このレビューはネタバレを含みます▼
こちらは発売当時話題になっている時に読みました。映画化もされ、また昔から何度も舞台で上演されていますね。
妖しい“秘密基地”で行われる、思春期という危うい年頃の少年たちのサバト…、とでも言いましょうか。そんな退廃的でアンダーグラウンドな世界観は結構好きでした。
ただ、何しろグロ描写が多い…!学ランの美少年たちにホイホイ釣られて購入してしまいましたが、読んでいると自分も痛くなってきて、正視できないシーンが多かったです…。
しかし、この作品はグロ描写ありきなんですよね。それがなくなると物語が意味を成さない。
その上、結構皮肉が効いております。少年たちは美しいものを好んで醜いものを嫌い、大人になることを強く拒んでいる。だというのに、いちばん綺麗な容姿を持っているジャイボ、彼にいちばん早く二次性徴(この作品の中では醜いものとされている)が現れてしまう。
そして絶対的な帝王たる存在だったゼラは、彼を最も狂信していたニコに裏切られることに…。何というエグさ。
前述の通り、グロ描写に耐性がない方はやめておいた方が無難かもしれません。この作者様の絵柄も好みが分かれると思いますが、私は好き。どこか昭和っぽいレトロさがあり、ノスタルジックで妖艶です。過激ではないですがBL要素もあり。
舞台と映画は観ていないのですが(グロいから)、物語がどこまで再現されているのかちょっと気になってしまう…。