愛せよバケモノ
」のレビュー

愛せよバケモノ

つきづきよし

愛すべき存在

ネタバレ
2025年4月2日
このレビューはネタバレを含みます▼ 作品紹介とイメージが違い、涙が滲むようなお話。
偏差値72の学校も、まともに勉学せずの学校も、どちらも腐って雑音が多いけど、その中で前者から後者に転校した礼司と、後者に在籍するアキラが出会い、高校最後の1年を共に過ごし惹かれ合った二人。どちらも家庭と折り合いが悪く孤独だけど、礼司は医者になる目的とその環境もあり、アキラや周りの同級生は落ちてくばかりの生活。アキラが礼司の思いを受けられず、礼司を頼らず連絡を断ち、会わせる顔がないと思う生活の中で、再び礼司と再会し心に燻る想いが表に出て自分でも気付いてしまうのが切なく、そんな生活に陥るアキラや若者の不遇や未熟さの悲しみが深々と伝わってくる描写、、。礼司がアキラにかけた言葉や偽りない誠実な気持ちが沁みてきます。
アキラと礼司がお互いに相手に寄せる想いは濁りなく純粋で、そこには愛があり、バックグラウンドと無関係に惹かれ合う二人の関係がしっくり馴染んでてすごく良いです。
どこか優しさの滲む魅力的なキャラと描写で作品全体に雰囲気があり、「MY HOME・・」も好きな作者さん。こちらの作品も良かったです!
彼らのこの先の展開もすごく読みたいです。
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