このレビューはネタバレを含みます▼
千弘×かなた リーマン同士の恋。
ふつう、と評価されがちなくらのね先生。私は先生の作品はクーポンなくても全部買っています。たしかに、胸がギューッとなったり、泣きそうになったり、感情の起伏はほぼありません。日常のどこかにあるようなジェンダーな人たちのお話です。
でも、本棚にある書籍を眺めてふと手にとると、物語が完結してしまうまで読んでしまう、という不思議な力をもつ先生です。おだやかでありながら、惹かれてしまう作品たちです。
さて、漫画のストーリーですが。主人公かなたにはセ.フレがいます。ベッドシーンで構成された本、といってもいいでしょう。そんなおり、相手がつかまらずもう一人増やすか、という状況でマッチングしたのが千弘です。のちに明かされるのですが、ふたりは高校の同級生でもあります。モテていた千弘ですが、カミングアウトしないまま、純粋でピュアな大人になっていました。自分好みに成長させようとするかなたの思惑どおり、千弘はテクニックを磨いていきます。そして、お互いが好きになってしまうというお話です。
たくさん漫画を読んでいるひとには物足りないかもしれません。そんな話はありふれていますから。
それでも。箸休めに、おだやかな感情になりたいとき、ピュアがえりに、おすすめしたい1冊です。