このレビューはネタバレを含みます▼
古川さん買いです。
一冊で終わるには惜しいとても引き込まれる話でした。
ホムンクルス(錬金術師が造る人造人間)を労働力としている国が舞台。
禁忌を犯し処刑された稀代の天才 大錬金術師シリルの忘れ形見である弟子(ヨシュア)と最高傑作ホムンクルス(ココ)の話。
心のありかを問うテーマなのかな。シリルが遺した物まで処分対象となる危機的状況下の緊張感ある物語は、シリルに育てられた孤児ヨシュアと所有者達のホムンクルス愛の温度差とかから、尊い父子・師弟関係が浮き彫りになり、喪失感を抱えながら立ち進むヨシュアの姿には心を打たれ。
反面、ココが心の無いふりをしながら心ある人間のふりをするというユニークな状況や心の育ち方や脇役二人の関わり方など魅力満載の明暗ある展開を心地よく楽しめました。
四人のこれからの旅に加え、ヨシュアを育てる事で愛を知ったシリルの子育て話や親友との旅話など、もっと知りたいことがたくさんです。
青や翡翠色に輝く鉱石をカラーで見たかったな~
ココ無くしては語れない話だけに、ココとシリルについて書きたい事が山程浮かぶのに、書いてはダメな気がしてかな~りもどかしい笑