分かっているのに。 そして、互いの気持ちも分かっているから、読者としては切ない。
けれどぉ。 肌の君の王子は、決して悲劇のヒロインではありませんでした。 己の気持ちをまっすぐに表現出来て、敷かれたレールを平気で取っ払う、美しくて強い若者でした。 さらに、この二人。 実は最高の相性の定めの者だったのです。 これでもかって位に辛い思いを張り巡らせた後の、最高のエンディング。 ヨリ君の尊い思いが報われて良かったです。
いいねしたユーザ13人
レビューをシェアしよう!