蛍火艶夜
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蛍火艶夜

amase

人の目を気にしないと生きられない

ネタバレ
2025年4月21日
このレビューはネタバレを含みます▼ この人が好きだから恥をかいても良い、という価値観はおそらくこの作品には出てきません。飛曹兵として軍人として、強く猛々しくかっこよくないといけない精神が根底にあります。性の衝動に駆られても、同性の同僚と関係を持ってもそれは隠さないと生きられない。自分だけでなく、所属する軍や銃後の家族の面子を保つにも。
そうした時代観の違いが分かる描写も多い一方で、人懐っこく初心な男の子に対して湧く愛しさ、掻き立てられる性欲には共感しまくりました。本当に志津摩くん可愛い。そして自らが死んでもなお人の心を惹きつけて離さない魔性の男。
あとは日本男児の体型を描くのがうますぎる。しっかり骨太で手足と首短めで、筋肉質。素晴らしい。また、シリアスなシーンと行為シーンがちゃんと地続きになっているところに物語の一貫性を感じてすごく好きでした。作者さんはこの説得力を出すのにどれだけお勉強したんだろうか。久しぶりに買った商業誌でしたが本当に大満足です。
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